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『臨場 劇場版』(2012)

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『臨場 劇場版』(2012)
原作:横山秀夫 監督:橋本一 脚本:尾西兼一
出演:
【警視庁刑事部鑑識課】
倉石義男(検視官):内野聖陽
倉石雪絵(倉石の亡妻):京野ことみ(写真)
小坂留美(検視官心得):松下由樹
永嶋武文(検視補助官):平山浩行

【警視庁刑事部】
立原真澄(捜査一課 管理官):高嶋政伸

【神奈川県警察】
仲根達郎(刑事部捜査一課 管理官):段田安則

浦部翔太(浦部の息子):外波山流太
浦部謙作(地域課 駐在所勤務):平田満

【通り魔事件の関係者】
関本好美(被害者):前田希美
関本直子(好美の母親):若村麻由美

波多野進(通り魔事件の犯人):柄本佑

安永泰三(横浜医大法医学教室教授・倉石の恩師):長塚京三
高村則夫(波多野の弁護人):菅原大吉
加古川有三(波多野の精神鑑定を行った精神科医):デビット伊東
ほか

trailer

ドラマ版を観てないけど、劇場版がテレビでOAされたので観てみた。
内野聖陽さんと言えば、ドラマ『JIN~仁』の坂本龍馬役のイメージしかなくて、
その後、現代劇を観た時に違和感を感じたまま
このシリーズでも熱い男を演じているのね。セリフ回しに若干、昭和な雰囲気を感じたのは私だけ?w

ドラマ『JIN~仁』全11話(2009)
内野聖陽さんがゲスト@あさイチ

 

検視官は、変死体の状況捜査をする鑑識課の警官。
哲さんが『ATARU』で演ってた鑑識課・科捜研とどう違うのか、なんで同じ警察官なのに捜査に加わっちゃいけないのか、
組織ってフシギなことがたくさんあるんだ。

▼story(ネタバレ注意
平和な街中にバスが突っ込み、中から血まみれの男・ハタノが出てきて無差別殺人を起こす。
バス内で2名、外で2名が死亡。
しかし、刑法39条によって無罪となり、警察内の病院に送られた。
被害者ヨシミの母ナオコは「人を殺して、なぜ無罪なんですか? おかしいじゃないですか?」とハタノを激しく憎む。




2年後。
精神科医・加古川の変死体を見た検視官・倉石は、弁護士・高村の遺体検死結果との共通点を見つける。
(コンパスを使って傷の確認とかしても、現場検証はしちゃいけないの?

2人とも刃物による出血多量死。推定時刻は昨夜6~8時と出たが、肝臓の温度(!)からは8~10時と推定。
動脈を狙って刺していて、素人の犯行とは思えない。

この2人が2年前の事件に関わっていたことが分かり、東京と神奈川の合同捜査となるが、なかなか足並みが揃わない。
被害者の3回忌合同法要に倉石も出席すると、ナオコが追ってくる。

「2年経ってもまだ分からないんです。娘があすこに行く理由がない。
 みんな事件のことをなかったかのように忘れている。
 私の育て方が間違っていたのか、と思うと生きるのが辛い。そんなことの繰り返し。

 それもみんなアイツのせい。アイツは今も生きている。責任能力って何ですか?
 なぜアイツは保護されて生きてるんですか? 病気なら人を殺してもいいんですか?
 結局、みんな分かってくれないんです。教えて下さいヨシミの最期の声を。
 私が生きていけるような言葉をちょうだい

ナオコら被害者家族の復讐殺人では?と疑う神奈川県警察・仲根達郎刑事に
倉石「死体を細工するような人間が遺族にいるワケないだろ? 2人に恨みを持つ人間が他にいるのでは?」

8年前、女性が殺され、浦部翔太という容疑者が逮捕され、仲根の執拗な取調べで自白し、
公判中に拘置所で首吊り自殺した。その後、真犯人が逮捕され、翔太は無実と分かった。
彼の父・謙作は警官で、事件後も辞めずに、町の交番勤務を続けていた。倉石が訪ねると、

謙作「警官を続けているのは、息子の精神鑑定を許した自分への罰だ」と言う。


ハタノがヨシミの墓参りをしたいと申し出て、それを受諾した夫にもあたるナオコ。夫婦仲も最悪に。

倉石は、恩師で、横浜医大法医学教室教授・安永泰三を訪ねる。
彼は外科医だった頃、忙しかったため、妻がこころの病に罹っていたのを知りながら助けられなかった。
妻は手首を切って自死。妊娠していたことが後で分かった。
「私は死にたくない!」という叫びを聞いてあげられなかった後悔に今も苛まれている。



倉石が倒れて緊急入院し、かけつけた小坂(倉石の部下)らは、
以前から気になっていた被害者のスーツのシミがお茶ではないと気づく。


行動を監視していた浦部が消えた。
「これから(墓参りに外出する)ハタノを殺す。40年間沈黙してきた私の復讐だ」

 

倉石も病院を飛び出し、浦部に撃たれて負傷したハタノが逃げ込んだ教会に向かう。
そこには安永もいた。

安永は末期がんで余命半年と告げられていた。倉石も同じ病。

安永「私は残りの人生をどうするか、この歳になっても分からない。
   あの裁判の時、ハタノが笑ったのを見た。アイツは正気だったんじゃないか。「詐病」=病気のふりをすること。
   加古川に聞きに行くと“精神鑑定などは十人十色だと思っています”、弁護士も同様に軽い態度。
  (加古川は有名事件をスクラップして集めていて)2人は自分の利益、権威、金銭を優先していたんだ」

倉石「オレのとは違うなあ。もの言わぬ死者の声に静かに耳を傾けると教えてくれたのはあんたのお陰だ。
   だが今は死ぬのが怖くてあがいてるくだらねえ男にしか見えねえ。
   オレはあの世からお迎えが来るまで精一杯生き続ける。罵られようが関係ねえ。
   ユキエ(亡くなった妻)とまた会えたら、お前の分まで生きたぞ、どうだ!って言う」


倉石はナオコに会う。
「オレは人を救うことなんてできるワケがねえ。ただ、この町のどこかに娘さんの最期の言葉が残されているのかもしれねえなあ」




************************************

小坂「人はそんなにカンタンに人殺しができるものじゃありません」てセリフがあった。

以前、母と一緒にこういった悲惨なニュースを見ていた時、
母が「もし自分の子どもがこんな目に遭ったら、絶対、犯人を殺してやる」って断言してて、背筋が寒くなった

私には子どもがいないから実際の気持ちは想像できない。
でも、子どもを産んだ母親の気持ち、一生懸命育てた父親の気持ちってそんなに強い憎しみに変わるものか?

私は、たとえなにかの犠牲者側になっても復讐してくれなんて絶対望まない。
体はなくなっても、魂は生き続けて、命は巡り、死後の世界も、現世に負けず劣らず素晴らしいと信じているから。

死への恐怖は人それぞれ。
その時になってみなきゃ自分にも分からない。
残された側の喪失感は想像を絶するけれども、
唯一分かるのは、復讐心は誰もハッピーになれないってことだな。



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