■『十五少年漂流記』(『二年間の休暇』)(1888)(福音館書店)
ジュール・ヴェルヌ/著 太田大八/画 朝倉剛/訳 1968年版
以下は当時読んだ時に書いた感想メモです。
**************************************
▼あらすじ(ネタバレ注意
いきなり15人の少年が嵐と闘う場面から始まって物語りに吸い込まれる。着いた陸地は無人島
彼らはイギリス植民地ニュージーランドの首都オークランド市のチェアマン寄宿学校に通う裕福な家庭の子どもばかり。
2ヶ月間の休暇にスラウギ号で海岸をひと周りする航海の予定が、
水夫が乗る間もなく港を離れて流され、漂流してしまった
おどけ者のサービスの愛読書『ロビンソン物語』がよく引き合いに出る。
スクーナーは朽ちたが、物資はほとんど持ち出せたのが幸運だった。
几帳面で開拓精神の強いゴードン(唯一アメリカ人で最年長14歳)が総数を記録し、
もっとも誠実で勇敢、子ども想いのブリアン(フランス人)が崖から見渡して島だと判断する。
彼に対抗心を燃やす、勇敢だが妬み深い優等生ドニファン(イギリス人)は、もう一度調査に出かけ、
1807年に漂着して死んだフランス人の死体と洞穴を発見し、「フレンチ・デン」と名付ける。全体地図も見つける。
荒れる一方のスクーナーを離れて、筏でフレンチ・デンに移り住む。
石灰岩を削ってドアをつけ、隣りにも大きい洞穴を見つけて、食堂、寝室、大広間をつくる。
初代大統領をゴードンに決めて、地図のそれぞれに名前をつける。
狩猟マニアのドニファンが動物を撃ち、見習い水夫で黒人のモコがコック長(なぜ黒人はいつもコックなんだろう???
彼が焼肉だけでなく、塩漬け川魚や貝、植物で香りを添えたスープを作るのがスゴイ。
サービスはレアを飼おうとして逃がしてしまう。
代わりにヤギに似たビクーニャを捕まえて乳を搾り、ラクダのグアナコを馬代わりに働かせる。
5~6月が真冬で、脂の補給にアザラシを撃ち、煮て浮いた脂をすくう。
xmasは盛大に祝い、普段は下級生に勉強を教え、スポーツにいそしむ
東への探検に出た時、ブリアンは陽気なジャック(弟)が1人離れていた理由を知ってショックを受ける。
次期選挙で大統領になってからは、危険で苦労な仕事はいつも弟と引き受けるようになる。
スケート大会でドニファンらが霧で迷った時も、ジャックが行き、熊に追われて戻った。
とうとう2度目の冬の終わり、ドニファンらは別居計画を実行する。
そして海岸に漂着したアメリカのランチ「セバーン号」を発見する
一方ブリアンは、漂流者の1人ケイトを発見。
彼女は水夫に船を乗っ取られた挙句、火事と嵐に遭い、善良な機関長イバンスは捕虜となり、悪者7人が島に上陸したと話す。
ドニファンを連れ戻しに出たブリアンは、ジャガーと闘い、2人の少年の対立はなくなる。
いつまでも脅えてフレンチ・デンに閉じこもっているわけにもいかず、
ブリアンは「空の巨人」タコに乗り、夜中に偵察する案を出す。
ジャックは船の綱を解いて沖に流れたのだと告白。
「弟の過ちを兄が償っても構わないだろう?」
上空でブリアンは、キャンプの灯りと、東のかなたに火山の明かりを確認する。
嵐の夜に悪者から脱走してきたイバンスと再会。
タコのせいでフレンチ・デンまで見つかってしまったと話す。
しかも、チェアマン島は、実は南アメリカ西側の群島の1つ、アノーベル島で、
ランチを取り戻せば、マゼラン海峡を通って、本国へ戻れる希望があるという。
この辺の記述には世界地図が欲しい。p467~
イバンスの言う通り、悪者は難破したフリをしてフレンチ・デンに泊まり、襲われて捕虜となるフォーブス。
偵察に出たうち、とうとうブリアンを助けたドニファンが胸を深く刺されてしまう
その上、フレンチ・デンも占領されて、あっさり敗れたと思いきや、
フォーブスが子どもらを助けて、自分はナイフで刺される。
あっという間に好転。悪者は皆命を落とした。
ランチは修理され、ドニファンも回復する頃、約2年間過ごしたチェアマン島を出航する一同。
途中、大きな汽船に拾われて、無事に帰国し、驚異の物語を講演で語り、
日記は各国語に訳されて出版、ラストは教訓で締められている。
「どんな危険におちいっても、秩序と熱意と、勇気をもってすれば必ず乗りきれる」
*************
正月中、5日間ほどで読破。少年らの小社会生活が生き生きと描かれていて、アッという間だった。
しかし2年間、ホームシックのことはほとんど触れられていない。
寄宿制で親から離れた規律正しい生活に慣れているせいかな?
ヴェルヌは、国境と人種差別を乗り越えた世界平和を望んで書いたという。
「女性とは、本来、編み物、料理が好きではないか!」なんてセリフはちょっと聞き捨てならないけど
「みんな子どもだが、大人のようにふるまおう」
重要な登場人物の1人に犬のファンが大活躍していたことを特筆せねばならない。
ジュール・ヴェルヌ/著 太田大八/画 朝倉剛/訳 1968年版
以下は当時読んだ時に書いた感想メモです。
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▼あらすじ(ネタバレ注意
いきなり15人の少年が嵐と闘う場面から始まって物語りに吸い込まれる。着いた陸地は無人島
彼らはイギリス植民地ニュージーランドの首都オークランド市のチェアマン寄宿学校に通う裕福な家庭の子どもばかり。
2ヶ月間の休暇にスラウギ号で海岸をひと周りする航海の予定が、
水夫が乗る間もなく港を離れて流され、漂流してしまった
おどけ者のサービスの愛読書『ロビンソン物語』がよく引き合いに出る。
スクーナーは朽ちたが、物資はほとんど持ち出せたのが幸運だった。
几帳面で開拓精神の強いゴードン(唯一アメリカ人で最年長14歳)が総数を記録し、
もっとも誠実で勇敢、子ども想いのブリアン(フランス人)が崖から見渡して島だと判断する。
彼に対抗心を燃やす、勇敢だが妬み深い優等生ドニファン(イギリス人)は、もう一度調査に出かけ、
1807年に漂着して死んだフランス人の死体と洞穴を発見し、「フレンチ・デン」と名付ける。全体地図も見つける。
荒れる一方のスクーナーを離れて、筏でフレンチ・デンに移り住む。
石灰岩を削ってドアをつけ、隣りにも大きい洞穴を見つけて、食堂、寝室、大広間をつくる。
初代大統領をゴードンに決めて、地図のそれぞれに名前をつける。
狩猟マニアのドニファンが動物を撃ち、見習い水夫で黒人のモコがコック長(なぜ黒人はいつもコックなんだろう???
彼が焼肉だけでなく、塩漬け川魚や貝、植物で香りを添えたスープを作るのがスゴイ。
サービスはレアを飼おうとして逃がしてしまう。
代わりにヤギに似たビクーニャを捕まえて乳を搾り、ラクダのグアナコを馬代わりに働かせる。
5~6月が真冬で、脂の補給にアザラシを撃ち、煮て浮いた脂をすくう。
xmasは盛大に祝い、普段は下級生に勉強を教え、スポーツにいそしむ
東への探検に出た時、ブリアンは陽気なジャック(弟)が1人離れていた理由を知ってショックを受ける。
次期選挙で大統領になってからは、危険で苦労な仕事はいつも弟と引き受けるようになる。
スケート大会でドニファンらが霧で迷った時も、ジャックが行き、熊に追われて戻った。
とうとう2度目の冬の終わり、ドニファンらは別居計画を実行する。
そして海岸に漂着したアメリカのランチ「セバーン号」を発見する
一方ブリアンは、漂流者の1人ケイトを発見。
彼女は水夫に船を乗っ取られた挙句、火事と嵐に遭い、善良な機関長イバンスは捕虜となり、悪者7人が島に上陸したと話す。
ドニファンを連れ戻しに出たブリアンは、ジャガーと闘い、2人の少年の対立はなくなる。
いつまでも脅えてフレンチ・デンに閉じこもっているわけにもいかず、
ブリアンは「空の巨人」タコに乗り、夜中に偵察する案を出す。
ジャックは船の綱を解いて沖に流れたのだと告白。
「弟の過ちを兄が償っても構わないだろう?」
上空でブリアンは、キャンプの灯りと、東のかなたに火山の明かりを確認する。
嵐の夜に悪者から脱走してきたイバンスと再会。
タコのせいでフレンチ・デンまで見つかってしまったと話す。
しかも、チェアマン島は、実は南アメリカ西側の群島の1つ、アノーベル島で、
ランチを取り戻せば、マゼラン海峡を通って、本国へ戻れる希望があるという。
この辺の記述には世界地図が欲しい。p467~
イバンスの言う通り、悪者は難破したフリをしてフレンチ・デンに泊まり、襲われて捕虜となるフォーブス。
偵察に出たうち、とうとうブリアンを助けたドニファンが胸を深く刺されてしまう
その上、フレンチ・デンも占領されて、あっさり敗れたと思いきや、
フォーブスが子どもらを助けて、自分はナイフで刺される。
あっという間に好転。悪者は皆命を落とした。
ランチは修理され、ドニファンも回復する頃、約2年間過ごしたチェアマン島を出航する一同。
途中、大きな汽船に拾われて、無事に帰国し、驚異の物語を講演で語り、
日記は各国語に訳されて出版、ラストは教訓で締められている。
「どんな危険におちいっても、秩序と熱意と、勇気をもってすれば必ず乗りきれる」
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正月中、5日間ほどで読破。少年らの小社会生活が生き生きと描かれていて、アッという間だった。
しかし2年間、ホームシックのことはほとんど触れられていない。
寄宿制で親から離れた規律正しい生活に慣れているせいかな?
ヴェルヌは、国境と人種差別を乗り越えた世界平和を望んで書いたという。
「女性とは、本来、編み物、料理が好きではないか!」なんてセリフはちょっと聞き捨てならないけど
「みんな子どもだが、大人のようにふるまおう」
重要な登場人物の1人に犬のファンが大活躍していたことを特筆せねばならない。