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『ドーナツなんかいらないよ』(国書刊行会)

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『ドーナツなんかいらないよ』(国書刊行会)
マーク・アラン・スタマティー/作 徳永里砂/訳

「そうさ。愛があれば、ドーナツなんかいらないよ!」

以前読んだ『3万冊の本を救ったアリーヤさんの大作戦』(国書刊行会)と同じ作者。

  

画面にびっしり描き込まれた都会の景色は、まるで昨日観た『ゼロの未来』とソックリ!
至る所に荒唐無稽な広告、店がひしめいて、隅々までよぉーーーく見ると、
こんなところにまで!って思うくらい皮肉めいた言葉が書き込まれている。

そこには、作者から社会への痛烈な風刺が込められている。
愛があれば、お酒、タバコ、ドラッグ(私の大好きなチョコレートも含めて)などなどは、必要ないってことだ。


▼あらすじ(ネタバレ注意
サムは、ステキな家で暮らし、家族や、大勢の友だちもいたが、ドーナツが欲しくてたまらず、
三輪車に乗って、ひとりで街に探しに行ってしまう。



そこで荷車にドーナツをいっぱい乗せたおじさんに出会う。
おじさんの倉庫には大量のドーナツ!!!



玄関口の階段に座っている悲しいおばあさんは、
「そうさ。愛があれば、ドーナツなんかいらないよ」とつぶやく。



ある日、おじさんの荷車が壊れてしまう。
そこで、荷車いっぱいにプレッツェルを積んだ女性に、荷車の修理を頼む電話をかけてもらう。



あら、フシギ。おじさんと、その女性はひと目惚れ。
2人は結婚して、プレッツェルのお店を開くことにした。
おじさんは言った「ドーナツなんかいらないよ!」

残されたサムは、たくさんのドーナツとともに途方に暮れた。

 

地下室で寝ていたおばあさん。
隣りのペットショップから野牛が逃げ出し、コーヒー工場に突入!
コーヒーが地下室になだれこみ、おばあさんは溺れかかる。「わたしゃ泳げないんだよ!」

サムは、ありたけのドーナツを地下室に押し込むと、
ドーナツがコーヒーを吸って、おばあさんは助かった。

おばあさんは、お礼にサムがもっとドーナツが買えるようにわずかな生活費をあげようとしたが、サムは断る。
「ドーナツなんかいらないよ。僕には愛があるから」


サムは三輪車に乗って、家に帰った。


 


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