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チベットの民話による『石のししのものがたり』(福音館書店)

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こどものとも傑作集92 チベットの民話による『石のししのものがたり』(福音館書店)
大塚 勇三/再話 秋野亥左牟/画

「再話」昔話・伝説、世界の名作文学などを、子供向けにわかりやすく書き直したもの。再話文学。

先日読んだ本の秋野亥左牟さんの絵に感動したから何冊か予約して借りてきた。

『神々の母に捧げる詩-続 アメリカ・インディアンの詩』(福音館書店)

華やかな色使い、大胆な構図、実際にその土地に行った者が描いた民族の暮らしぶりが伝わってくる。


▼あらすじ(ネタバレ注意
父は亡く、母、兄とその妻、弟が住んでいた。
兄は、自分勝手で、家のことをなにからなにまで決めていた。

 

ある日、「お前みたいなマヌケは養っておけないから、どこにでもいってしまえ」と弟に言ったため、弟は家を出て行くことにした。
母は「私もいっしょに出ていくとするよ」と2人はあてもなく歩き始めた。

 

丘の麓に1軒の家を見つけ、誰も住んでいなかったので、そこに住んだ(そんな家あるんだ/驚
弟は丘で焚き木を刈り取って、町で売り、これで暮らしていけると母と喜んだ。



ある日、丘の影に大きな石の獅子があることに気づいた弟は、
「きっとこの山の守り神さまだ。私たちが無事に暮らせるのも、この獅子のお陰に違いない。どうしても、ちゃんとお礼をしなければ」
(山の神さまって考え方が日本人と同じだね

 

弟は町の市場でお祈りのための火を灯す器を買って、
翌日、獅子に丁寧にお祈りを捧げた(五体投地してるところかな?



すると「おまえは誰だね。何が望みかな」と獅子が言った。弟がこれまでのことを話すと、

「よろしい。明日の今ごろ、大きい桶を持ってきてごらん。お前の望みを叶えてやろう」

翌日、桶をもって獅子のところに行くと、

「口の下にもってくるがよい。金を吐き出してやろう。
 しかし、桶が一杯になったら、すぐにそう言うのだ。
 金を1つでも地面にこぼしてはならないぞ」

弟は正直に言って、その金でもっと大きな家を買い、ヤクや羊もたくさい飼い始めた。

 
(すごい立派な家が買えたね。金ってそんなにすごいんだ/驚

その噂を聞いた兄は、妻を連れて、弟の家にやって来て、すっかり話を聞き、
町でなるべく大きな桶を買って、獅子にせっせとお祈りをした。

獅子は少し厳しい声で言った。

「おまえは誰だ。何が望みなのか」

「へい。このあいだ、あなたさまから金をどっさりいただいたものの兄でして。私も金をいただきたいのでございますよ」
(もう言い方からして失敗しちゃったね

獅子は同じように金を落とさないよう言ったが、兄は夢中になって地面に落としてしまった。



獅子は「一番大きい金の塊が喉につかえたから取り出してくれ」

兄が口に手を入れると、獅子はそのまま閉じてしまう。もらった金も石や土に変わってしまった。



心配した妻は、亭主の有様を見て驚き、どうしても手が抜けないので、
毎日食べ物をもって通ったが、働き手がいなくなったため、家は貧乏になり、食べ物もなくなってしまった。

「もううちにはなんにもないのよ。私、この子にお乳を飲ますのがやっとのことだわ」
「ああ、私は腹が空いてたまらない。私もお乳が欲しいよ」



兄は妻のほうに首をのばすと、「はっはっは!」と獅子が笑い、兄の手は抜けた。
兄は弟に、こんなひどい目に遭ったのも、自分が欲張りで、勝手だったせいだと謝る。
弟は、兄たちにも金を分け、みんなで仲良く暮らした。





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