図書館で借りたCDシリーズ。
今回も、ブラック中心に、ジャケ借りしてみました。
●This Here Is Bobby Timmons/Bobby Timmons
ピアノの早弾きが多いジャズアルバム。
【ライナー抜粋メモ~青木和富】
人がノスタルジーを感じるのは、ほとんど“テクノロジー”に対してだ、という興味深い説を最近知った。
音楽鑑賞で言えば、古いSP装置や、管球式アンプなどだろう。
イギリスのある富豪が、未だに電気を使わない大仕掛けのSP再生装置で音楽を楽しむために、
海外から取り寄せた竹をみずから削って針を作っている話を聞いたことがある。
CD拒否者が、古くからのジャズファンに意外に多い。
しかし、多くはレコードという物質へのノスタルジックなこだわりなのだ。
僕もこうしたこだわりはあったが、初めてCDを手にした時、新しいデジタル技術のすごさに目を見張った。
さらに古い録音のCD化で、決定的だという感じ受けた。
本当に音楽を聴くファンなら、SPよりLPを選んだように、このCDを選ぶだろう。
【ライナー抜粋メモ~小川隆夫 1984】
ハードバップがNYのミュージックシーンを席巻しつつあり、
若きティモンズがその洗礼を受けたことは、その後のキャリアに重要な意味を持つ。
1957年、ハードバップを代表する名門コンボ、アート・ブレイキーのジャズ・メッセンジャーズに参加。
1958年、ブルーノートに吹き込んだ『Moanin'』によってティモンズの名は永久にジャズファンの心に残った。
ここに「ファンキージャズ」と呼ばれる一連の作品の原点があり、
以後、ティモンズは、ファンキージャズの代表的ピアニストとして一世を風靡する。
1959年、ピアニスト・作曲家としての地位を不動のものとした。本作品は、ティモンズの初リーダー作品。
1961年に来日。この日が、我が国「モダンジャズ」の夜明けとなった。
彼らが一夜にして日本のジャズシーンを一変させてしまった。
●Jo Jones Trio [Fresh Sound]/Jo Jones-Ray Bryant
♪My blue heaven ほか知っている曲もかなりアレンジしてあるから新鮮に聴こえる。
【ライナー抜粋メモ~岩浪洋三】
ジョー・ジョーンズは、かつてカウント・ベイシー楽団でならした名ドラマーで、
カンザスジャズの雄であり、中間派ジャズの中心人物の一人だった。
モダンドラミングは中間派のドラマーだったジョーが、トップシンンバルで4ビートを刻んだのもキッカケになって生まれた。
ジョーはかつて、ジャズドラムスの教則本とも言うべき2枚組アルバム『ザ・ドラムス』を録音したことがある。
♪My blue heaven は、戦前日本でも流行ったヒットソング。ウォルター・ドナルドソンが1927年に作曲した(日本の歌かと思ってた
「ジャイヴ」は1930年代に黒人スイングとしてッキャブ・キャロウェイらによって生み出された
ハーレムスイングで、ハーレムスピーチのことでもある。ジャンプし、スイングする快調な演奏だ。
「レガート奏法」
●Baltimore/Nina Simone
先日「図書館で借りたCDシリーズ~メンフィス・スリム ほか」でニーナ・シモンの名が気になって借りてみた。
いきなりレゲエでビックリ/驚 レゲエの人なのかと思いきや、あらゆる曲を彼女のものにしている。
ライナーにもある通り、男性かと思えるような低音で、独特な歌唱法。
【ライナー抜粋メモ~池上比沙子】
現代人の特色は、“情報量の多さ”と“物分りのよさ”に集約されるという。
それは管理社会に生きる人間なら、誰もが持っていなくてはならない才能であり、現代を生きる技術である。
あらゆるジャンルの音楽の流行を情報として入手して、物分りよく処理する。
その結果生まれたのが「クロスオーバーミュージック」というわけだ。
ニーナ・シモンというボーカリストは、こうした混乱する現代の音楽流通の中で、
わき目も振らずひたすら自分のスタイルで歌い続ける数少ない音楽家だった。
彼女が用いる素材は、ジャズ、フォーク、ブルース、ゴスペル、ソウルと幅広く、“不器用”という印象とは正反対の器用さを示していた。
そのため後年、ニーナは脱ジャンルの先駆的音楽家だといわれたりもしたが、1960年後期から強めた“アフリカ回帰”のラジカルな姿勢など、
私ははじめから“ノンジャンル”の音楽家だったと思う。
ニーナは、歌手の伴奏者としてプロ入り。音楽院で学ぶかたわら、
ピアニストとしてクラブの歌手オーディションで合格して、弾き語り歌手になった。
ベツレヘム時代から変わらないのは、社会性、精神性の強い歌を、その時代の状況に合わせて歌おうという姿勢。
だから彼女の仲間は、いずれも現代アメリカに新しいアフロアメリカン・カルチャーを根づかせようと試みている表現者ばかりだ。
私は彼女ほど“物分りのよさ”と“器用さ”が同居したミュージシャンを知らない。
それが、もっとも“物分りのよい”CTIに移籍したと聞いた時は「ホント?」と聞き返したほどだ。
ニーナのボーカルは、男声と間違えるほどハスキーで太く、一度聴いたら忘れられない特色がある。
彼女のピアノの上手さと、弾き語りの配列の上手さが、このCTIデビューアルバムをより深みのあるものにしている。
ランディ・ニューマンのヒット曲を、ニーナならではのアクセントをつけて淡々と歌う♪ボルチモア は、
ニーナの新しい世界が感じられて興味深い。
今回も、ブラック中心に、ジャケ借りしてみました。
●This Here Is Bobby Timmons/Bobby Timmons
ピアノの早弾きが多いジャズアルバム。
【ライナー抜粋メモ~青木和富】
人がノスタルジーを感じるのは、ほとんど“テクノロジー”に対してだ、という興味深い説を最近知った。
音楽鑑賞で言えば、古いSP装置や、管球式アンプなどだろう。
イギリスのある富豪が、未だに電気を使わない大仕掛けのSP再生装置で音楽を楽しむために、
海外から取り寄せた竹をみずから削って針を作っている話を聞いたことがある。
CD拒否者が、古くからのジャズファンに意外に多い。
しかし、多くはレコードという物質へのノスタルジックなこだわりなのだ。
僕もこうしたこだわりはあったが、初めてCDを手にした時、新しいデジタル技術のすごさに目を見張った。
さらに古い録音のCD化で、決定的だという感じ受けた。
本当に音楽を聴くファンなら、SPよりLPを選んだように、このCDを選ぶだろう。
【ライナー抜粋メモ~小川隆夫 1984】
ハードバップがNYのミュージックシーンを席巻しつつあり、
若きティモンズがその洗礼を受けたことは、その後のキャリアに重要な意味を持つ。
1957年、ハードバップを代表する名門コンボ、アート・ブレイキーのジャズ・メッセンジャーズに参加。
1958年、ブルーノートに吹き込んだ『Moanin'』によってティモンズの名は永久にジャズファンの心に残った。
ここに「ファンキージャズ」と呼ばれる一連の作品の原点があり、
以後、ティモンズは、ファンキージャズの代表的ピアニストとして一世を風靡する。
1959年、ピアニスト・作曲家としての地位を不動のものとした。本作品は、ティモンズの初リーダー作品。
1961年に来日。この日が、我が国「モダンジャズ」の夜明けとなった。
彼らが一夜にして日本のジャズシーンを一変させてしまった。
●Jo Jones Trio [Fresh Sound]/Jo Jones-Ray Bryant
♪My blue heaven ほか知っている曲もかなりアレンジしてあるから新鮮に聴こえる。
【ライナー抜粋メモ~岩浪洋三】
ジョー・ジョーンズは、かつてカウント・ベイシー楽団でならした名ドラマーで、
カンザスジャズの雄であり、中間派ジャズの中心人物の一人だった。
モダンドラミングは中間派のドラマーだったジョーが、トップシンンバルで4ビートを刻んだのもキッカケになって生まれた。
ジョーはかつて、ジャズドラムスの教則本とも言うべき2枚組アルバム『ザ・ドラムス』を録音したことがある。
♪My blue heaven は、戦前日本でも流行ったヒットソング。ウォルター・ドナルドソンが1927年に作曲した(日本の歌かと思ってた
「ジャイヴ」は1930年代に黒人スイングとしてッキャブ・キャロウェイらによって生み出された
ハーレムスイングで、ハーレムスピーチのことでもある。ジャンプし、スイングする快調な演奏だ。
「レガート奏法」
●Baltimore/Nina Simone
先日「図書館で借りたCDシリーズ~メンフィス・スリム ほか」でニーナ・シモンの名が気になって借りてみた。
いきなりレゲエでビックリ/驚 レゲエの人なのかと思いきや、あらゆる曲を彼女のものにしている。
ライナーにもある通り、男性かと思えるような低音で、独特な歌唱法。
【ライナー抜粋メモ~池上比沙子】
現代人の特色は、“情報量の多さ”と“物分りのよさ”に集約されるという。
それは管理社会に生きる人間なら、誰もが持っていなくてはならない才能であり、現代を生きる技術である。
あらゆるジャンルの音楽の流行を情報として入手して、物分りよく処理する。
その結果生まれたのが「クロスオーバーミュージック」というわけだ。
ニーナ・シモンというボーカリストは、こうした混乱する現代の音楽流通の中で、
わき目も振らずひたすら自分のスタイルで歌い続ける数少ない音楽家だった。
彼女が用いる素材は、ジャズ、フォーク、ブルース、ゴスペル、ソウルと幅広く、“不器用”という印象とは正反対の器用さを示していた。
そのため後年、ニーナは脱ジャンルの先駆的音楽家だといわれたりもしたが、1960年後期から強めた“アフリカ回帰”のラジカルな姿勢など、
私ははじめから“ノンジャンル”の音楽家だったと思う。
ニーナは、歌手の伴奏者としてプロ入り。音楽院で学ぶかたわら、
ピアニストとしてクラブの歌手オーディションで合格して、弾き語り歌手になった。
ベツレヘム時代から変わらないのは、社会性、精神性の強い歌を、その時代の状況に合わせて歌おうという姿勢。
だから彼女の仲間は、いずれも現代アメリカに新しいアフロアメリカン・カルチャーを根づかせようと試みている表現者ばかりだ。
私は彼女ほど“物分りのよさ”と“器用さ”が同居したミュージシャンを知らない。
それが、もっとも“物分りのよい”CTIに移籍したと聞いた時は「ホント?」と聞き返したほどだ。
ニーナのボーカルは、男声と間違えるほどハスキーで太く、一度聴いたら忘れられない特色がある。
彼女のピアノの上手さと、弾き語りの配列の上手さが、このCTIデビューアルバムをより深みのあるものにしている。
ランディ・ニューマンのヒット曲を、ニーナならではのアクセントをつけて淡々と歌う♪ボルチモア は、
ニーナの新しい世界が感じられて興味深い。