Quantcast
Channel: メランコリア
Viewing all articles
Browse latest Browse all 8633

『レッドツリー』(今人舎)

$
0
0
『レッドツリー』(今人舎)
ショーン・タン/作 早見優/翻訳

ショーン・タン
ボローニャ国際絵本原画展の最高賞であるラガッツィ賞を『The Lost Thing』『The Arrival』で受賞。
2011年、『The Lost Thing』を自らアニメ化してアカデミー賞受賞。
同年、優れた子どもの本の作家に贈られる「アストリッド・リンドグレーン記念文学賞」を贈られた。

【ブログ内関連記事】
『ロスト・シング』(河出書房新社)

文字のコラージュやら、一体どんな構図なのか、目の回る不安定感は、こないだ観た映画『ゼロの未来』を思い出す。

「音筆対応」の本で、各ページの下にあるモミジマークをタッチすると、
早見優さんの朗読が聞こえてくるってスゴイ/驚

こどもくらぶ

1ページずつを、それぞれ額に入れて飾りたくなる完成度の高さと凝りよう/驚
そこに最小限のコトバが入って、逆に際立つ。

「どこにいるのかも」という一節にも、思い出すことがある。
派遣先の茗荷谷の公園で、一人でランチを食べていて、自分の居場所がどの時空にもないと思って、泣きそうになったことなど。。。

この少女はどこにでもいる。
そして、この少女を取り囲む「他人」の中にも自分がいるというフシギなパラドックス。

そして、幸福感とは、外側じゃなく、つねに内側にあるんだって
私もようやく気づいたんだ。


【内容抜粋メモ】

そして 一日ははじまる いつものように



ちょっと最悪から ものすごく 最悪へと



だれも わかってくれない



まわりは 冷たい機械のよう

どうしてか、なぜかもわからない

ときには期待する

そして待つ

 

すてきなことは どんどん通り過ぎていく

いったい なにをしたらいいのかわからない


そして 自分がいったい だれなのか



どこにいるのかも

こうやって また一日が終わる・・・

そのとき突然 目の前にあったことに気づく

それは きらきらと あざやかに 静かに 待っていた


そう ずーっと わたしを待っていた




Viewing all articles
Browse latest Browse all 8633

Trending Articles