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『大島弓子選集 8巻 四月怪談』

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■『大島弓子選集 8巻 四月怪談』(朝日ソノラマ)

「大島弓子書籍リスト」さんも参照させていただきました/礼

大島弓子(作家別カテゴリー)

これまで読んだものもかぶってくるため、それらは「作家別カテゴリー」を参照のほど。

【収録作品】

以下の作品は既読。
「ヒーヒズヒム」 1978年週刊マーガレット8号掲載
「草冠の姫」 1978年別冊少女コミック5月号掲載
「パスカルの群」 1978年週刊少女コミック25号掲載
「たそがれは逢魔の時間」 1979年週刊少女コミック4号掲載


●「四月怪談」 1979年ギャルズライフ6月号掲載


[あらすじ(ネタバレ注意)]
初子は、登校途中に事故に遭い、仮死状態の状態を楽しんでいると、
早く体に戻らないと、時間が経つほどリカバリーが難しくなると指南する天使のような風貌の青年・岩井。

「天国も地獄もありませんよ。あるのは融合と消滅だけです」

魂の状態だと、テレポートもできると聞いて、好きな男子生徒・津田沼のもとに飛ぶ。
大好きな俳優の映画を観に行くとポルノだと分かってショックを受ける。



「ああいうものは、肉体を離れて見ると少しも面白くないものなのです。
 人間の3大欲なんていうものは、なんら必要性のないものになっちゃう」

岩井は、台風の川の氾濫で100年ほど前に死んだが、遺体を探し続け、
その間は、生き返られる霊で遊んでいる人を体に戻す仕事をしているという。



初子は、いつも霊などの話をして怖がらせる登のウチに行くと、自分たちがハッキリ見えるという。
その後、クラスメイトから初子が亡くなったと登に電話が来る。



委員長も津田沼が好きだと知ってひきずる初子。
体に戻らず、岩井の手伝いをすると言い出す。「私の体あげるから、あなたが私になればいいわ」

岩井は登に事情を話し、もう燃やされそうになっている棺の中に好きなレンゲの花を入れてあげたいから開けてくれと頼む。
初子は「あけてー!」と泣き叫ぶ母の声を初めて聞いて、棺の中で目を覚ます。



その後の初子は、なにをしても感動し、嬉しくて仕方なく、母は「死ぬよりはいい」と頭をなでてくれる。


●「赤すいか黄すいか」 1979年セブンティーン11月号掲載


[あらすじ(ネタバレ注意)]
瀬戸内は、同じクラスの千草が、文房具屋でクリップを置いて帰るのを目撃して、これは万引きなのか!?と悩む。
千草は、生理になると人格が変わり、欲しくもないクリップをつい買ってしまう妙なクセがあるのだった。

 

あまりに辛いので母親に「あたしアンネなくす手術しちゃったらどうだろ。となりの猫みたいに」と言うと、
猛反対する母。「そんなことしたら、あんたを産んだ甲斐がないじゃないの!」
「すると、お母さんは、将来孫をあやして過ごす生活を夢見てるってわけ」

「なんだってお母さんの受け売りの子孫繁栄説なんだ聞こうとしたのかしら。
 世の中には、人々が反乱してるというのに」

千草は、母のために1人子どもを産んでから手術しようと、いきなり瀬戸内に相談して、驚いた彼からNOサインを出される。



決心して、離れた町の病院に行くが、名前を呼ばれた瞬間、千草は逃げ出す。
生理痛は、運動している間はおさまるということに気づいて、雨の日でもジョギングをする千草に傘を貸す瀬戸内。


●「雛菊物語」 1980年ギャルズライフ4月号掲載


[あらすじ(ネタバレ注意)]
ぶらさがり器に首吊り縄を垂らして、眺めていると落ち着くという娘菊子を心配する家族。
心理学を専攻している兄は、ショック療法を思いつき、家族で下手な芝居をうつ。
菊子が余命1ヵ月もないと、本人が聞いている時に家族で話すというもの。

そしたら、死を宣告された場合の儀式の4で生きたい願望が出てくるのではという計画。
1.ショック
2.混沌
3.怒り・悲しみ
4.恐怖・もっと生きたいという願望
5.絶望・自暴自棄
6.無欲・寛容
7.死

だが、菊子はいろいろ飛び越して、6にいき、これまでやりたくてもやれなかったことを楽しんでいる様子。
ずっと後を尾けている兄は心配でたまらない。



憧れの先輩・梶木にも告白し、「付き合ってくれ」と言われたのに断る。
それを引きずってディスコで踊りまくり、兄は菊子を見失う。
泥だらけで帰ってきたため、もしや最悪の事態になったのではと激しく後悔する。

「雪みてきます」と置手紙をして家を出た菊子。急いで追って、交通事故に遭う兄。
菊子は家族のウソを知り、入院している兄に「私、妊娠したらしいの」とウソをし返す。


●「裏庭の柵をこえて」 1981年LaLa10月、11月号掲載


[あらすじ(ネタバレ注意)]
小学生のトミコは、向かいに住む信が明かりをつける時が好き。



信は、父を亡くし、優秀な大学に入ったが、母が再婚して家を出て一人暮らしになってから退学。
3人の女性にいきなりプロポーズしてフラレたところを見て、母に話すトミコ。
近所の噂話好きな奥さんに「娘さんも気をつけてね」と言われて、笑い飛ばす母。

夏休みの宿題を毎年ためるトミコは、月末までに終わらせたら
大好きなケーキを焼いてくれると母が約束したため頑張ることにする。
信は「夏休み宿題ひきうけマンとして生きる!」と言い出し、トミコの宿題を毎年やってあげると約束する。

 

トミコは時間が空いたため、信と一緒に遊園地に出かけてしまい、
経緯を知らない母は、連れ去られたのでは?と心配でパニックになる。



「手を切られた」という悲痛な声の夢を見て起きると、
信が大切にしてきた木を植木屋さんが枝を落としていた。
信はやっきになって止めたため、騒ぎとなり、ますます心配になる母。

信は自殺しようとしていたが、宿題を手伝ってくれとトミコからの手紙の紙ひこうきに救われる。



【書き下ろしマンガエッセイ】
 



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