■『パニック障害 100のQ&A』(星和書店)
キャロル W.バーマン/著 東柚羽貴/翻訳 郭哲次/監訳
『パニック障害 100のQ&A』(星和書店) part1
【内容抜粋メモ】
アメリカと日本の医療や文化などの差があるので注意。
※本書の有用なポイントとして、マービンさんというパニック障害の方が患者の立場からコメントをしていることがある。
実践編
パニック発作のクスリを服用中は飲酒をしない
アルコールは、ベンゾジアゼピン系薬剤と同じ受容体に到達する。
一時的に気持ちよくても、長期間では、その他の問題を引き起こす。
パニック発作を配偶者に理解してもらうには?
多くの配偶者らは、パニック発作を体験していないので、理解できず、万事大丈夫だと安心させようとする。
詳細を説明することが大事。時には手を握ってほしい、支えになってほしいと頼むこと。
過剰に手を貸すと、依存・恐怖症を促進することがある。
注意を引くために「演技」していると思い込む人もいる。
よく理解するために、一緒に精神科医に行くことも良い。
公衆の面前でパニック発作が起こるのではと、外出が怖い
その恐怖は一般的。敢えて外出し、無力にならないよう恐怖に対処することが必要。長引くと外出出来なくなる。
「心理療法士」の助けも有用。
雇用者に自分の体調について必ず告げること。
パニック発作は子どもに遺伝する?
可能性はある。第一親等の同胞は、それ以外と比べ8倍、発病年齢が20歳以前なら、その親族がパニック障害になる確率は20倍。
早期介入すれば、重症度の減少、病期の短縮になる。
パニック発作の明確な研究は行われていないが、統合失調症には研究がある(まだないの!?
妊娠中のパニック発作には問題あり?
妊娠中、月経周期のある時期にパニック発作が起こることがある。
クスリは一切イヤだという方もいる。代わりにリラクゼーション技法を試したら、回数は減った。
パニック発作は一生続く?
その報告はないが、多くは50歳代に達すると消失する(母は60代で診断されたけど・・・
予測する方法はない。基本的に、パニック障害は慢性と考えられ、ストレスが加わると再発する可能性がある。
すべての慢性疾患同様、「寛解」と「増悪」がある。
パニック発作は妊娠・出産に影響がある?
妨げにはならず、早期流産にもならない。発作は苦しいが、ラクにすることを身につけること。
パニック発作の子どもはスポーツを止めるべき?
できるだけ活動的にするよう奨励すべき。野外活動は、若い女性にとても適している。
スポーツも、神経系に生物化学的なポジティヴなフィードバックをもたらす。
自尊心を高め、自己嫌悪・自己批判を食い止める。
パニック発作に役立つ治療には何があるか?
薬物療法、認知行動療法の併用が最良。
週に1、2回の定期的な精神分析的精神療法、集団療法も有効。
ブリーフセラピー(精神分析を基盤とした時間限定療法)、家族療法など。
【マービンのコメント】
今、自分がどんな気持ちを抱いているか正視すること。
パニック発作が起こる理由の1つは、自分の気持ちを押し殺していて、誤った警告システムの引き金を引く原因となる。
パニック発作とけいれんは関連あり?
パニック発作はけいれんではないが、同じものと感じる人が多い。
紅潮、過呼吸などが長く続くと、脆弱性のある人はけいれんが起こる場合がある。
「側頭葉てんかん」を持つ人がパニック発作を起こすこともよくある。
運転中にパニック発作が起こるのをなんとかしたい
多くは高速道路の運転中に起こる。車に閉じ込められたら、道路から抜け出せないと感じるため。
できれば路肩に寄せて、深呼吸する。
つねに路肩に寄せられるよう、右車線を運転する人もいる。長期間かけて、この問題に専念し、習慣を変えた。
【マービンのコメント】
活動の妨げになるような問題を放置しておいてはいけない。
初めてパニック発作を起こしたのはマリファナを吸っている時だった。吸わなければ大丈夫?
さまざまなドラッグがパニック障害の引き金になる。
タバコの喫煙、禁煙はパニック発作の引き金になる。
ドラッグ使用を止めても、パニック発作が止まる保証はない。
飛行機に乗る時がいつも心配~「負の条件づけ」
少量のトランキライザーの処方を医師に頼むのは1つの方法。
「負の条件づけ」
乗り物に乗った時に発作が起きた=パニック発作を関連づけている状態。パブロフの犬と同様。
瞑想法、深呼吸で、過去や想像の肯定的なことを思い浮かべることができる。
日没の海の景色、鳥のさえずりなどを思い浮かべ、深呼吸に専念するとリラックス能力が増進される(そうカンタンじゃないがなぁ・・・
統合失調症とパニック発作の両方にかかっている
パニック発作は、他の精神疾患と併存することがある。脳の器質的な変化だと理解されている。
「統合失調症」は、平坦な感情の状態、解体した行動、意欲低下がみられる。
メジャー・トランキライザーを服用している方にマイナー・トランキライザーを追加すると、
さらに眠気・倦怠感が強くなる場合がある。抗うつ剤の服用をすするめる。
吐き気はパニック発作のせいだと思っていたら、過食症と分かった。
「過食症」の嘔吐は「自己誘発性嘔吐」。
パニック発作の方に頻回な嘔吐はないが、吐き気・腹痛はある。
併発している場合は、SSRIで解消できる。
パニック発作になってから、母に依存するようになった
多くは過度に他人に依存し始める。
子どもの頃に母親に見捨てられると思い、この行動を夫に転移(投影)していたケースがある。
患者は、パニック発作をとても恥ずかしく思っていたが、化学物質の不均衡だと理解することでやわらいだ。
母子家庭の娘に「あの時中絶してたら」と語る母親が、デパートで娘を見捨てるのは
自覚はなくても「意図的」で、娘は自分が望まれていないことを恥じていた。
それは自分のせいではないと理解し、恥ずかしい思いは軽くなった。
治療者とよく話し合うこと。
自分の個人歴を確認し、恐怖に導く理由が分かれば、自動的反応から解放される。
父が亡くなってパニック発作が始まった。関係はあるのか?
肉親の死からパニック発作が始まる人は多い。
喪失による悲しみに関連する神経伝達物質と同様、ホルモンレベルの変化が原因で、引き金になることがある。
精神療法+薬物治療が有効。死の悲しみから回復するには、少なくとも半年かかる。
抗うつ剤は服用後、4週間後に効果がある。できるだけ早期に対処したほうがよい。
死別の集団療法は役に立つ。
「月経前症候群(PMS)」になると、パニック発作が起こる
ホルモンの不均衡によって膨満感、頭痛、焦燥、倦怠などが起きる。SSRIを予防的に服用する人もいる。
「月経前不快気分障害」(PDD)=PMSのさらに重い症状。
婦人科医に避妊薬を処方してもらう。ホルモンバランス系が改善すると、パニック発作が止まることがある。
Klonopinを中止しようとしていた時にパニック発作が起きた
どんなベンゾジアゼピン系薬剤でも、長期間かけてゆっくりと止めるべき。
抗けいれん薬など追加することもできる。
何年も服用すると、身体に耐性ができる。処方箋を手に入れるためにドクターショッピングする人もいる。
常習量を入手できず、けいれんを起こして緊急室に運ばれ、入院させ、中毒者の回復スケジュールにのせ、
Klonopinと手を切ることは大変困難だった。
Klonopinを薬物依存傾向のある方に処方する際、医師は非常に慎重になる。
パニック障害には、Xnax、Klonopinが良いのか?
どのタイプのマイナー・トランキライザーを服用する場合も注意が必要。
ベンゾジアゼピン系薬剤は、限られた期間に限定し、控えめに服用すべき。
人によりクスリの向き不向きがある。
「半減期」化学反応、酸素反応の一時反応において、物質の半分が変化・消失する時間。
同性愛とパニック障害は関係があるか?
何かを隠さなければならない場合、脳内の化学物質が活性化しパニック発作を引き起こす。
薬物治療や、同性愛としての「同一性」に満足した患者さんがパニック発作を起こさなくなった例もある。
社交的な状況でパニック発作が起きるのではと、多くの状況を避けてしまう
「社会恐怖」になる前に早く治療を受けるのが重要。
避けることに抵抗し、恐怖を克服しなければならない。
「社会恐怖」をもつ人は、うつ病、「統合失調様パーソナリティ障害」がないか確認する必要がある。
「統合失調様パーソナリティ障害」の場合、治療後も、自分の行動に対する恐怖を克服できないかもしれない。
ある患者さんは、他人が自分を過度に注目していると信じ込んでいた。
子どもの頃、母親が過剰に関心を持っているのが原因と分かった。
他人や仲間でさえ、母親のように微妙な差異に関心は持っていない。
他人は自分がいかに振る舞うかにもっとも関心がある。
患者さんはそれを理解し、行事に参加した時に行動を褒め称えて強化した。
彼は好物を食べたりすることで、自分に報酬を与えた。その後、遠出も可能となった。
パニック発作を持っているのは「スティグマ(否定的感情)」だと思い、誰にも打ち明けられない
多くの患者さんは、本当に悪い、恥ずべきものと思い込んでいて、なかなか治療を受けず、援助を受けない。
ソーシャルワーカーらは、何年も、精神病の名誉回復に取り組んでいる。
今では、何百万人ものアメリカ人が抗うつ剤、抗不安薬を服用している。
パニック障害を上司に打ち明けることは危険だと考える人もいる。
だが、実際打ち明けると理解を示してくれた。
【マービンのコメント】
崇拝する男性の映画スターがパニック障害と告白したら、私は立会いたくない。
彼には地位、お金があり、余裕がある。富と名声があれば何でもやり過ごすことができるというだけのこと。
職場には打ち明けられない。「スティグマ」は厳然としてある。
パニック発作を予防するエクササイズはある?
呼吸法を使ったエクササイズは良い。ヨガなど。
パニック発作の人は、過呼吸常習者&浅い呼吸の常習者。
極度にストレスの多い仕事の場合は、欠勤すべきか?
できるなら仕事に行くようすすめる。不安障害の人は、生活に枠組みをもつことが必要だから。
株式仲買人、警官など、衰弱するほどストレスの多い職場もある。その場合は仕事が逆効果になる。
数週間欠勤の許可をとるか、ストレスの少ない持ち場に移ることを提案する。
パニック発作になってから、自分の容貌が気になりだした
平均的な容姿の人が、不恰好な妖精に似ていると思い込んでいるケースがあった。
人のあふれた部屋に入るといつもパニック発作を起こした。
みんなが自分をいろじろ見て、批評していると信じていたため。「身体醜形障害(BDD)」
多くは、自分に多少は極端な見方をもっているもの。
想像して感じられる欠陥を誇張している。
他人と検証し、自分をより客観的に見ることで現実的な見方を獲得する。
パニック障害だと他の医師に言ったほうがいいか?
パニック障害を他の医師に伝えることは重要(私もすぐ言う
残念ながら、医師の中にはスティグマを持つ人もいる。
自分の専門の最新情報に追いつくのに忙しすぎて、精神医学的問題について検討する時間がないため。
(ココロとカラダは1つにつながってるのにね
【マービンのコメント】
本職の医師が精神医学についてあまり知らないのは驚き。
彼らの治療している患者の半数は、身体的問題より心理的問題を持っていると思う。
(私は半数じゃなく全員、心理的なことから身体的に影響(サイン)が出てると思うな。
心療内科と名乗っていても、「内科のことは専門医で調べてもらって下さい」て言われるし。
複雑に分かれてしまっているのが根因にあると思う。
私のパニック発作について、子どもにどう説明したらよいか?
5歳以下なら、両親とは神と同じで、どんな弱点にも驚いてしまう。
子どもは何か起こっていることは分別できる。
「お母さんは今、気分が良くないの。でも、すぐに良くなるわよ」と説明することはできる。
説明しないより、説明するほうがよい。隠すと、子どもにとって重大さが何倍にもなる。
年長の子どもなら、一緒にセッションに参加するのも良い。家族療法は好適な方法。
私の医師は、投薬を次々と変える
あるクスリが効かないと、医師はそれを中止し、別のクスリを試す必要がある。
抗うつ剤は5週間ほどで効き目が分かるので、服用期間が短いor服用量が少ないと効果が出ず、治療が不適切だと考えてしまう。
病歴を聞き、試行錯誤しなければ、どれが効くか医師には分からない。
時には一度効いたクスリが効かなくなることもある。
多くの場合、クスリは20~30%の効き目しかない(少なっ/驚 あとは自己回復力か
神経系は、順応性があり、変幻自在のシステムで、医学的にもよく分かっていない。
パニック発作のために入院しなければならないか?
パニック障害で入院するのはきわめて稀。
9.11以降、家を出て彷徨い、パニック発作も始まった
「解離性遁走」というエピソードになっていたと思われる。
通常は一過性だが、厳しい外傷体験後は、パニック発作が誘発され、何年も続くことがある。
催眠治療、薬物療法、精神療法を受けるべき。
4人の多重人格を持ち、その中の1人がパニック発作を起こす
「解離性同一性障害(DID)」は、幼児期の外傷体験(身体的・性的虐待など)で誘発される。
薬物療法、精神療法を受けることをすすめる。
喘息発作の時にパニック発作が何度も襲ってくる
喘息はパニック発作と似た気分を引き起こす。
さらに、喘息治療薬がパニック発作を誘発することもある。
アレルギーの季節はとくに注意が必要。刺激薬を含まない抗アレルギー薬をすすめる。
パニック発作を起こすか確かめるために、つねに自分を警戒している
あなたは多分、長いことリラックスするように言われてきたのでしょう。
しかし、今のあなたはリラックスできない状態です。
リラックスして、自分の状態にとらわれないことを学習することが必要(禅問答みたい
【マービンのコメント】
私はいつも自分が大丈夫かチェックしていた。
私は、病弱だった私のことをつねに心配していた母親からそれが始まったと思う。
パニック発作になると、死ぬのが怖くなる
死の恐怖はふつう。心配性の人は未知を恐れる。
ヒトが死にそうになる時、パニック発作と同様にアドレナリンがあふれ出す/驚
しかし、パニック発作で死ぬことはない。
私たちは死を否定するもの。
幼児は無力で、見捨てられることは死を意味する。
パニック発作の方は、パニック障害時によみがえる幼児期の恐怖に固着しているのかもしれない。
だから精神療法が有用。
認知行動療法、「心象法」などで恐怖をコントロールするのは大事。抗不安薬も有効。
「心象法」穏やかな景色を順次思い浮かべて、心身ともにリラックスするストレスマネジメントの一種。
父がパニック発作の時にプロプラノロールを投与され、効果があったが、自分が使っても効果がなかった
プロプラノロールは、βアドレナリン受容体遮断薬。
パニック発作が抗うつ剤でコントロールできると分かる前は、これが使われていた。
プロプラノロールは「社会恐怖」のコントロールには有用。
オーケストラのメンバに服用しているクスリの話をしたら、仲間の70%が同じクスリで
緊張時の震えをコントロールしていたと知りショックを受けたという人がいた/驚
1日中持続するパニック発作を経験しました
あり得るが稀。ふつうは5~10分。
数日持続した人に注意深く質問すると、本当のパニック発作ではないこともある。
「全般性不安」だと分かり、ラクになった。
パニック発作の方は、自分に対する悲観主義が働く。
多くのクスリを試し、MAOIのNardilが効いているが、「高血圧性クリーゼ」になると心配
「モノアミン酸化酵素阻害薬(MAOI)」は、パニック障害の標準的なクスリ。
「高血圧性クリーゼ」を避けるには、外食時に何が含まれているか尋ねること。
ウエイターは正しく知らないことが多いので注意
「チャイニーズレストラン症候群」
グルタミン酸ナトリウムを含む食べ物を、食品添加物に敏感な人が摂取した時に起こる胸痛、顔面圧迫感などの発現。
TofranilとProzacの違いは?
(略)TCAとSSRIはパニック障害に有用。
だが、時には、古典的なクスリのほうが有効な場合もある。
SSRIを1年使用し、止める際に恐ろしい目に遭った
安易な中断には注意しなければいけない抗うつ剤がある。徐々に減量すること。
抗うつ剤自体の作用で「退薬症状」が出ることは考えられていない。
多くの人はクスリを止める時に極端に不安になる。それでパニック発作が再発する可能性もある。
パニック障害で、アルツハイマー病になるリスクは大きい?
今のところ関連はない。合併するケースはある。
アレルギーがひどくなると、抗ヒスタミン薬を使うが、SSRIとの相性は?
日中や夜間の異なった時間帯にズラすとよい。
異なった化学薬品がどう相互作用するかは複雑に込み入っているので、専門医に尋ねること。
多くの抗うつ剤は、肝障害と関係があるのはなぜ?
すべてのクスリは、肝臓or腎臓を通って代謝される。
肝硬変、肝腫大があれば、代謝機能に問題があるかもしれない。
肝障害がひどくて、服薬すると必ず中毒を起こす人もいる。
抗うつ剤の使用で自殺の危険性が高くなるというのは本当?
パニック発作、その他の精神障害の方は、一般より自殺の危険性が高い。
薬物治療を受けていないと、「自殺企図」をする元気すらないが、
投薬を受けて1~5週間は、自傷する焦燥やエネルギーが出るかもれない。
最近は、メディアが人騒がせな予測を飛ばし、抗うつ剤に対して否定的な意見を述べたりしているため、
怖がってクスリから遠ざかる人もいる。
「ブラックボックス」について心配している。
自殺念慮を他人に伝えることがいかに難しいか私たちはよく分かっている。
衝動に任せるより、助けを求めることが最も重要。
抗うつ剤で15ポンド体重が増えた
抗うつ剤治療中に体重増加があることは分かっている。
運動、適正な食事をして、体重を落とすようアドバイスしている。
ソーシャルワーカーの精神療法士と、精神科医の両方に薬物治療されることは賢明?
患者さんは、チーム医療で治療を受ける。
2つの専門家がコミュニケーションをとっているかぎり、申し分ない。
中には、「臨床ソーシャルワーカー(LCSW)」、社会福祉士のトレーニングを受けていなかったり、資格を持っていない人もいる。
彼らはもし誤った治療をしても、法的責任を負うことができない。
しかし、専門家は訴えられるか、免許剥奪の可能性がある。
パニック発作を確かめるためにCTやMRIの必要あり?
CTやMRIは、パニック障害の診断の役には立たない。
薬物療法を受けず、ホルモン補充療法だけ受けている。それをやめるとパニック発作が再発する
更年期症状を緩和するためにホルモン補充する女性について否定的な結果が出て以来(2002)、多くの女性は止めた。
結果、寛解していた精神障害が再燃した。
最もコントロールしがたいのは、HRTを止めた時の不眠。抗うつ剤は使うべき。
やっとパニック発作がなくなったが、どう楽しい生活をして、再発を心配しないでいられるか?
パニック発作がおさまって、最も困難なのは、再び楽しい生活をすること。
いつもある程度、再発を警戒しているもの。
何に困っているかを検討し、問題処理する。
パニック発作の人は、自分の感情を抑圧する名人。
治療では、喜怒哀楽、すべての感情に触れることを習得する。
世間は、感情表現を良しとしない。個人的なことを後回しにすることが奨励される。
楽しいことを見つけて、それをしてください。
パニック発作を治療する良い精神科医をどう探したらよいか?(コレは難題
1.都会なら総合病院の精神科部門に電話して、不安性障害専門の精神科医を紹介してもらう。
2.友人や家族に教えてもらう。
3.精神薬理学のみなら、別の医師を紹介してもらう。
4.パニック発作の講演に出れば、機会があるかもしれない。
※日本では、まず保健所、精神保健福祉センターなどに相談するのが適当。
どう精神療法士を探したらよいか?(コレも難題
1.どういう資格を持っているか検討する。
2.精神療法の考え方、タイプを選ぶ。
3.治療者の性格があなたに合っているか見定める(大事!
精神療法は楽しくあるべき(3分診療じゃ望めないね
催眠療法などの代替治療はどうか?
催眠療法で効果のある人もいるが、多くはない。
催眠療法は、禁煙、体重コントロール、解離性障害への対処などには役立つ。
ネットや、テレビのCMでは、詐欺師まがいの儲け主義のものもあるから注意。
多くのカルト集団が心をとりこにすることができたため、その団体から抜け出すことが出来なくなる。
巻末の参考書一覧には、こないだクリニックの担当医がすすめた本も入ってた。
あと『こころが晴れるノート』も。これは、まだ何も分かってない時に読んだからいまいちピンとこなかったんだよね
****************
【ブログ内関連記事】
『怖れを手放す』(星和書店) (その1)
『怖れを手放す』(星和書店)(その2)
『愛とは、怖れを手ばなすこと』(サンマーク文庫)
上記の著書で知った星和書店さんから出している本の中にパニ障のもあって、
基本の1から分かりそうな気がして買ってみたのが本書。
「AH入門ワークショップ」で初めてグループセラピーを体験してみて、それまで数人のグループで、
自分のココロの内側をさらけ出すことは怖いことだと思っていたけれども、
同じ苦しみを抱え、癒やしに来ている安全な場所で話すことは、癒やしとともに気づきにもつながると実感した。
と、同時にパニ障だけのグループセラピーもあればいいのにと思った。
それをクリニックの担当医にゆったら、
「日本でグループセラピー自体がまだ少ない。あったとしても研究段階。アメリカではさかんに行われている」
「認知行動療法」をしている医者が少ないことは前にも聞いていたから、それもそっか。
日本では自分のことを話すって「恥」につながっちゃうのかねえ。
ちなみに、担当医に『怖れを手放す』を見せたら、著者の水島さんは「対人関係療法」の提唱者として有名な方だそう。
同じく、裏に書いてある他の本の著者、遊佐安一郎さん、伊藤絵美さん、井上和臣さんは、
それぞれ「認知行動療法」を日本に持ち込み、広めようとしている方々。
パニ障は日本にも大勢いて、少しずつ知られつつあるけど、まだまだ認知度は低くて、
いちいち説明するのも面倒だから、「閉所恐怖症なので」「高所恐怖症なので」「過呼吸で・・・」「気分が悪くて・・・」と
相手にすぐ伝わりそうな表現にしてしまうことも多い。「広場恐怖症なので」といっても伝わらないし
クリニックの担当医は、『怖れを手放す』を見ながら、
「診療のほうが忙しくて、なかなか新しい知識を学ぶ時間ない」とボヤいていた。
ココロの病を1日十数人も診るってところがもう違うと思う。
母の担当医は「強迫性障害」らしく、とても丁寧で、おとなしい医師だが、
もうかれこれ2年近く病院を休んでしまっている
精神科医だって、毎日人のネガティブな話ばかり聞いていたら参っちゃうよな
相手の気持ちに共感する人であればあるほど。
でも、だからといって、自分の都合で受け持つココロを病んだ患者さんに数年間も迷惑をかけているのも間違ってるのでは?
そもそも、医師の診断+処方が医療で、そうじゃなかったら法に触れるのでは???
キャロル W.バーマン/著 東柚羽貴/翻訳 郭哲次/監訳
『パニック障害 100のQ&A』(星和書店) part1
【内容抜粋メモ】
アメリカと日本の医療や文化などの差があるので注意。
※本書の有用なポイントとして、マービンさんというパニック障害の方が患者の立場からコメントをしていることがある。
実践編
パニック発作のクスリを服用中は飲酒をしない
アルコールは、ベンゾジアゼピン系薬剤と同じ受容体に到達する。
一時的に気持ちよくても、長期間では、その他の問題を引き起こす。
パニック発作を配偶者に理解してもらうには?
多くの配偶者らは、パニック発作を体験していないので、理解できず、万事大丈夫だと安心させようとする。
詳細を説明することが大事。時には手を握ってほしい、支えになってほしいと頼むこと。
過剰に手を貸すと、依存・恐怖症を促進することがある。
注意を引くために「演技」していると思い込む人もいる。
よく理解するために、一緒に精神科医に行くことも良い。
公衆の面前でパニック発作が起こるのではと、外出が怖い
その恐怖は一般的。敢えて外出し、無力にならないよう恐怖に対処することが必要。長引くと外出出来なくなる。
「心理療法士」の助けも有用。
雇用者に自分の体調について必ず告げること。
パニック発作は子どもに遺伝する?
可能性はある。第一親等の同胞は、それ以外と比べ8倍、発病年齢が20歳以前なら、その親族がパニック障害になる確率は20倍。
早期介入すれば、重症度の減少、病期の短縮になる。
パニック発作の明確な研究は行われていないが、統合失調症には研究がある(まだないの!?
妊娠中のパニック発作には問題あり?
妊娠中、月経周期のある時期にパニック発作が起こることがある。
クスリは一切イヤだという方もいる。代わりにリラクゼーション技法を試したら、回数は減った。
パニック発作は一生続く?
その報告はないが、多くは50歳代に達すると消失する(母は60代で診断されたけど・・・
予測する方法はない。基本的に、パニック障害は慢性と考えられ、ストレスが加わると再発する可能性がある。
すべての慢性疾患同様、「寛解」と「増悪」がある。
パニック発作は妊娠・出産に影響がある?
妨げにはならず、早期流産にもならない。発作は苦しいが、ラクにすることを身につけること。
パニック発作の子どもはスポーツを止めるべき?
できるだけ活動的にするよう奨励すべき。野外活動は、若い女性にとても適している。
スポーツも、神経系に生物化学的なポジティヴなフィードバックをもたらす。
自尊心を高め、自己嫌悪・自己批判を食い止める。
パニック発作に役立つ治療には何があるか?
薬物療法、認知行動療法の併用が最良。
週に1、2回の定期的な精神分析的精神療法、集団療法も有効。
ブリーフセラピー(精神分析を基盤とした時間限定療法)、家族療法など。
【マービンのコメント】
今、自分がどんな気持ちを抱いているか正視すること。
パニック発作が起こる理由の1つは、自分の気持ちを押し殺していて、誤った警告システムの引き金を引く原因となる。
パニック発作とけいれんは関連あり?
パニック発作はけいれんではないが、同じものと感じる人が多い。
紅潮、過呼吸などが長く続くと、脆弱性のある人はけいれんが起こる場合がある。
「側頭葉てんかん」を持つ人がパニック発作を起こすこともよくある。
運転中にパニック発作が起こるのをなんとかしたい
多くは高速道路の運転中に起こる。車に閉じ込められたら、道路から抜け出せないと感じるため。
できれば路肩に寄せて、深呼吸する。
つねに路肩に寄せられるよう、右車線を運転する人もいる。長期間かけて、この問題に専念し、習慣を変えた。
【マービンのコメント】
活動の妨げになるような問題を放置しておいてはいけない。
初めてパニック発作を起こしたのはマリファナを吸っている時だった。吸わなければ大丈夫?
さまざまなドラッグがパニック障害の引き金になる。
タバコの喫煙、禁煙はパニック発作の引き金になる。
ドラッグ使用を止めても、パニック発作が止まる保証はない。
飛行機に乗る時がいつも心配~「負の条件づけ」
少量のトランキライザーの処方を医師に頼むのは1つの方法。
「負の条件づけ」
乗り物に乗った時に発作が起きた=パニック発作を関連づけている状態。パブロフの犬と同様。
瞑想法、深呼吸で、過去や想像の肯定的なことを思い浮かべることができる。
日没の海の景色、鳥のさえずりなどを思い浮かべ、深呼吸に専念するとリラックス能力が増進される(そうカンタンじゃないがなぁ・・・
統合失調症とパニック発作の両方にかかっている
パニック発作は、他の精神疾患と併存することがある。脳の器質的な変化だと理解されている。
「統合失調症」は、平坦な感情の状態、解体した行動、意欲低下がみられる。
メジャー・トランキライザーを服用している方にマイナー・トランキライザーを追加すると、
さらに眠気・倦怠感が強くなる場合がある。抗うつ剤の服用をすするめる。
吐き気はパニック発作のせいだと思っていたら、過食症と分かった。
「過食症」の嘔吐は「自己誘発性嘔吐」。
パニック発作の方に頻回な嘔吐はないが、吐き気・腹痛はある。
併発している場合は、SSRIで解消できる。
パニック発作になってから、母に依存するようになった
多くは過度に他人に依存し始める。
子どもの頃に母親に見捨てられると思い、この行動を夫に転移(投影)していたケースがある。
患者は、パニック発作をとても恥ずかしく思っていたが、化学物質の不均衡だと理解することでやわらいだ。
母子家庭の娘に「あの時中絶してたら」と語る母親が、デパートで娘を見捨てるのは
自覚はなくても「意図的」で、娘は自分が望まれていないことを恥じていた。
それは自分のせいではないと理解し、恥ずかしい思いは軽くなった。
治療者とよく話し合うこと。
自分の個人歴を確認し、恐怖に導く理由が分かれば、自動的反応から解放される。
父が亡くなってパニック発作が始まった。関係はあるのか?
肉親の死からパニック発作が始まる人は多い。
喪失による悲しみに関連する神経伝達物質と同様、ホルモンレベルの変化が原因で、引き金になることがある。
精神療法+薬物治療が有効。死の悲しみから回復するには、少なくとも半年かかる。
抗うつ剤は服用後、4週間後に効果がある。できるだけ早期に対処したほうがよい。
死別の集団療法は役に立つ。
「月経前症候群(PMS)」になると、パニック発作が起こる
ホルモンの不均衡によって膨満感、頭痛、焦燥、倦怠などが起きる。SSRIを予防的に服用する人もいる。
「月経前不快気分障害」(PDD)=PMSのさらに重い症状。
婦人科医に避妊薬を処方してもらう。ホルモンバランス系が改善すると、パニック発作が止まることがある。
Klonopinを中止しようとしていた時にパニック発作が起きた
どんなベンゾジアゼピン系薬剤でも、長期間かけてゆっくりと止めるべき。
抗けいれん薬など追加することもできる。
何年も服用すると、身体に耐性ができる。処方箋を手に入れるためにドクターショッピングする人もいる。
常習量を入手できず、けいれんを起こして緊急室に運ばれ、入院させ、中毒者の回復スケジュールにのせ、
Klonopinと手を切ることは大変困難だった。
Klonopinを薬物依存傾向のある方に処方する際、医師は非常に慎重になる。
パニック障害には、Xnax、Klonopinが良いのか?
どのタイプのマイナー・トランキライザーを服用する場合も注意が必要。
ベンゾジアゼピン系薬剤は、限られた期間に限定し、控えめに服用すべき。
人によりクスリの向き不向きがある。
「半減期」化学反応、酸素反応の一時反応において、物質の半分が変化・消失する時間。
同性愛とパニック障害は関係があるか?
何かを隠さなければならない場合、脳内の化学物質が活性化しパニック発作を引き起こす。
薬物治療や、同性愛としての「同一性」に満足した患者さんがパニック発作を起こさなくなった例もある。
社交的な状況でパニック発作が起きるのではと、多くの状況を避けてしまう
「社会恐怖」になる前に早く治療を受けるのが重要。
避けることに抵抗し、恐怖を克服しなければならない。
「社会恐怖」をもつ人は、うつ病、「統合失調様パーソナリティ障害」がないか確認する必要がある。
「統合失調様パーソナリティ障害」の場合、治療後も、自分の行動に対する恐怖を克服できないかもしれない。
ある患者さんは、他人が自分を過度に注目していると信じ込んでいた。
子どもの頃、母親が過剰に関心を持っているのが原因と分かった。
他人や仲間でさえ、母親のように微妙な差異に関心は持っていない。
他人は自分がいかに振る舞うかにもっとも関心がある。
患者さんはそれを理解し、行事に参加した時に行動を褒め称えて強化した。
彼は好物を食べたりすることで、自分に報酬を与えた。その後、遠出も可能となった。
パニック発作を持っているのは「スティグマ(否定的感情)」だと思い、誰にも打ち明けられない
多くの患者さんは、本当に悪い、恥ずべきものと思い込んでいて、なかなか治療を受けず、援助を受けない。
ソーシャルワーカーらは、何年も、精神病の名誉回復に取り組んでいる。
今では、何百万人ものアメリカ人が抗うつ剤、抗不安薬を服用している。
パニック障害を上司に打ち明けることは危険だと考える人もいる。
だが、実際打ち明けると理解を示してくれた。
【マービンのコメント】
崇拝する男性の映画スターがパニック障害と告白したら、私は立会いたくない。
彼には地位、お金があり、余裕がある。富と名声があれば何でもやり過ごすことができるというだけのこと。
職場には打ち明けられない。「スティグマ」は厳然としてある。
パニック発作を予防するエクササイズはある?
呼吸法を使ったエクササイズは良い。ヨガなど。
パニック発作の人は、過呼吸常習者&浅い呼吸の常習者。
極度にストレスの多い仕事の場合は、欠勤すべきか?
できるなら仕事に行くようすすめる。不安障害の人は、生活に枠組みをもつことが必要だから。
株式仲買人、警官など、衰弱するほどストレスの多い職場もある。その場合は仕事が逆効果になる。
数週間欠勤の許可をとるか、ストレスの少ない持ち場に移ることを提案する。
パニック発作になってから、自分の容貌が気になりだした
平均的な容姿の人が、不恰好な妖精に似ていると思い込んでいるケースがあった。
人のあふれた部屋に入るといつもパニック発作を起こした。
みんなが自分をいろじろ見て、批評していると信じていたため。「身体醜形障害(BDD)」
多くは、自分に多少は極端な見方をもっているもの。
想像して感じられる欠陥を誇張している。
他人と検証し、自分をより客観的に見ることで現実的な見方を獲得する。
パニック障害だと他の医師に言ったほうがいいか?
パニック障害を他の医師に伝えることは重要(私もすぐ言う
残念ながら、医師の中にはスティグマを持つ人もいる。
自分の専門の最新情報に追いつくのに忙しすぎて、精神医学的問題について検討する時間がないため。
(ココロとカラダは1つにつながってるのにね
【マービンのコメント】
本職の医師が精神医学についてあまり知らないのは驚き。
彼らの治療している患者の半数は、身体的問題より心理的問題を持っていると思う。
(私は半数じゃなく全員、心理的なことから身体的に影響(サイン)が出てると思うな。
心療内科と名乗っていても、「内科のことは専門医で調べてもらって下さい」て言われるし。
複雑に分かれてしまっているのが根因にあると思う。
私のパニック発作について、子どもにどう説明したらよいか?
5歳以下なら、両親とは神と同じで、どんな弱点にも驚いてしまう。
子どもは何か起こっていることは分別できる。
「お母さんは今、気分が良くないの。でも、すぐに良くなるわよ」と説明することはできる。
説明しないより、説明するほうがよい。隠すと、子どもにとって重大さが何倍にもなる。
年長の子どもなら、一緒にセッションに参加するのも良い。家族療法は好適な方法。
私の医師は、投薬を次々と変える
あるクスリが効かないと、医師はそれを中止し、別のクスリを試す必要がある。
抗うつ剤は5週間ほどで効き目が分かるので、服用期間が短いor服用量が少ないと効果が出ず、治療が不適切だと考えてしまう。
病歴を聞き、試行錯誤しなければ、どれが効くか医師には分からない。
時には一度効いたクスリが効かなくなることもある。
多くの場合、クスリは20~30%の効き目しかない(少なっ/驚 あとは自己回復力か
神経系は、順応性があり、変幻自在のシステムで、医学的にもよく分かっていない。
パニック発作のために入院しなければならないか?
パニック障害で入院するのはきわめて稀。
9.11以降、家を出て彷徨い、パニック発作も始まった
「解離性遁走」というエピソードになっていたと思われる。
通常は一過性だが、厳しい外傷体験後は、パニック発作が誘発され、何年も続くことがある。
催眠治療、薬物療法、精神療法を受けるべき。
4人の多重人格を持ち、その中の1人がパニック発作を起こす
「解離性同一性障害(DID)」は、幼児期の外傷体験(身体的・性的虐待など)で誘発される。
薬物療法、精神療法を受けることをすすめる。
喘息発作の時にパニック発作が何度も襲ってくる
喘息はパニック発作と似た気分を引き起こす。
さらに、喘息治療薬がパニック発作を誘発することもある。
アレルギーの季節はとくに注意が必要。刺激薬を含まない抗アレルギー薬をすすめる。
パニック発作を起こすか確かめるために、つねに自分を警戒している
あなたは多分、長いことリラックスするように言われてきたのでしょう。
しかし、今のあなたはリラックスできない状態です。
リラックスして、自分の状態にとらわれないことを学習することが必要(禅問答みたい
【マービンのコメント】
私はいつも自分が大丈夫かチェックしていた。
私は、病弱だった私のことをつねに心配していた母親からそれが始まったと思う。
パニック発作になると、死ぬのが怖くなる
死の恐怖はふつう。心配性の人は未知を恐れる。
ヒトが死にそうになる時、パニック発作と同様にアドレナリンがあふれ出す/驚
しかし、パニック発作で死ぬことはない。
私たちは死を否定するもの。
幼児は無力で、見捨てられることは死を意味する。
パニック発作の方は、パニック障害時によみがえる幼児期の恐怖に固着しているのかもしれない。
だから精神療法が有用。
認知行動療法、「心象法」などで恐怖をコントロールするのは大事。抗不安薬も有効。
「心象法」穏やかな景色を順次思い浮かべて、心身ともにリラックスするストレスマネジメントの一種。
父がパニック発作の時にプロプラノロールを投与され、効果があったが、自分が使っても効果がなかった
プロプラノロールは、βアドレナリン受容体遮断薬。
パニック発作が抗うつ剤でコントロールできると分かる前は、これが使われていた。
プロプラノロールは「社会恐怖」のコントロールには有用。
オーケストラのメンバに服用しているクスリの話をしたら、仲間の70%が同じクスリで
緊張時の震えをコントロールしていたと知りショックを受けたという人がいた/驚
1日中持続するパニック発作を経験しました
あり得るが稀。ふつうは5~10分。
数日持続した人に注意深く質問すると、本当のパニック発作ではないこともある。
「全般性不安」だと分かり、ラクになった。
パニック発作の方は、自分に対する悲観主義が働く。
多くのクスリを試し、MAOIのNardilが効いているが、「高血圧性クリーゼ」になると心配
「モノアミン酸化酵素阻害薬(MAOI)」は、パニック障害の標準的なクスリ。
「高血圧性クリーゼ」を避けるには、外食時に何が含まれているか尋ねること。
ウエイターは正しく知らないことが多いので注意
「チャイニーズレストラン症候群」
グルタミン酸ナトリウムを含む食べ物を、食品添加物に敏感な人が摂取した時に起こる胸痛、顔面圧迫感などの発現。
TofranilとProzacの違いは?
(略)TCAとSSRIはパニック障害に有用。
だが、時には、古典的なクスリのほうが有効な場合もある。
SSRIを1年使用し、止める際に恐ろしい目に遭った
安易な中断には注意しなければいけない抗うつ剤がある。徐々に減量すること。
抗うつ剤自体の作用で「退薬症状」が出ることは考えられていない。
多くの人はクスリを止める時に極端に不安になる。それでパニック発作が再発する可能性もある。
パニック障害で、アルツハイマー病になるリスクは大きい?
今のところ関連はない。合併するケースはある。
アレルギーがひどくなると、抗ヒスタミン薬を使うが、SSRIとの相性は?
日中や夜間の異なった時間帯にズラすとよい。
異なった化学薬品がどう相互作用するかは複雑に込み入っているので、専門医に尋ねること。
多くの抗うつ剤は、肝障害と関係があるのはなぜ?
すべてのクスリは、肝臓or腎臓を通って代謝される。
肝硬変、肝腫大があれば、代謝機能に問題があるかもしれない。
肝障害がひどくて、服薬すると必ず中毒を起こす人もいる。
抗うつ剤の使用で自殺の危険性が高くなるというのは本当?
パニック発作、その他の精神障害の方は、一般より自殺の危険性が高い。
薬物治療を受けていないと、「自殺企図」をする元気すらないが、
投薬を受けて1~5週間は、自傷する焦燥やエネルギーが出るかもれない。
最近は、メディアが人騒がせな予測を飛ばし、抗うつ剤に対して否定的な意見を述べたりしているため、
怖がってクスリから遠ざかる人もいる。
「ブラックボックス」について心配している。
自殺念慮を他人に伝えることがいかに難しいか私たちはよく分かっている。
衝動に任せるより、助けを求めることが最も重要。
抗うつ剤で15ポンド体重が増えた
抗うつ剤治療中に体重増加があることは分かっている。
運動、適正な食事をして、体重を落とすようアドバイスしている。
ソーシャルワーカーの精神療法士と、精神科医の両方に薬物治療されることは賢明?
患者さんは、チーム医療で治療を受ける。
2つの専門家がコミュニケーションをとっているかぎり、申し分ない。
中には、「臨床ソーシャルワーカー(LCSW)」、社会福祉士のトレーニングを受けていなかったり、資格を持っていない人もいる。
彼らはもし誤った治療をしても、法的責任を負うことができない。
しかし、専門家は訴えられるか、免許剥奪の可能性がある。
パニック発作を確かめるためにCTやMRIの必要あり?
CTやMRIは、パニック障害の診断の役には立たない。
薬物療法を受けず、ホルモン補充療法だけ受けている。それをやめるとパニック発作が再発する
更年期症状を緩和するためにホルモン補充する女性について否定的な結果が出て以来(2002)、多くの女性は止めた。
結果、寛解していた精神障害が再燃した。
最もコントロールしがたいのは、HRTを止めた時の不眠。抗うつ剤は使うべき。
やっとパニック発作がなくなったが、どう楽しい生活をして、再発を心配しないでいられるか?
パニック発作がおさまって、最も困難なのは、再び楽しい生活をすること。
いつもある程度、再発を警戒しているもの。
何に困っているかを検討し、問題処理する。
パニック発作の人は、自分の感情を抑圧する名人。
治療では、喜怒哀楽、すべての感情に触れることを習得する。
世間は、感情表現を良しとしない。個人的なことを後回しにすることが奨励される。
楽しいことを見つけて、それをしてください。
パニック発作を治療する良い精神科医をどう探したらよいか?(コレは難題
1.都会なら総合病院の精神科部門に電話して、不安性障害専門の精神科医を紹介してもらう。
2.友人や家族に教えてもらう。
3.精神薬理学のみなら、別の医師を紹介してもらう。
4.パニック発作の講演に出れば、機会があるかもしれない。
※日本では、まず保健所、精神保健福祉センターなどに相談するのが適当。
どう精神療法士を探したらよいか?(コレも難題
1.どういう資格を持っているか検討する。
2.精神療法の考え方、タイプを選ぶ。
3.治療者の性格があなたに合っているか見定める(大事!
精神療法は楽しくあるべき(3分診療じゃ望めないね
催眠療法などの代替治療はどうか?
催眠療法で効果のある人もいるが、多くはない。
催眠療法は、禁煙、体重コントロール、解離性障害への対処などには役立つ。
ネットや、テレビのCMでは、詐欺師まがいの儲け主義のものもあるから注意。
多くのカルト集団が心をとりこにすることができたため、その団体から抜け出すことが出来なくなる。
巻末の参考書一覧には、こないだクリニックの担当医がすすめた本も入ってた。
あと『こころが晴れるノート』も。これは、まだ何も分かってない時に読んだからいまいちピンとこなかったんだよね
****************
【ブログ内関連記事】
『怖れを手放す』(星和書店) (その1)
『怖れを手放す』(星和書店)(その2)
『愛とは、怖れを手ばなすこと』(サンマーク文庫)
上記の著書で知った星和書店さんから出している本の中にパニ障のもあって、
基本の1から分かりそうな気がして買ってみたのが本書。
「AH入門ワークショップ」で初めてグループセラピーを体験してみて、それまで数人のグループで、
自分のココロの内側をさらけ出すことは怖いことだと思っていたけれども、
同じ苦しみを抱え、癒やしに来ている安全な場所で話すことは、癒やしとともに気づきにもつながると実感した。
と、同時にパニ障だけのグループセラピーもあればいいのにと思った。
それをクリニックの担当医にゆったら、
「日本でグループセラピー自体がまだ少ない。あったとしても研究段階。アメリカではさかんに行われている」
「認知行動療法」をしている医者が少ないことは前にも聞いていたから、それもそっか。
日本では自分のことを話すって「恥」につながっちゃうのかねえ。
ちなみに、担当医に『怖れを手放す』を見せたら、著者の水島さんは「対人関係療法」の提唱者として有名な方だそう。
同じく、裏に書いてある他の本の著者、遊佐安一郎さん、伊藤絵美さん、井上和臣さんは、
それぞれ「認知行動療法」を日本に持ち込み、広めようとしている方々。
パニ障は日本にも大勢いて、少しずつ知られつつあるけど、まだまだ認知度は低くて、
いちいち説明するのも面倒だから、「閉所恐怖症なので」「高所恐怖症なので」「過呼吸で・・・」「気分が悪くて・・・」と
相手にすぐ伝わりそうな表現にしてしまうことも多い。「広場恐怖症なので」といっても伝わらないし
クリニックの担当医は、『怖れを手放す』を見ながら、
「診療のほうが忙しくて、なかなか新しい知識を学ぶ時間ない」とボヤいていた。
ココロの病を1日十数人も診るってところがもう違うと思う。
母の担当医は「強迫性障害」らしく、とても丁寧で、おとなしい医師だが、
もうかれこれ2年近く病院を休んでしまっている
精神科医だって、毎日人のネガティブな話ばかり聞いていたら参っちゃうよな
相手の気持ちに共感する人であればあるほど。
でも、だからといって、自分の都合で受け持つココロを病んだ患者さんに数年間も迷惑をかけているのも間違ってるのでは?
そもそも、医師の診断+処方が医療で、そうじゃなかったら法に触れるのでは???