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『神との対話2 宇宙を生きる 自分を生きる』(その2

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『神との対話2 宇宙を生きる 自分を生きる』(サンマーク文庫)
ニール・ドナルド・ウォルシュ/著 吉田利子/訳

「その1」はこちら。
今回は、わたし的に一番気になる問題の「教育」、それからきっと最も抵抗が大きいんじゃないかと思われる「政治」の話題を取り上げていて、
どちらも理想形はとってもシンプルなのに、なぜこれまで何千年も実現できないままでいるのかフシギなくらい。

著者がアメリカ人てことも、この本づくりに深く関係してるのかもしれないと思った。
たしかに、さまざまな考え方をもつ人種の坩堝と言われるこの広大な国が、
なんだかんだで1つの連合国としてまとまって機能しているということは、
地球上のあらゆる考えをもつ国々が「県」や「州」のようになって、
1つの国となったら戦争、飢餓、あらゆる問題がシンプルになるんじゃないかってこと。

それにはまず、なにより個人の意識を変えなきゃならないんだ。
「自分さえよければ」が自分の家族、自分の国へと広がって対立を生み、戦争を生む。
「足りない」「もっと必要だ」という意識をみんな一人ひとりが変えること。

飢餓、不平等をなくすために世界征服を企んでる「鷹の爪団」は、そういう意味では素晴らしい偉業を達成しようとしてるんじゃん!


■9 あなたはどう考えるか? いつも鍵になるのはこの問いかけだ。

Q:アメリカが話題になったので、そのことについて、もう少しうかがいたいのですが?
A:
「子どもたちの教育」ほど大きな問題はないね。
人類のほとんどは、教育の意味、目的、機能を、「知識を伝えることだ」と考えてきた。
だが、教育は「知識」とはほとんど関係ないのだよ。

智恵とは、応用された知識だ。

Q:わたしたちは、知識を大事にして、智恵を無視しているんですか? どんな風に?
A:
子どもたちに、「どう考えるか」ではなく、「何を考えるか」を教えている。
子どもたちに知識を与えるとは、あなたが理解させたがっていることが真実だと教えることだ。
一方、子どもたちに智恵を与える場合は、何を知るべきか、何が真実かも指示せず、
子どもたちが「自分の真実を見つけるにはどうすればいいか」を教える。


Q:では、学校で教えることはできるだけ少なくすべきなんですか?
A:
学校では今までとは逆のことを重視すべきだ。今は知識偏重で、批判的な考え方を追放したがる。
批判的な考え方を身につけた子どもたちは、親のモラルや基準、暮らし方を「捨てる」可能性が多いから。
いまの教育は、世界を無知へと追い立てている。

歴史のほとんどは、いわゆる白人、アングロサクソン、プロテスタント、つまりWASPの視点から書かれている。
女性や黒人、少数派が「大事な部分が抜け落ちている」と声をあげると「修正主義者」が教科書を変えようとしていると叫ぶ。

アメリカでは、日本の2つの都市に原爆を落とし、おびただしい人間を殺傷する結果となった決断について、子どもたちにすべてを教えてはいない。

政治は実際に起こったこととまったく関係がない。つねに、起こったことについての誰かの「視点」だ。
歴史は明らかにし、政治は正当化する。歴史はすべてを語る。政治は隠し、真実が書かれた歴史を嫌う。


Q:学校で「性教育」なんかしないで、家庭に任せておいたら、10代で親になったり、未婚の母が福祉の世話になったりすると思います。
  わたしたちは、戦争を終わらせたんですよ。何千人もの生命を救ったんです。そうするしかなかったんです。
  誰でも古い価値観のほうが良かったとおもっています。ナショナリズムに返れと、世界中で声があがっています。
A:
日本帝国は原爆投下以前に、戦争を終わらせたいとひそかにアメリカに打診していた。
あなたがたの教育システムは、こうした問題について批判的な考え方を許さないという点、それが問題なのだ。
子どもたちが自分なりの結論を出すことを嫌う。あなたがたと同じ結論を出させたがる。

高度に発達した社会では、すべての出産が祝われ、すべての母子が幸せになるように気を配られる(素敵だな
自己破壊的な行動は一度起これば充分だ。

若者たちは、つねに「もっと良い方法があるはずだ!」と叫んできた。だが、あなたがたはその声を聞きたがらない。
「わたしたちは正しかった。おとなしくそう思え」あなたがたは、そんな風に子どもを教育している。それを教育と呼んでいる。

若者たちはあなたがたの暮らし方を破壊している。若者とはつねにそういうものだ。
あなたがたは彼らを抑えるのではなく、励まさなければいけない。
死ぬほどの税金をとって、その金を戦争や武器に使うのは若者ではない。彼らは「そういうことはやめてくれ」と言っている。

若者が暴力的なら、それはあなたがたが暴力的だからだ。
彼らが物質主義者なら、あなたがたが物質主義者だからだ。
年長者と若者の違いは1つ。若者はおおっぴらに行動することだけだ。
年長者は隠れて行動する。若者には見られていないと思っているが、若者はすべてを見ている。


Q:どんなふうに若者を教育すべきなんですか?
A:
第一に、子どもたちを霊的な存在として扱いなさい。

肉体に慣れるのも易しいことではない。とても窮屈で、狭苦しいものだ。
だから子どもたちは息苦しくてふいに泣き出す。その泣き声を聞いて理解してあげなさい。
子どもたちは、経験したことをすべて記憶する。
どうして、子宮から出た途端に赤ん坊を叩くのか? そうしないとエンジンが動き出さないと思っているのか?

どうして、幼いころの最初のイメージを暴力的なものにするのか?
どうして、子どもたちに音楽、芸術の喜び、おとぎ話の神秘、生命の驚異を教えないのか?
どうして、すでに破綻しているのになお継続されているルール、社会のシステム、結論を記憶させるのか?
ものではなく、「概念」を教えなさい。

3つの基本概念を中心にした、新しいカリキュラムを考えなさい。
「認識」「誠実」「責任」
書くことも同じく、このコアとなる概念が中心になる。

算数と数学は抽象ではなく、生きるための宇宙で最も基本的な道具だ。
「派生物」だ。事実を基本にした今のカリキュラムに代わって、この派生物を基本に教育モデルを築けばいい。

ヒトの気持ちを認識し、ヒトの生き方を尊重するとはどういうことか。親は自分が教えられたことを伝えるだけだ。


Q:そのどこがいけないんですか?
A:
あなたがたがすべてに責任を負うまでは、何も変えられない。


Q:私たちは何百年も同じ過ちを繰り返してきたんですね・・・
A:
何千年もだ。いちばん基本的なところで原始時代からあまり進歩していない。
学校が、親たちの思い込みや偏見から切り離された場所だからこそ、教えるべきだ。
親から子へ価値観が伝えられてきた結果がどうなったか、よく知っているだろう。

希望は次の世代に、そしてさらに次の世代にある!
だが、子どもたちに過去のやり方を押しつけるのは、止めなくてはいけない。うまくいかなかったじゃないか。

ほかにもこんな教科があってもいい。
・力の理解
・紛争の平和的な解決
・愛情ある関係の要素
・個性と自己創造
・身体と精神と魂 これらはどう機能するか
・創造性の発揮
・自己への誇りと喜び、他者の尊重
・喜ばしい性的表現
・公平
・寛容
・多様性と類似性
・倫理経済学
・創造的な意識と精神力
・認識と目覚め
・誠実と責任
・可視性と透視力
・科学と霊性
(うん、どれも一番から学んでみたい教科だ

学校のカリキュラムを根底から見直しなさい。
子どもたちにはできるだけコアとなる概念を理解させなさい。
日付、事実、統計数字を中心にするのではなく。

あなたがたの教育システムは答えを出すことを主にしている。
だが、「問いかけること」を主眼にしたほうが、ずっと役に立つ。
自分で答えを見つけなさいと励ます。

Q:それじゃ収拾がつかなくなります!
A:
データはありのまま、見せてやるべきなんだ、データとしてね。

過去のデータを現在の真実の基礎にしてはいけない。
前の体験のデータは、つねに新しい問いかけの基礎で、それ以上のものではない。
あなたはどう考えるか? いつも鍵になるのはこの問いかけだ。

子どもたちに価値観を問われたくないという親は、子どもを愛していない親だ。
子どもを愛しているのではなく、子どもを通じて自分を愛している親だ。

ルドルフ・シュタイナーというひとが書いたものを読んでごらん。彼が創設したウォルドルフ・スクールという方式を勉強してごらん。
そこでは、先生も幼稚園から小学校まで一緒に進級していく。教師は、生涯に4つか5つのグループの子どもしか教えないだろう。

(いままでの退屈な学校で競争ばかりして過ごして、履歴書や面接では、
 どれほど学校生活が有意義だったか語らなきゃならないんだから辛いよねえ
 それも金や効率重視で人を大事にしない企業のために


****************************政治


■10 世界を変えたいなら、他者の利害を自分のものとして考えること

A:
どこの政府でも、国民を間違った方向に導こうとしない政府はほとんどない。
国民のための政治だと思いこませるのは容易ではない。みんな政府はなんと愚かだろうと思っている。
つなぎとめておくために嘘をつかなければならない。大きな嘘を長い間つきつづければ「真実」になるという言葉がある。
政府ほど、あの言葉の正しさを示しているものはない。

政治は現実的な技術だ。真実と政治は両立しえない。
ヒトはだいたい利己的に行動するということを露骨に見抜いている。
政治とは、権力者が「自分の利益」は「国民の利益」だと納得させようとすうる方法だ。

ヒトは自分の面倒は自分でみれると気づく。


Q:でも、問題は自分の面倒を自分でみられないヒトが多いということです。
  金持ちだけが「予防医学」の恩恵をこうむり、その他たくさんの差別や不平等が存在しているんですから。
A:
ヒトに呼吸するチャンスを与えようとする法律でかえって窒息させないよう気をつけなければいけない。
倫理は法律では決められない。平等も義務付けられない。必要なのは、「集合意識の変革」で、集団的良心の押しつけではない。
あなたがたの法律は、国民はこうあるべきなのに、そうではない、という権力者の考えを表している。

Q:「少数のエリート」が法律を通じて「無知な大衆」を動かしている。
A:
「多数者」にとって一番良いのは、自分で自分を統治させることだ。

Q:無政府主義ですか。うまくいくはずがありませんよ。
A:
偉大な社会には、あんまり法律は必要じゃない。
ほんとうの法律は、実は、一番力がある者が、すでにどんな権利をもっているかを記している。
「どんな社会にしたいか」を反映しているのではなく、「どこに権力があるか」を反映している。
法律をできるだけ少なくすること、


「大麻」が禁止され、タバコが許されているほんとうの理由は、健康とは関係ない。問題は経済だ。つまり、権力だよ。
実は大麻はタバコやアルコール以上に習慣性や健康上の危険があるわけではない。

では、なぜ大麻は許されないのか?
もし大麻が栽培されると、世界中の綿花栽培業者、ナイロン、レーヨン生産者、木材生産者の半数がたちゆかなくなるからだよ。
大麻は地球上で一番強くて、丈夫で、長持ちして、役に立つ材料のひとつだ(すげえ発言だな
こんなに優れた繊維はないし、栽培も収穫も簡単だ。
新聞の日曜版の紙のために毎年何十万本の木が切り倒されている。

大麻は薬品にもなる。それを実現すると、誰かが損をする。だからアメリカではマリファナが違法なんだよ。
みんなの利益になることが実現するのを嫌がって、わめいたり暴れたりして邪魔をしている。
自分の利益ではなく、人類の利益、共通の利害を基準にできるか? どんな方法があるか?ということだ。
あなたがたの社会を動かしているのは「利益」だからね。これも惨めな失敗例にすぎない。

アメリカでは、老いて退職した者の85%は貧しい暮らしをしている。

国民総生産に対する比率から言えば、アメリカの対外援助は、もっと小さな国より少ない。
あなたがたは、浪費と退廃の社会に住んでいる。

自動車のコストは3倍、耐久性は3/1。衣服は10回着たらボロボロになる。
食品には化学物質を添加して、店の棚に長く置けるように、それでヒトの寿命が縮まることになっても意に介さない。

スポーツチームには馬鹿げた努力の代償として腹立たしいほどの金を支払っても
教師、聖職者、病気の治療法を発見しようと闘っている研究者には金を乞い求めさせておく。

スーパーやレストラン、家庭では毎日、地球の全人口の半分を養なえるほどの食べ物が捨てられている
「指導者」たちは、政治的腐敗につかり、寄附された食べ物は飢えた大衆の手には届かない。
他人の苦難を自分の苦難と考えないかぎり、いつまでもこのままだろう。


Q:どうしてわたしたちは放置しておくんでしょう?
A:
あなたがたが気にかけないからだ。
自分の家族は愛していても、自分を人類という家族の一員と見ていない。


Q:どうすれば、苦しみや悲惨な事態をなくせますか?
A:
現在の世界観は、それぞれが自治権をもった別々の独立した国民国家の集まりだと考えている。
毎年、何千人が飢え死にしようと、あれは「内政問題」だという。
だが、あなたがたの利益が脅かされれば、国家をあげ、世界を仲間に入れて天使でも二の足を踏むような場所へ駆けつける。

そこで、あなたがたは大嘘をつく。
これは「人道的な行動だ」ところが実際は、自分の利益を守っているだけだ。利害関係がないところには関心を持たない。
世界を変えたいなら、他者の利害を自分のものとして考えることだ。


■11 必要なのは、環境を変化させることではなく、意識を変化させること

Q:世界政府のことをおっしゃっているのですか?
A:
そのとおり。
世界はそろそろ、人類の唯一の問題は愛の欠落だと気づいたほうがいい。
全人類を自分の家族と考えることだ。
「国際連合」は無力で無能だ。まったく創りなおさなければならないが、そうとう難しいし、面倒だろう。

それぞれの国民国家が世界の問題について平等な発言権をもち、世界の資源を平等に分かち合う新しい政治的コミュニティをつくればいい。

毎週何十万ドルかのおびただしい金額がシステムに吸収されて戻っていくとするなら、
それを飢えた者に与えれば、犯罪原因は永遠に失われるのではないか?
政府の仕事が減って、小さな政府さえ実現するかもしれないだろう?

新しい世界コミュニティは新税を徴収する必要はない。
防衛システムや、攻撃兵器生産の費用を節約する


Q:わたしたちに軍備を撤廃しろと!
A:
アメリカだけじゃない、世界中だ。撤廃じゃなくても、大胆に縮小すればいい。
世界中の政府は毎年1兆ドルを軍備に費やしている。1分に100万ドルだよ。
自分たちが持っているモノを欲しがっている国に攻撃されると恐れているからだ。

「アメリカ合衆国」は、壮大な実験だ。
「民主主義は最悪の制度だ。だが、他の全てに比べればまだマシだ」とウィンストン・チャーチルが言った。
個々の州がゆるやかに連携しあい、まとまりのあるグループを結成して、中央の権威に従うことにした初めての事例だ。

13州の半分は独自の紙幣を発行していた。
時が経つと、小数の進歩的な指導者が「新しい連合体をつくれば失うものより得るもののほうが多い」と市民たちを説得した。
個々の州は進んで合意に達した。シンプルな「自発的な合意」だ。
問題は裁判所にもちこまれ、紛争を解決する権限が認められている。

日常的な体験を変えるためには、現実的な暮らしの中で霊的な真実を生きられなければならない。


Q:なぜこれまで試みがなかったんでしょうか?
A:
あったよ。昔の国際連盟、今の国際連合もそうだ。
だが、ひとつは失敗し、ひとつはほんのわずかな効果をあげているだけ。
「権力者」はすべての人々の暮らしを向上させるより、自分が力を維持することに関心をもつ。

他者が有り余る豊かさを捨てなければならないわけではない。
軍事費1兆ドルを、人道的な目的に振り向けさえすればいい。

戦争と兵器で儲けている国際的なコングロマリットは、敗者になるだろうと言える。

コングロマリット【conglomerate】
相互に関連のない異業種部門の企業を次々と買収・合併し、多角的経営を営む巨大企業。複合企業。

あなたがたは、幸福になるために積み上げたモノをひとかけらたりとも手放すまいいとするだろう。
そして「もたざる者」も自分の不幸を物質的な欠乏のせいにしていたら、
常にあなたが持っているモノを欲しがり、あなたは常に分かち合うことを拒み続けるだろう。

地球上に戦争が起こるのは、誰かがもっているものを、もっていない者が欲しがるからだ。
紛争は間違った欲望から生じる。世界中で持続しうる唯一の平和は、内的な平和だ。

内心の平和を見出せば、「外部世界」のモノを「必要としなくなる」。それは偉大な自由だ。
「特定のモノがなければ幸せになれない」という不安から自由になれる。

「必要としない」と怒りからも自由になれる。怒りとは、不安の表現だ。

あなたは、誰かが不親切でも怒りはしない。なぜなら、親切にされる必要性を感じないからだ。
誰かに冷たくされても怒りはしない。なぜなら、愛される必要性を感じないから。
誰かがあなたを傷つけようとしても、相手に別のふるまいをさせる必要性を感じないし、自分が傷つけられはしないことを知っている。

あなたは直感的に「自分が創り出したものはすべて再び創り出せること」を知っているし、
実はそれがどうでもいいことも知っている。

肉体的なことへの関わりは自発的なものであって、強制ではなくなる。
それを「選択」したからで、「必要だから」とか、悲しみを正当化するのに必要だからではない。

世界平和は個人的なことがらだ。必要なのは、環境を変化させることではなく、意識を変化させることだ。


Q:飢えている時に、どうして内心の平和を見出せますか?
  ギャングに8回もレイプされた女性に、あなたの詩は何と言ってやるんですか?
A:
大きな悲劇に遭った時の課題は、どうやって心を鎮め、魂の奥深くへ入っていくかだ。
もうコントロールできない、という時、あなたがたは自動的にそうなる。


■12 生きるだけのために苦労しなければならないのだろうか

Q:貧しいヒトたちにもっと与えるために、金持ちに課税するのは、一生懸命に働いて「頑張った」ことを事実上罰するのと同じです。
  自分たちに頑張れたのだから、誰にでもできるはず。そうしないのは「当人が悪い」んだと言います。
A:
あなたはすべてを選んでいる。
両親、祖国、環境のすべてを、ほんとうの自分を知るのにぴったりな完璧なチャンスが得られるよう、出来事やヒトを創造しつづけている。
魂が達成したいことを考えれば、誰も「不利」な立場にはいない。

あなたの質問は、「ここでわたしは何を望むか」であって、「決して相手は何を望んでいるか」ではない。
何を望むか、必要とするかではなくて、あなたが成長し、ほんとうの自分になるためには、何を必要とし、何を望むのかを知ることだ。

この取引ゲームでは、あなたは非常に微妙なバランスをとる。
「あなたがわたしのニーズを満たしてくれれば、わたしもあなたのニーズを満たしてあげましょう」
相手に対して望むものがあれば、自己保存本能が働いて、相手が望むものを与えようという気になる。
人間関係がめちゃくちゃになるのは、いつも自分がほんとうに何を望んでいるかではなく、
相手が何を望んでいるかを知ろうとするせいだよ。

だからわたしは、あなたがたに次のことを与えた。
1.相対性:他者との関係の中であなたが存在しうるシステム
2.忘却:このプロセスで、相対性は単なるトリックにすぎず、あなたはすべてであるということが分からなくなる。
3.意識:あなたが完全な認識に達するまでの状態。際限なく広げつつ、現実を変化させ、再創造していく。
このパラダイムでは、意識こそすべてだ。

知っていることと体験することとは、まったく違う。
わたしは常に体験を選ぶ。あなたを通じて、選んでいるのだ。

第一に、その人たちの関係で自分は何者であるかを決定しなさい。
第二に、救護者でありたいと決意したら、最大の援助は、相手が自分の足で立てるようにすること。
最善の方法は、相手を放っておくという場合がある。
あなたが不運なヒトだという眼で見れば、当人もそう思うだろう。

イエスがもっていた最大の資質は、万人のほんとうの姿を見ていたことだった。
ヒトによっては、自分ではない自分を生きるのがほんとうの自分への近道だと、彼は知っていた。
彼は自身を手本として差し出した。
今でもイエスは、彼の名を呼ぶヒトたちを助けている。
彼が考える完璧な愛とは、どんな助けが得られるか教えた上で、求めるとおりの援助を与えることだった。


Q:相手の成長を促すどころか、邪魔になるのは、どんな時ですか?
A:
あなたの助けが「自立」ではなく「ヒトをあてにする気持ち」を助長する時だ。

「相手を助けようと尽くしている」と本気で思う。だがほんとうは「自尊心を満たしているだけではないか」と常に自分を振り返りなさい。
相手に対する責任を引き受けるほど、あなたは相手に対して権力をもつことになる。
政府に支えられるヒトは、政府を支えている。
政府は支援することで弱者に力を与えるのはなく、ますます弱くしてしまうことが多い。


Q:しかし、実際は、ロシアの農民がいくら待っても、貴族は富を分かり合おうとはしなかった。
  フランスで飢えた群衆が押し寄せた時、マリー・アントワネットは「パンがないなら、お菓子を食べればいい」と言ったとか。
  メキシコでは20〜30の家族が文字どおり、メキシコを動かしていると言われています。

  人民の政府の大半は、人間性に怒った大衆によって創られたのではないですか?
  鉱山所有者は、危険な坑道で大勢の貧乏人が死のうと平気だったんです。なぜなら儲けが減るからですよ!
  女性だから就職できないのはおかしいと言えば、過激なフェミニストだと言われます。
  それが一番ハッキリと現れているのが、“医療保険制度”です。
  企業はどうして、とうの昔に解決策を提案しなかったのか。私企業は「利潤」に動かされているからです。
A:
なかなか雄弁だった。トインビーからジェファーソン、マルクス、大勢のヒトが何百年もその問題を解決しようとしてきたね。

世界はまだ全面的な解決ができる政府のシステムを見出していない。
善や公正さは政治問題ではなく、倫理上の問題だ。
モラルを法にすることはできない。


Q:何が「善悪」か、みんなが合意したことを「法制化」したのではありませんか?
A:
原始的な社会では、ある種の市民法は必要とされている。
非原始的な社会では法律は必要ない。各々が自分を律しているからだ。
神の法は「無法」だ。私には、何ひとつ必要ない。

放っておかれると、ヒトは「正しい」ことをしない場合が多いね。
あなたがたが成長して自然に正しいことをするようになるまでは、ある程度の統治は必要だろう。


Q:わたしが他者のすべてに対して責任があるとすれば「共産党宣言」が正しいことになりますよ。
A:
それはとても高貴な考え方だ。だが、冷酷に強制されると、高貴さが失われる。そこが共産主義の難しいところだ。
概念ではなく、実行が難しい。

変える必要があるのは、基本的な人間性だ。
生きるための闘いをせずにすめば、人類がもっと高貴な目標を追求する道が開けるのではないかな?

恵まれたヒトたちが、相手の力を弱めることになるから、飢えた人やホームレスをつけるのはイヤだと言うなら、その人たちは偽善者だ。
社会の進歩の度合いは、最も貧しいヒトたちをどう扱っているかではかられる。

どちらか疑わしい時には、間違ってもいいから「同情心」「憐れみ」の側に立ちなさい。
助けた結果、相手は拡大するだろうか、縮小するだろうか?

最低水準以上のことを望むなら(もっと多くの食べ物、大きな住まい、素晴らしい衣服)目的を達成しようと自分で努力すればいい。
だが、生きるだけのために苦労しなければならないのだろうか。
すべての人にゆきわたるだけの充分なものがある地球の上でだよ?
それが人類が直面している問題の核心だ。


Q:チャンスを与えても生かさない者がいる、と言う人もいますね。
A:
同情心に限度はない。愛に終わりはなく、神の世界の忍耐は決して尽きない。
ヒトの世界でだけ、善に限りがある。


Q:本質的に悪だというヒトもいますよ。もし誰かが攻撃してきたら、それは悪ではないんですか?
A:
すべての攻撃は助けを求める叫びだ。誰も、ほんとうに他者を傷つけたいとは思っていない。
傷つけるものは、欲しいものを獲得するただひとつの手段だと誤解しているから、そうするんだ。
何も欲しがるな。好みで選ぶのはいいが、必要としてはいけない。

あなたがたは、いまだに原始的な「誰もが自分のためにある」という精神状態でいる。
反対するヒトたちの公民権を組織的に剥奪して「過激派」と呼んでいる。

あなたがたの心には「シンプルに生きよう。そうすれば、ほかのひともシンプルに生きるかもしれない」ということが思い浮かばない。
あなたがたは、苦労して働いて、今持っているモノを手に入れた。だから、何も手放そうとしない!

「意識の変革」だ。
人類を苦しめている問題は、政府の活動や、政治的な手段によっては解決できない。
それは、もう何千年も試みてきたことではないか。


Q:全員が一度にそれをしなければ、実現できませんよね。
A:
誰かが始めなくてはならない。そのチャンスが今ここにある。


■13 わたしがあなたのもとへ送るのは天使だけ

Q:どう始めたらいいんですか?
A:
すべてを与え、何も求めないこと。
世俗を避けること。
受け入れがたいものは、受け入れないこと。

自分について謙虚に語りなさい。あなたの最高の真実が「自慢」と間違われないように。

穏やかに語りなさい。注意をひきたいだけだと思われないように。

堂々と語りなさい。何かを隠していると思われないように。

あなたが「贈り物」だと忘れないように。
あなたの人生に関わるすべてのヒトに、あなたが関わりをもつすべての相手にとって贈り物でありなさい。

あなたのとろこへやってくるヒトはみんな、贈り物を受け取りにくるんだ。
わたしがあなたのもとへ送るのは天使だけ、それ以外はない。


■14 

A:
まず、あなたは何が与えられるか、すべてを相手に知らせなさい。
相手が欲しがっている助けを与えなさい。
言葉、行動で、放っておいてほしいと言っていることだって多い


■15

Q:わたしはあなたを愛しています。ご存じですか?
A:
知っている。そして、わたしもあなたを愛している。

つづく。。。


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