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ドラマ『大地の子 第5部 長城』(1995 全11話)

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ドラマ『大地の子 第5部 長城』(1995 全11話)
原作:山崎豊子

『大地の子 第1部 父二人』
『大地の子 第2部 流刑』
『大地の子 第3部 再会』
『大地の子 第4部 黒災』


▼あらすじ(ネタバレ注意

考察団が来日

「私は、今では日本人に嫌悪感を持っています」と信頼する上司に明かす一心。

「自分のココロには矛盾がある。かつて日本人は中国を侵略した。
 僕のような孤児も日本の“軍国主義”の犠牲者ではないでしょうか?
 ぼくら孤児や難民は、日本に捨てられた人間なのに、
 それがなぜ、日本の軍国主義の罪を身をもって償わなければならないんですか?
 この日本語のために自分ばかりか、家族まで犠牲になるかと思うと、それだけは絶対できません」


周恩来氏、毛沢東氏が死去。
 

考察団が来日し、木更津の最新技術を視察する。
会長となった稲村は、今や経済界を牛耳っている。周恩来氏とも交流があったといって大歓迎する。

 

「鉄の女」と呼ばれている副団長・冷珠は
「戦後、日本が30年でこれほど高度成長できた理由は?」

稲村「基幹産業である鉄鋼を、政府と民間が一体となって力を入れたからです」

冷珠は団長に
「日本の鉄鋼業は今や先細りと聞いています。もしや、中国を格好の標的としているのでは?」と囁く。

現場を案内する社員。


「環境問題にも配慮して、工場はまるで公園のようなつくりになっております。
 日本は資源が貧しいので、輸入に頼らざるを得ない。工場を建てるには、臨海地がベストなのです。
 高炉は最大級。たった10人で操業しています」

(高度成長期の日本も、バブル期も、戦時中と同じくらい、
 いろいろ勘違いしてたんだな。それは先進国が歩む道の典型なのか?


1ヵ月の視察が終わり、芸者で接待。

冷珠「なにより、日本人の仕事熱心さ、集中力に驚きます」
日本人社員「それは、国の教育水準が高いことも関係しています」
団長「ところで、あの高炉は1本いくらです?」


一心は、工場建設地を探す任務につく
臨海地の候補地探しのため、軍艦に乗って長いこと探すがなかなか見つからない。
上司の楊祐民に「中国でも、やはり輸入が必要です」と提案。
久々に家に帰ると、上海土産などを家族にあげて、月梅、燕々は喜ぶ。



文革で疲弊した中国だったが、木更津と同じ最新鋭の工場をたった2年で建てると告げる。
「我々には、大勢の人間がいるのが武器です」

日本人社員からは、さまざまな懸念の声があがる。

「土地探しからだと2年はムリでは?」
「建設費がふくらみます。日本から工具や材料いっさいを購入するしかありませんよ」

「我々は、現代化を国民に示す必要があります。一括現金払いなら安くなりますか?」

稲村は、引き受ける。


養父のもとに、日本の肉親探しの手紙が届く
吉林省公安部に出頭するよう手紙が来て、一心に何かあったのではと心配して行くと、
処長から、もう随分前から日本の肉親探しが始まっているという話を聞いてショックを受ける。

「戦時中7歳だった一心が、何も覚えていないのはおかしい。
 気兼ねして養父母に言わない者もいる。恩を忘れて強引に帰ってしまう者もいる。
 希望者は申し出るよう。一時帰国は国の方針。あとは家族の問題なのでよく話し合ってみてください」



養父は、「孫の顔が見たい」と言って、突然、一心を訪ねてくる。
「明日、万里の長城に行かないか?」
「12月で寒いですよ。なにか、私に話があるのですか」

 

万里の長城に行った親子。
一心が会社の上司と偶然会い、流暢な日本語で話すのをしみじみ見つめる養父。

「秦の始皇帝は外敵に備えて牢獄のような堅固な長城を築いたが、結局滅びた。
 国の守りは堅固な城を築くことではない。徳にある、という詩だ」

その一団の中には、松本耕次もいた。



「今の日本語の上手い人だが、誰ですか?」
「計画司の、陸一心です」

養父は、日本の肉親探しのことを話して、一心は驚く。


1978年。上海で建設が始まり、松本耕次はそこの所長に選ばれた。
理由は「中国に想い入れを持った人物が必要なんだ」という。

狭間から連絡があり、咲子生存の知らせを聞く。
「中国残留孤児の連絡会が明日あって、咲子さんもちょうど里帰りしてるから会わないか?」

松本は仏壇に祈る松本「誰か一人でも・・・」


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