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『いちご物語』(白泉社文庫)

■『いちご物語』(白泉社文庫)
大島弓子/著

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白泉社文庫セレクション

「大島弓子選集」で近所の図書館で検索し終わって、全16巻だけど、5、6、13巻がないことが判明。

「大島弓子が選んだ大島弓子選集(全7巻)」は、ほぼ「大島弓子選集」と内容が同じ。

その他にこの「白泉社文庫」が4冊あって、中には「大島弓子選集」に収録されていないものも見つかったので、
それを借りて、大島さんの作品シリーズはひとまず幕引きになりそう。

ここでは、そのかぶってない作品のみのメモを書くことにします。


▼あらすじ(ネタバレ注意
ラップランドで暮らしていたいちごの父(日本人)が死んだ。

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いちごは、一度ラップランドに旅行に来た青年と結婚する(父に面影が似ているから)と言って、列車に乗る。
家族同様の養父母は、新しい土地に行くから、もう会えない。
母がいちごが6歳の時に亡くなってから育てた養母は泣いて見送る。

やっと日本に着いて、「しぶやくじんなん いくた」と言って家を探すいちご。

“草がない 雪もない 色のわるいやせた木ぎ
 砂ぼこりとも 草いきれともつかない もうもうたる これは空気か!?”

(私もいつも都心の街路樹を見ると悲しくなる

やっと生田の家に着くと、小説家の父、虚弱だが家族を支える大学生の長男・森太郎、
次男・林太郎と、そのGF然子がいた(彼らの母は亡くなった

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林太郎といちごは同じ17歳。「お嫁に来た」といういちごに激しく動揺する家族と然子。
一度は自分の勘違いだったと家を出るいちごだったが、一晩、林太郎と手をつないで眠ったことでもう結婚したと思い込む。

然子は焦りを感じ、林太郎に告白し、林太郎も幼なじみの頃から好きだったと言う。
森太郎の婚約者・美の宮が来て、どこかで見た顔だと言ったことで、父は身元を調べたほうがいいかと迷う。

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いちごに振り回される林太郎を見て、然子は自分の貯金でいちごの帰りの旅費にしてもいいという。
もの覚えが速いいちごを、小学校に入れる森太郎。そのためにバイトを増やして体を壊してしまう。

然子は林太郎に告白したことを告げ、いちごにフェアで戦おうと言う。
いちごは、大学一女好きな狼男・日向に襲われそうになって、初めて大人の恋愛の意味を知る。

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それから急に男性恐怖症になってしまういちご。日向は諦めず、女装していちごに接近する。
日向は、両親が結婚してから10年目の子どもだということを涙ながらに話して、いちごに同情させる。

森太郎が倒れてから、いちごは慣れない風習の中でバイトを探し、林太郎も学校を辞めて働くと言い出す。
然子は、林太郎からのキスがきょうだいにする額へのキスだったことから、林太郎はいちごが好きだと気づく。

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林太郎は、学校を辞めるのは、父のような小説家になりたいからだと夢を初めて家族に話す。
いちごは、養母が「困った時はこの結婚指輪を売ってお金にしなさい」と言っていたことを思い出し、
指輪を売ってしまうが、父はすぐ買い戻そうとして、倍の値段で売れてしまったことを知り悲しむ。

なにも役に立てないことを後悔して、いちごは横浜港から密航しようとして捕まる。

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父がいちごのことを書いた「いちご物語」が採用され、売れたことで問題はいったんおさまるが、
然子は自暴自棄になって不良と付き合っていることが林太郎の耳に入る。

いちごは日向に助けを求め、林太郎は然子のためにケンカして入院し、
「ぼくは、いちごを愛している」と然子に告げる。
日向は然子を慰めて、いつしか2人は大接近する。

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「薔薇を抱えるとどんなときでも楽しくなるよ」(日向


いちごは咳き込むことが多くなる。
そんな折、「いちご物語」を読んで訪ねてきたのは、父の母だった。父の名前は有馬司。
父の兄(養子)の息子・猛(相続人)は、「あなたと結婚する運命にある」と言う。

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このままだと呼吸器系がやられるため、空気のいい場所での静養が必要と医者に言われるいちご。
有馬家は、大企業の総本山で、猛とその家柄を狙う女子3人組は、なんとか仲を裂こうと画策する。
猛はいちごを好きになり、林太郎にどちらがいちごを射止めるかフェアに競うと言う。

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林太郎は、自分の書いた小説を懸賞に出し、入選したら、小説家となって、
いちごにプロポーズしようと決心していたが、ことごとく落ちる。

女子3人組の1人・薫子がいろんな策を講じるのと、祖母や長男が悲しそうなワケを知りたくて、
咳が出るのも構わずに駆け回るいちご。

会社を継いだ長男は、いちごに実情を話す。
高校入試の時に、自分が養子だと気づき、父が亡くなった時、社員が2派に分かれて
途方に暮れていたら、兄が大好きだった司は姿を消し、二度と戻らなかったという。


一族にいちごを紹介すると高揚する祖母。
だが、「私は司の子どもではありません。あれは勘違いでした」と皆の前で言ういちご。

林太郎の時評が出版社で採用され、いちごに告げようとした時にはもう家を出てしまい、全員で探す。
司の兄は、「いちごは環境不適応で、日本にいては長く生きられない。どこに行っても成人はできないと医師に言われた」と話す。

いちごは、皆の幸せを見届けようと、然子と日向の仲の良さを見て安心し、庭で倒れているところを日向が見つける。
林太郎はいちごとラップランドに行くと決心する。
いちごは「その前に、森太郎と美の宮のブライズメイドになりたい」と言う。

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2人の式で、日向は然子にプロポーズし、林太郎はいちごと仮祝言まであげた。
その後、ラップランドに猛が薫子と婚約したとの手紙が届く。

林太郎はいちごと手をつないで眠り、いちごは翌年の3月に逝ってしまう。
林太郎は日本に戻り、いちごは信念で生き返るのではないかと時々夢を見る。

“私の青春の、一番奥にしまった物語である”




[あとがきマンガ]

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