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『つるばらつるばら』(白泉社文庫)

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■『つるばらつるばら』(白泉社文庫)
大島弓子/著

白泉社文庫セレクション

「大島弓子選集」で近所の図書館で検索し終わって、全16巻だけど、5、6、13巻がないことが判明。

「大島弓子が選んだ大島弓子選集(全7巻)」は、ほぼ「大島弓子選集」と内容が同じ。

その他にこの「白泉社文庫」が4冊あって、中には「大島弓子選集」に収録されていないものも見つかったので、
それを借りて、大島さんの作品シリーズはひとまず幕引きになりそう。

ここでは、そのかぶってない作品のみのメモを書くことにします。


▼あらすじ(ネタバレ注意

ダイエット 1989年ASUKA1月号掲載

標縄福子は巨漢。ものすごく食べて、咀嚼運動が記憶中枢を刺激して、昔のことを事細かに思い出す。

父が恋人に子どもができて家を出たこと、再婚相手が来た日のこと、母からあんたはどんどん前の夫に似てくると言われること・・・
それらを新鮮な馬鈴薯にして箱に詰め、意識の奥深くに埋めると、あとはニルバーナの世界。

 

クラスの親友・黒豆数子は、「痩せたらモデルになれるよ。私が保証する!」
福子はそんな数子の前向きさが好き。

数子は、コンビニでよく会う青年・角松とバッタリ再会して驚く。
数子が恋をしていると知り、フクコは応援する。



「あたしが痩せた暁には、ご褒美として、たまにあなたたちのデートに参加させて」


フクコは見事に痩せて、モデルの審査も通過し、学校には親衛隊が出来、毎日ラブレターの山
母は自分を捨てた夫の顔がそこにあると無視する。

約束通り、カズコと角松のデートに加わるが、角松があまりに優しいので混乱する。
“もう一度太って、角松くんの今日の親切が本物かどうか知りたい!”



あっという間にリバウンドしたフクコに対しても、角松は同じく優しかった。
だが、今度は、カズコが嫉妬して、友情にモヤモヤが残る。

フクコは、実父に偶然出くわす。娘にxmasプレゼントをねだられて買っている様子を見て、きれいな子だと思う。



角松は変わらない思いをカズコに伝えて2人の仲は戻るが、モヤモヤはなくならず、フクコは再び痩せてみる。
そして、実父に電話して、街を歩いていると、こないだ娘に買っていたものの色違いをプレゼントしてくれる。


“買ってもらった高級時計は、家族の前で永遠に使えない”


フクコは無理なダイエットから生理が3ヶ月も来ないとカズコに泣いて相談する。
「それはあたし困るのよね。あたしは子どもを持って、今のあたしを超えなくちゃならないんだから」

相談して安心したフクコは再び食欲に走るが、吐いてしまう。
そして、カズコらのデートに参加した時にはゲッソリ痩せすぎていた。
公園で、手づくりお弁当を食べた後、フクコは吐いてしまった。



最悪な場面を見せてしまった後悔の念にかられていると、病院の看護婦から、
「あなたのお友だち偉いわね。ベタベタのあなたの体を冷やすまいとしっかり抱いていたんですって」

カズコは、フクコが角松とカズコの子どもなんだと話す。
「あたし、あの子を育てるつもりだわ。あなたに協力してほしいのよ」



フクコはカズコが焼いてくれたクッキーを食べてみた。

“あたしははじめて食べ物を美味しいと思った”



毎日が夏休み 1989年ASUKA7月号掲載
スギナの母は再婚。義父も再婚者。

スギナはイジメのために毎日、学校をサボっていたが、
義父も会社と方針が合わずに退社して、通っているフリをしていることを知る。

夫の肩書き、娘の成績などを近所に話して羨ましがられるのが生き甲斐の母は2人を強制的に元に戻そうと奮闘する。
夫は、なぜかスギナと一緒に就活を始め、さすがに父娘いっしょに雇ってはもらえない。

そこで「なんでも屋」をやろうと言い出す父。スギナは副社長となる。
母はこんな所にいられないと引越しを考えるが、父は「ここは10年間の顔見知りが5000件あるんだぞ」と前向き。




父が元の妻・紅子にまで仕事の案内状を送って、依頼の電話が来たことでキレる母。
それだけじゃなく、母の元夫にも送っていて、激怒のため母は電話機を壊す。

紅子は、古いアルバムを棚の奥にしまってしまったから取って欲しいという。
そこには若い頃の義父と紅子がラブラブで写っていた。



「あとはあたしの話し相手してほしいの」と紅子は、スギナに映画『小馬物語』を観に行くよう追い出す。
“動物こきつかった映画なんてみたくもねーよ”(この辺、大島さんの毒が出てて可笑しい。私も納得

“あたしが観たいのはドキュメンタリー”と、義父と紅子の話を盗み聞きw
仕事に明け暮れる夫とスレ違いが生じ、チヤホヤしてくれる別の男に走った紅子。
そして、人の勧めで機械的に見合いして再婚した義父。

義父はあくまで仕事と割り切って、時間になるとすぐスギナと帰る。

義父の送別会に、母を呼び、その案内人として義父と娘を雇った会社の人間を
“見栄っ張りの母さんにとっては、史上最悪の侮辱でしょうよ”


翌朝、予想通り「当分帰りません」と置手紙を残して、母はいなかった。
久々、学校に戻ると、以前イジメから助けて、イジメる側に入ったスケープゴートの女子が遅れた勉強を助けてくれた。

スギナは、今のなんでも屋が、超一流になれば母は帰ってくるのではないかと考えた。
しかし、母は一番高級の赤坂のクラブホステスをして、2人を養うという。

義父の仕事中、紅子のマンションから火事が出た。
「もう1つ取って欲しいものがある」と依頼されていたものを、大やけどを負って取ってきたら、
それは、付き合っていた頃、海で拾ったさくら貝や石だった。


義父の手術の知らせを聞いた母は、慣れない仕事で倒れて、2人は枕を並べて入院。
「回復した時は、はじめからやり直せばいい。もし死ぬようなことがあれば、いっしょに死のう」
この言葉で夫婦仲は戻る。

そこに母の元夫・江島が現れ、母からの頼みで借金の立替と、娘の保護を頼まれたという。

父は回復、仲間が増え、今や前の会社と肩を並べている。



スギナは学校に戻らなかったが、父がお茶の時間に教えてくれたことが全て勉強だったと分かる。

“考えてみれば、あの日のあたしは、まぶしい永遠の夏休みを手に入れたのだと思う。
 計画する。実行する。失敗する。出会う。知る。発見する冒険とスリル。自由と喜び。
 今、私は海外出張から戻ったところだが、海で思いきり泳いだ後のような気分がしている”

(こうゆうのがほんとの仕事っていうんじゃないのかな



恋はニュートンのリンゴ 1990年ASUKA5月号掲載
8歳のサトコは、天才児。
いつも見かける青年・泡盛に本気で恋をしている。



泡盛は、サトコが兄のように慕ってくれているんだと思い、一緒に遊んであげるが、
それを見ていた同じゼミの松本は、女児誘拐か、変態かと心配する。

サトコは泡盛に本気のラブレターを出す。
一応、返事を書いて、ポストに入れるが、それを見た家族も心配する。


泡盛と同じゼミの菊姫は、泡盛のトラウマが聞きたいと居酒屋に誘う。



「トラウマって自分でハッキリ自覚すると、新たな解決法がひらけるっていうわよね。
 幼児体験とか、親子問題とかにトラウマは必ずあるはずなの」

泡盛は、サトコに菊姫を紹介して、大人の付き合いがあることを見せつける。
実は、菊姫は、松本に頼まれて、トラウマを語る声を録音し、防犯ブザーを持って、警戒していたのだった。


帰ってみると、サトコは泡盛のアパートの玄関前で眠っていたため、家に入れる。

“そういや、これが子どもの眠り方だったよ。本格的に眠ったら最後、完全に眠り尽くすまで目を覚まさない。
 うつつの際のいっさいの悩みも問題も放棄して、ただひたすら眠る”

家族が迎えに来て大騒ぎとなる。
泡盛は警察に取り調べまで受けて釈放される。

家族は、サトコにアメリカ留学させようとするが断る。
泡盛のアパートに行くと、引っ越したという。学校に行くと休学届けが出ていた。

兄は、泡盛をイスに縛って、夫婦で共働きの酒店は父から継いだもので、弟のせいで潰したくないと激怒。
そんな中、サトコが町一番の高い木に登って、泡盛を連れて来ないと死ぬと言っていると、母親が泣いてすがってきた。



サトコはアメリカに留学に行き、「8年後帰ってくるから、その時、ここで会う約束をしてほしい」という。
泡盛は約束する。「それからのことは、また話し合えばいいし」



[あとがきマンガ]

 


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