■『子供の科学★サイエンスブックス 宇宙の旅 太陽系・銀河系をゆく』(誠文堂新光社)
的川泰宣/著 池松 均/イラスト
物語は、宇宙ヨット「トンビ」で太陽系、銀河系の星たちを偵察する旅に出るというもの。
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どれがフィクションで、どれが事実かちょっと分かりにくい。
知識も高度で、これが子ども向けだとすると難しすぎるのでは?![]()
こうして見ていくと、これまでにどれだけたくさんの探査機やら人工衛星やらを打ち上げたのか?
そのつど膨大な費用がかかって、それだけの宇宙ゴミが漂ってるってことだな![]()
ヒトは宇宙に行ってもゴミだらけにしないと気が済まないらしい。
絵がどれも素晴らしい!![]()
探査機のフォルムが昆虫を模してるのは、なんだかんだ言って機能的だからか。ゴキっぽいのもいるし![]()
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著者が“おわりに”で言うように、これらの宇宙の冒険は、東西対立という時代の産物だということも忘れてはならない。
【内容抜粋メモ】(フィクションも含まれます![]()
国際宇宙ステーション計画は、アメリカ、ロシア、日本、ヨーロッパ、カナダなどが中心に進められた。
地球の人口増加や、食料危機の懸念から、人類が本気で生活するために、世界中が協力して開発が始められた。
●スペース・コロニー
ラグランジュ・ポイントに作られている。地球から38万km。約2万人が暮らせる(少ないね![]()
軌道エレベーターで約10分で行き来できる。
スペースデブリ(宇宙ゴミ)回収船「スペース・スウィーパー」
電磁的に使用済みの人工衛星などの宇宙ゴミを吸い込んで、機体内で一気にプラズマ化して尾部から高速で吐き出すことで推力を得る。
小惑星
小惑星は「NEO(ニア・アース・オブジェクト)」と呼ばれ、地球にとって大きな脅威のひとつ。
NEO処理船、通称「フンコロガシ」は小惑星の岩石をボリボリ食べて、電磁的に加速してお尻から吐き出す。
膨大な隕石資料をもつ日本は押しも押されぬ小惑星研究の拠点。
太陽
探査機「ステミ」は、太陽に落下しながらデータを送りつづけ、最後はその坩堝に消えてゆくミッション。
「フレア」=星のコロナに蓄えられた磁場のエネルギーが、突如短時間のうちに解放されて起こる巨大な爆発。
火星
多くのヒトの関心は、火星に生命は存在するか?
たくさんの探査機が火星に向かった。バイキング、マーズ、パス・ファインダー、スピリット、オポチュニティなど。
「マリナー峡谷」
「宇宙航空研究開発機構(JAXA)」
宇宙科学研究所(ISAS)、航空宇宙技術研究所(NAL)、宇宙開発事業団(NASDA)が統合。
木星
自転周期は約10時間。太陽系で最も速い。この猛烈な自転によって大気の流れも非常に速く、特徴的な縞模様の雲ができる。
20世紀後半、アメリカはパイオニア、ボイジャー、ガリレオなどの探査機を次々と木星に送った。
大気は雷放電
によって生まれた有機物で赤と褐色が多いと言われる。
ガリレオ衛星(イオ、エウロパ、ガニメデ、カリスト)
衛星イオの名の由来は、ギリシア神話にある。
ガニメデの周囲に磁場を発見。その粒子は悲しい響きの「プラズマの歌」を奏でる(聴いてみたい!
地球以外に生命が存在するかどうか。エウロパはその可能性が高い星として以前から注目されている。
ハレー彗星
太陽の周りを楕円軌道で76年周期で回る。
土星
すべてのガス惑星がリングを持つことがボイジャーによって証明された。
衛星タイタン
地球の大昔の大気と組成が似ている。濃い大気をもつ太陽系で唯一の衛星。地球の大気の約4倍の濃さ。
天王星
惑星の軌道面にほぼ平行の姿勢で自転している。
42年間が昼間で夏、42年間が夜で冬。
衛星アリエル
天王星の5大衛星は、ミランダ、アリエル、ウンブリエル、チタニア、オベロン。
海王星
地球を除けば、太陽系でもっとも青い惑星。太陽から45億kmの距離。
大気は時速2000km。太陽系最速の風を伴う。
衛星トリトン
長野県臼田町の大型アンテナがボイジャーの追跡に大活躍した。
表面は絶対温度で38度。太陽系でもっとも冷たい星。
冥王星
太陽から70億km。太陽系の辺境にあるもっとも小さい惑星。
太陽を1周するのに約250年かかる。
探査船のデータによると、大気は凍っている。
衛星カロン
地球と月と同様、冥王星とカロンの向き合った面は固定されている。「二重惑星」「兄弟星」
カイパーベルト天体
これほど太陽系の僻地にくると、ちょっとしたスピードの加減で太陽系を脱出する軌道に乗ってしまう![]()
「ジャイアント、インパクト説」
地球に火星と同じくらいの大きさの天体が激突して飛び散った破片から月が生まれたという説。
****************************銀河と星の誕生
銀河
銀河の大きさは約10万光年。太陽系は中心から約3万光年の位置にある。
宇宙VLBI
地球上の2地点のパラボラ・アンテナからのデータを組み合わせると、
2つのパラボラ間の距離を直径に持つ巨大なアンテナが実質的にできあがり観測精度がグンと上がる。
日本の「はるか」は、地球周回の長楕円軌道を周りながら、地上のパラボラ・アンテナ群と連携して直径3万kmの宇宙VLBIをつくりあげた。
銀河パトロール船「オデュッセウス」から地球型惑星に向けてメッセージを送る計画。
銀河系バルジ
銀河系の中央にある扁平な楕円体のふくらみ。直径約2万5000光年。厚みは1万5000光年。
ガスのリングが何重にもあり、その中心に強力な電波源がある。
ブラックホール
銀河系中心には太陽の100万倍から1億倍の質量を持つ巨大な「ブラックホール」があり、周囲のガスや星を飲み込んでいる。
1990年代に有名な「はくちょう座X−1」よりも数十倍から数百倍も多くのエネルギーを放出している天体が見つかりはじめた。
それをULX(超大光度X線源)と呼ぶ。
日本のX線天文衛星「あすか」は、いくつかのULXを観測。
ケンタウルス座α星
太陽にもっとも近い恒星として有名。
暗黒星雲
死を迎える星の近くには、暗く冷たい暗黒星雲が広がっている。
1987年。岐阜県神岡の「ウルトラカミオカンデ」でリーダーだった小柴昌俊博士が
超新星からニュートリノを検出し、ノーベル賞を授与された。
JAXAにいた若い夫婦、岡本さんと片座さんは、「微惑星のリング」を発見して大きな反響を呼んだ。
赤色巨星
星の最期の状態。
白色矮星
太陽の1.4倍以上の質量を持った白色矮星は、この世に存在しえない。
中性子星
ある種の恒星の晩年の姿。
超新星爆発の結果として残った芯の質量が太陽の2〜3倍程度なら「中性子星」、それ以上なら「ブラックホール」となる。
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銀河系の中心に巨大ブラックホールがあることは、20世紀末に明らかになっていた。
ブラックホールの周囲にはねじれた強力な磁気圏が存在し、非常に密度の濃いプラズマの雲が渦巻いている。
****************************年表
1609年
ガリレオ・ガリレイが望遠鏡で土星のコブ(環)を見た。
1959年
月
はいつも地球に同じ面を向けているため、月の裏側を見ることができなかった。
初めて月の裏側を撮影したのは、ロシアのルナ3号。
1979年
アメリカの探査機ボイジャーが木星の活火山を発見した。
1981年
アメリカは、何度も宇宙を行き来できるスペースシャトルを完成。
1990年
黄道面に垂直に飛び立つミッションはこれまで「ユリシーズ」だけ。
その際、木星の巨大な重力を使ったが、カメラを持っていなかったため、
太陽系を下から眺める位置にありながら映像におさめられなかった(なぜっ!?![]()
1991年
日本の宇宙科学研究所によって打ち上げられた太陽観測衛星「ようこう」は、太陽コロナがダイナミックに構造を変えていること、
フレア等の爆発現象のプロセスなどを世界初明らかにした。
2004年
アメリカは2機のローバーを火星表面に着陸させ、水の痕跡を発見。
2005年
探査機「はやぶさ」が小惑星イトカワに到着。
アメリカは探査機ディープインパクトをテンペル1彗星にぶつけるという衝撃的な実験を行った。
的川泰宣/著 池松 均/イラスト
物語は、宇宙ヨット「トンビ」で太陽系、銀河系の星たちを偵察する旅に出るというもの。

どれがフィクションで、どれが事実かちょっと分かりにくい。
知識も高度で、これが子ども向けだとすると難しすぎるのでは?

こうして見ていくと、これまでにどれだけたくさんの探査機やら人工衛星やらを打ち上げたのか?
そのつど膨大な費用がかかって、それだけの宇宙ゴミが漂ってるってことだな

ヒトは宇宙に行ってもゴミだらけにしないと気が済まないらしい。
絵がどれも素晴らしい!

探査機のフォルムが昆虫を模してるのは、なんだかんだ言って機能的だからか。ゴキっぽいのもいるし



著者が“おわりに”で言うように、これらの宇宙の冒険は、東西対立という時代の産物だということも忘れてはならない。
【内容抜粋メモ】(フィクションも含まれます

国際宇宙ステーション計画は、アメリカ、ロシア、日本、ヨーロッパ、カナダなどが中心に進められた。
地球の人口増加や、食料危機の懸念から、人類が本気で生活するために、世界中が協力して開発が始められた。
●スペース・コロニー
ラグランジュ・ポイントに作られている。地球から38万km。約2万人が暮らせる(少ないね

軌道エレベーターで約10分で行き来できる。

電磁的に使用済みの人工衛星などの宇宙ゴミを吸い込んで、機体内で一気にプラズマ化して尾部から高速で吐き出すことで推力を得る。

小惑星は「NEO(ニア・アース・オブジェクト)」と呼ばれ、地球にとって大きな脅威のひとつ。
NEO処理船、通称「フンコロガシ」は小惑星の岩石をボリボリ食べて、電磁的に加速してお尻から吐き出す。
膨大な隕石資料をもつ日本は押しも押されぬ小惑星研究の拠点。

探査機「ステミ」は、太陽に落下しながらデータを送りつづけ、最後はその坩堝に消えてゆくミッション。
「フレア」=星のコロナに蓄えられた磁場のエネルギーが、突如短時間のうちに解放されて起こる巨大な爆発。

多くのヒトの関心は、火星に生命は存在するか?
たくさんの探査機が火星に向かった。バイキング、マーズ、パス・ファインダー、スピリット、オポチュニティなど。
「マリナー峡谷」

宇宙科学研究所(ISAS)、航空宇宙技術研究所(NAL)、宇宙開発事業団(NASDA)が統合。

自転周期は約10時間。太陽系で最も速い。この猛烈な自転によって大気の流れも非常に速く、特徴的な縞模様の雲ができる。
20世紀後半、アメリカはパイオニア、ボイジャー、ガリレオなどの探査機を次々と木星に送った。
大気は雷放電


衛星イオの名の由来は、ギリシア神話にある。
ガニメデの周囲に磁場を発見。その粒子は悲しい響きの「プラズマの歌」を奏でる(聴いてみたい!
地球以外に生命が存在するかどうか。エウロパはその可能性が高い星として以前から注目されている。

太陽の周りを楕円軌道で76年周期で回る。

すべてのガス惑星がリングを持つことがボイジャーによって証明された。

地球の大昔の大気と組成が似ている。濃い大気をもつ太陽系で唯一の衛星。地球の大気の約4倍の濃さ。

惑星の軌道面にほぼ平行の姿勢で自転している。
42年間が昼間で夏、42年間が夜で冬。

天王星の5大衛星は、ミランダ、アリエル、ウンブリエル、チタニア、オベロン。

地球を除けば、太陽系でもっとも青い惑星。太陽から45億kmの距離。
大気は時速2000km。太陽系最速の風を伴う。

長野県臼田町の大型アンテナがボイジャーの追跡に大活躍した。
表面は絶対温度で38度。太陽系でもっとも冷たい星。

太陽から70億km。太陽系の辺境にあるもっとも小さい惑星。
太陽を1周するのに約250年かかる。
探査船のデータによると、大気は凍っている。

地球と月と同様、冥王星とカロンの向き合った面は固定されている。「二重惑星」「兄弟星」

これほど太陽系の僻地にくると、ちょっとしたスピードの加減で太陽系を脱出する軌道に乗ってしまう


地球に火星と同じくらいの大きさの天体が激突して飛び散った破片から月が生まれたという説。
****************************銀河と星の誕生



地球上の2地点のパラボラ・アンテナからのデータを組み合わせると、
2つのパラボラ間の距離を直径に持つ巨大なアンテナが実質的にできあがり観測精度がグンと上がる。
日本の「はるか」は、地球周回の長楕円軌道を周りながら、地上のパラボラ・アンテナ群と連携して直径3万kmの宇宙VLBIをつくりあげた。
銀河パトロール船「オデュッセウス」から地球型惑星に向けてメッセージを送る計画。

銀河系の中央にある扁平な楕円体のふくらみ。直径約2万5000光年。厚みは1万5000光年。
ガスのリングが何重にもあり、その中心に強力な電波源がある。

銀河系中心には太陽の100万倍から1億倍の質量を持つ巨大な「ブラックホール」があり、周囲のガスや星を飲み込んでいる。
1990年代に有名な「はくちょう座X−1」よりも数十倍から数百倍も多くのエネルギーを放出している天体が見つかりはじめた。
それをULX(超大光度X線源)と呼ぶ。
日本のX線天文衛星「あすか」は、いくつかのULXを観測。

太陽にもっとも近い恒星として有名。

死を迎える星の近くには、暗く冷たい暗黒星雲が広がっている。
1987年。岐阜県神岡の「ウルトラカミオカンデ」でリーダーだった小柴昌俊博士が
超新星からニュートリノを検出し、ノーベル賞を授与された。
JAXAにいた若い夫婦、岡本さんと片座さんは、「微惑星のリング」を発見して大きな反響を呼んだ。

星の最期の状態。

太陽の1.4倍以上の質量を持った白色矮星は、この世に存在しえない。

ある種の恒星の晩年の姿。
超新星爆発の結果として残った芯の質量が太陽の2〜3倍程度なら「中性子星」、それ以上なら「ブラックホール」となる。

銀河系の中心に巨大ブラックホールがあることは、20世紀末に明らかになっていた。
ブラックホールの周囲にはねじれた強力な磁気圏が存在し、非常に密度の濃いプラズマの雲が渦巻いている。
****************************年表
1609年
ガリレオ・ガリレイが望遠鏡で土星のコブ(環)を見た。
1959年
月

初めて月の裏側を撮影したのは、ロシアのルナ3号。
1979年
アメリカの探査機ボイジャーが木星の活火山を発見した。
1981年
アメリカは、何度も宇宙を行き来できるスペースシャトルを完成。
1990年
黄道面に垂直に飛び立つミッションはこれまで「ユリシーズ」だけ。
その際、木星の巨大な重力を使ったが、カメラを持っていなかったため、
太陽系を下から眺める位置にありながら映像におさめられなかった(なぜっ!?

1991年
日本の宇宙科学研究所によって打ち上げられた太陽観測衛星「ようこう」は、太陽コロナがダイナミックに構造を変えていること、
フレア等の爆発現象のプロセスなどを世界初明らかにした。
2004年
アメリカは2機のローバーを火星表面に着陸させ、水の痕跡を発見。
2005年
探査機「はやぶさ」が小惑星イトカワに到着。
アメリカは探査機ディープインパクトをテンペル1彗星にぶつけるという衝撃的な実験を行った。