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「古代エジプト美術の世界展 魔術と神秘 ガンドゥール美術財団の至宝」@松涛美術館(2015.10.21)

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「古代エジプト美術の世界展 魔術と神秘 ガンドゥール美術財団の至宝」@松涛美術館(2015.10.21)
会期:2015年10月6日(火)~11月23日(月・祝)



前回「いぬ・犬・イヌ展」を観た後、次回が私の大好きなエジプト展だと知って、
ずっと楽しみにしていたので、秋晴れの気持ちのよい日に行って来た

エジプト展と言えば、大英博物館が思い浮かぶが、今回は、スイスのガンドゥール美術財団の所蔵品で、全て日本初公開!
大きさに目を奪われがちだけど、小さな「アミュレット」(安産・多産などのお守り)の小ささと、
そこにほどこされたリアルな細工は本当に溜め息が出る(ほんとは拡大鏡が欲しかった!


【第1展示室(地下1F)】

素材に注目
神様の体は金、骨は白銀でできていると信じられていた。
素材の中では「石」こそもっとも耐久性のある素材と考えられ、
石壷に入れれば、なんでも長生きすると信じられていた。

「ファイアンス」見た目は光沢があって、てっきり鉱物かと思いきや焼き物と聞いてビックリ。

「半貴石」エジプトの肥沃な地からは、豊富な鉱物がとれた。

「珪岩」は硬く、彫るのも困難。だからより貴重と思われた。

「ブロンズ」
なにが素晴らしいって、八頭身、左右対称の美、均整のとれた美しい身体の表現。
木+ブロンズの像もあって、素材的にはくっつきにくい気がしたけど、長く残せるのね/驚

「アラバスター」美しい白色の鉱物の変種のひとつ。“純潔”“永遠”を意味する。

「エンコスティック」(蝋画)

「ラピスラズリ」=再生を意味



最初の「書記学校の古代模型」からもう超ステキ
木も数千年、こんなにしっかり形を保って、色彩も鮮やかで驚いた!
エリート貴族の子どもは、こうしてきちんとした教育を受けて、書記官などになる出世コース。
少数だが女の子も教育が受けられていたという。

ヒエログリフ
なんといっても魅力的なのは、ヒエログリフ! 1つ1つの文字が動物みたいなせい?
古代エジプト人は、この文字がやがて生命をもって働きかけると信じていた。

エジプト神話
エジプトと言えば、頭部が動物の神々が神秘的かつ可愛い!
それぞれの担当、ストーリーがあるのは「ギリシア神話」と同じ。
いつか、ちゃんと読んでみたい。

例:
アムン神=最強の神
ヒヒ=詩神
スカラベ(フンコロガシの一種)=目に見えないスカラベが太陽を空に転がしていると信じていた。復活の主。
「ウラエウス」コブラ 頭の上に乗せてる。

蓮の花=復活のシンボル(仏教と通じるね/驚)花=神と同一視された。


「動物崇拝」=愛国心の表現
やっぱり動物がたくさんいるから好きなのかも
神もまた、地上では動物に化身していると信じていた。
ライオンは守護獣として描かれている。
トキやネコなども、わざわざ専用の飼育場で育ててから、ネコは生後1歳未満に殺されてミイラにされた/涙
心奪われるトルコブルーのカバも可愛かったあ


ホルスの目
私が「ヒエログリフ」の次に好きなのは、「ホルスの目」。
以前、キーホルダーで身につけていたけど、ボロボロになってしまった。神話と関連して傷の癒える過程を意味するとか。

「アンク」(生命の記号)

大きな髪型と思っていたのはカツラ!
どんなに大きなカツラでも、耳は出てる。情報がよく入るようにとかなんとか。
若者の髪型は「サイドロック」が主流。
神様は編みこみのニセ髭をつけているって書いてあったような。なぜ神様がニセ髭・・・w

副葬品
79「1体のミイラから出土した有翼の女神とホルスの4人の息子たちを表わす作例」の説明によると、
これらの小さな副葬品は、ミイラの包帯の中に一緒に巻かれたんだって/驚




【第2展示室(3Fだっけ?)】

テーマは「色」
エジプトには色をあらわす文字は4つしかないが、それぞれ意味を持つ。
赤く塗られているのは、太陽神との一体感の表現

ここは、頭部の像や、レリーフなど大きめの展示物が多かった。
ファラオは、理想化された姿、無表情で描かれることが多い。
また、高貴な人は肉づきよく表現される。

スフィンクス
言わずと知れたスフィンクスの小型ver.がケース内に入ってた。首を絞めて殺す人の意味だって/怖

呪文125のビネット、通称『死者の書』より
心臓と羽根を天秤にかけ、偽証がないか調べるのが最後の審判。
もし、ウソをついていたら幻獣アミット(口を大きく開けて待ってる)に喰われて、その人は永遠に消滅してしまう。

それだけ、死後にも今の富と権力を持ち続けたいと思ってミイラにしてもらったのに、
他の説明書きには
「ファラオもエリートも、来世では川岸の砂を別の岸に移すという
 過酷で終わりない仕事を義務づけられているため、代わりにやってくれる奴隷の人形を一緒に埋葬した」て
永遠に生き続けるのも大変だぁ。それにしても本当に意味のない仕事だ


シネンのシース
女性が着ているのはとってもすけすけな薄い衣。意味もなく片乳を出している人もいるのは謎。

女性の化粧品
「ユル」
特徴的なのは、まぶたの縁を黒く塗る墨。ガレナ(鉱物)でできている。
邪悪なものは7つの穴(目、口、鼻、耳)から入るとされ、とくに目は弱いから、これで守った、魔除け。

「人型の棺の箱部」
一番大きかったのは、これかなあ? 実際ミイラが入っていた箱


エジプトの地図
地中海と広大な砂漠がなによりも他国の侵入を防いだ。
そして、ナイル川の恵み、氾濫による恵みが、エジプトを栄えさせた。
上エジプトと、下エジプトとに分かれる。


エジプトのおおまかな歴史
上下エジプトが統一される。
エリート層がファラオの地位を狙いはじめ、ファラオ暗殺計画が絶えず、覇権争いが続いた
不安定さにつけこんで、異民族が定住しはじめる
エジプトは再統一される。
少年王ツタンカーメンの時代。
ヒッタイトと戦争して、平和条約を結ぶ。ラメセス2世(有名なアブ・シンベル神殿の人)、3世の時代。
ヌビア人が侵攻してきた。
アッシリアが追い出す。
エジプトのエリートが奪還する。
「アレクサンダー大王」の支配には叶わなかった。「プトレマイオス王朝」時代。
クレオパトラ7世の死によって、ローマに組み込まれた。


【ミュージアムショップ】

前回は、可愛い犬の埴輪を買って、今はテレビ前に鎮座して、毎日癒やされている
今回は、エジプトってことで、私の財布の紐がまた緩んでしまうのでは?と思ったけど、なんとか踏ん張ったw

ヒエログリフTとか、ピンバッヂ、オブジェ、書籍、などなど、ミュージアムショップならではな品々の中で
カラフルな毛糸で編まれたミイラ人形(20cmくらい)があまりに可愛くて、そのギャップに笑ってしまった




嵯峨屋


また微妙な時間に出かけたから、お腹が空いたので、繁華街に行くまでに空いているお店はないかと探していたら、
サンプルの親子丼がやけに美味しそうだったし、異常に安かったから(小盛りで330円だっけ?)入ってみた。
シンプルな、ザ・親子丼は美味しくて、サイズもちょうどよかったv


追。
「国立カイロ博物館 所蔵 黄金のファラオと大ピラミッド展」@森アーツセンターギャラリー
2015年10月16日(金)~2016年1月3日(日)

スタッフさんが教えてくれたのは、これか。宿敵の森美術館/汗×5000
パニ障には52階は一生ムリです。。。

このスタッフさんは、私が展示物の説明書きをメモっているのを見て、
「紙足りますか?」とわざわざ余分に持って来てくれて、いろいろ説明してくれた。

松涛美術館はいい美術館
企画が素晴らしく、仰々しく宣伝もしないから入場料も安い。
いつもそれほど混んでいなくて、他では見られない選りすぐりの展示物をそれぞれのゆったりペースで鑑賞できる。
これからの企画も楽しみにしていますv


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