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少年探偵シリーズ10『宇宙怪人』(ポプラ社)

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■少年探偵シリーズ10『宇宙怪人』(ポプラ社)
江戸川乱歩/作 柳瀬茂/カバー絵・挿し絵 1964年初版 1987年第48刷 618円

※notes and movies(1998.7~)からの転記。
「作家別」カテゴリーに追加しました。

やっぱり怪人二十面相の話は奇想天外な展開が魅力的だけど、カラクリの種明かしをするとちゃっちくてマヌケな印象
昭和39年にUFOや、宇宙人征服、アブダクトetc...は、少年少女らを夢中にしただろうね。
空飛ぶ紳士的な宇宙人の挿絵がステキ


▼あらすじ(ネタバレ注意

理科好きの平野くんは、近所の北村さんと宇宙について話すのが好き。
彼は、父と銀座の空を飛ぶ5つのUFOを目撃。ニュースでも大騒ぎとなる。

丹沢に墜落し、木こりの松下くんが、顔は鳥、体はトカゲで羽根の生えた宇宙人を目撃。
日本語を教え、人の姿に化けた宇宙人は、サルを一瞬にして灰にして脅し、北村さんは逃げた。

デパートにも出現。国宝や知識人が誘拐される。
平野くんの姉で、天才少女バイオリニスト・ゆりかも狙われ、北村さんの案で電気人形をオトリにして
コンクリートの蔵に生け捕る作戦は失敗。

本物が誘拐され、いつも飛び去るカシの木に明知が張っていたおかげで、ゆりかは助かる。


ついに世界中に現れ、ヘリコプターから8人の宇宙怪人を撮った記者も出る。
発明の天才・虎井博士も狙われ、調査に行く小林少年。

玄関には、黒人の召使いロボット、マジックミラー、美少年助手、迷路地下道の先には隅田川底の部屋、
巨大怪魚のような潜航艇から博士が現れ、追ってきた宇宙人との追跡劇がはじまる。

黒い毒幕に消える宇宙人。
ついにシッポをつかんだ明智は、証人や、中村警部らを連れて、虎井を訪ねて謎を解く。

北村さんも、木こりも、記者も、謎の男に頼まれて嘘を言っていただけだし、
すぐ消えた顔は幻燈、飛ぶのはプロペラの機械を背負っていたから(!)で、200~300mしか飛べないから
途中から着ぐるみを脱いで、自転車で逃げた

なんとUFOは、伝書バトを訓練したもの/爆

「悪者もこの練習には、よほどの時間をかけたに違いありませんよ」ww

犯人は、博士に化けた怪人二十面相で、彼の理屈では、
世界戦争より恐ろしい宇宙人征服のニュースで皆に争いをやめて欲しいとの平和主義!!(素晴らしい人物じゃないか/驚

前は殺しまでして宝物の収集に命を賭けている泥棒だったのに、すっかりキャラが変わっている。
最後、爆発で自殺と見せかけ「もしや、それとも・・・?」と続編で復活を暗示している。

博士の容姿は、前回の宗方とソックリ。
他にも、幻燈や、バイオリニスト少女など、同じネタがダブって使われていることに気づく。



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