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少年探偵シリーズ3『妖怪博士』(ポプラ社)

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■少年探偵シリーズ3『妖怪博士』(ポプラ社)
江戸川乱歩/作 柳瀬茂/カバー絵・挿し絵 1964年初版 1986年第63刷 618円

※notes and movies(1998.7~)からの転記。
「作家別」カテゴリーに追加しました。

今回、怪人二十面相は、たいした盗みもせず、ひたすら明智と少年探偵団への復讐に燃えて
あらゆる創意工夫で何段階にも仕掛けてくる。


▼あらすじ(ネタバレ注意

団員の相川くんは、道に印を描く奇怪な老人を追って屋敷に忍び込み、
少女を救ったら人形で、老人は蛭田博士だと名乗る。

地下に閉じ込められ、老婆となって驚かす怪人二十面相。
催眠術にかかった少年は、父の機密文書を盗んで逃げる。

B.D.バッヂを見つけた運転手に連れられ、同じく団員の大野くん、斎藤くん、上村くんも虜にされ、ヘビ攻めに遭う。

「自分が解決する」と現れた不気味な姿の殿村探偵は、明智と「3日以内」の対決となる。

洋館の中に石膏像となっていた少年らと文書を見つけて大得意の殿村は、
怪人二十面相だと明かされ、老人に化けてまんまと逃走。

わざわざ手紙まで届ける。「生きている二十面相より」w

数日後、団員・小泉くんは、迷子の少女を送って、怪人二十面相に捕われ、天井の落ちる部屋で拷問を受ける。
父は雪舟の国宝級の掛け軸と引き換える脅迫を受ける。

明智が父に変装し、ニセモノを取引し、少年は戻るが、それも怪人二十面相、本物は持っていかれる。

その後、団員十数人で奥多摩の鍾乳洞へハイキングに行き、ヒモを垂らして迷路で迷わないようにしていたら、
ヒモが切られ、渡し橋もとられ、巨大コウモリに化けた怪人二十面相の虜となり、餓死の危機となる。

「やっと分かったね。俺は人間だけでなく、動物にだって化けられるのだ!」

明智が捜索に入り、案内の猟師が怪人二十面相で、明智も虜になるが、それはニセモノ。
本物は警官と一緒にコウモリ人間を捕らえる。
その大捕り物は、いきなり「想像力にお任せする」と省略ww

怪人二十面相は負けを認めて、またまた団員らの「バンザイ!」三唱で一件落着。


今作はシリーズ2巻目ながら、少年探偵団結成話(3巻)の後の話。
なんでこんなに話が前後しているんだろう?

怪人二十面相が「自分でも本当の顔が分からない」と、怪盗ルパンのように鮮やかに、
素早く変装して、人を化かす様子や、舞台を鍾乳洞にして、少年らが探検する話のほか、
たくさんの要素を取り入れているのが面白い。


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