少年探偵シリーズ２７『黄金仮面』（ポプラ社）

■少年探偵シリーズ２７『黄金仮面』（ポプラ社）
江戸川乱歩/作　柳瀬茂／カバー絵　山内秀一／挿し絵　1970年初版　1991年第46刷　６１８円

※notes and movies（1998.7～)からの転記。
※「作家別」カテゴリーに追加しました。

　

今回は同じポプラ社で出しているルパンと明智の一騎打ち。
乱歩は著者の特権で明智に軍配を上げたが、鼻をあかしつ、あかされつの名勝負で２時間で読みきってしまった。
ルパンは血が嫌いでも殺しはするのか？
彼が大事に連れ帰ろうとする日本女性の名が不二子ってアニメと同じなのは偶然か


▼あらすじ（ネタバレ注意
少年探偵団員・島田くんと小林少年は、黄金仮面を見かける。
上野の大博覧会で大真珠「志摩の女王」が盗まれ、塔上にかかしを残して、係員に化けて逃走する。

華族の鷲尾家では美少女バイオリスト（また！）雪子が浴室で無惨に刺殺され、
コレクションの如来像が盗まれ、妬みからの殺人犯ルミ子は、仲間によって助け出され、
竹を使って、水中にいるのを発見され、仲間に刺殺される。


富豪・大鳥家の少女画家・不二子は黄金仮面にたぶらかされ、
怪人を装ってアジトの洋館へ逃げた。
同じ仮面で対決した明智は、不二子を連れ帰る途中、運転手に化けたルパンに一本とられる。


命を狙われる明智は、ついに撃たれるが、死体は紛失。
その後、フランス大使館ルージェールの大夜会にルパンの予告状が届く。

ポーの『赤き死の仮面』を模した７色の部屋に黄金仮面が現れ、
悪魔のつもりらしい扮装をした明智（イラスト）と、ルパンの最大の敵、エベール探偵に囲まれ、
同じ作りのエレベータ式からくりでまんまと逃げ去るルパン。


彫刻師・雲山氏は、法隆寺から盗んだ玉虫の厨子をルパンに盗まれて自殺。
その暗号「白き巨人」はオトリの道化師ではなく、Ｏ町の大仏で、そこがアジト。
尾行がバレて、明智は爆破の藻屑となったのか！？

美術品も返して、不二子を連れて行こうと世界一周をしているフランス人と替わって
飛び立ったら、部下の１人が明智で、不二子とパラシュートで千葉海岸に降り立った。

＊

今作も大人向けの小説を武田武彦氏がリライトしたもの。
少年雑誌に続きもので載せていたのを１冊にまとめたとのこと。

カワイイ黄金仮面のイラストも笑えるが、
モジモジくんみたいにお茶目な明智のイラストも見逃せない！
３パターン全部を書き写せないのが残念。
（当時は、ケータイも、コピー機も使えなかったからねえ