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少年探偵シリーズ46『三角館の恐怖』(ポプラ社)

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■少年探偵シリーズ46『三角館の恐怖』(ポプラ社)
江戸川乱歩/作 岩井泰三/画 1973年初版 1988年第41刷 618円

※notes and movies(1998.4~)からの転記。
「作家別」カテゴリーに追加しました。


これがシリーズ最後の作品。
怪人二十面相の最期か、最後の対決が見れるのかと思ったら、
横溝正史系の先祖代々からの恨みつらみの本格ミステリーだった。
まだまだ書こうとして乱歩が亡くなってしまったのか、
わざと結着をつけずにおいたのか、今度は乱歩自身のストーリーが気になってくる。


▼あらすじ(ネタバレ注意

蛭峰健作(兄)
長男:健一
次男:丈二
亡き妻の妹:弓子

蛭峰康造(弟)
養子:良助
養女:桂子
桂子の夫:芳夫
執事:猿田

体の弱かった大富豪の先代の気まぐれで、長生きしたほうに全財産を譲ると言われた双生児の兄弟は、
長生き競争の上に、憎しみ合う運命となってしまった。

養生していた弟に比べて、心臓発作を抱える兄は、森川弁護士を呼び、
もし遺産をもらったら、半分相手に渡すという契約書を作る話を弟にするが断られる。

その夜、ソフト帽にレインコートという怪人が現れ、康造氏は胸を撃たれて即死。
森川の親友・明智登場。

再び、契約書を狙って、怪人が現れて盗まれてしまう。
副本に判を押したら危険と知りながら、老いた健作氏は聞き入れず、
車イスで降りてきた時、首を刺されて即死。

密室殺人に、さすがの明智も悩むが、天井の小窓の十字を利用して、
剣かエレベータが動くと同時に落ちるトリックを見破る。

さんざん怪しまれた猿田老人は、単に金庫から金を盗んでいたコソ泥と分かる。
副本は金庫にしまい、猿田宛の脅迫状に備えて、女性と猿田は旅館に逃がして、
明智はオトリとなり、男5人で犯人を捕らえようという罠を仕掛ける。

いよいよ犯人が来たら、明智は森川と金庫のある2階へ走る。
犯人が地下室に行くと見せかけ、金庫の副本を取りに来たところを捕らえたら、芳夫だった!

丈二が好きな桂子。桂子の財産目当ての丈二。
妻をなんとか取り戻そうとした悲劇だった。
動機は分かったけど、犯人は桂子と丈二の共犯だと思ったんだよなあ。

芳夫も怪しかったけど、皆が怪しいっていうのはミステリーのポイント。
犯人探しをともに出来る工夫がある。


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