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『ナショナルジオグラフィック世界の国 ナイジェリア』(ほるぷ出版)

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『ナショナルジオグラフィック世界の国 ナイジェリア』(ほるぷ出版)
ブリジット・ジャイルズ/著 ベンジャミン・アキントゥンデ・オイェタデ、マシューズ・A・オジョ/監修

『ナショナルジオグラフィック世界の国 アフガニスタン』(ほるぷ出版)

星野さんの書いた『ゴンベの森』は、ナイジェリアにあるのか/驚


【内容抜粋メモ】

「アフリカの巨人」
アフリカ第1の人口、石油ほかの天然資源により、西アフリカの経済・政治を支配してきた。
20C初頭、イギリスの帝国主義政策の成功例として、南北のイギリス植民地が1つとなってできた国。
しかし、富は不公平で、大勢が貧しいまま。

かつての宗教・民族対立の深い溝が、近年また表面化してきている。
キリスト教徒×イスラム教徒(交易でもたらされた)の衝突、石油の支配権をめぐる民族間の紛争など。

文化・動植物は豊かで多様性に富む。



[国旗]緑の色調は、多くのイギリス連邦諸国と同様、イギリス色彩評議会が規定した(そんなのがあるのか/驚

[気候]熱帯で、太陽が真上近くから照らす常夏。6~9ヶ月続く雨季と乾季がある。沿岸部は森・湿地、内陸部はサバンナ。

[公用語]英語

[通貨]3大民族が紙幣に描かれている。

[政治]1999年、過去20年間行われなかった民主的選挙が行われ、新憲法を採択。

[連邦共和国]
36の州、連邦首都地区アブジャに分かれる。
共和国:大統領などの選挙で選ばれた国家元首によって統治される国。

[言語]約400以上ある。ほとんどのナイジェリア人は2つの言葉を話せる。

[人口]
ここ15年で急増 1991年は9000万人→2006年は1億3000万人以上。全人口の約半数は15歳未満。
増加の理由は、石油産業で仕事を得られるようになったのが1つ。



************************多様な民族「民族主義」

「民族主義」
特定の民族、国家を称賛する信念、政治運動。民族主義者は、他国の政府に支配されるべきではないと考える。

最大の民族のヨルバ人(西部)、ハウサ人(北部)、イボ人(南部)の3大民族が居住。

国民の半分以上は、町・都市に住む。ラゴスは1400万人以上が住むアフリカ最大の都市。
人口密集地で、平均1部屋に6人が住み、犯罪率が高く、交通渋滞も激しい(東京っぽいな

中心街は超高層ビル、そのすぐそばにはスラム街が広がる。


アダマワ高原には、もっとも重要な民族の1つスクル(山の民)が住んでいる。
「イボ人には王はいない」という言葉がある。王の墓は発見されたが、唯一の支配者を持たなかったのは事実。
砂丘に住むハウサ人、フラニ人はほぼ牧畜民。乾季には、家畜を売ったり、殺して食べたりしなければならない。



************************自然・動物

砂漠、湿地、蒸し暑いジャングルなどからなる国。
アフリカでもっとも川、湖が多い。

「ピナス」伝統的な舟。品物や客を運ぶ。


「マングローブ林」
世界でも3番目に広い湿地帯。海洋生物と、巣作りをする鳥の安息の地。
根は、海水を吸い上げる時に塩分をろ過し、残った有害な塩分は葉から吐き出される。

「ニジェール・デルタ」
世界で3番目に大きな三角州。1956年、ここで石油が発見され、川は汚染されている。

南西部では、農地・町のために森を切り拓き、南東部の森はアブラヤシのプランテーションにかわった。

多様な動植物の生息地だが、ヒトと動物は住む地をめぐって争うことが多い。
昔は希少な生物でいっぱいだったが、今ではハンターに殺され、生息地を破壊されてしまった。

「ゴリラ」絶滅したと考えられていたが、1987年、生存を発見。せいぜい200頭ほど。

「マナティー」食用(!)にしたり、クスリにするために捕獲されてきたが、今は法律で保護されている。

「ハーテビースト」希少なレイヨウ。
「ダイカー」小型のレイヨウ。
「マルミミゾウ」
ポットー」あの可愛いスローロリスさんと同じ科なんだ/驚
センザンコウ」蟻を食べるし、アリクイさんかと思ったら違うのね!



************************産業

人々の2/3以上が農業、牧畜業、漁業で生計を立てている。
いずれも小規模なため、輸入に頼っている。



賃金をもらえる仕事につけない人が多いため、露店・屋台などを出したりして、自分で仕事を作り出す。
国の経済活動のおよそ4割がなんの規制も課税もなく行われている。
露店は女性には好都合。子育て、食事の支度が一緒にできるから。

「ブッシュタクシー」と呼ばれる無許可のタクシー業を営む人も多い。
武装強盗の逃走者に使われることもあるが、欠かせない足。




************************食べ物

「ヤムイモ」アブラヤシとともに、最初に栽培された作物。


************************生活

毎日生きることが闘い。

子どもたちは家計を助けるために働く。


女児は、男児より早く学校をやめる傾向がある。
女児は、料理、洗濯、水汲み、畑仕事をし、男児は農作業、家畜の世話、大工仕事を手伝う。
学校に通えない子どもも多い。

人々にとって、家族はとても大切で大家族が多く、先祖を敬う。
男性は、何人も妻を持つことができる/驚
夫は妻らに食費を渡すが、妻らは自分と子どものためにお金を稼ぐ。

女性は男性の親族と一緒でなければほとんど外出できない。



************************文化

芸術は、美術館だけでなく、家具、道具、武器、あらゆるところにある(それは世界中同じだ

[作家]
オラウダ・エクイアノ、チヌア・アチェベ『部族崩壊』、ウォレ・ショインカは、アフリカの黒人として初めてノーベル文学賞を受賞した。
指導者を批判したため、刑務所に入れられたり、国外追放になったこともある。

1756年、奴隷にされた少年が、1789年、自伝『アフリカ人、オラウダ・エクイアノの生涯』を出版。
アフリカの黒人作家が書いた最初の本の1つ。ベストセラーになり、奴隷解放運動の重要人物となる。


[音楽]
「アフロビート(アフリカ音楽とジャズを伝統的楽器&現代の楽器の融合で表現)」の創始者、フェラ・ランサム・クティ。
世の中の不公平に対する怒りを表して人気となった。



「アブラヤシ」木と葉は建築材料、燃料、ローブ、服に使われる。油は料理、樹液は酒になる。

「カノのダーバ」
イスラム教の盛大なお祭り。礼拝後、首長、騎馬隊、格闘家、リュート奏者らの行列がパレードし、見物人の人垣ができる。
その後、音楽、踊り、歌が徹夜で続く。

「サッカー」もっとも人気のスポーツ。代表の「スーパーイーグルス」は、1996年アトランタオリンピックで金メダル受賞。


1954年、約2000年前に作られた、等身大の素焼きの頭部が掘り出された。

ノク文化の土偶はサハラ砂漠より南で最古のもの。ノク文化の人々は鉄の精製・加工法も知っていた

青銅製の彫像で有名なイフェ


「ベニン・ブロンズ」

宮廷芸術家たちは何千もの真ちゅうの彫像をつくった。

「ドゥフナ・カヌー」約8000年前のもので、世界でも3番目に古い舟(なんでも3番目だね。1、2番目が気になるw



************************歴史


建国されて100年近く

1800年代終わり~1900年代はじめ、イギリスは、西アフリカの支配権を握った
古代王国はもうないが、今でも王、首長(イスラム社会の指導者)が影響力をもっている

1460年代 ハウサ人はイスラム教を広め、サハラ砂漠を越える交易を強化

1472 ポルトガル人が沿岸部に上陸

1553 イギリスが象牙、金などの交易を始めるが、のちに「奴隷貿易」に発展する

1600年代 ヨーロッパ諸国は、アメリカ大陸の土地開拓のため、奴隷を買う
1800年代 アメリカも「奴隷貿易」に加わる。約350万人が奴隷にされ、大西洋に運ばれる途中多くが死んだ

1834 イギリスで奴隷制度廃止
1865 アメリカで奴隷制度廃止

1884 ベルリン会議で、アフリカはヨーロッパ列強により分割。ナイジェリアはイギリス領になった

1800年代終わり、イギリスは、ヤシ油の資源を安く手に入れるため、近隣諸国すべてに戦争をしかけ、1885~1906年まで続いた

1914 イギリス総督の支配下として、ナイジェリア保護領が成立
ナイジェリア人には劣悪な仕事しか与えられず、賃金もわずか、税金の義務が課せられ、投票権はなかった

イギリス副総督がナイジェリアの部隊を視察


1928~1929 「女たちの戦い」女性たちが工場を焼き払った際、数百人が射殺された

1983 100万人以上の外国人がビザ失効&ナイジェリア人の仕事を奪っているという理由で追放された

1960 ナイジェリアは独立



************************独立の代償

独立からわずか6年後、最初の軍事クーデターが起こる。
イボ人は3年抗戦し、敗北。飢え、病気で300万人が死んだ。

難民救済ワーカーが子どもたちの体を洗って、食事を与える。


独立後、何人かのナイジェリア人支配者の汚職や不正に苦しめられた。


************************怒りを呼ぶ石油

ほとんどの天然資源は南部にあり、以前から利益配分が争いの種となっている。

1950年代に石油が発見され、最大の輸出品であり(全輸出高の95%)、世界の主要な産油国となった。
デルタは汚染され、天然ガスの炎は人々の眠りを妨げ、大気に有毒物質をまきちらした。
しかし、住民は、その恩恵をほとんど受けていないばかりか、国民のために使われてもいない。

流出した石油に火がつき、何週間も燃える




************************現在とこれから

ナイジェリアには、歴史的名所が多く、魅力ある野生生物も多いため、
観光地として発展し、世界的な経済大国になる可能性がある。
それには、石油への依存を止めること。



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