■宮沢賢治生誕120年 ますむらひろし 宮沢賢治の世界を語る@朝日カルチャーセンター
講師名:漫画家 ますむらひろし
講座内容:
“幻想と謎に満ちた宮沢賢治童話の漫画化を続ける、ますむらひろし氏。
登場人物を擬人化した猫として置き換えた作品は、1985年公開のアニメ映画『銀河鉄道の夜』のもととなりました。
賢治の詩『雨ニモ負ケズ』の一節「イツモシズカニワラッテイル」が根底にあるというヒデヨシと、その友達らが活躍するアタゴオルシリーズをはじめ、
宮沢賢治の童話を1983~1998年にかけて漫画化、2015年には新たに『やまなし』『虔十公園林』『オツベルと象』『ひかりの素足』を出版しました。
そして宮沢賢治生誕120年にあたる2016年には、再び『銀河鉄道の夜』を漫画で描くことを発表。
これは1983年の「最終形」、1985年の「初期形ブロカニロ博士篇」に続き3度目の試みとなります。
賢治の言葉と向き合いつづけるますむらひろし氏に、宮沢賢治への想いや発見などを語っていただきます。”
※「作家別」カテゴリー「ますむらひろし」参照
※「作家別」カテゴリー「宮沢賢治」参照
*
ますむらさんのツイートで見つけて、早速スマホから朝日カルチャーセンターに「新規登録」をしたが、自動返信が来ない。
フリーメールのアドレスにしたからか?と思ったが、「迷惑メールBOX」にも入っていないので、
後日、電話して聞いてみたら、「まだ登録されていない」そう。
スマホでも登録はできるはずなのに、なぜ???
じゃあ、パソからフリーメールでないメアドで登録し直したほうがいいかと聞いたら、
「この電話でも受け付けますよ」とのことで、受け付けたv
「当日、4階の受付での支払いは、土日は混むので早めに来てください」という話から、
コンビニ払いもできるって聞いて、そっちにしてもらった。なんだかゆるいシステムだなあ![]()
振込用紙を送る→当日は直接、会場の7階に行く。7階かぁ・・・4階だと思った。。。![]()
※ネットやスマホで登録すると、支払いはクレカ限定。それが嫌な人も多いので、現金払いもしているそう。
*
昨日の夜から今朝にかけて、また雪
が降ると散々ゆってたけど、
おそるおそる朝、カーテンを開けたら、なんてことない小雨
程度で、
昼頃、家を出る時はやんでいて、1日曇りだった。またニュースに脅された。
木曜にやったスクワットのせいで、両太ももが筋肉痛の激痛で、
アシモくんのように歩いています・・・(座るのも痛い![]()
新宿はひさびさ。
西口の高層ビルと言えば、派遣屋の事務所も多いので、もしかしたら、ここ登録で来たかもと思い出した![]()
新宿住友ビル前の太田道灌さんつながりの猫
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玉ちゃんて・・・
*
7階に直接行ってくださいとは言われたけど、一応4階にも行ってみたら、旅行会社かと思うような受付カウンター/驚
たくさんの講座があるから、これだけの規模でやってるんだな。
並んだチラシを見ると、ヨガ、手芸、ジャズ、本当に幅広い。
生涯学習はいいことだと思う。実際行くと、やっぱり女性が多いけどw
円筒形のフシギなビル内の複数の教室?で、いろいろな講座を時間差で催しているよう。
7階に行くと、15分前くらいだったけど、もう十数人並んで、ドアが開くのを待っていた。
なんだか大学のゼミを思い出させるようなシンプルな部屋。
横長で、正面にスクリーンがあって、懐かしいプロジェクターがある(見せる側は左右が分からなくなるやつ![]()
50人くらい入れるのかな? 真ん前にはPC
を持ち込んで、なにやら一生懸命入力している人もいた/驚
私は、真ん中の端をとって、7階ってことで、ソラナックスをポケットに入れて、
始終、カラダ全体に悪霊でも背負っているかのような不安感を感じつつも、2時間半頑張った![]()
「授業みたいになるかもしれない」とご本人がつぶやいていた通り、7枚のコピー紙を渡された。
「作品誕生・変遷」年表
「銀河鉄道の夜」構成
「銀河鉄道の夜」三次稿(初期形
「銀河鉄道の夜」第四次稿・最終形
「青森挽歌」
『一八四 春』一九二四、八、二二
『一八四 春』変奏曲 一九二四、八、二二/一九三三、七、五
『一五五』一九二四、七、五
ますむらひろしの北斎展@八王子市夢美術館
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2016.2.6(土)- 2016.3.27(日)10:00-19:00
休館日 月曜日(ただし祝日の場合は開館し翌日休館)
「羊毛フェルトでヒデヨシをつくろう」て!w
*
【内容抜粋メモ】
ますむらさんが賢治を好きになった理由や、賢治の人となりについて語るのかなと
ぼんやり想像して行ったのだけれども、それはサラっと流して、というのも冒頭から
「感動も、何度も講演などをするうちに薄れてきて、このぐらいのテンションで話しますが・・・」みたいな始まり方![]()
今回、熱烈に話してくれたのは、『銀河鉄道の夜』を漫画化、映像化するにあたり、苦労した点。
とくに天の川を挟んで、賢治の書いた「天の野原」「三角標」などを描くために、
天沢退二郎さんの書いた古い本、星座早見盤(!)などを照らし合わせて、
ジョバンニらが見た星々
が一体どこから、どう見たのか?を延々と掘り下げていた。
そっかぁ・・・賢治のただでさえ迷宮のような生原稿だけでも解読するのは困難なのに、
それを視覚化、映像化するとなると、私たち一般人にもひと目見てなんとなくイメージ出来るように
描かなきゃならないことの難しさたるや、想像を超えるなあ!
![]()
とっても見づらい生原稿
以下は、話を聞きながら、コピー紙にメモった怪しい記憶に基づいて、話の内容をざっくり記録しようと思う![]()
![]()
(間違いがあったらすみません/謝![]()
●ますむらさんと賢治の出逢い
小学校時代:教科書で『虔十公園林』(読んだかなあ?)を読んで、特殊学級のことを書いていることに驚いた。
中学校:学校で方言を禁じられていた(!)のに、賢治は故郷に敬意を込めて、方言で書いていることに驚いた。
東京(小石川)に上京して、改めて自然の大切さを知った。
デザイナー学院で、水俣病の研究で猫を実験台に使ったことを知って憤りを感じる。
「手塚賞」1等100万円の賞金に惹かれて
初めてマンガを描いた。筒井康隆さんの推薦を受けて2等を受賞。
その後の3年間は仕事がなかった。
『ユリイカ』で『銀河鉄道の夜』について2人の詩人による対談を読んで感動。その1人が天沢退二郎さん。
そこには、『銀河鉄道の夜』の終わり方には2通りあると推理し、実際に生原稿を見に行って「初期形」「最終形」があると分かる。
賢治作品の著作権が切れたのをきっかけに、'82~'83に3作を描いた。『銀河鉄道の夜』『風の又三郎』もう1つ何だっけ?![]()
その時、筑摩書房の全10巻を買って読み、「初期形」で描きたかったため、天沢さんの了解を得る。
83枚の原稿を93ページにまとめるため、たくさん削らねばならないシーンがあった。
賢治はセリフなどと同様、語りの上手さがあるが、それをマンガで表現するのは難しい(そうだよねえ!
●「三角標」とは何ぞや?
当時は分からずに描いたら、読者カードで「三角標とは、三角測量の時に使うものです」と指摘を受けた。
明治時代に日本地図を正しく作り直す時に使ったそう。賢治が「琴座」のことを書いたと分かった。
アニメ映画化の話が出て、2年の間に「初期形」で描くため200ページもらった。
●桔梗色の空とはどんな空?
賢治は車両から見て「窓の外に星はない」と書いているが、見えたはずだと思った。
それにしても、なぜ桔梗色?と考えていたら、夕暮れ時、夜になる手前、西の空がそんな風に見えたことがあり参考にした。
●天の野原とは?
銀河鉄道がたどったルートを、ますむらさんは天の川の左側沿い(上から見て)に描いたけれども、右側沿いに描く人たちもいた。
文章からは「プレシオン海岸」から見た崖や星、さそり座の位置などから、どうも矛盾する点がある。
そこで、天の野原とは、反転した見方なのでは?と思った(結局難しくて分からなかった/謝![]()
賢治「われわれは銀河の水の中に住んでいる」という言葉も参照した。
●イーハトブは理想の岩手
故郷を愛する賢治をリスペクトして、自分も出身の米沢市にかけて「ヨネザアド」と命名し、
それは後に「アタゴオル」(東武野田線の愛宕駅から)に通じる。
●「年表」より
「ひかりの素足」(1922)は、愛する妹としが病床にいた頃に書かれた。
兄弟が白黒に見えるシーンなど、雪国で育った経験も役立った。
妹が亡くなって、次に書いた「風林」(1923)との間、一切記録がないそう。
「風林」を読むと地獄を連想させる。
●死の原因となる人物のブキミな描写
「ひかりの素足」では、男性が長々と話し込んで、待ちきれずに兄弟だけで雪の中を歩き始めたために遭難する。
その死の原因となる男の手甲がやけに光って見えたという記述が暗示している。
『銀河鉄道の夜』でも、「ラッコの上着がくるよ!」と言われた後、振り向くと、ザネリと目が合う。
その後、ザネリが川に落ちたことが原因でカンパネルラが亡くなることから、このシーンも賢治は意識して書いたのではと思われる。
その他、白鳥座の駅では大勢が下りたとあるのに、2人の少年が下りた時は誰もいない。
彼らは一瞬にしてどこに消えてしまったのか、というブキミさもある。
●としの死と、賢治の詩、賢治自身の死
「青森挽歌」
あいつはこんなさびしい停車場を
たったひとりで通っていったらうか
どこへ行くともわからないその方向を
どの種類の世界へはいるともしれないそのみちを
たったひとりでさびしくあるいて行ったらうか
ここに「ギルちゃん」という、アマガエル?
が出てくる。
「春」という詩は8月の夏
に書かれている。
「春」変奏曲も8月22日。花巻の旧暦のお盆と思われる頃に書かれた。
その後、1933年になって追加されている。賢治の死の2ヶ月前だった。
ここにも「ギルダちゃん」というコが出てくる。
“ベーリング行XZ号の列車は
いま触媒の白金を噴いて、
線路に沿った黄いろな草地のカーペットを
ぶすぶす黒く焼き込みながら
梃々として走って来ます”
という死を思わせる文章の前に
“おめでたう”という言葉を置くあたりにも、賢治のなんらかの意図が感じられる。
(追加文のほうが「青森挽歌」よりずっと、少女らが楽しそうに別次元に入るように見えるけれど
「薤露青」には、イギリス海岸と思われる「プリオシンコースト」が出てくる。
賢治が『銀河鉄道の夜』を書いていると言ったのは1924年の『注文の多い料理店』出版祝いの場(第1稿か?
だが、その前からすでに、あらゆる詩や作品の中に鉄道
や星空
の片鱗が見えるという。
●最後にジョバンニは泣いたか?
ますむらさんのアニメ映画では、ジョバンニは涙をためて、母の待つ家へと走るところで終わる。
しかし、天沢さんの説では、ジョバンニはあのシーンでは泣かないという。
天沢さんの『原稿のすべて』(だっけ?)の中では、昭和31年版(生原稿は行方不明)で、
ジョバンニが丘に行き、セロのような声を聞くシーンがある。
定説では丘を下りて、カンパネルラの死を知るという順序だけれども、「セロの音」の記述は第4次稿にはない。
便利なツイッターを通じて、天沢さんとやりとりを重ね、ジョバンニが泣いたシーンはこの後にあるが、
ラストに泣くという推測もしたという。
とにかく、映画版では初期形で描いたが、ますむらさん的には「黒い帽子の男」が出てきて欲しいという思いが残った。
*
17時に終わる10分前に話を切り上げて、その後、聴講者による質問コーナーになり、3、4人ほど質問があった。
Q:また映像化する予定はあるか?![]()
すでに450ページ描いている(おお! 再び映画化されたらぜっ たい観る![]()
![]()
Q:修羅について
『春と修羅』の中で「おれはひとりの修羅なのだ」という一文がある。
ますむらさんのお話の中にも「不吉」を暗示させる人物が出てくるという話があった。
モーツァルトも死の直前、後に自らの葬送曲となる曲を依頼する男が現れたという。
修羅というのは、一種の「メメントモリ」だと思いますか?
※メメントモリ
ま:
『春と修羅』を書いていた頃は、賢治は意気揚々としていたので、むしろ、「強さ」や光を持った、
自分は人間を超えた存在のように主張しているように感じられる節もある。
賢治の人生には、いくつかの段階があって、ニヒルな時代、晩年の死と向き合った時代など1つではなかった。
原稿においても、歳をとるごとに、読者がどうにでもとれるよう、わざと消した箇所がたくさんある。
そういう多角的な部分も、これだけ長年、多くの人を惹きつけ続けているのだと思う。
Q:なぜ猫で表現されるんですか?![]()
それは、水木サンに“なぜオバケ?”(妖怪だけど
w)と聞くのと同じ![]()
私の場合、猫の反対にヒトがいる。ヒトで描くとエネルギーを感じない。
国芳といっしょ。彼はヒトを描いた時より、動物を描いた時のほうが面白い。
動物を描く人間に、なぜ?と聞いても説明不能です![]()
![]()
こんな感じ?
*
数冊の新作本が並んでいて、購入した方には、サイン会があった。
出入口を入ったところには、読書室のようなスペースがあって、
周囲はカウンター席で、中央の小さな書棚には、フリペや書籍が置いてあって、
羽生くんが表紙のフィギュアスケート雑誌から
、谷川俊太郎さんのフリペ、
戦争関連の大型本など、フシギな取り合わせ![]()
そういえば、イベントチラシの中に鈴木明子さんの講演もあった/驚
サインをしているますむらさんの様子をチラ見したら、サインの横に大きくヒデヨシくんの横顔をサラサラと描いていた![]()
イベント後に親しく話している方もいて、ライヴなどの活動もしているから、いろんなファンが集まったんだな。
会員制ということもあって、ここでも顔馴染み同士の会話があって、
ジム同様、会社や自宅以外の自分の趣味、交流の場所があるっていいことだと思った。
*
作家さんのトークイベントは面白いなあ。
これまで数回行ったけど、これからも機会があったら、いろいろ参加してみたい。
【ブログ内関連記事】
beco cafe mystery night vol.5 エドワード・ゴーリーの世界@西荻窪(2015.9.12)
川島小鳥+谷川俊太郎「おやすみ神たち」展@GALLERY MoMo(両国)
追。
2016年に著作権が消滅する作家まとめ
江戸川乱歩さんも!
「著作権切れ」作品が日本を救う?
【無料電子書籍】ネットで「宮沢賢治」を読んでみよう。宮沢賢治オススメベスト20+朗読動画
著作権の保護期間はどれだけ? - 著作権情報センター
“原則的保護期間は、著作者が著作物を創作した時点から著作者の死後50年までです。”
また、ますむらひろしさん×宮沢賢治のトークイベントやってほしいなあ!
今度は4階あたりで![]()
講師名:漫画家 ますむらひろし
講座内容:
“幻想と謎に満ちた宮沢賢治童話の漫画化を続ける、ますむらひろし氏。
登場人物を擬人化した猫として置き換えた作品は、1985年公開のアニメ映画『銀河鉄道の夜』のもととなりました。
賢治の詩『雨ニモ負ケズ』の一節「イツモシズカニワラッテイル」が根底にあるというヒデヨシと、その友達らが活躍するアタゴオルシリーズをはじめ、
宮沢賢治の童話を1983~1998年にかけて漫画化、2015年には新たに『やまなし』『虔十公園林』『オツベルと象』『ひかりの素足』を出版しました。
そして宮沢賢治生誕120年にあたる2016年には、再び『銀河鉄道の夜』を漫画で描くことを発表。
これは1983年の「最終形」、1985年の「初期形ブロカニロ博士篇」に続き3度目の試みとなります。
賢治の言葉と向き合いつづけるますむらひろし氏に、宮沢賢治への想いや発見などを語っていただきます。”
※「作家別」カテゴリー「ますむらひろし」参照
※「作家別」カテゴリー「宮沢賢治」参照
*
ますむらさんのツイートで見つけて、早速スマホから朝日カルチャーセンターに「新規登録」をしたが、自動返信が来ない。
フリーメールのアドレスにしたからか?と思ったが、「迷惑メールBOX」にも入っていないので、
後日、電話して聞いてみたら、「まだ登録されていない」そう。
スマホでも登録はできるはずなのに、なぜ???
じゃあ、パソからフリーメールでないメアドで登録し直したほうがいいかと聞いたら、
「この電話でも受け付けますよ」とのことで、受け付けたv
「当日、4階の受付での支払いは、土日は混むので早めに来てください」という話から、
コンビニ払いもできるって聞いて、そっちにしてもらった。なんだかゆるいシステムだなあ
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振込用紙を送る→当日は直接、会場の7階に行く。7階かぁ・・・4階だと思った。。。
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※ネットやスマホで登録すると、支払いはクレカ限定。それが嫌な人も多いので、現金払いもしているそう。
*
昨日の夜から今朝にかけて、また雪
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おそるおそる朝、カーテンを開けたら、なんてことない小雨
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昼頃、家を出る時はやんでいて、1日曇りだった。またニュースに脅された。
木曜にやったスクワットのせいで、両太ももが筋肉痛の激痛で、
アシモくんのように歩いています・・・(座るのも痛い
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新宿はひさびさ。
西口の高層ビルと言えば、派遣屋の事務所も多いので、もしかしたら、ここ登録で来たかもと思い出した
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玉ちゃんて・・・
*
7階に直接行ってくださいとは言われたけど、一応4階にも行ってみたら、旅行会社かと思うような受付カウンター/驚
たくさんの講座があるから、これだけの規模でやってるんだな。
並んだチラシを見ると、ヨガ、手芸、ジャズ、本当に幅広い。
生涯学習はいいことだと思う。実際行くと、やっぱり女性が多いけどw
円筒形のフシギなビル内の複数の教室?で、いろいろな講座を時間差で催しているよう。
7階に行くと、15分前くらいだったけど、もう十数人並んで、ドアが開くのを待っていた。
なんだか大学のゼミを思い出させるようなシンプルな部屋。
横長で、正面にスクリーンがあって、懐かしいプロジェクターがある(見せる側は左右が分からなくなるやつ
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50人くらい入れるのかな? 真ん前にはPC
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私は、真ん中の端をとって、7階ってことで、ソラナックスをポケットに入れて、
始終、カラダ全体に悪霊でも背負っているかのような不安感を感じつつも、2時間半頑張った
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「授業みたいになるかもしれない」とご本人がつぶやいていた通り、7枚のコピー紙を渡された。
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2016.2.6(土)- 2016.3.27(日)10:00-19:00
休館日 月曜日(ただし祝日の場合は開館し翌日休館)
「羊毛フェルトでヒデヨシをつくろう」て!w
*
【内容抜粋メモ】
ますむらさんが賢治を好きになった理由や、賢治の人となりについて語るのかなと
ぼんやり想像して行ったのだけれども、それはサラっと流して、というのも冒頭から
「感動も、何度も講演などをするうちに薄れてきて、このぐらいのテンションで話しますが・・・」みたいな始まり方
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今回、熱烈に話してくれたのは、『銀河鉄道の夜』を漫画化、映像化するにあたり、苦労した点。
とくに天の川を挟んで、賢治の書いた「天の野原」「三角標」などを描くために、
天沢退二郎さんの書いた古い本、星座早見盤(!)などを照らし合わせて、
ジョバンニらが見た星々
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そっかぁ・・・賢治のただでさえ迷宮のような生原稿だけでも解読するのは困難なのに、
それを視覚化、映像化するとなると、私たち一般人にもひと目見てなんとなくイメージ出来るように
描かなきゃならないことの難しさたるや、想像を超えるなあ!
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とっても見づらい生原稿
以下は、話を聞きながら、コピー紙にメモった怪しい記憶に基づいて、話の内容をざっくり記録しようと思う
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(間違いがあったらすみません/謝
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●ますむらさんと賢治の出逢い
小学校時代:教科書で『虔十公園林』(読んだかなあ?)を読んで、特殊学級のことを書いていることに驚いた。
中学校:学校で方言を禁じられていた(!)のに、賢治は故郷に敬意を込めて、方言で書いていることに驚いた。
東京(小石川)に上京して、改めて自然の大切さを知った。
デザイナー学院で、水俣病の研究で猫を実験台に使ったことを知って憤りを感じる。
「手塚賞」1等100万円の賞金に惹かれて
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その後の3年間は仕事がなかった。
『ユリイカ』で『銀河鉄道の夜』について2人の詩人による対談を読んで感動。その1人が天沢退二郎さん。
そこには、『銀河鉄道の夜』の終わり方には2通りあると推理し、実際に生原稿を見に行って「初期形」「最終形」があると分かる。
賢治作品の著作権が切れたのをきっかけに、'82~'83に3作を描いた。『銀河鉄道の夜』『風の又三郎』もう1つ何だっけ?
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その時、筑摩書房の全10巻を買って読み、「初期形」で描きたかったため、天沢さんの了解を得る。
83枚の原稿を93ページにまとめるため、たくさん削らねばならないシーンがあった。
賢治はセリフなどと同様、語りの上手さがあるが、それをマンガで表現するのは難しい(そうだよねえ!
●「三角標」とは何ぞや?
当時は分からずに描いたら、読者カードで「三角標とは、三角測量の時に使うものです」と指摘を受けた。
明治時代に日本地図を正しく作り直す時に使ったそう。賢治が「琴座」のことを書いたと分かった。
アニメ映画化の話が出て、2年の間に「初期形」で描くため200ページもらった。
●桔梗色の空とはどんな空?
賢治は車両から見て「窓の外に星はない」と書いているが、見えたはずだと思った。
それにしても、なぜ桔梗色?と考えていたら、夕暮れ時、夜になる手前、西の空がそんな風に見えたことがあり参考にした。
●天の野原とは?
銀河鉄道がたどったルートを、ますむらさんは天の川の左側沿い(上から見て)に描いたけれども、右側沿いに描く人たちもいた。
文章からは「プレシオン海岸」から見た崖や星、さそり座の位置などから、どうも矛盾する点がある。
そこで、天の野原とは、反転した見方なのでは?と思った(結局難しくて分からなかった/謝
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賢治「われわれは銀河の水の中に住んでいる」という言葉も参照した。
●イーハトブは理想の岩手
故郷を愛する賢治をリスペクトして、自分も出身の米沢市にかけて「ヨネザアド」と命名し、
それは後に「アタゴオル」(東武野田線の愛宕駅から)に通じる。
●「年表」より
「ひかりの素足」(1922)は、愛する妹としが病床にいた頃に書かれた。
兄弟が白黒に見えるシーンなど、雪国で育った経験も役立った。
妹が亡くなって、次に書いた「風林」(1923)との間、一切記録がないそう。
「風林」を読むと地獄を連想させる。
●死の原因となる人物のブキミな描写
「ひかりの素足」では、男性が長々と話し込んで、待ちきれずに兄弟だけで雪の中を歩き始めたために遭難する。
その死の原因となる男の手甲がやけに光って見えたという記述が暗示している。
『銀河鉄道の夜』でも、「ラッコの上着がくるよ!」と言われた後、振り向くと、ザネリと目が合う。
その後、ザネリが川に落ちたことが原因でカンパネルラが亡くなることから、このシーンも賢治は意識して書いたのではと思われる。
その他、白鳥座の駅では大勢が下りたとあるのに、2人の少年が下りた時は誰もいない。
彼らは一瞬にしてどこに消えてしまったのか、というブキミさもある。
●としの死と、賢治の詩、賢治自身の死
「青森挽歌」
あいつはこんなさびしい停車場を
たったひとりで通っていったらうか
どこへ行くともわからないその方向を
どの種類の世界へはいるともしれないそのみちを
たったひとりでさびしくあるいて行ったらうか
ここに「ギルちゃん」という、アマガエル?
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「春」という詩は8月の夏
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「春」変奏曲も8月22日。花巻の旧暦のお盆と思われる頃に書かれた。
その後、1933年になって追加されている。賢治の死の2ヶ月前だった。
ここにも「ギルダちゃん」というコが出てくる。
“ベーリング行XZ号の列車は
いま触媒の白金を噴いて、
線路に沿った黄いろな草地のカーペットを
ぶすぶす黒く焼き込みながら
梃々として走って来ます”
という死を思わせる文章の前に
“おめでたう”という言葉を置くあたりにも、賢治のなんらかの意図が感じられる。
(追加文のほうが「青森挽歌」よりずっと、少女らが楽しそうに別次元に入るように見えるけれど
「薤露青」には、イギリス海岸と思われる「プリオシンコースト」が出てくる。
賢治が『銀河鉄道の夜』を書いていると言ったのは1924年の『注文の多い料理店』出版祝いの場(第1稿か?
だが、その前からすでに、あらゆる詩や作品の中に鉄道
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●最後にジョバンニは泣いたか?
ますむらさんのアニメ映画では、ジョバンニは涙をためて、母の待つ家へと走るところで終わる。
しかし、天沢さんの説では、ジョバンニはあのシーンでは泣かないという。
天沢さんの『原稿のすべて』(だっけ?)の中では、昭和31年版(生原稿は行方不明)で、
ジョバンニが丘に行き、セロのような声を聞くシーンがある。
定説では丘を下りて、カンパネルラの死を知るという順序だけれども、「セロの音」の記述は第4次稿にはない。
便利なツイッターを通じて、天沢さんとやりとりを重ね、ジョバンニが泣いたシーンはこの後にあるが、
ラストに泣くという推測もしたという。
とにかく、映画版では初期形で描いたが、ますむらさん的には「黒い帽子の男」が出てきて欲しいという思いが残った。
*
17時に終わる10分前に話を切り上げて、その後、聴講者による質問コーナーになり、3、4人ほど質問があった。
Q:また映像化する予定はあるか?
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すでに450ページ描いている(おお! 再び映画化されたらぜっ たい観る
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Q:修羅について
『春と修羅』の中で「おれはひとりの修羅なのだ」という一文がある。
ますむらさんのお話の中にも「不吉」を暗示させる人物が出てくるという話があった。
モーツァルトも死の直前、後に自らの葬送曲となる曲を依頼する男が現れたという。
修羅というのは、一種の「メメントモリ」だと思いますか?
※メメントモリ
ま:
『春と修羅』を書いていた頃は、賢治は意気揚々としていたので、むしろ、「強さ」や光を持った、
自分は人間を超えた存在のように主張しているように感じられる節もある。
賢治の人生には、いくつかの段階があって、ニヒルな時代、晩年の死と向き合った時代など1つではなかった。
原稿においても、歳をとるごとに、読者がどうにでもとれるよう、わざと消した箇所がたくさんある。
そういう多角的な部分も、これだけ長年、多くの人を惹きつけ続けているのだと思う。
Q:なぜ猫で表現されるんですか?
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それは、水木サンに“なぜオバケ?”(妖怪だけど
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私の場合、猫の反対にヒトがいる。ヒトで描くとエネルギーを感じない。
国芳といっしょ。彼はヒトを描いた時より、動物を描いた時のほうが面白い。
動物を描く人間に、なぜ?と聞いても説明不能です
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こんな感じ?
*
数冊の新作本が並んでいて、購入した方には、サイン会があった。
出入口を入ったところには、読書室のようなスペースがあって、
周囲はカウンター席で、中央の小さな書棚には、フリペや書籍が置いてあって、
羽生くんが表紙のフィギュアスケート雑誌から
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戦争関連の大型本など、フシギな取り合わせ
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そういえば、イベントチラシの中に鈴木明子さんの講演もあった/驚
サインをしているますむらさんの様子をチラ見したら、サインの横に大きくヒデヨシくんの横顔をサラサラと描いていた
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イベント後に親しく話している方もいて、ライヴなどの活動もしているから、いろんなファンが集まったんだな。
会員制ということもあって、ここでも顔馴染み同士の会話があって、
ジム同様、会社や自宅以外の自分の趣味、交流の場所があるっていいことだと思った。
*
作家さんのトークイベントは面白いなあ。
これまで数回行ったけど、これからも機会があったら、いろいろ参加してみたい。
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追。
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江戸川乱歩さんも!
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“原則的保護期間は、著作者が著作物を創作した時点から著作者の死後50年までです。”
また、ますむらひろしさん×宮沢賢治のトークイベントやってほしいなあ!
今度は4階あたりで
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