■データで変わる!? 認知症介護<人工知能×介護>@あさイチ
こないだ書いたAI(人工知能)が介護にも応用できる話で嬉しくなったv
どこまで進む? AI“人工知能”の世界@週刊ニュース深読み
介護に「人工知能」による「データ分析」+「情報学」「脳科学」を応用するという新しい試みが始まっているv
アルツハイマー型認知症の母親を5年前から介護する娘の例
「過去と現在が混乱していて、支離滅裂な会話が続くので、毎日の悩み。
100回聞いてきたら、100回答えるしかないんだけど、
本人には悪気はないのに、責めてしまう自分も嫌」
静岡大学でこの親子の会話を分析+映像=コミュニケーション
静岡大学/情報学の専門家・竹林さん
部屋の中にカメラを設置させてもらい、ふだんの介護を記録。
そのデータを静岡大学の情報学部で分析すると、あるパターンが見えてきた。
「否定」「命令」の言葉が多い(ウチの母親みたい・・・語尾が必ず「~しなさい」になる
会話が多いのは良いが、「否定」「命令」はネガティヴな働きとなる
フランスで35年の経験をもとに確立された介護の手法「ユマニチュード」
ユマニチュードの考案者であるフランス人のイヴ・ジネストさんは
「ポジティブな言葉で」、意思の疎通がうまくいかないときは、
「好きな物・関心の高いものに関連づけて」「話題を転換する」というポイントを伝えた。
イヴ:
「ノー」と言うたびにアドレナリンを飲ませているような状態になり、
1日の終わりにいろいろと問題が起こる。
反対に「そうだね」という言葉で「嬉しい」と思うようないい記憶を作ってあげれば、
ストレスがなくなって心地よい気持ちになるんです。
しきりとうなづいて納得する娘さんに、悪い例のVTRを見せる
「まさにこの状態ですw」
良い例
「教えてくれてありがとう」と言い、話を別に転換することで、本人の気がそれ、介護をする側、される側双方のストレスが軽減する
イヴさんに「お母さんが今好きなもの、昔好きだったものは何ですか?」と聞かれ、
「まずは、そこから知らないといけないですね」と意外に知らないことに気づく娘さん。
アドバイスを実行してもらって1週間後に再訪した
ポジティブな言葉を積み重ねるようになり、お母さんの顔も娘さんの顔もほがらかに変身/驚
お母さんは「話すこと」「食べること」が好きだと言う
ここでハプニング発生。茶菓子を出すと、それをイヴさんにあげようと投げはじめた母親。
そこですかさず、「投げる」行為につなげて「節分」の話に切り替えると、
投げるのが止まり、楽しい会話が続いた。
その上、普段はやらない手伝いをして、体を自発的に動かすようにもなった。
突然、子ども(娘さん)のことを心配し出したお母さんに、「子ども」を「節句」の話題に転換し、
「ひな祭りのケーキを買ったから食べよう」と言うと「可愛いねえ!」と反応。
その後「花」「お出かけ」も好きな母親と花見に出かけ、2人とも笑顔に
ユマニチュードとは?
林さん:
上記の例では、コミュニケーションの改善により、
以前から腹痛を訴えていた母親の体調の変化も分かるようになり、
食事を工夫することで腹痛もおさまった。
ポジティブな声かけは「おだて」とは違う。
「ポジティブホルモン」が脳内に出て、「自律神経」もポジティブ思考となって落ち着く。
内藤剛志さんを認知症の高齢者とみたてて実践例
1.話しかける前にゆっくり3回ノックする
テレビを見ていたりすると、呼びかけだけだと認知できない場合があるため、
これから話しますよ、という合図にもなる。
2.立った姿勢のまま近づくと「威圧」を与えるので、目線を合わせながら近づく
正面に立ち、まずは距離をとった状態から近づく
3.ちょっと恥ずかしいくらいに顔を近づけ(20cmほど)、目線をしっかり合わせ、大げさなくらいの笑顔で話す
「ありがとう」などの気持ちを言葉として伝えることも大事。
4.飛行機の着陸のように腕に触れ、離す時は離陸のように名残惜しく
「ポン」とたたくのではなく、体温で安心感を伝える。
手に近い場所は敏感だが、背中をたたくと驚いてしまう。
<FAX>
「仕事も大変なのに、これを毎日やるのはツライ」
林さん:
これらは「技術」。たとえ本心からでなくても、行動することによって徐々に変化がみられるようになる。
「環境」もポイント~藤沢市にある介護施設(25人が暮らしている)を紹介
介護する側もされる側も認知症の高齢者。家事等もできる人がやる
「一見すると、普通のおじいちゃん、おばあちゃんの家みたいですね」
ポイント1:手すりはない。つかまれそうな物が近くにある
家具の配置。家具や柱の間隔をわざと狭く作ることで、つかまり立ちで歩けるようになっている
ポイント2:イスは低い位置にある
「よっこいしょ」と立つと、筋力の向上につながる。
ポイント2:視覚に入る家具などをお年寄りにとってなじみ深いものにすること
視界に入る→脳にイイ→快適→幸せホルモンの分泌→行動意欲につながる
専門家:
環境をいじりすぎない。
お年寄りが最近の記憶全部を欠落してしまうと、そこは「私の部屋じゃない」となる。
何で困っているのか見極めながら、困らないようにアプローチすればよい。
引越したとしたら、好きだった音楽や映像を流すのもよい。
子育てにも役立つ。実際、「自閉症」の子どもにも応用されている。
医師への伝え方のポイント
よくやってしまいがちなのは「困った症状のみ」を伝えることに終始してしまうこと。
それだけだと判断が難しい。治療、改善点のための情報が欲しい。
できるだけ多くの情報を詳しく医師に提供することが必要。
とくに時間帯による症状の変化が重要。「せん妄」
胃薬の副作用にも注意が必要。認知症の患者さんは副作用が出やすい。
柳澤さん:実際のところ、医師はそれほど時間がとれないのでは?
医師:メモにまとめて診療時に渡すのも有効。
データバンクに情報を蓄積
ネットで問診をする。プライバシー保護のために本人同意。
データを集める→医師・介護する側ともに学び、データを共有できる。
上野さん(精神科医。長年、認知症の医療に携わる):
実際は、お嫁さんが義理の親の介護をする場合など、詳しい情報が分からないことも多いと分かった。
こうしてデータベース化することにより、“家族に気づきを与えるツール”として利用してほしい。
こんなに高齢化が急激に進んだ国はない。
こうした人工知能+情報学の研究は、日本が先頭をきってできること。
「ケア」している人を支えるのも社会
本音を話し合える場も必要。「家族会」は各地域にある。
こないだ書いたAI(人工知能)が介護にも応用できる話で嬉しくなったv
どこまで進む? AI“人工知能”の世界@週刊ニュース深読み
介護に「人工知能」による「データ分析」+「情報学」「脳科学」を応用するという新しい試みが始まっているv
アルツハイマー型認知症の母親を5年前から介護する娘の例
「過去と現在が混乱していて、支離滅裂な会話が続くので、毎日の悩み。
100回聞いてきたら、100回答えるしかないんだけど、
本人には悪気はないのに、責めてしまう自分も嫌」
静岡大学でこの親子の会話を分析+映像=コミュニケーション
静岡大学/情報学の専門家・竹林さん
部屋の中にカメラを設置させてもらい、ふだんの介護を記録。
そのデータを静岡大学の情報学部で分析すると、あるパターンが見えてきた。
「否定」「命令」の言葉が多い(ウチの母親みたい・・・語尾が必ず「~しなさい」になる
会話が多いのは良いが、「否定」「命令」はネガティヴな働きとなる
フランスで35年の経験をもとに確立された介護の手法「ユマニチュード」
ユマニチュードの考案者であるフランス人のイヴ・ジネストさんは
「ポジティブな言葉で」、意思の疎通がうまくいかないときは、
「好きな物・関心の高いものに関連づけて」「話題を転換する」というポイントを伝えた。
イヴ:
「ノー」と言うたびにアドレナリンを飲ませているような状態になり、
1日の終わりにいろいろと問題が起こる。
反対に「そうだね」という言葉で「嬉しい」と思うようないい記憶を作ってあげれば、
ストレスがなくなって心地よい気持ちになるんです。
しきりとうなづいて納得する娘さんに、悪い例のVTRを見せる
「まさにこの状態ですw」
良い例
「教えてくれてありがとう」と言い、話を別に転換することで、本人の気がそれ、介護をする側、される側双方のストレスが軽減する
イヴさんに「お母さんが今好きなもの、昔好きだったものは何ですか?」と聞かれ、
「まずは、そこから知らないといけないですね」と意外に知らないことに気づく娘さん。
アドバイスを実行してもらって1週間後に再訪した
ポジティブな言葉を積み重ねるようになり、お母さんの顔も娘さんの顔もほがらかに変身/驚
お母さんは「話すこと」「食べること」が好きだと言う
ここでハプニング発生。茶菓子を出すと、それをイヴさんにあげようと投げはじめた母親。
そこですかさず、「投げる」行為につなげて「節分」の話に切り替えると、
投げるのが止まり、楽しい会話が続いた。
その上、普段はやらない手伝いをして、体を自発的に動かすようにもなった。
突然、子ども(娘さん)のことを心配し出したお母さんに、「子ども」を「節句」の話題に転換し、
「ひな祭りのケーキを買ったから食べよう」と言うと「可愛いねえ!」と反応。
その後「花」「お出かけ」も好きな母親と花見に出かけ、2人とも笑顔に
ユマニチュードとは?
林さん:
上記の例では、コミュニケーションの改善により、
以前から腹痛を訴えていた母親の体調の変化も分かるようになり、
食事を工夫することで腹痛もおさまった。
ポジティブな声かけは「おだて」とは違う。
「ポジティブホルモン」が脳内に出て、「自律神経」もポジティブ思考となって落ち着く。
内藤剛志さんを認知症の高齢者とみたてて実践例
1.話しかける前にゆっくり3回ノックする
テレビを見ていたりすると、呼びかけだけだと認知できない場合があるため、
これから話しますよ、という合図にもなる。
2.立った姿勢のまま近づくと「威圧」を与えるので、目線を合わせながら近づく
正面に立ち、まずは距離をとった状態から近づく
3.ちょっと恥ずかしいくらいに顔を近づけ(20cmほど)、目線をしっかり合わせ、大げさなくらいの笑顔で話す
「ありがとう」などの気持ちを言葉として伝えることも大事。
4.飛行機の着陸のように腕に触れ、離す時は離陸のように名残惜しく
「ポン」とたたくのではなく、体温で安心感を伝える。
手に近い場所は敏感だが、背中をたたくと驚いてしまう。
<FAX>
「仕事も大変なのに、これを毎日やるのはツライ」
林さん:
これらは「技術」。たとえ本心からでなくても、行動することによって徐々に変化がみられるようになる。
「環境」もポイント~藤沢市にある介護施設(25人が暮らしている)を紹介
介護する側もされる側も認知症の高齢者。家事等もできる人がやる
「一見すると、普通のおじいちゃん、おばあちゃんの家みたいですね」
ポイント1:手すりはない。つかまれそうな物が近くにある
家具の配置。家具や柱の間隔をわざと狭く作ることで、つかまり立ちで歩けるようになっている
ポイント2:イスは低い位置にある
「よっこいしょ」と立つと、筋力の向上につながる。
ポイント2:視覚に入る家具などをお年寄りにとってなじみ深いものにすること
視界に入る→脳にイイ→快適→幸せホルモンの分泌→行動意欲につながる
専門家:
環境をいじりすぎない。
お年寄りが最近の記憶全部を欠落してしまうと、そこは「私の部屋じゃない」となる。
何で困っているのか見極めながら、困らないようにアプローチすればよい。
引越したとしたら、好きだった音楽や映像を流すのもよい。
子育てにも役立つ。実際、「自閉症」の子どもにも応用されている。
医師への伝え方のポイント
よくやってしまいがちなのは「困った症状のみ」を伝えることに終始してしまうこと。
それだけだと判断が難しい。治療、改善点のための情報が欲しい。
できるだけ多くの情報を詳しく医師に提供することが必要。
とくに時間帯による症状の変化が重要。「せん妄」
胃薬の副作用にも注意が必要。認知症の患者さんは副作用が出やすい。
柳澤さん:実際のところ、医師はそれほど時間がとれないのでは?
医師:メモにまとめて診療時に渡すのも有効。
データバンクに情報を蓄積
ネットで問診をする。プライバシー保護のために本人同意。
データを集める→医師・介護する側ともに学び、データを共有できる。
上野さん(精神科医。長年、認知症の医療に携わる):
実際は、お嫁さんが義理の親の介護をする場合など、詳しい情報が分からないことも多いと分かった。
こうしてデータベース化することにより、“家族に気づきを与えるツール”として利用してほしい。
こんなに高齢化が急激に進んだ国はない。
こうした人工知能+情報学の研究は、日本が先頭をきってできること。
「ケア」している人を支えるのも社会
本音を話し合える場も必要。「家族会」は各地域にある。