■『チップス先生さようなら』(Goodbye, Mr. Chips 1934)ジェイムズ・ヒルトン/著
※notes and movies(1991 part3)よりメモを抜粋しました。
※「読書感想メモリスト」カテゴリーに追加しました。
85歳を迎えて、目を閉じるたびに少年たちの忘れもしない数知れない場面が映画のように流れ出てくる。
そして、進歩的な考えを持ち、流産で亡くなった妻の思い出も。
教え子の多くを次から次へと起こる戦争や暴動で失いはしたものの、
彼ら全員が自分の子どもだったのだといって、その愛された生涯を静かに閉じる老教師。
著者が妙なきっかけで短期間に書き上げたせいもあってか、
突然、回想シーンから始まって、終わりまで懐かしい気持ちで一貫している構成は面白いと思った。
何代にもわたってブルックフィールズ校生を教え、切っても切れない関係にあるにも関わらず、
学校とは奇妙なもので、不安いっぱいに入学し、やがて慣れ、卒業し、
教師も、校長さえも、入っては出てゆき、また入っては出てゆく特別な場所で、
このジョーク好きの、人の良い老教師のことなど忘れられてしまうのが現実だ。
学校内での冗談ってやつは、本当に、その学校で長期間過ごしている者の間でしか通じないもので、
また特別タイムリーなものばかりなので、後で改めて考えてみると、
一体どこがそんなに腹がよじれるほど可笑しかったのかサッパリ検討もつかないのに、
ましてや他国の他校でのジョークで、読者を同じように笑わせることは
いくらチップス先生でも、ヒルトンでも難しいだろう。
これは映画化されているらしく、早速目についたら観てみたい。
・『チップス先生さようなら』~Goodbye Mr.Chips(1969)アメリカ
この本を読んだことも、すでに「過去」への仲間入りをしているわけで、
いつしか、最初に触れた時のなんともいいがたい、こんな気持ちも薄れて、
ボンヤリとした思い出になってしまうことは確実。
願わくば、この老教師の望みが聞き届けられればいいのだが。
天国で、妻と子と、そして、たくさんの教え子たちに囲まれて暮らすというささやかなる望みを。
※notes and movies(1991 part3)よりメモを抜粋しました。
※「読書感想メモリスト」カテゴリーに追加しました。
85歳を迎えて、目を閉じるたびに少年たちの忘れもしない数知れない場面が映画のように流れ出てくる。
そして、進歩的な考えを持ち、流産で亡くなった妻の思い出も。
教え子の多くを次から次へと起こる戦争や暴動で失いはしたものの、
彼ら全員が自分の子どもだったのだといって、その愛された生涯を静かに閉じる老教師。
著者が妙なきっかけで短期間に書き上げたせいもあってか、
突然、回想シーンから始まって、終わりまで懐かしい気持ちで一貫している構成は面白いと思った。
何代にもわたってブルックフィールズ校生を教え、切っても切れない関係にあるにも関わらず、
学校とは奇妙なもので、不安いっぱいに入学し、やがて慣れ、卒業し、
教師も、校長さえも、入っては出てゆき、また入っては出てゆく特別な場所で、
このジョーク好きの、人の良い老教師のことなど忘れられてしまうのが現実だ。
学校内での冗談ってやつは、本当に、その学校で長期間過ごしている者の間でしか通じないもので、
また特別タイムリーなものばかりなので、後で改めて考えてみると、
一体どこがそんなに腹がよじれるほど可笑しかったのかサッパリ検討もつかないのに、
ましてや他国の他校でのジョークで、読者を同じように笑わせることは
いくらチップス先生でも、ヒルトンでも難しいだろう。
これは映画化されているらしく、早速目についたら観てみたい。
・『チップス先生さようなら』~Goodbye Mr.Chips(1969)アメリカ
この本を読んだことも、すでに「過去」への仲間入りをしているわけで、
いつしか、最初に触れた時のなんともいいがたい、こんな気持ちも薄れて、
ボンヤリとした思い出になってしまうことは確実。
願わくば、この老教師の望みが聞き届けられればいいのだが。
天国で、妻と子と、そして、たくさんの教え子たちに囲まれて暮らすというささやかなる望みを。