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『陰陽師1』(白泉社)

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『陰陽師1』(白泉社)
夢枕獏/原作 岡野玲子/著
初版1999年(2000年 10刷) 771円

※2002.1~のノートよりメモを抜粋しました。
「マンガ感想メモリスト」カテゴリーに追加しました。

1ヵ月以上も待ってやっと1巻1冊目
読んだら『日出処の天子』に似て、やっぱりハマる。

安倍晴明がこんな美男で、ホモセクシュアル系かどうかは演出かもしれないが、
この絵の美しさ、原作者お墨付きの面白さ。


▼あらすじ(ネタバレ注意

平安時代。醍醐天皇の世。
左遷の末に悶死した菅原道真の霊ほか、闇が闇として恐れられていた時代

晴明は、天文、気象、暦、占いを行う陰陽寮にて師・賀我忠行に学んだ。
父・大膳大丈:安倍益材、母は不明(一説にはキツネ?)、今昔物語が原典か。

晴明の親友で、管絃を愛し、朴訥な殿上人、源博雅(醍醐天皇第一子、克明親王の子)は、
主上の大事な琵琶「玄象」を物怪に奪われ、晴明を訪ねると、桜、藤、蚊の精霊とたわむれ

「もっとも短い呪(しゅ)は名だ。
 ものの根本的な在様を縛るのは名。
 名付けられないものは存在しないともいえる」と話す。

物怪は、楽器職人で、「玄象」の作り手、弾き手の無念の死と、女官が妻に似て恋しいという。
返す代わりに女官を差し出すが陰謀と分かり、男は殺される。

博雅は、名に呪をかけられて不動となり、名を偽った晴明は、物怪を刺し、
とりついていた犬の鬼を「玄象」に乗り移らせる。

その後、琵琶はヘタな者には音を出さず、災禍時は自ら逃げ出す



両親を亡くし、僧となり、供養に般若経の写経をする寿水のもとに
夜な夜な現れる口なしの女。

「形も呪の一種。人に似た石は、人と霊が帯び、
 皆が拝めば、呪も強まり、あやかしをする」

原因は、なんと写経で書き損じた「如」の文字!
梅雨に礼として傘代わりの布を差し出す口の戻った女。


なんて雅な、奥深い文化が、日本古来の人々の心にあったものか!
そして、平安京の中は、まるで小宇宙のごとく、思惑が図り巡らされた組み立てになっていた!
羅生門を入ると、朱雀門があり、その中に平安宮があり、その横に晴明宅がある。



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