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『きりひと讃歌』(小学館)

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■『きりひと讃歌』(小学館)
手塚治虫/著
上巻:初版1989年(1990年 5刷) 下巻:初版1989年 1010円
『ビッグコミック』(1970.4~1971.12連載)

※2002.5~のノートよりメモを抜粋しました。
「マンガ感想メモリスト」カテゴリーに追加しました。


▼あらすじ(ネタバレ注意
大病院M大の院長・竜ヶ浦は、数十年も奇病「モンモウ病」を研究。
伝染性という仮説を学会に発表して、医学会の会長の座を狙う。

その部下・小山内は、風土病説を唱えて、患者の故郷、犬神沢村に1ヵ月派遣される。
婚約者いずみは、小山内の同僚・占部にレイプされる。

閉鎖された村で、ごちそう代わりに出されたたづ。
彼女の父も「モンモウ病」患者を看病するうちに感染した。

保健所への道中たづは、村の男Aにレイプされ殺される。

小山内は、台湾の要人・万大人のもと奇怪ショーに出される。

ロシアに飛ばされた占部は、鉱山にも同じ病があり、
「モンモウ病」の白人女性ヘレンと出会った後、修道院長に撃たれるが命は助かる。

人間テンプラを見せる麗花とともに逃げ、異常性欲の精神病を治すが、地元民に捕らえられる。

万大人は、頭痛薬として飲んだ水がもとで発病。
竜ヶ浦の治療もむなしく死亡。

いずみの自殺未遂に動転して、ヘレンをレイプする占部。
ヘレンは学会に見本として身を曝す。

村長の病を治しても、姿の醜さで村人に追われ、逃亡中の飛行機ではスパイと間違われて不時着。

金を集めるためにテンプラの芸をして失敗し、麗花は死ぬ。

占部は、精神病者として医学界を追放され、ヘレンの整形を頼んで自殺。

ヘレンは、同じ原因不明の「はれ病」の多い村に残って看病し、教会のシスターとなり、占部の子を産む。

ドッグドックとしてアラブの田舎で頼られている小山内は、真相解明のために帰国。
Aを寺へ渡し、村長の証言と風土病説のレポートを選挙に提出。
いずみに別れを告げ、アラブへ戻る。

発病した竜ヶ浦は、伝染性説がやぶれて死に瀕する。
いずみは小山内を追って旅立つ。



今ではフツウに定着している「コマ割」や、ドラマ性のあるストーリー、絵も
昔は、四コマや、風刺のみからの出発から、発展した歴史があったんだ。
手塚さんも時代の流れを読んで、改革していったひとりで、今作は転換期の傑作にあたるそう。

自身が医師博士でもある知識を存分に生かした医学会の陰の部分、
専門的用語も盛りだくさんで、金田一耕助シリーズばりのミステリー長編ドラマに挑んでいる。



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