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『火の鳥3 ヤマト異形編』(角川書店)

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『火の鳥3 ヤマト異形編』(角川書店)
手塚治虫/著 初版1986年(1999年 39刷) 1400円

※2001.5~のノートよりメモを抜粋しました。
「マンガ感想メモリスト」カテゴリーに追加しました。


▼あらすじ(ネタバレ注意

●ヤマト編
奈良県明日香村の石舞台古墳という石塚をもとにヤマトタケルの神話を描いた。

クマソ退治に行ったオグナは正しい。
日本史を残し、平和を望むクマソと、美しい妹カジカに魅かれ、
火の鳥に毎晩、笛を吹いて聴かせて手なずけ、迷う心に鳥が答え、
クマソを殺して、父の墓建設を公園(?)にしちゃう。

鳥の血を舐めて生き埋めになったタケル、カジカと仙人は、半年ほど生き長らえたが、永久の愛を誓って果てた。

後に、生き埋めは廃止され、埴輪(!)の風習にかわる。



●異形編
血も涙もない成り上がり武士の父に男として育てられた左近介は、
父の鼻のがんを治す、800年も生きているという蓬莱寺の尼御前を切る時、
尼は「時間は止まって、私にかわる者が生き続ける」と言い残す。

30年前の応仁の乱の兵が流れ着いたり、外に出ようにも閉じ込められ、
尼に扮して傷つき、病める人々を鳥の羽根で救ううちに、
人の姿でない妖怪も来るようになり、分け隔てなく助ける。

ある日、自分が生まれた日まで知り、自分に斬られる恐怖におののく。
火の鳥は、殺人の罪の償いに、外世界の者を無限に救えば、
30年ごとに繰り返すうち現在に戻り、1度外に出られるという。

昔の繰り返しで、父のもとを訪れ、若き自分に出会い、長年仕えた可平と別れ、
同じように自分に斬られる。

可平は後に土佐光慶として「百鬼夜行絵巻」を遺す。

とくに後編は、フシギで心に残る話。
男として育てられた女の悲しみ、心から仕える可平との微妙な情も心を打つ。



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