■『火の鳥 1 黎明編』(角川書店)
手塚治虫/著 初版1986年(1992年 31刷) 1100円
※2001.8~のノートよりメモを抜粋しました。
※「マンガ感想メモリスト」カテゴリーに追加しました。
執筆された作品の順序(ウィキ参照
●黎明編初出:初出『漫画少年』(1954年7月号 - 1955年5月号)未完
●エジプト編:初出『漫画少年』(1954年7月号 - 1955年5月号)未完
●ギリシャ編:初出『少女クラブ』(1956年11月号 - 1957年7月号)
●ローマ編:初出『少女クラブ』(1957年8月号 - 12月号)
●黎明編:初出『COM』(1967年1月号 - 11月号)
●未来編:初出『COM』(1967年12月号 - 1968年9月号)
●ヤマト編:初出『COM』(1968年9月号 - 1969年2月号)
●宇宙編:初出『COM』(1969年3月号 - 7月号)
●鳳凰編:初出『COM』(1969年8月号 - 1970年9月号)
●復活編:初出『COM』(1970年10月号 - 1971年9月号)
●羽衣編:初出『COM』(1971年10月号)
●望郷編(COM版):初出『COM』(1971年12月号)・『COMコミックス』(1972年1月号)
●乱世編(COM版):初出『COM』(1971年12月号)・『COMコミックス』(1972年1月号)
●望郷編:初出『マンガ少年』(1976年9月号 - 1978年3月号)
●乱世編:初出『マンガ少年』(1978年4月号 - 1980年7月号)
●生命編:初出『マンガ少年』(1980年8月号 - 12月号)
●異形編:初出『マンガ少年』(1981年1月号 - 4月号)
●太陽編:初出『野性時代』(1986年1月号 - 1988年2月号)
●休憩 INTERMISSION:初出『COM』(1971年11月号)
▼あらすじ(ネタバレ注意
クマソの女ヒナクの病を治すため、天は火の鳥を捕らえて焼死。
邪馬台国の医師グズリは青カビで彼女を治し、再婚するが、
彼はスパイで、後に軍で攻め入り、クマソは皆殺し。
軍の長・猿田彦は、ヒナクの弟ナギを奴隷に連れて帰り、
ヒミコの命により、火の鳥を射る訓練をさせ、息子のように育てる。
ヒミコの呪術による統治は古いと言って、弟スサノオは暴れて牢に入れられる。
日食が起こり、ヒミコを討とうとして失敗したナギと猿田彦(天狗のモデル? 九州の原住民か?)と九州に戻る。
ヒミコらの軍も火の鳥を求めてヨマ国の弓彦とともに上陸。
ナギは姉と再会。
グズリとの子をたくさん産み、村を再生させると聞く。
火山の噴火でヒナクとグズリは山奥に閉じ込められ、太陽は見れたが、
わずかに生える草と虫を食料にして生き延びる。
ナギらは大陸からきた高天原族(モンゴル系?)ニニギと会い、
ウズメと結婚することで救われる。
彼女はヨマ国の美人だが、醜いフリをして生き延びた。
日本の原住民を征服してヤマト政府をつくる。
余命少ないヒミコは、スサノオを頼るが、再び両目を焼いて追放する。
弓彦は火の鳥の首を切って捕らえ、ヒミコに渡すが、ヒミコは絶命。
馬に乗ったニニギ軍と猿田彦を長とした邪馬台国との争いは、ニニギに軍配が上がり、邪馬台国民は皆殺しにされるが、
ウズメは「女は子を産み、その子はやがてあなたを滅ぼす」と言って去る。
ヒナクの息子タケルは、崖を登って、ついに外の地を踏み、自分の子を産む女を探して戻ると誓う。
*
神話を学術的見地から描いた。
「神武天皇はじめ、10代ほどの天皇たちは祟神天皇の頃に作り出された架空の人物らしい。
だから皆100歳まで生きたなどとデタラメなことを書いている」
などの件も興味深い。
「虫たちは、自然が決めた一生の間、ちゃんと育ち、食べ、恋をし、卵を産んで、満足して死んでいくのよ。
人間は、虫や動物より長生きだわ。
その一生の間に生きている喜びを見つけられればそれが幸福じゃないの?」
人の歴史は、どの時代も殺人と掠奪の繰り返し。
今あるものに決して満足せずに奪い合う。
それが文明を発達させたかもしれないが、幸せはまだ見つからないままだ。
手塚治虫/著 初版1986年(1992年 31刷) 1100円
※2001.8~のノートよりメモを抜粋しました。
※「マンガ感想メモリスト」カテゴリーに追加しました。
執筆された作品の順序(ウィキ参照
●黎明編初出:初出『漫画少年』(1954年7月号 - 1955年5月号)未完
●エジプト編:初出『漫画少年』(1954年7月号 - 1955年5月号)未完
●ギリシャ編:初出『少女クラブ』(1956年11月号 - 1957年7月号)
●ローマ編:初出『少女クラブ』(1957年8月号 - 12月号)
●黎明編:初出『COM』(1967年1月号 - 11月号)
●未来編:初出『COM』(1967年12月号 - 1968年9月号)
●ヤマト編:初出『COM』(1968年9月号 - 1969年2月号)
●宇宙編:初出『COM』(1969年3月号 - 7月号)
●鳳凰編:初出『COM』(1969年8月号 - 1970年9月号)
●復活編:初出『COM』(1970年10月号 - 1971年9月号)
●羽衣編:初出『COM』(1971年10月号)
●望郷編(COM版):初出『COM』(1971年12月号)・『COMコミックス』(1972年1月号)
●乱世編(COM版):初出『COM』(1971年12月号)・『COMコミックス』(1972年1月号)
●望郷編:初出『マンガ少年』(1976年9月号 - 1978年3月号)
●乱世編:初出『マンガ少年』(1978年4月号 - 1980年7月号)
●生命編:初出『マンガ少年』(1980年8月号 - 12月号)
●異形編:初出『マンガ少年』(1981年1月号 - 4月号)
●太陽編:初出『野性時代』(1986年1月号 - 1988年2月号)
●休憩 INTERMISSION:初出『COM』(1971年11月号)
▼あらすじ(ネタバレ注意
クマソの女ヒナクの病を治すため、天は火の鳥を捕らえて焼死。
邪馬台国の医師グズリは青カビで彼女を治し、再婚するが、
彼はスパイで、後に軍で攻め入り、クマソは皆殺し。
軍の長・猿田彦は、ヒナクの弟ナギを奴隷に連れて帰り、
ヒミコの命により、火の鳥を射る訓練をさせ、息子のように育てる。
ヒミコの呪術による統治は古いと言って、弟スサノオは暴れて牢に入れられる。
日食が起こり、ヒミコを討とうとして失敗したナギと猿田彦(天狗のモデル? 九州の原住民か?)と九州に戻る。
ヒミコらの軍も火の鳥を求めてヨマ国の弓彦とともに上陸。
ナギは姉と再会。
グズリとの子をたくさん産み、村を再生させると聞く。
火山の噴火でヒナクとグズリは山奥に閉じ込められ、太陽は見れたが、
わずかに生える草と虫を食料にして生き延びる。
ナギらは大陸からきた高天原族(モンゴル系?)ニニギと会い、
ウズメと結婚することで救われる。
彼女はヨマ国の美人だが、醜いフリをして生き延びた。
日本の原住民を征服してヤマト政府をつくる。
余命少ないヒミコは、スサノオを頼るが、再び両目を焼いて追放する。
弓彦は火の鳥の首を切って捕らえ、ヒミコに渡すが、ヒミコは絶命。
馬に乗ったニニギ軍と猿田彦を長とした邪馬台国との争いは、ニニギに軍配が上がり、邪馬台国民は皆殺しにされるが、
ウズメは「女は子を産み、その子はやがてあなたを滅ぼす」と言って去る。
ヒナクの息子タケルは、崖を登って、ついに外の地を踏み、自分の子を産む女を探して戻ると誓う。
*
神話を学術的見地から描いた。
「神武天皇はじめ、10代ほどの天皇たちは祟神天皇の頃に作り出された架空の人物らしい。
だから皆100歳まで生きたなどとデタラメなことを書いている」
などの件も興味深い。
「虫たちは、自然が決めた一生の間、ちゃんと育ち、食べ、恋をし、卵を産んで、満足して死んでいくのよ。
人間は、虫や動物より長生きだわ。
その一生の間に生きている喜びを見つけられればそれが幸福じゃないの?」
人の歴史は、どの時代も殺人と掠奪の繰り返し。
今あるものに決して満足せずに奪い合う。
それが文明を発達させたかもしれないが、幸せはまだ見つからないままだ。