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『陰陽師8 大陰』(白泉社)

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『陰陽師8 大陰』(白泉社)
夢枕獏/原作 岡野玲子/著 初版1998年

※2002.10~のノートよりメモを抜粋しました。
「マンガ感想メモリスト」カテゴリーに追加しました。


▼あらすじ(ネタバレ注意

●安倍清明 天の川に行きて雨を祈ること

日照りが続いて都も昼から盗賊が出たりで、皆、心まで渇ききっている中、あちことで請雨の祈りが捧げられる。

清明の兄弟子・加茂保憲が陰陽寮で五龍祭、東寺の寛空は神泉苑で経を読む。

清明は、独自に天の水を呼ぶため、各地の水脈水神を、勅使となった源(水のもと)博雅とともに回って、
瓜を捧げ、北斗七星の形に軌跡を残してゆく


清明:
もともと32音律はすべて星の運行と結びついていた。
過去には天も鏡も絃も人も、もっとしっかり結びついていたはずだった

人の魂は、それぞれ光を放ち、その器の体も、衣を纏うように、その光を纏っている。
その光は、その人の所有するもの、触れたもの、すべてに帯びる。座ったところ、歩いた筋に残る。


1.若狭・天徳寺の神水の涌く泉
2.鵜の瀬の霊泉・水中洞穴
3.貴船・水神の水
4.室生の龍穴神社
5.三諸山上の龍穴
6.三川合流の地・丹生川上
7.吉野の霊峰の天の川

1.の住職、元真は管公のひ孫で、加茂の兄弟も、その父に弟子入りしている。原因は清明らしい。
保憲とのただならぬ結びつきも匂わせて怪しい。
天からの応えに涙する珍しいシーンもあり。


【清明の言葉】

「山に入るのは母の胎内に戻ること。胎児に戻り、胞衣を着けて山を下り、もう一度産まれ直す。
 つまり、生きながらにして、生まれ変わる行。
 再生を繰り返し、自身を高みへ昇らせる」


「山に入って、はじめに思い知るべきは、上から下がよく見えるが、下から上は見えない。
 上から見下ろし、己はまだあの里の藪の中にいるのだと気づかねばならない。
 母の懐で自分を完成させるため、まず神妙に勇気をもって自分の藪から一歩踏み出し、全体を知る。全体に近づく」
(こないだプラネタリウムで壮大な宇宙を見た時も、自分のちっぽけさを知ったなあ


「生まれつき愛でられている者は、行をする必要もない。楽は神に近いもの」


「雨は地球を、涙は子宮を浄化する。
 浄化された魂は、来るべき新しい魂を受け入れ、新しい生命を育む」


「鍛えられ、研ぎ澄まされた魂は、全ての存在とわが身が一体であることを一瞬のうちに完璧に悟る」



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