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Channel: メランコリア
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notes and movies(1999.1〜 part6)

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過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part5からのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


■『シャドウビルダー』(1997)
監督:ジェイミー・ディクソン 出演:マイケル・ルーカー ほか
『X-FILES』ほか特殊撮影スタッフがそろって撮り上げた宗教ホラー。
聖痕を持つ少年として『X-FILES』に出演した少年が同じ役柄で登場。
ここにモルダーとスカリーがいたらもちょっと盛り上がるんだけどな。
キリスト教圏としては、十字架を冒す行為は耐え難いだろうけど、日本人にはいまいちピンとこない。
光に弱いっていう最大の弱点が悪魔にとっては部が悪い。
ドラキュラにも杭とニンニクって具合にどこか必ず分かりやすいウィークポイントがあるんだよね。

家族は助かっても町はメチャメチャ。自分たちだけ助かってもなあ。
日食が怖くて電気マニアになった変な黒人コピーが活躍。

“「光あれ」と神が言うと一筋の光が射し、そして同時に最初の影ができた”ていう聖書の出だし。
進化論はじめあらゆる科学者を生み出しながら、同時に神の創造説も信じてる欧米人はフシギな人種だ。
長年連れ添った老夫婦が突然相手を斧で切ったり、少年がナイフ持って襲ったり、
ワケもわからない残虐な事件が現実で多発する今日。モンスターとか責任負う奴でもいなきゃ本当に納得できない。
あらゆる事象に光と影、表と裏が存在するのは真理。どちらを選ぶかは人間次第だ。


■『the cranberries live』(1994)
♪Dreming of my dreams、♪Everything I said、♪How、♪Zonbi、♪Dreams ほか
『恋する惑星』でかかってた一度聴いたら忘れないのびやかなメロディと透き通る美声は彼女だったのか?
やっと新しい個性あるシンガーソングライター、女性ヴォーカリストを見つけた感じ。
まだガレージの雰囲気を残しているところもイイ。データ不足で出身も結成何年目かも不明。
アメリカツアーが成功してロンドンに帰省ライヴか? アイルランドがどうとかっていってて、北欧系にも見える。

ボーイッシュな短髪の似合う、すっきりした顔立ちに、小柄で華奢なルックス、微妙な和音と語尾が上がる独特の歌唱法。
新曲が多かったみたいだが、やっぱ生で聴く♪Dreams が感動。
ギターも弾けて、ラストは足を高々と上げてダンスも披露。

キツキツに立ってる観客も一体となってバラードは聞き惚れて静かになり、一緒に歌うシーンもある。
ラヴソングだけでなく戦争反対、生き方などについて歌っているのも興味深い。
"Marry Me!"の声に“22歳だもの、もう子どもいてもおかしくないよね”
“未来の歌です。過去は皆知ってるから。これは未来の歌なの”
CDもぜひ聴きたい。


■『生きてこそ』(1993)

監督:フランク・マーシャル 出演:イーサン・ホーク ほか

「もし自分だったらすぐ死んでる、なんて意味がない。同じ状態になってみなきゃどうなるかなど分からない。
 私たちはそこに神を見た」

神=自然の前で人は無力。飛行機や無線を発明し、発展させてきた物を得て、過信し、超越したつもりでも、
雪山に残された途端、互いを喰うしか術がない。
これを撮影したスタッフと俳優らも至難の技だったことだろう。

こうして毎日退屈だなんて思えることがどれほど恵まれているか。失ってみて初めてありがたさが分かるんだな。
後年のナンド役で語りをするのはジョン・マルコヴィッチ。
墜落、飢餓、雪崩、山脈を軽装備で越えるなんて本当に私たち人間にできるのか。
彼らは証人だ。生き延びることそれ自体生きる意味なのかも知れない。


■『ハイダウェイ』(1995)

監督:ブレット・レナート 出演:ジェフ・ゴールドブラム ほか
臨死状態からよみがえり第3の眼を持つという話は聞いたことがある。
蘇生術はどんどん進歩してもあまりよみがえらせちゃいけない連中もいる!
最初からラストまでグイグイ引きこまれる、あらゆる面白味がコンパクト、ジェットコースターのスピードで展開していく。
キャストも魅力的。ビルドアップされた190cm以上の“ハエ男”ことジェフは、なんとも頼りがいあるパパ。

急にSFになって赤い悪魔と白い善の神の戦いになってちょっと興ざめしたけど。
テロップが流れてすっかり巻き戻しちゃった人は見逃しかねない、親切なオマケ付き。
「“キャリー”みたいだったよ」「シシー・スペイセク」とことん映画オタクな2人。
死後の世界を光のCGで見せるトリップ加減が『BRAIN STORM』風でイイ。
モヤモヤに顔がついてて、死者が迎えにくるっていうのは日本の三途の川の考え方と同じ。


■『まあだだよ』(1993)

原案:内田百? 監督:黒澤明 出演:松村達雄、香川京子、井川比佐志、所ジョージ、寺尾聰、平田満 ほか
黒澤晩年の作品は静かで落ち着いた癒しと夢の中のような映像。
今では珍しい、心から尊敬し、慕われる師と生徒の、世代、時代を越えた人間同士の付き合いをじっくり描く。
誰でも1人は目標とし、直接会わずとも思い出しては励まされる師のような人がいる。
その人から教えてもらったことを自分も他人に伝え、近づこうと努力する。
その人は強く堅固であるより、むしろ表も裏も隠さず、情が豊かで身近な存在、
ともに泣き笑いのできる人物で、自分もいつか同様に慕われ、尊敬に値し、
人々が自然と集まる人になりたいものだ。

田んぼの刈りいれ後のワラに隠れようとする少年が空をふと見上げると夢幻に輝く夕焼け空があやしく美しい。
これほどの素晴らしい生き方は恵まれて幸せだ。自身の徳が招くのか、そういう運命にあったのか、うらやましい限り。

「大切なものを1つ見つけて、努力すれば、きっと立派な仕事ができる」

生徒の孫にこういう先生の信条に重みがあり、学ぶべきメッセージがある。

『ノラや』のくだりもある


■『Angelique 1』(1964)
監督:ベルナール・ボルドリー 出演:ミシェール・メルシェ ほか
1?てことは2があるってこと? 慌てて調べたけど資料はナシ。
なんとなく続きそうな雰囲気ではあったけど、仏映だし・・・と諦めてた。
でもドラマの半分で後半を出さないなんて荒業じゃないか? レンタルショップに2が置いてあった気配はなかったし・・・

とにかくBBがこのヒロイン役をやらなかったことをとても悔やんでいるとのこと。
公爵夫人役で、運命に翻弄される美女役なら美味しいのは間違いない。この女優も輝くばかりの美しさ。

それにしても妬まれただけで「悪魔」呼ばわりされて茶番の裁判の果てに火あぶりにされたり、
美しい娘が「修道院に5年行け」と見も知らぬ他人に命令されて、
帰ったら父に見も知らぬ男のところへ「嫁に行け」と言われる。
アンジェリクはたまたまいい人に巡り会えてラッキーだったけど、宮廷ではレイプされるし、なんて野蛮な時代だったんだろ。
鉱石から金を取り出す錬金術が魔法だと大の大人が叫ぶくらいだから、
科学が芽生えた矢先でまだまだ不条理な世界だったんだ。
テロップが流れて終わった感じだけど、その後続きはどうなったか気になる。


■『TAXi』(1997)
監督:ジェラール・ピレス 出演:サミー・ナセリ、フレデリック・ディーファンタル ほか
道路を舐めるようにカメラを車の疾走とともに走らせ、劇場で観たらもっと臨場感と迫力が伝わったろう。
ハンドルまで換えてボタンでウィーンてたちまち190km/hで街中を飛ばす車に変身するとこなんか、カーマニアにはたまらない。
見た目はゴツイが気は優しくてスピード狂の主人公がイイ。
最後の追跡競争?!これって早送りでもないのかな? 何台も車をクラッシュさせてダメにしたのは確実。


■『making Michael Jackson's THRILLER』(1988)
セトリ:
♪BEAT IT、♪BILLIE JEAN、♪CAN YOU FEEL IT、♪P.Y.T.(PRETTY YOUNG THING)、♪OFF THE WALL、
♪THRILLER、♪WHO'S LOVING YOU、♪WORKING DAY & NIGHT

マドンナやマイケルがどんなにメジャーでも知ってる曲は少ない。せいぜい♪BEAT ITと♪THRILLER、
それも誰かのモノマネで見たくらい。初めて見る本物の短編フィルムにやっぱスゴイと納得。
監督はジョン・ランディスで『アメリカン狼男』?を観たマイケルが電話したそうな。
この映画もチラッと観たらかなり過激で面白そう。
『アニマル・ハウス』他コメディ系で知ってる彼は自身が明るく面白い人間と分かった。

撮影に集まっちゃったファン(午前2時頃らしい!)や、ダンスレッスン風景、墓場、家侵入、
それぞれのメイキングがたっぷり入ってて2度3度もおいしいこのビデオ。
♪BEAT IT ほかMTVでブレイクしたマイケルのビデオクリップがひと通り見れるし、
ジャクソン・ファイヴ時代のブルース、ソウル色が強かった頃の、少年とは思えない天才歌手ぶり、
フレッド・アステアからお褒めの電話をもらったという♪BILLIE JEAN を歌うシーンもあり、
これらがマイケル自身の書いた曲だっていうのもビックリ。
シンガーソングライターでもあり、天才ダンサーでもあり、今じゃ新興宗教ともいえるほどの人気で手の届かないフシギな人。
この時はまだブレイクしたての初々しさ、親しみやすさと、妙にハイトーンの声で、礼儀正しいフシギさが混じってる。

ジャクソン・ファイブから♪BEAT IT までの空白の時間が気になるよね。
生まれ変わるためのあらゆる努力をしたんだろうな。それにしてもスゴイのは特殊メイク。
今でもどんどん進化し続けるこの業界。目も鼻もふさいでマスクを作り、カツラにガタガタの入れ歯、
空気ポンプでプクプクと動く細工に、ボロボロの服、黄色い猫眼のコンタクトetc、etc...
観てると吐き気のするほどぞっとするリアルさ。ミュージックビデオでこれほど映画みたくスタッフそろって
手のこんだものに完璧仕上げたのはやっぱマイケルが先駆けか?

「スリラー」は短編映画といっていい、しっかりしたストーリー性がある。
斬新なダンスは今観ても刺激的で、マイケルのただならぬ完璧主義のプロ根性がうかがえる。
でも作る過程はリラックスで楽しいもの。'80代のファッションも懐かしい。


■『ボルケーノ』(1997)

監督:ミック・ジャクソン 出演:トミー・リー・ジョーンズ ほか
世紀末シリーズで急速に増えたパニックムーヴィー。今回は火山噴火の巻。
久々ジョーンズおじさんの元気な姿が見れてなにより。
なんてったって2Hずーーーっと叫びっぱなし、パニくりっぱなしのボス猿もといボス犬のごとく指示を出し、
動く者を意のままに命令して、噴火して流れ出た溶岩被害をたった1日で食い止めて、死者100人に抑えたんだもの!
アメリカ映画ってとことんハッピーエンドにこだわって、時に滑稽なくらい。
ビル爆破の瓦礫からひょっこり親子とも現れるなんて笑ってしまう。後味はスッキリさわやかで結構だけど、ありゃームリだぜ。
燃えつくして前進する溶岩に大火災の街L.A.。一体どーやって撮影するのかCGマジックはとどまることを知らない。

L.A.の人々も噴火の脅威に怯えていたとは知らなかった。
大都市が地震などの災害に遭ったら・・・と考えると、そのパニくり規模は本当に計り知れない。
少々荒療治でもジョーンズみたいにスーパーマンな指揮官がほしい。


■『従妹ベット 復讐の甘い罠』(1998)
監督:デス・マッカナフ 出演:ジェシカ・ラング、エリザベス・シュー ほか
以前は肉感的女優?だったラングが、『郵便配達人〜』から性格俳優、
そして今作では変わらぬ美貌を殺して地味な悪女役で魅力は尽きない。
復讐は完結し、女は手に入るかぎり最高の幸せを手に入れた。
幸福とはあらゆる人に公平に分配されるもの。
女の復讐劇は、うまく成功すれば、観た後スッキリするストレス解消効果あり。
ベットの場合、自分の体と引き換えでなく、自然な流れに少し知恵を働かせただけ。
浮気な芸術家は、どのみち短命のさだめ。あまり心の痛みは感じられない。
彼を心から愛していたベットは、はたして彼の死まで計算に入れてたかどうかは不明。


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