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『ムーミン谷の彗星』(講談社)

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『ムーミン谷の彗星』(講談社)
原題:KOMETEN KOMMER by Tove Jansson
トーベ・ヤンソン/著 下村隆一/訳
1968年作 初版1981年(1996年 28刷) 580円

※1999.10~ part3~のノートよりメモを抜粋しました。
「読書感想メモリスト」カテゴリーに追加しました。

トーベ・ヤンソン:
1914年 フィンランドのヘルシンキ生まれ。ストックホルム、パリで絵を学ぶ。
『楽しいムーミン一家』 が世界中で大評判になって以降、一連のシリーズを書く。


▼あらすじ(ネタバレ注意
“小さな動物”であることを気にしているスニフは、“危険な道”を発見し、
親友ムーミントロールに教えて探検に出かける。

そこで海と子猫、洞窟を発見! 真珠まで

ムーミン屋敷には、悪い方向ばかり考える哲学者じゃこうネズミが訪ねてきて、
「彗星が向かっていて、地球は滅びる」と言って、一家を怖がらせる。

このままじゃ元気がなくなってしまうと思い、ママは2人に
「星を調べに天文台に探検していらっしゃい」という。

ニョロニョロが東へ逃げて移動し、ハモニカを吹くムムリク、スナフキン(旅をする放浪者で、所有を嫌う)と友だちになる。


昆虫採集しか興味のないヘムルと会う。

おさびし山にやっと着いて、偉い学者から8月3日7時53分に衝突すると聞いて、
「ママとパパならなんとかできる!」と早々帰ろうとするムーミンら。


食虫植物に襲われているスノークのおじょうさん(名前は不明。足輪と前髪が自慢)を助けて、すっかり相思相愛に
彼女の兄は、計画、議論好きで、いつも「会議を開こう。私が議長で、書記だ」というのが口ぐせ

一緒に洞窟に隠れれば助かると意見が一致して、みんなでムーミン谷を目指す。
コンパスはなく、食糧もなくて、途中、虫のダンスをし、足りないもの、

スノークのおじょうさんには鏡、兄はノート、ムーミンは星のペンダント、
スニフにはジュースをおばあさんの店で買い、お金がなくて、

「スナフキンの返品したズボンで帳消しさ」というところがイイ


海が干上がって、悪臭漂う沼になり、竹馬で歩くと、西へ向かう人々に会う。

切手収集しか興味のないヘルムも誘って、彼のスカートを軽気球にして、家に帰ると、
ママがケーキを作って迎えてくれる。


みんなで洞窟へ引っ越す。
子猫もいないし、自分の名前がケーキになくて、怒ったスニフは出て行ってしまう。

10分前にムーミンが連れ戻して間一髪。衝突はなかったみたいで、
翌朝、海も戻り、地球はなくなっていないと分かる。



♪眠れ愛し子たち 空は黒く いつくもの流れ星さまよい その行方を知らず
 眠りて夢を見、覚めては夢を忘れよ 夜は近く、大空は寒い
 百もの子羊 大空の牧場をさまよう

この子守唄は、キューブリック映画のラストに使えそう。
児童書にしてはブキミで、もろ世紀末の話でビックリ。

でも、どこまでもプラス思考で、おっとしているママが一家を支えてる
ムーミンが冒険好きで、へこたれないのも、常に両親を想っているからこそ。

たくさんの冒険でハラハラしつつ、いやおうなく巨大化してゆく彗星、変わり果ててゆく自然、
それでも心のゆとりや、勇気、希望を失わない姿、
途中で出会う変なキャラクターとかは、周りにいそうな人たちばかりw



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