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『ムーミン谷の仲間たち』(講談社)

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『ムーミン谷の仲間たち』(講談社)
原題:DET OSYNLIGA BARNET by Tove Jansson
トーベ・ヤンソン/著 山室静/訳
1963年作 1999年 31刷 580円

※2000.6~ part4のノートよりメモを抜粋しました。
「読書感想メモリスト」カテゴリーに追加しました。


▼あらすじ(ネタバレ注意

●1話
ムーミンに歌を作ろうと南から北へ旅の途中のスナフキンは、
彼を崇拝する這い虫に邪魔されて不機嫌。

「ああ、あいつはいい奴だ。ムーミントロールって奴は」

名を付けたら別れてから戻って再会。

「今は1個の人格なんだ。だから出来事は全て意味をもつ」


●2話
恐い想像をしてはウソをついていたホムサは、ミイにいっぱい食わされる。
自分の作った生きたキノコに襲われると錯覚して脅かされ、迎えにきた父に

「あんなウソを聞かされたら胸が悪くなる!」


●3話
一族の思い出の品を大事にするフィリフヨンカは、海辺の殺風景な家に住むうちに、大災害に脅え、
ガフサ夫人に話すと、話をはぐらかされてショック。
でも、本当に竜巻台風の後、品物が壊れると

「なんて美しいこの世の終わりでしょう!」と自由になる。


●4話
ムーミンは絶滅したと言われる龍を見つけて飼うが、スナフキンにベッタリ。
スナフキンはヘムルに龍を遠くへ放してくれと頼み、ムーミンに

「あんなのは気まぐれだから捕まえておけるもんじゃない」と言って仲直り。


●5話
にぎやか好きなヘムルの甥は、遊園地の切符切りで老人年金をもらったら、静かに暮らす夢ばかり。
洪水が続いて、すべて流され、跡にスケートリンクを作る計画。
ヘムルは、祖母の公園をもらって、貧しいホムサの子どもらの集めたガラクタで静かな遊園地を作る。

「明日は皆に少しは歌って笑ってもいいよと言おう」


●6話
嫌味な叔母に愛されずに育ったニンニは、透明になってしまい、
ムーミン一家に預けられ、ママの処方と、家族の愛で次第に見えてくる。

「この人は怒ることもできないんだわ。それがあんたの悪いところよ。
 闘うことを覚えないうちは、自分の顔を持てません」とミイ。

ある日、ママをおどかそうとしたパパに噛みついて、海に落ちた様子を笑って治る。


●7話
冒険好きのムーミンパパは、自由でフシギなニョロニョロについていってさびしい島々を巡る。
返事もしない彼らソックリになり始めた頃、雷に集まったニョロニョロの中でパパは気づく。

「僕はニョロニョロじゃない。こんな所で何をしてたんだ?」

彼らは電気を求めて彷徨い、個も、喜怒哀楽もない。

“パパは突然悟った。家にいても充分自由で、冒険好きでいられるのだと”


●8話
ムーミンに「一番大事なものを人にあげたら何十倍にもなって返ってくる」と言われて、
犬の置物セドリックが返らないと泣くスニフに、スナフキンは、ママの叔母の話をする。

モノを大事にしていた彼女は、骨をつかえて寿命を知ったおかげで、
みんなに贈りものをして、人が集まって笑った途端骨が取れた。

「お前はバカな小さい獣だよ。叔母は全部の持ち物を1つの面白い話にしたんだ」


●9話
冬眠中に起こされてクリスマスが来るからモミの木を切るのを恐いものから守るためと勘違いしたムーミン一家。
ステキなもので飾りつけ、ご馳走を用意しても、何も起こらず、這い虫一家にあげてしまう。

「少なくとも、もうクリスマスなんか恐くないや。きっと皆何か勘違いしてるんだと思うな」

みんなは冬眠に戻る。

(この9話は『ムーミン谷のクリスマス もみの木』(講談社)として絵本化されているね



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