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Channel: メランコリア
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notes and movies(1999.1〜 part4)

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過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part3からのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


■『一番美しく』(1944)

監督・脚本:黒澤明 出演:志村喬、清川荘司、菅井一郎、入江たか子、矢口陽子、谷間小百合 ほか
戦時中に女子も労働力として駆り出された頃の話。ドキュメンタリーに近く、プロパガンダに使えるくらい。
でも今じゃ女も同等に働いて、徹夜で残業も珍しくないから、その先輩たちってとこか。

「欲しがりません勝つまでは」で、領土拡大に躍起になって集団で操られ、道を誤っていた日本。
貧しい寮生活、今と違って交通手段もままならないから、田舎から出てきて働くってことは
女の子にとっては野麦峠ばりに命懸けのことだったのだろう。

同じモノを作るにしても軍事用品じゃ、とても一生懸命働く気には到底なれないな、今じゃ。
みんな真面目で、ケンカをするにも言葉遣いが正しくて、話し合いもとても理屈が通っていてハイソな集団だったのかしら?
志村喬が所長役で、車内放送で士気をあげる演説で始まるんだけど、
裏返るほどの高音なのが戦時中っぽいヒステリックな響きで印象的。


■『十二夜』(1996)
原作:W.シェイクスピア 監督:トレヴァー・ナン 出演:ヘレナ・ボナム・カーター、ベン・キングズレー ほか
シェイクスピアっぽい喜劇だと思ったら、そうだった。
ヘレナ得意のコスチュームプレイで男装の女に惚れるお嬢さまを生き生きと演じる。
双子の兄妹がもっと似てれば良かったけど、声も変えてガンバってたか。
キングズレーが機知に富む道化役でイイ味出してる。
♪ハイホー 少年の頃(大人になっても、結婚しても)雨が降ってたって陽気な歌詞がgood。

これ以上ないハッピーエンディングで幕を閉じ、再び老いた道化は土地を去る。
♪毎日、人様を笑わせるのが仕事さ と歌いながら。
とり違えコメディがシェイクスピアのお得意か。この手の話にはハズレがないもんね。
ケネス・ブラナーの『から騒ぎ』ほどには特別とりあげるほどの奇抜な演出はないけど、
中世劇、喜劇を正統派に描いている。舞台を観た気分。


■『醉いどれ天使』(1948)

監督・脚本:黒澤明 出演:志村喬、三船敏郎、木暮実千代、久我美子 ほか
黒澤、志村、三船の黄金トリオのそろった1作。黒澤はヤクザを代表とする悪の世界を毛嫌いしてたらしい。
仁義や男の友情をテーマにしたアクションヒーローものや、ヤクザ映画の多い邦画の中で
結局“男のロマン”でもなんでもない臆病者のくだらん世界だと言い切るところがイイ。
三船が色男のイメージを一転させて狂気の病人に変貌。'48でもまだ結核は死亡率の高い病だったんだ。

「養生するにはまず足を洗わなきゃダメだ。お前はあの汚れた沼と同じだ」
「けだものはけだものだ。いい奴ならこんな風に死にゃしない」

チンピラの弾くギターの曲は黒澤の作曲とのこと。マルチな才能だな。
昭和初期の東京の歓楽街の様子が撮られている。ダンスフロアでジルバとかタンゴを踊ってたのか。
じゃ、今50〜60代の人はいろいろ踊れるってこと? 意外な隠し芸だ。


■『連合艦隊司令長官 山本五十六』(1968)
監督:丸山誠治 特技監督:円谷英二 出演:三船敏郎、加山雄三、黒沢年男、松本幸四郎、司葉子、森雅之、藤田進 ほか
ナレーター:仲代達矢
なんだか空撮や戦闘シーン、ナレーションにウルトラマン入ってるナと思ったら、やっぱ円谷さん。
映像ってその人の特徴がちゃんと出るものだ。まさか真珠湾攻撃の撮影にハワイをロケ地に撮影できないだろうし、
今と違って本物の飛行機を爆発させられるほど何十億って予算もないから。

歴史上のこの奇襲攻撃のひと通りが分かって、上官の中にも戦争一辺倒でない人もいたと知って驚いた。
こんな小さな島国だからこそ、一度無茶して領土拡大を試み、挫折してみなきゃ分からないってのもあったのかも。
ヒーローの物語でなく愚鈍な記録として見たい。

この影には慰安婦問題等、描かれていないもっとドロドロした事実が隠されている。
相手の米兵は1人も現れないし、艦隊と飛行機だけの特撮だけでは、
そこに人の命が乗っていて、必死に戦っていたようには見えない。

三船は武士役から軍人になっても、その大和魂はそのまま。
注目していた森雅之は、総理大臣として数分のみの出演ながら、
あのどこかつっかかりそうなセリフの言い回しには、まだ三船に負けない元気な様子で、
『悪い奴ほど〜』の時の老人役がまだ彼とは信じがたい。

ちなみに『宇宙戦艦ヤマト』は、ここに出てくる戦艦大和がモデルらしい。


■『THE X-FILES SEASON 5』
監督:クリス・カーターほか 出演:デイヴィッド・ドゥカヴニー、ジリアン・アンダーソン ほか

【FILE No.501 Redox】"ALL LIES LEAD TO THE TRUTH"
のっぴきならない状況にきて、ここが正念場か。シーズン4に引き続いたストーリーで
今までのUFO、宇宙人説はすべて米軍のでっち上げだった!?というシリーズ根底が覆るような展開。
これじゃ2人の苦労も水の泡? いや、その裏工作にFBIも加担してると再び疑いがかかった。
とりあえずモルダーは無事でなにより。


【FILE No.502 Redox2】
ついに100th episode おめでとう!!だけあってシリーズのあらゆる局面が急展開する。
スカリーが危篤! 死を装ったことも忘れて病院に来たモルダー。
じゃあ、部屋にあった死体は誰で、殺したのは誰か?

「君は妹の1人を殺し、もう1人も失おうとしているのに、まだLittle green alian を追い、何の証拠も得てない。人間のクズだ」

今作ではモルダーはワケもなく泣く。病身役で痩せたギリアンもデヴィッドも熱演。
スカリーの回復に、はにかんだ笑顔のスキナーもイイ。
まだまだこの宇宙人問題は長引きそう。いったん解決に見えてもそうはいかない。
兄妹の再会は前に一度やったからあんましこない。


【FILE No.503 Unusual Suspects】
今回はなんとブレイン&ハッカー3人組とモルダーの出会い話。'89まだモルダーが殺人課にいた頃か。
製作スタッフにしちゃ演技はなかなか。それぞれの日常の職も分かり、長年のファンには嬉しいオマケエピソード。
わざともみあげを伸ばしてるモルダーもイケてる。


【FILE No.504 Detour】
蛾男にゴキブリ男か。「それは“ゴ”の項目だ」は笑える。なんでもあるんだ、ファイルには。
それが全部頭に入っちゃってるモルダーのほうがX-FILEだよ。今回は森を破壊する人を襲う透明人間。
フロリダの先住民が400年の間に適応した姿らしいんだけど、
以前湖に残された時みたく、森に残された2人が再び親しく会話するシーンが見所。
スカリーの歌う♪Joy to the world! は、全然気持ちが入ってないのがポイント。

「裸で寝袋に誰かと抱き合えば温まるって」「寝袋がないわ」「誘惑するなよ」
「やっぱり2人にはコミュニケーションが必要よ」「ヤバイ、否定的表現を使っちまった」

狩猟犬でご主人を守ろうとして勇敢だったポー君はどこに行っちゃったの?
なにかもっともらしいごたくを言った男が「FOXの科学番組で見たんだ」
て楽屋オチも忘れない制作スタッフ側の余裕が感じられる。


【FILE No.505 Post-Modern Prometheus】
シリーズ中、最初でおそらく最後のモノクロでのエピソードはフランケンシュタインとエレファントマン。
JERRY SPRINGER自身役で出演したco-staringって、え??もしや顔が2つの彼は・・・本物?
モルダーがスカリーをダンスに誘う1カットが実は今作で一番ポイント高いと思った。
♪Sun don't shine any more をバックに登場する異色作。
分かった、スプリンガーはTVホストだ! いやービックリ。
象男、もとい顔2つ男は特殊メイク以外の何者でもないよね。


【FILE No.506 Christmas Carol】
なんと!スカリーに娘が!?アブダクトと関係ありそう。
家族とのクリスマス風景にダナの少女時代と、今の複雑な心境が交錯して興味深い1作。
それにしても1カットだけ出たモルダーの怪しいタオル巻き姿はなんじゃ?

大事に隠しておいたウサギが腐ってた思い出、FBIに入ろうと決心して姉と相談、
母からのプレゼントはクロスのネックレスだったことなど、いくつもの思い出の再現が見れる。
DNAの奇異な病をもち、一生闘わなくちゃならない運命を背負った娘、その背後には政府の陰謀も見え隠れする。
どんどん急展開で面白くなってゆくシリーズ5。これからも楽しみ。
スカリーが誘拐以来、子どもの産めない体になってたっていう新事実も発覚。


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