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Channel: メランコリア
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レイモンド・ブリッグズ『水たまりおじさん』(BL出版)

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『水たまりおじさん』(BL出版)
レイモンド・ブリッグズ/作 青山南/訳

大好きなブリッグズの絵本を図書館にあるだけ読みたくなった。
ブリッグズさんは、子どもにしか見えない世界を描くのが好きなのかな?

それにしても、水たまりを担いで、干上がったところにちゃんとはめこむなんてアイデアが
一体どこから生まれてきたんだろう!と感心していたら、

巻末に「お礼を言っておきたい」と書かれたマイルズって子のアイデアなのかな?
冒頭には「コニー・マティルダとマイルズへ」と書かれている。

子どもの想像力、言葉を“上手に”喋れるようになる前の表現力&発想力には、絶対敵わないからねえ!

水たまりおじさんについてきてるわんこもカワイイ



主人公の男の子のイマジネーションが素晴らしいから、ヒモで引っ張って歩くおじいさん・カラーのことを
犬呼ばわりしてて、ほんとは犬だけど、この子にはおじいさんに見えているって設定なのかと思ったら、
彼は本物のおじいさんなんだ

なのに

「(水たまり)ぜんぶに名前をつけたんだったな、わし以外。わしのがなかったろ?」

「ないよ。人間だけだもん」

て、、、時に子どもって残酷

それでも、やっぱりこないだ読んだ『くまさん』同様、子どもの想像力を頭ごなし否定しないのがステキ


【内容抜粋メモ】

元気な男の子は、両親、きょうだい、祖父母と暮らしている。
昼間、面倒をみているのは、おじいさんで、ずーっと振り回されっぱなし

「水たまり、おいてないね」

家族の名前をつけたお気に入りの水たまりに、新しい長靴でバシャバシャして遊ぼうと思っていたのに残念がる男の子。


おじいさんと離れて歩いていると、水たまりをたくさん背負って歩いているおじさんに出会う。
地面のいろんなくぼみに合わせて、水たまりを置いていっているそう!

男の子は、早速、自分の家族の分をいっしょに置いていく。
水たまりそれぞれに家族の性格が出ているのが面白い。

「これはティリーじゃないか? 雲と鳥が映っている」



おじさんが去ってしまった後、おじいさんに水たまりを見せるとビックリ。
水たまりおじさんの話をしても、論理的に考えようとする大人にはサッパリ。

水たまりおじさんが「氷温保存」てゆったのを覚えられなくて、

「ひょーお・・・ぞん」

「ヒョー・・・ゾン? 氷山!!」と勘違いするおじいさんw


急にお腹が空いた男の子は、カラーを引っ張って

「ちゃんと犬らしくしてたら、ぼくのぶんの黒いのも(トーストに)塗ってあげる」

「黒いの? ああ、マーマイトか。どうも、ありがと」



それにしても、この表紙絵を見ると、水たまりを置いて歩くのも、なかなか難儀な仕事そうだな




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