■『昨晩お会いしましょう』(幻冬舎)
田口ランディ/著 初版2001年 1500円
※2003.4~のノートよりメモを抜粋しました。
※「読書感想メモリスト」カテゴリーに追加しました。
江原さんとの対談で知った作家。
広告、編プロを経てのデビューで、他に『コンセント』『アンテナ』『モザイク』の3シリーズ、
『オカルト』等、ネットコラムニストから注目された。
映画『コンセント』(2001)
とにかく生々しい性描写がインパクト大。
女性だから書けるリアルさか、女性でよくぞここまで赤裸々に書くなってショックの後にはドーンとくる感動がある。
現代女性、少女が抱えるトラウマ、あやうさ、どこまでも性に貪欲な反面、冷めた内面の描写が上手い。
このタイトルは、ユーミンのアルバムと関係はあるだろうか?
▼あらすじ(ネタバレ注意
昨晩お会いしましょう
公務員の妻子持ち40代男にハマってるマユ。
「未成年で犯罪を犯したくないから入れない」と変態行為を楽しむ岡田
ママは20歳になる誕生日に会う約束をすっぽかされ、若い双子と遊ぶ。
何度かけてもつながらず、翌朝出た時には、どうして今まで夢中だったのか分からなくなり、別れを告げた。
深く冷たい夜
新宿の怪しい占い師に「女がついている」と言われ、誕生日にショック大。
独りで寝るのが怖いばかりに誰とでも寝る女ジュンコ。
酔って、タクシー運転手にレイプされても平気。
営業のコをムリヤリその気にさせて一晩。
その上司に罵倒されても、なんとかベッドにもちこむため、
父が幼くして死に、継父に子どもの頃から性的虐待を受けていた打ち明け話をして、同情と欲情する男
翌朝、隣りの男が「ゆうべ何回した?」と苦情まぎれに一発。
そして見る夢は、実家のトイレタンクにいくつも男の死体を捨てる母
2ヶ月前に事故死した上、山裏に隠されて、1ヶ月後に腐乱して発見されたのに泣けなかった。
再び占い師を訪ねるが、ついている女の正体は分からないまま、チビ、デブ、ハゲオヤジとラブホで一発。
路上でつかまれた男と一発、ついに飲み屋で倒れて優男にラブホで介抱される。
「こんな男と付き合ったら、思いきり傷つけられてしまうのだろう」
堕天使
父の跡を継ぎ、なりたくもない産婦人科医になり、妻とは何年もセックスレス状態のS男。
チャットで知り合った人妻・月子は、夫が仕事で不在が多く、性生活がないというM女。
2人が関係をもって5年も経つ。
S男には1人息子がいて、パイプカット済み。
堕胎手術の描写がまた生々しい。
月子が夫から半レイプ状態で妊娠し、S男と別れたくないから堕ろしてくれと頼む。
息子が初めて夢精したのを相談。
S男は妻がヤクザな男と駆け落ちする夢を見る。
以前抱いた時「目を開けてくれ」と言うと泣いたのが、久々普通にセックスができた。
月子の堕胎手術の日、直前になって中止。
月子はあっさり産んで、離婚して、実家に帰るという。
2人の関係がこれだけのもので、自分は何も決断できない男なのだと知るS男。
満月
色白で可愛くて、皆から愛される姉にコンプレックスを抱くエミコ。
大学でスカしたスケベ男トオルと付き合って、初めて周りから羨ましがられ、
自分の価値が上がった気がする。
それが他の女にあっさりとられ、電話にも出ない。
新しい彼女が姉に似ている気がして余計半鬱
婚約するって話を聞いて、いたたまれず、友人でもいいから戻りたいとアパートまで来て、やっと再会。
ラブホで抱かれて、初めて感じるフリをした。
出ると、今カノがバッグで彼を殴り、追いかけようとすると
彼の足にしがみついて別れたくないと叫ぶ。
「お前なんか嫌いなんだよ。もうつきまとうな!」
「なんで早く言ってくれなかったの? 私のためじゃなく、自分の都合じゃない」
“傷ついたら、もっと傷ついてみせる。不器用だが、それが私なんだ”
ウタキ夜話
離島ブームで取材にきた小説家・松原と、カメラマンY(50近い)、編集者サクノ30歳。
梅雨の沖縄諸島で3日間、オンボロ民宿で、ヤモリは出るし、女の幽霊団に「女閉(?)にする」と言われるし、
たまたま当たった処女作、サラリーマンの夫はセックスレスの末、若いコにとられ離婚。
不安とコンプレックスに過ぎた40代。
民宿の女将はユタという霊媒師(シャーマン)。
松原は閉経していたのが急に戻りシーツを汚す。
夢でサワノに迫られる
“ハワイの石を持って帰ると不幸が起こる”
もともと自然にあるモノはすべて、その場所にいたいからいる。
移されると、戻ろうとして、ズレが起きるらしい。
自殺未遂の経験者とあって、気を遣ってか、マッサージをしてくれるサワノ
ガジュマル(聖なる木)の森で息をすると、木の気が入り、
自分の吐いた気を木が吸ってつながるという
3日目、ついに神聖な洞窟「ウタキ」に行き、女将の歌に知らずに涙し、
海に入って、頑張りすぎていた自分を解放する。
カワハギから守って、背負って逃げてくれたサワノ
フェリーで島を離れる時、サワノが彼女のためにサインをくれと言われ愕然
「そう、思い出した。恋はこうするんだ? そしてこんな感じで終わるんだ」
(ウタキって、太郎さんが書いた沖縄のルポ本にも出てこなかったっけ?
田口ランディ/著 初版2001年 1500円
※2003.4~のノートよりメモを抜粋しました。
※「読書感想メモリスト」カテゴリーに追加しました。
江原さんとの対談で知った作家。
広告、編プロを経てのデビューで、他に『コンセント』『アンテナ』『モザイク』の3シリーズ、
『オカルト』等、ネットコラムニストから注目された。
映画『コンセント』(2001)
とにかく生々しい性描写がインパクト大。
女性だから書けるリアルさか、女性でよくぞここまで赤裸々に書くなってショックの後にはドーンとくる感動がある。
現代女性、少女が抱えるトラウマ、あやうさ、どこまでも性に貪欲な反面、冷めた内面の描写が上手い。
このタイトルは、ユーミンのアルバムと関係はあるだろうか?
▼あらすじ(ネタバレ注意
昨晩お会いしましょう
公務員の妻子持ち40代男にハマってるマユ。
「未成年で犯罪を犯したくないから入れない」と変態行為を楽しむ岡田
ママは20歳になる誕生日に会う約束をすっぽかされ、若い双子と遊ぶ。
何度かけてもつながらず、翌朝出た時には、どうして今まで夢中だったのか分からなくなり、別れを告げた。
深く冷たい夜
新宿の怪しい占い師に「女がついている」と言われ、誕生日にショック大。
独りで寝るのが怖いばかりに誰とでも寝る女ジュンコ。
酔って、タクシー運転手にレイプされても平気。
営業のコをムリヤリその気にさせて一晩。
その上司に罵倒されても、なんとかベッドにもちこむため、
父が幼くして死に、継父に子どもの頃から性的虐待を受けていた打ち明け話をして、同情と欲情する男
翌朝、隣りの男が「ゆうべ何回した?」と苦情まぎれに一発。
そして見る夢は、実家のトイレタンクにいくつも男の死体を捨てる母
2ヶ月前に事故死した上、山裏に隠されて、1ヶ月後に腐乱して発見されたのに泣けなかった。
再び占い師を訪ねるが、ついている女の正体は分からないまま、チビ、デブ、ハゲオヤジとラブホで一発。
路上でつかまれた男と一発、ついに飲み屋で倒れて優男にラブホで介抱される。
「こんな男と付き合ったら、思いきり傷つけられてしまうのだろう」
堕天使
父の跡を継ぎ、なりたくもない産婦人科医になり、妻とは何年もセックスレス状態のS男。
チャットで知り合った人妻・月子は、夫が仕事で不在が多く、性生活がないというM女。
2人が関係をもって5年も経つ。
S男には1人息子がいて、パイプカット済み。
堕胎手術の描写がまた生々しい。
月子が夫から半レイプ状態で妊娠し、S男と別れたくないから堕ろしてくれと頼む。
息子が初めて夢精したのを相談。
S男は妻がヤクザな男と駆け落ちする夢を見る。
以前抱いた時「目を開けてくれ」と言うと泣いたのが、久々普通にセックスができた。
月子の堕胎手術の日、直前になって中止。
月子はあっさり産んで、離婚して、実家に帰るという。
2人の関係がこれだけのもので、自分は何も決断できない男なのだと知るS男。
満月
色白で可愛くて、皆から愛される姉にコンプレックスを抱くエミコ。
大学でスカしたスケベ男トオルと付き合って、初めて周りから羨ましがられ、
自分の価値が上がった気がする。
それが他の女にあっさりとられ、電話にも出ない。
新しい彼女が姉に似ている気がして余計半鬱
婚約するって話を聞いて、いたたまれず、友人でもいいから戻りたいとアパートまで来て、やっと再会。
ラブホで抱かれて、初めて感じるフリをした。
出ると、今カノがバッグで彼を殴り、追いかけようとすると
彼の足にしがみついて別れたくないと叫ぶ。
「お前なんか嫌いなんだよ。もうつきまとうな!」
「なんで早く言ってくれなかったの? 私のためじゃなく、自分の都合じゃない」
“傷ついたら、もっと傷ついてみせる。不器用だが、それが私なんだ”
ウタキ夜話
離島ブームで取材にきた小説家・松原と、カメラマンY(50近い)、編集者サクノ30歳。
梅雨の沖縄諸島で3日間、オンボロ民宿で、ヤモリは出るし、女の幽霊団に「女閉(?)にする」と言われるし、
たまたま当たった処女作、サラリーマンの夫はセックスレスの末、若いコにとられ離婚。
不安とコンプレックスに過ぎた40代。
民宿の女将はユタという霊媒師(シャーマン)。
松原は閉経していたのが急に戻りシーツを汚す。
夢でサワノに迫られる
“ハワイの石を持って帰ると不幸が起こる”
もともと自然にあるモノはすべて、その場所にいたいからいる。
移されると、戻ろうとして、ズレが起きるらしい。
自殺未遂の経験者とあって、気を遣ってか、マッサージをしてくれるサワノ
ガジュマル(聖なる木)の森で息をすると、木の気が入り、
自分の吐いた気を木が吸ってつながるという
3日目、ついに神聖な洞窟「ウタキ」に行き、女将の歌に知らずに涙し、
海に入って、頑張りすぎていた自分を解放する。
カワハギから守って、背負って逃げてくれたサワノ
フェリーで島を離れる時、サワノが彼女のためにサインをくれと言われ愕然
「そう、思い出した。恋はこうするんだ? そしてこんな感じで終わるんだ」
(ウタキって、太郎さんが書いた沖縄のルポ本にも出てこなかったっけ?