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「大英博物館 人類史への旅」@日曜美術館(2015年5月24日放送)

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「大英博物館 人類史への旅」@日曜美術館(2015年5月24日放送)



ゲストは、大英博物館が好き過ぎて、20回ほど通っているという池澤夏樹さん(作家・詩人)
井浦さんも行ったことがあるそう。

 

大英博物館には人類誕生の歴史~200万年~から700万点以上の作品が納められている。
その中から今回、上野での展覧会では100点選んで公開された。

 

 

【ブログ内関連記事】
ロンドン(「小さな旅」カテゴリー参照
これらがすべて無料で観られる(寄付箱はあったけど)のも驚いたし、
ペタペタ触ったり、写真も撮り放題に開放されてるのも驚いた

当時は「こんなに征服して持ってきちゃって・・・」と複雑な思いもあったけど、
盗掘などのことを考えれば、今後も何千年も保存、修復して、後世に残す意味では重要なことかも

とにかく、大好きなエジプトコーナーを観るだけでも時間がかかり、足が棒。
いったい、全部観るにはどれだけかかるんだという数と広さにも驚愕

とんぼの本『たけしの大英博物館見聞録』(新潮社)



ニール:
文字を書くことができた人々の歴史しか伝えることはできません
しかし、人類が文字を書くようになったのは、5000年前から
世界全体の歴史を語るには、モノを使う必要があります


●大英博物館所蔵品の中で最古の宝物
 
人類誕生の地とされる渓谷で発掘された

両側から違う石をぶつけて尖らせた跡がある


石器の近くから動物の骨も見つかったことから、石器で骨を砕き、
脊髄内の高カロリーの脂肪を摂取したのではと推測

古代、ニンゲンはもっとも弱い生き物だった
動物の食べ残した死骸を食べて、脳を発達させ、アフリカから各地へと散っていった


槍を投げる道具?
 


●「エジプト文明」(大好き!
狩猟から農耕生活となり文明が生まれる(レキシさんの曲が流れそうw

 

棺には女性の名前が書かれているが、CTスキャンしたところ、中の人は男性だった
豪華な装飾品を身につけた女性のミイラはそのまま盗掘で持ち去られることと関係していた?




●「メソポタミア文明」~ヒトが初めて文字を発明
ユーフラテス川


 

 

表側にはウル王に貢物を届ける様子、裏には軍隊、戦車、捕虜など戦争の歴史が描かれている。
青はラピスラズリ。木に埋め込まれている

 


●「インダス文明」
 
武器は発掘されず平和だったと推測される。印章は広く交易をしていたことをうかがわせる


●クレタ島の「ミノス文明」(だんだん『王家の紋章』になってきた
 


 
牛の頭に乗っている男性! 雄牛を神聖視していて、その牛の頭を超えることで権威を示した


●「古代オルメカ文明」~最初の都市


 
両頬の模様は東西南北を表す。王の権威を象徴したものか?

ニール氏:
生きること、死ぬこと、宗教、戦争、金、セックス、これは世界共通です
そして“社会は全てつながっている”ということ


井浦:
これまで野蛮だと思われていた概念が覆された、ということですね

池澤:
造形の喜びが形に表れている。美しいモノを求める気持ちは昔も今も変わらない。

文明はいつも都市で始まり→帝国となる
王宮に飾ったりして王の権威を示したのではないか。
王の仕事は、まつりと戦争ですから。政治もまつりごとと言いますし

イラクで戦争が始まる前に遺跡を慌てて見て回りました
その後、激戦地となったんですけど


●「古代オルメカ文明」~破片からつながりが見える
 
破片を調べると、さまざま地域のものと分かった。陶磁器で栄えた中国、中東など、海の交易が盛んだった


出た、こないだ「あさイチ」で紹介していた金継ぎ!

お茶の道具に使った


●「インカ文明」~ヨーロッパの侵略で滅ぼされた文明
両親が行ったけど、よくこんな秘境まで行ったなあ! 高地過ぎて、頭痛で眠れなかったらしい

 



 
かあいい


ニール氏:
文献を通して戦争について語るのは、常に勝者です
しかしモノは敗者の歴史も語ってくれます
モノのほうがより多くの人々の、より深い歴史を語れるのです


●ヨーロッパ人の侵略で先住民の文明が失われたタイノ族
 


コホバ(幻覚作用のある)を吸引し、霊界と交信し、いろんなものを視るためのイスと思われる

池澤:
邪悪なものに対する恐怖感に対抗するには、これだけ怖い顔のモノを作る
このイスの後ろ足は前足より短いんですが、修理も出来ないそうです
日本でも仏像の修理の際には、物体に戻す必要があるのと同じ

今回、一番面白かったのは金継ぎの器。
フツーの器に美を認めて、割れても、割れ目に金で細工をしてデザインをほどこして新たな価値を継ぐ。

今はモノを直さなくなった。そのほうが経済が回るとかゆって
とくに日本はなにもかも捨てるようになってしまった



●現代美術との異色のコラボレーション~池澤氏が選んだ2点

「銃器で作られた像」(2011)
 

アフリカのモザンビークは、1992年までの17年間、内戦が続き、数百万人の死傷者が出た。
ようやく内戦が終わっても、国内には700万丁の銃器が残った。

 

民間の機関が銃を回収するプロジェクトを始めた。
銃を差し出した人には、ミシンなどの生産道具と交換。
その一部をアート作品にして公開。

 

 

今作を創ったサントスさんも、14歳の時、戦争で肉親を失った。
これらの銃器は、主にアメリカ、旧ソ連、ドイツなどで製造された
(戦争は儲かる。だから、止める気などさらさらないのでは? むしろ戦争を作りたがっている気さえする



心臓部分は引き金、顔は銃の機関部(中枢)で出来ている
手にはショッピングバッグを持っていることから、
戦争中には何も買えなかった女性のショッピングする姿が想像される


池澤:
武器を平和利用するという作品は、沖縄などでもあった
身近なモノで平和を体感できる


「アボリジニの編み籠」


2万年変わらずに受け継がれている籠。
アボリジニは、ヨーロッパ人の入植以前からオーストラリア大陸で暮らしていた。



アボリジニの大きな特徴は、住むための家を造らなかったこと
洞窟などを転々として狩りをしていたため、持ち物すべてがこの籠1つに入れることができた
多くのモノは必要なかった(ステキ!

 




池澤:
アフリカにはまだまだ偏見がある。
奴隷供給地、暗黒大陸、資源の収奪、政治が混乱して→戦争になり→貧困
でも、芸術性の伝統の人たちでもある。面白い人たち。



池澤:
籠についても、砂漠では、移動しなければ暮らせなかった。何も育たないし
都市をつくらず、文明もなかったけれども、オーストラリア全体を宗教的な聖地とみなしていた
文字も持たないから、口伝で伝えた。その豊かな精神力に惹かれる




池澤:
現代人は、次々と新しいモノを作って、それを「進歩」だといって、1回ごとに失っていく
どっちが幸福なんだろうと思う
この籠をじっと見たほうがイイかもしれない



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