過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part2からのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。
■『彼女が彼に決めた理由』(1997)
監督:グレン・ゴードン・キャロン 出演:ジェニファー・アニス、ケビン・ベーコン ほか
彼女が噂のブラピの彼女らしい。アメリカは次から次とピチピチの実力もある俳優が出るね。
ケビンが久々ラブロマンスに戻って甘いプレイボーイ役で出てるのが嬉しい。女の子の好きな軽いラブコメ。
ニック役も誠実そうな隣りの兄ちゃんって感じでイイ。
アメリカも20代後半〜30代のいい女までシングルなのが珍しくないってカンジかな。
アニスみたくキレイな脚、髪、豊かな胸があればきっとよりどりみどりだろうに。
ほとんど裸みたいなドレスを着なきゃいい男がハントできないなんて女って損な生き物。
■『真夜中のカウボーイ』(1969)
監督:ジョン・シュレシンジャー 出演:ジョン・ボイド、ダスティン・ホフマン、ウルトラ・ヴァイオレット ほか
ダスティン出演作は問題作、社会的なものばかり。役も様々だけど一筋縄じゃいかない。
いつも時代を切り、注目されてきたのが分かる。今作はイタリア系のフーテン。
都会の下町生まれ、妙なアクセントがある。テーマ曲は今作でヒットしたニルソン♪Everybody talking at me。
あまりに無知で真面目な男がNYに排他される様は悲しい。
写真撮った妖しい2人組見てすぐ分かった。こんなところでファクトリー仲間が映ってるなんて驚き!
都会の病理を語るなら絶好だもの、彼らは(ウルトラ・ヴァイオレットのこと
あまり幸せとはいえない過去がフシギなモノクロのフラッシュバックで流れる。
テキサスのおかげかJは全然ひがみ根性はなく、恐ろしいほど単純。
パーティではフィルムが流れ、得たいの知れない連中が集まっていつもカメラは回ってる。
ここに張本人のアンディが映っていないのが残念。
■『フェアリーテイル』(1997)劇場にて
監督:チャールズ・スターリッジ 出演:フロレンス・ハース、エリザベス・アール、ピーター・オトゥール ほか
有名な「妖精写真事件」は「ネッシー」とともに今でも確実な真相は分からず私たちに一時安らぎと夢を与えてくれる。
今作のメインは、やはりイングランドに今も現存するこの美しい緑、また緑。
天国にも思えるこんな場所が残ってるなんて奇跡のように思える。
奇跡と言えば一緒に観に行った友だちが、いとこの撮った写真に写った妖精を見たってこと
羽のある、ズボンを履いた男の子だったそうな。信ずれば通ず?! 心の洗われるヒーリング系。
今この写真を作ればもっとリアルに作れるだろう。でも、これは娘から母への心からの贈り物だったのだ。
「大事なのは写真に残ったということよ。忘れかけた時いつでも見れば思い出せる」そういうことなのだ。
■『小さな巨人』(1970)
監督:アーサー・ペン 出演:ダスティン・ホフマン、フェイ・ダナウェイ、マーティン・バルサム ほか
「西部開拓」の名のもとに連日行われたインディアン虐殺のアメリカの歴史を、
インディアンにもなりきれず、白人でもない男の波乱万丈の人生を通して社会に問う、素晴らしい作品。
シャイアン族の酋長はじめ、個性的な面々が、ユーモアも情もある真の戦士、人間として描かれているのがイイ。
それぞれの風習、宗教に縛られても、人間は同じ感情を持つ。
我々と同様、水も石も生きていて、自然を共有する同等な立場を忘れてはならない。
この真理を忘れかけた私たちに平和な未来はあり得るだろうか?
「白人は皆死んでいると思い、生きてるものをことごとく殺してゆく。
我々は水、石、風も生きていると思う。そこが違いだ」
その後どうなって病院施設に来たのかまでは語られない。これは小説をもとにしていると思われる。
人生は繰り返しているのか、それともアメリカといえど世間は狭いのか、出会っては去り、去っては再会し・・・
「いいインディアンは、死んだインディアンだけ」
「にんげんが絶えてしまえば、地球は中心を失ってしまう」
「白人は狂ってる。黒い白人はちょっと変わっているが、やはり同じだ」
「心が鷹のように高く空へ飛んだ」
ダスティンの浅黒く焼けたインディアン姿はとてもハンサムで力強く、
パジャマやワイシャツを着た姿は顔の長いひ弱な男に見えたのがフシギ。
あと数本で彼の若き頃の出演作は全て観たことになるのは残念。
こうして見ると彼の確かな作品を選ぶ鋭い視点が見えてくる。
最近はこういう鋭く社会を切り出す作品を見かけなくなったのが惜しいが。
だんだんアメリカの背負ってる過去が見えてきて、ゆっくりと理解できていけるような気がする。
■『GUNS N' ROSES ? Use Your Illusion World Tour 1992 IN TOKYO』
スタジオセッティング、メンバーは車で乗りつけ、楽屋、インタビューをちょこっと混ぜて、
シンプルなセット、ライティングでの東京ドームライヴビデオはスタンダードな作り。
ガンズのイメージのハードでアップテンポな曲で客をつかんでから、自信作をとりまぜたバラッド系に移る。
スラッシュのギターに酔いしれる。全然顔が見えない、いつも髪オバケって感じだけど。
何度も言うけどアクセルは美人だ。よくいるアメリカン・キッドだけど、端整な顔、真直ぐなブロンド、
非のない体の線に、脚がなぜこんな美しいか。ワイルドを気取ってもふっと気を抜くと美女に見えてしまう!
はじめは黒のジャケット+短パン→真っ赤なジャケット+短パン、面白かったのは珍しく反戦の歌“CIVILWAR”で
いつのまにか星条旗のジャケットから迷彩色+帽子→ビデオでも確か着てた誰かの顔アップのTシャツと
くるくる衣装をかえ、ラストはキリストのTシャツ、ピアノの弾き語りで締める。
ピアノを弾くソングライターはロマンティストが多い気がするが、彼の場合ハードとソフトを併せ持ってるところが面白い。
途中曲紹介やひと言、ふた言全部英語で話すんだけど、日本の客はやっぱマナーがよろしい。
聴くときゃ聴いて、リアクションも忘れない。ビデオもCDも買って、ライブも観る有り難い市場だ。
新しいギタリストも迎えて"Wild hoses"では美しいスラッシュとのギター競演もきかせる。
「曲はその場で決める」とか。後半のスローテンポな曲にはイイ曲ばかりそろってた。
■『JOHN BON JOVI Destination Anywhere』(1997)
出演:ウーピー・ゴールドバーグ、デミ・ムーア、ケビン・ベーコン ほか
なんかしばらく見ないうちにジャラジャラ鎖付けてたロックのアイドルが、
妻子持ちになったせいか、年齢か、落ち着いて骨格まで違って見える。
最初はスタッフと家族との食事風景で「演技を3年も勉強した。途中で止めたらカッコ悪いし、
空き時間はトレーラーで独りになれた。バンドや家族に囲まれて一人になる時間なんてなかったからね」
って妻の前で言っちゃってていいのか?
そしてアルバムを映像化したと思われる短編ドラマ。
豪華キャストで、子を交通事故で亡くした結婚10年目の夫婦の破局と復縁のきざしというあまりに重いテーマで
実際子を亡くした夫婦の離婚率は高いっていう統計があるだけにリアル。
でも少女のいろんなショットなどを取り混ぜて少しソフトタッチにしてある。
詩人でもあるのかジェーンの読む詩はいい。
写真や心の叫びを書きなぐった"book of dreams”も迫力あるポップアートのよう。
自らも子を持つ母であり、だんなとあまりうまくいってないデミは適役か?
『ゴースト』みたいな短い黒髪がボーイッシュで、Tシャツで目立つ巨乳とアンバランス。
♪Midnight in Chelcie ではNYかどこかの夜の街の喧騒にいろんな顔、顔、顔。
窓際でギターを弾き語り、屋上で迎える晴れた青空の夜明けがすがすがしくて美しい。
ボン・ジョヴィの歌詞はとてもドラマがあって、男女を描かせると素が浮かんでくるのがスゴイ表現力。
バンドを離れて静かに心の内を歌いはじめた彼の第2の顔もなかなかイイかも。
■『セールスマンの死』(1985)
原作:アーサー・ミラー 監督:フォルカー・シュレンドルフ 出演:ダスティン・ホフマン、ジョン・マルコビッチ、チャールズ・ダーニング ほか
泣いた 声を上げて子どものように泣きたかったけど、それはできなかった
テーマが親子の断絶、凡人をリアルに描き、誰でも共鳴するからだ。
「欧米人の暮らしは豊かで、休暇をたっぷりとって楽しんでいる」っていうイメージは偏見で、
一般市民は「年に2週間の休みをとるためにあくせく働いて借金を返している」
だがアメリカン・ドリームは健在。自分の息子は世界一って、過度の期待をかけるのも世界共通なんだな。
「夢を売るのがセールスマンだ。笑顔を絶やさず、もし笑顔が返ってこなかったら失敗する。根無し草さ」
老人メイクしたホフマンと、若かったマルコビッチの親子演技に拍手!
「もうここを出て会わない。手紙も書かない。仕事が成功したら小切手送るよ。
父さんを恨んじゃいない。俺たちは凡人で変な夢を見て、僕に期待するのはやめて、自由にしてほしいんだ!」
「今日ローンが終わったのに住む人がいない。分からないのよ」
■『THE FREDDIE MERCURY TRIBUTE CONCERT FOR AIDS AWARENESS VOL.2』
VOL.1を返しに行ったら2も続けて借りられたのは本当にラッキー。
夜も更けて様々な色にライトアップされて、より劇的になった後半のほうが豪華。
大物同士の意外な顔合わせで大盛り上がり。
フーのロジャーがぐるぐる相変わらずマイクぶん回してシャウトすれば、
ツェッペリンのロバートが身をくねらせて熱唱。
1曲ずつなんて惜しいほど'70代ロックファンにはたまらない競演で同窓会のよう。
ポール・ヤングは若いし、デビューが早かったとはいえ
♪ダイアナ がヒットしてから30年はたってるのにハンサムな中年ロッカーってかんじ。
D.ボウイはライトグリーンのスーツでいつもながらオシャレにキメてて、
連れの妖しいアニーとフシギなショーの後、ひざまづいて祈りを捧げた。
無精ひげがトレードマークのJ.マイケルの♪Somebody to love はフレディの歌い方そのまま。
考えてみれば今回は豪華版カラオケ大会のようなもの。
他人のヒット曲をその人のファンとバンドの前で歌うのはゴージャスでもあり、緊張もひとしおだろう。
E.ジョンの熱唱とファンの熱唱がからんでオペラ風の♪ボヘミアン・ラプソディ の中盤はクイーン当時のビデオクリップ。
そしてラストはフレディが大ファンだったライザがこれまた大胆なカットのドレスで
さすがブロードウェイの申し子、堂々たるロックをシャウト。
そいやリサはカーラー巻いて、掃除機転がして登場。
本人らも女装してたビデオクリップからしてもこの曲は女性解放の歌なのか!?
今作で個人的に注目してたのはドラマーのロジャー・テイラー。おじさんなのに超美しいこと!!
ホワイトブロンドにミステリアスな瞳、スローからハードまで力強いドラムは全然衰えてない。
♪God save the QUEEN が流れて深紅のローブと王冠をかぶった生前のフレディの映像。
バンバンいう音は花火だろうか? いつでもウェンブリースタジアム一杯の星の数ほどもいる
ファンを熱狂させることのできるバンド、クイーンは永遠なり。
■『アメリカン・バッファロー』(1997)
監督:マイケル・コレント 出演:ダスティン・ホフマン ほか
登場人物は3人だけ。どこか小さな舞台劇を映画にしたってかんじ。
ジャケットには“息もつかせぬ〜”とか書いてあったからてっきり1個のコインで
政治陰謀がらみに巻き込まれる話かと思いきや、“取らぬ狸の皮算用”てやつ。
このほうがリアルだけど。低所得、無職の下層階級者の絶望は見えた。
犯罪で一山当てないと実現しないアメリカンドリームが大げさに語られるのも無理はない。
「毎日街に出るが、何もありゃしない」
真面目に働きたくても働き口がない、働かない人間が自信を失い、犯罪を生んでゆくという悪循環は現代社会にとりついた病理だ。
■『ヒーロー 靴をなくした天使』(1992)
監督:スティーブン・フリアーズ 出演:ダスティン・ホフマン、アンディ・ガルシア、ジーナ・デイビス ほか
前頁とうって変わってアメリカンドリーム実現のお話。
たまたま目の前に落ちた飛行機(!?)を仕方なく助けたのが、
せちがらい世の中不運続きで夢より金を信じてるコソ泥だったって設定が面白い。
シンデレラみたいな捜索が始まり、ふくれ上がる報道シーンはまさにアメリカ的で
きっとTV畑の人を使って演出したんじゃないかな。
「人は見かけによらない。凡人にまぎれてるのが一番。人生は複雑なのさ」
「皆ヒーローの要素を持ってる。right timing さえあれば」
ババーも軽い気持ちで名乗り出たイカサマ師にしてはすごい演説家で、悪になりきれないイイ奴なのが映画らしい。
part2からのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。
■『彼女が彼に決めた理由』(1997)
監督:グレン・ゴードン・キャロン 出演:ジェニファー・アニス、ケビン・ベーコン ほか
彼女が噂のブラピの彼女らしい。アメリカは次から次とピチピチの実力もある俳優が出るね。
ケビンが久々ラブロマンスに戻って甘いプレイボーイ役で出てるのが嬉しい。女の子の好きな軽いラブコメ。
ニック役も誠実そうな隣りの兄ちゃんって感じでイイ。
アメリカも20代後半〜30代のいい女までシングルなのが珍しくないってカンジかな。
アニスみたくキレイな脚、髪、豊かな胸があればきっとよりどりみどりだろうに。
ほとんど裸みたいなドレスを着なきゃいい男がハントできないなんて女って損な生き物。
■『真夜中のカウボーイ』(1969)
監督:ジョン・シュレシンジャー 出演:ジョン・ボイド、ダスティン・ホフマン、ウルトラ・ヴァイオレット ほか
ダスティン出演作は問題作、社会的なものばかり。役も様々だけど一筋縄じゃいかない。
いつも時代を切り、注目されてきたのが分かる。今作はイタリア系のフーテン。
都会の下町生まれ、妙なアクセントがある。テーマ曲は今作でヒットしたニルソン♪Everybody talking at me。
あまりに無知で真面目な男がNYに排他される様は悲しい。
写真撮った妖しい2人組見てすぐ分かった。こんなところでファクトリー仲間が映ってるなんて驚き!
都会の病理を語るなら絶好だもの、彼らは(ウルトラ・ヴァイオレットのこと
あまり幸せとはいえない過去がフシギなモノクロのフラッシュバックで流れる。
テキサスのおかげかJは全然ひがみ根性はなく、恐ろしいほど単純。
パーティではフィルムが流れ、得たいの知れない連中が集まっていつもカメラは回ってる。
ここに張本人のアンディが映っていないのが残念。
■『フェアリーテイル』(1997)劇場にて
監督:チャールズ・スターリッジ 出演:フロレンス・ハース、エリザベス・アール、ピーター・オトゥール ほか
有名な「妖精写真事件」は「ネッシー」とともに今でも確実な真相は分からず私たちに一時安らぎと夢を与えてくれる。
今作のメインは、やはりイングランドに今も現存するこの美しい緑、また緑。
天国にも思えるこんな場所が残ってるなんて奇跡のように思える。
奇跡と言えば一緒に観に行った友だちが、いとこの撮った写真に写った妖精を見たってこと
羽のある、ズボンを履いた男の子だったそうな。信ずれば通ず?! 心の洗われるヒーリング系。
今この写真を作ればもっとリアルに作れるだろう。でも、これは娘から母への心からの贈り物だったのだ。
「大事なのは写真に残ったということよ。忘れかけた時いつでも見れば思い出せる」そういうことなのだ。
■『小さな巨人』(1970)
監督:アーサー・ペン 出演:ダスティン・ホフマン、フェイ・ダナウェイ、マーティン・バルサム ほか
「西部開拓」の名のもとに連日行われたインディアン虐殺のアメリカの歴史を、
インディアンにもなりきれず、白人でもない男の波乱万丈の人生を通して社会に問う、素晴らしい作品。
シャイアン族の酋長はじめ、個性的な面々が、ユーモアも情もある真の戦士、人間として描かれているのがイイ。
それぞれの風習、宗教に縛られても、人間は同じ感情を持つ。
我々と同様、水も石も生きていて、自然を共有する同等な立場を忘れてはならない。
この真理を忘れかけた私たちに平和な未来はあり得るだろうか?
「白人は皆死んでいると思い、生きてるものをことごとく殺してゆく。
我々は水、石、風も生きていると思う。そこが違いだ」
その後どうなって病院施設に来たのかまでは語られない。これは小説をもとにしていると思われる。
人生は繰り返しているのか、それともアメリカといえど世間は狭いのか、出会っては去り、去っては再会し・・・
「いいインディアンは、死んだインディアンだけ」
「にんげんが絶えてしまえば、地球は中心を失ってしまう」
「白人は狂ってる。黒い白人はちょっと変わっているが、やはり同じだ」
「心が鷹のように高く空へ飛んだ」
ダスティンの浅黒く焼けたインディアン姿はとてもハンサムで力強く、
パジャマやワイシャツを着た姿は顔の長いひ弱な男に見えたのがフシギ。
あと数本で彼の若き頃の出演作は全て観たことになるのは残念。
こうして見ると彼の確かな作品を選ぶ鋭い視点が見えてくる。
最近はこういう鋭く社会を切り出す作品を見かけなくなったのが惜しいが。
だんだんアメリカの背負ってる過去が見えてきて、ゆっくりと理解できていけるような気がする。
■『GUNS N' ROSES ? Use Your Illusion World Tour 1992 IN TOKYO』
スタジオセッティング、メンバーは車で乗りつけ、楽屋、インタビューをちょこっと混ぜて、
シンプルなセット、ライティングでの東京ドームライヴビデオはスタンダードな作り。
ガンズのイメージのハードでアップテンポな曲で客をつかんでから、自信作をとりまぜたバラッド系に移る。
スラッシュのギターに酔いしれる。全然顔が見えない、いつも髪オバケって感じだけど。
何度も言うけどアクセルは美人だ。よくいるアメリカン・キッドだけど、端整な顔、真直ぐなブロンド、
非のない体の線に、脚がなぜこんな美しいか。ワイルドを気取ってもふっと気を抜くと美女に見えてしまう!
はじめは黒のジャケット+短パン→真っ赤なジャケット+短パン、面白かったのは珍しく反戦の歌“CIVILWAR”で
いつのまにか星条旗のジャケットから迷彩色+帽子→ビデオでも確か着てた誰かの顔アップのTシャツと
くるくる衣装をかえ、ラストはキリストのTシャツ、ピアノの弾き語りで締める。
ピアノを弾くソングライターはロマンティストが多い気がするが、彼の場合ハードとソフトを併せ持ってるところが面白い。
途中曲紹介やひと言、ふた言全部英語で話すんだけど、日本の客はやっぱマナーがよろしい。
聴くときゃ聴いて、リアクションも忘れない。ビデオもCDも買って、ライブも観る有り難い市場だ。
新しいギタリストも迎えて"Wild hoses"では美しいスラッシュとのギター競演もきかせる。
「曲はその場で決める」とか。後半のスローテンポな曲にはイイ曲ばかりそろってた。
■『JOHN BON JOVI Destination Anywhere』(1997)
出演:ウーピー・ゴールドバーグ、デミ・ムーア、ケビン・ベーコン ほか
なんかしばらく見ないうちにジャラジャラ鎖付けてたロックのアイドルが、
妻子持ちになったせいか、年齢か、落ち着いて骨格まで違って見える。
最初はスタッフと家族との食事風景で「演技を3年も勉強した。途中で止めたらカッコ悪いし、
空き時間はトレーラーで独りになれた。バンドや家族に囲まれて一人になる時間なんてなかったからね」
って妻の前で言っちゃってていいのか?
そしてアルバムを映像化したと思われる短編ドラマ。
豪華キャストで、子を交通事故で亡くした結婚10年目の夫婦の破局と復縁のきざしというあまりに重いテーマで
実際子を亡くした夫婦の離婚率は高いっていう統計があるだけにリアル。
でも少女のいろんなショットなどを取り混ぜて少しソフトタッチにしてある。
詩人でもあるのかジェーンの読む詩はいい。
写真や心の叫びを書きなぐった"book of dreams”も迫力あるポップアートのよう。
自らも子を持つ母であり、だんなとあまりうまくいってないデミは適役か?
『ゴースト』みたいな短い黒髪がボーイッシュで、Tシャツで目立つ巨乳とアンバランス。
♪Midnight in Chelcie ではNYかどこかの夜の街の喧騒にいろんな顔、顔、顔。
窓際でギターを弾き語り、屋上で迎える晴れた青空の夜明けがすがすがしくて美しい。
ボン・ジョヴィの歌詞はとてもドラマがあって、男女を描かせると素が浮かんでくるのがスゴイ表現力。
バンドを離れて静かに心の内を歌いはじめた彼の第2の顔もなかなかイイかも。
■『セールスマンの死』(1985)
原作:アーサー・ミラー 監督:フォルカー・シュレンドルフ 出演:ダスティン・ホフマン、ジョン・マルコビッチ、チャールズ・ダーニング ほか
泣いた 声を上げて子どものように泣きたかったけど、それはできなかった
テーマが親子の断絶、凡人をリアルに描き、誰でも共鳴するからだ。
「欧米人の暮らしは豊かで、休暇をたっぷりとって楽しんでいる」っていうイメージは偏見で、
一般市民は「年に2週間の休みをとるためにあくせく働いて借金を返している」
だがアメリカン・ドリームは健在。自分の息子は世界一って、過度の期待をかけるのも世界共通なんだな。
「夢を売るのがセールスマンだ。笑顔を絶やさず、もし笑顔が返ってこなかったら失敗する。根無し草さ」
老人メイクしたホフマンと、若かったマルコビッチの親子演技に拍手!
「もうここを出て会わない。手紙も書かない。仕事が成功したら小切手送るよ。
父さんを恨んじゃいない。俺たちは凡人で変な夢を見て、僕に期待するのはやめて、自由にしてほしいんだ!」
「今日ローンが終わったのに住む人がいない。分からないのよ」
■『THE FREDDIE MERCURY TRIBUTE CONCERT FOR AIDS AWARENESS VOL.2』
VOL.1を返しに行ったら2も続けて借りられたのは本当にラッキー。
夜も更けて様々な色にライトアップされて、より劇的になった後半のほうが豪華。
大物同士の意外な顔合わせで大盛り上がり。
フーのロジャーがぐるぐる相変わらずマイクぶん回してシャウトすれば、
ツェッペリンのロバートが身をくねらせて熱唱。
1曲ずつなんて惜しいほど'70代ロックファンにはたまらない競演で同窓会のよう。
ポール・ヤングは若いし、デビューが早かったとはいえ
♪ダイアナ がヒットしてから30年はたってるのにハンサムな中年ロッカーってかんじ。
D.ボウイはライトグリーンのスーツでいつもながらオシャレにキメてて、
連れの妖しいアニーとフシギなショーの後、ひざまづいて祈りを捧げた。
無精ひげがトレードマークのJ.マイケルの♪Somebody to love はフレディの歌い方そのまま。
考えてみれば今回は豪華版カラオケ大会のようなもの。
他人のヒット曲をその人のファンとバンドの前で歌うのはゴージャスでもあり、緊張もひとしおだろう。
E.ジョンの熱唱とファンの熱唱がからんでオペラ風の♪ボヘミアン・ラプソディ の中盤はクイーン当時のビデオクリップ。
そしてラストはフレディが大ファンだったライザがこれまた大胆なカットのドレスで
さすがブロードウェイの申し子、堂々たるロックをシャウト。
そいやリサはカーラー巻いて、掃除機転がして登場。
本人らも女装してたビデオクリップからしてもこの曲は女性解放の歌なのか!?
今作で個人的に注目してたのはドラマーのロジャー・テイラー。おじさんなのに超美しいこと!!
ホワイトブロンドにミステリアスな瞳、スローからハードまで力強いドラムは全然衰えてない。
♪God save the QUEEN が流れて深紅のローブと王冠をかぶった生前のフレディの映像。
バンバンいう音は花火だろうか? いつでもウェンブリースタジアム一杯の星の数ほどもいる
ファンを熱狂させることのできるバンド、クイーンは永遠なり。
■『アメリカン・バッファロー』(1997)
監督:マイケル・コレント 出演:ダスティン・ホフマン ほか
登場人物は3人だけ。どこか小さな舞台劇を映画にしたってかんじ。
ジャケットには“息もつかせぬ〜”とか書いてあったからてっきり1個のコインで
政治陰謀がらみに巻き込まれる話かと思いきや、“取らぬ狸の皮算用”てやつ。
このほうがリアルだけど。低所得、無職の下層階級者の絶望は見えた。
犯罪で一山当てないと実現しないアメリカンドリームが大げさに語られるのも無理はない。
「毎日街に出るが、何もありゃしない」
真面目に働きたくても働き口がない、働かない人間が自信を失い、犯罪を生んでゆくという悪循環は現代社会にとりついた病理だ。
■『ヒーロー 靴をなくした天使』(1992)
監督:スティーブン・フリアーズ 出演:ダスティン・ホフマン、アンディ・ガルシア、ジーナ・デイビス ほか
前頁とうって変わってアメリカンドリーム実現のお話。
たまたま目の前に落ちた飛行機(!?)を仕方なく助けたのが、
せちがらい世の中不運続きで夢より金を信じてるコソ泥だったって設定が面白い。
シンデレラみたいな捜索が始まり、ふくれ上がる報道シーンはまさにアメリカ的で
きっとTV畑の人を使って演出したんじゃないかな。
「人は見かけによらない。凡人にまぎれてるのが一番。人生は複雑なのさ」
「皆ヒーローの要素を持ってる。right timing さえあれば」
ババーも軽い気持ちで名乗り出たイカサマ師にしてはすごい演説家で、悪になりきれないイイ奴なのが映画らしい。