■『ルリユールおじさん』(理論社)
いせひでこ/作・絵
「わたしも魔法の手をもてただろうか。」
NAVERまとめ 美しくて切なくて温かい。心に響く、大人向け絵本、25選。
こんなサイトを見つけて、数冊借りた中の1冊
【ブログ内関連記事】
『ぼくのともだちおつきさま』
『BOOKS POOKA だいすき。』(学研)
『ラヴ・ユー・フォーエバー』(岩崎書店)
『終わらない夜』(ほるぷ出版)
『魔術師アブドゥル・ガサツィの庭園』(あすなろ書房)
本好きにはたまらない、本の修理の工程が丁寧に描かれていて、
ボロボロになるまで読んだ本が、自分だけの特別な本に新しく生まれ変わるなんてステキなお仕事
そのお礼が、お金ではなく、少女が大切に育てたアカシアの芽っているのも素晴らしい
作者が何度もパリの街をスケッチし、この店のモデルとなった場所に足繁く通った過程も想像できる
カラフルで、自然にあふれた街並み、石造りの家や路地
作業場いっぱいにあふれた機械や、父の代から使われているあらゆる道具たち、父との思い出
少女とおじさんが同じ街に住んでいて、ソフィ、ルリユールおじさんという名前とお店だけで深い絆が生まれている
そんな自然な暮らし、文化、決して「独居老人」などと呼ばれず、
街のあちこちで声をかけあう関係がある
美味しそうなバゲットを、そのまんま手に持って帰るっていうのもカルチャーショック
タイトルがちょっと『ぼくの伯父さん』ぽいところも惹かれた
日本人作家が描いたとは思えない、パリの街の風景描写
力の抜けた自然なタッチが温かくて、何度見ても飽きない(実際、3回読み直した
その街に住む人々の日々の暮らしが息づいているのが伝わってくる絵
取材を受けてくださった方に、この本は届けられただろうか?
こうして通りの窓から仕事場が見られるのも、職人として
「さあ、仕事ぶりを見てくれ」という気概を感じさせる
セーヌの川沿いに、こうした本屋さんが何軒も連なっている風景は有名
デカいスーパー、デパートなどなく、カゴを持って八百屋さんで野菜を買い、
本屋さんで本を選び、履き潰したお気に入りの靴は修理屋さんで直してもらう
そんな、モノを大切にする心も大事な文化
【内容抜粋メモ】
木や植物が大好きな少女は、何度もみてボロボロになってしまった植物図鑑をどうしたら元に戻せるか悩んで街に出る。
「そんなに大事な本なら、ルリユールのところに行ってごらん」と本屋のおじさんに言われる。
やっと本の修理屋さんを見つけて入ると、おじさんは
「こんなになるまで、よく読んだねえ。ようし、なんとかしてあげよう」と言って直しはじめる
「ルリユール、という言葉には“もう一度つなげる”という意味もあるんだよ」
【本の修理の工程】
まずは一度、本をバラバラにする
大きさを整えるためにヘリを切る
糸でかがる
背を糊付けする
背をハンマーで叩いて丸みをつける。ページをめくりやすくするため
表紙にする「カルトン」を切る
この大きな裁断機、出版社に昔あったな
乾くまで1日おく
表紙の革と紙をえらび、革の裏を紙の薄さにのばす
背に金文字を入れる
おじさんは、本修理のベテランだった父のことを思い出す
「本には大事な知識や物語や人生や歴史がいっぱいつまっている
それらを忘れないように、未来に伝えることがルリユールの仕事なんだ」
「名を残さなくてもいい。ぼうず、いい手をもて」
「修復され、丈夫に装丁されるたびに、本は、また新しい命を生きる」
【作者あとがき 内容抜粋メモ】
「私はルリユール。いかなる商業的な本も売らない、買わない」
ルリユールは、ヨーロッパで印刷技術が発明され、本の出版が容易になってから発展した実用的な職業で、
出版業と製本業の兼業が、長いこと法的に禁止されていたフランスだからこそ成長した手仕事
IT化、機械化の時代に入り、パリでも製本の60工程すべてを手仕事でできる職人は一桁になった。
旅の途中の独りの絵描きを強く惹き付けたのは、最後の「アルチザン(手職人)」の強烈な矜持と情熱だった
そして、気づかされる 本は時代を超えてその命が何度でもよみがえるものだと
いせひでこさんのその他の作品:
『水仙月の四日』宮沢賢治
『ふたりのゴッホ ゴッホと賢治37年の心の軌跡』ほか
いせひでこ/作・絵
「わたしも魔法の手をもてただろうか。」
NAVERまとめ 美しくて切なくて温かい。心に響く、大人向け絵本、25選。
こんなサイトを見つけて、数冊借りた中の1冊
【ブログ内関連記事】
『ぼくのともだちおつきさま』
『BOOKS POOKA だいすき。』(学研)
『ラヴ・ユー・フォーエバー』(岩崎書店)
『終わらない夜』(ほるぷ出版)
『魔術師アブドゥル・ガサツィの庭園』(あすなろ書房)
本好きにはたまらない、本の修理の工程が丁寧に描かれていて、
ボロボロになるまで読んだ本が、自分だけの特別な本に新しく生まれ変わるなんてステキなお仕事
そのお礼が、お金ではなく、少女が大切に育てたアカシアの芽っているのも素晴らしい
作者が何度もパリの街をスケッチし、この店のモデルとなった場所に足繁く通った過程も想像できる
カラフルで、自然にあふれた街並み、石造りの家や路地
作業場いっぱいにあふれた機械や、父の代から使われているあらゆる道具たち、父との思い出
少女とおじさんが同じ街に住んでいて、ソフィ、ルリユールおじさんという名前とお店だけで深い絆が生まれている
そんな自然な暮らし、文化、決して「独居老人」などと呼ばれず、
街のあちこちで声をかけあう関係がある
美味しそうなバゲットを、そのまんま手に持って帰るっていうのもカルチャーショック
タイトルがちょっと『ぼくの伯父さん』ぽいところも惹かれた
日本人作家が描いたとは思えない、パリの街の風景描写
力の抜けた自然なタッチが温かくて、何度見ても飽きない(実際、3回読み直した
その街に住む人々の日々の暮らしが息づいているのが伝わってくる絵
取材を受けてくださった方に、この本は届けられただろうか?
こうして通りの窓から仕事場が見られるのも、職人として
「さあ、仕事ぶりを見てくれ」という気概を感じさせる
セーヌの川沿いに、こうした本屋さんが何軒も連なっている風景は有名
デカいスーパー、デパートなどなく、カゴを持って八百屋さんで野菜を買い、
本屋さんで本を選び、履き潰したお気に入りの靴は修理屋さんで直してもらう
そんな、モノを大切にする心も大事な文化
【内容抜粋メモ】
木や植物が大好きな少女は、何度もみてボロボロになってしまった植物図鑑をどうしたら元に戻せるか悩んで街に出る。
「そんなに大事な本なら、ルリユールのところに行ってごらん」と本屋のおじさんに言われる。
やっと本の修理屋さんを見つけて入ると、おじさんは
「こんなになるまで、よく読んだねえ。ようし、なんとかしてあげよう」と言って直しはじめる
「ルリユール、という言葉には“もう一度つなげる”という意味もあるんだよ」
【本の修理の工程】
まずは一度、本をバラバラにする
大きさを整えるためにヘリを切る
糸でかがる
背を糊付けする
背をハンマーで叩いて丸みをつける。ページをめくりやすくするため
表紙にする「カルトン」を切る
この大きな裁断機、出版社に昔あったな
乾くまで1日おく
表紙の革と紙をえらび、革の裏を紙の薄さにのばす
背に金文字を入れる
おじさんは、本修理のベテランだった父のことを思い出す
「本には大事な知識や物語や人生や歴史がいっぱいつまっている
それらを忘れないように、未来に伝えることがルリユールの仕事なんだ」
「名を残さなくてもいい。ぼうず、いい手をもて」
「修復され、丈夫に装丁されるたびに、本は、また新しい命を生きる」
【作者あとがき 内容抜粋メモ】
「私はルリユール。いかなる商業的な本も売らない、買わない」
ルリユールは、ヨーロッパで印刷技術が発明され、本の出版が容易になってから発展した実用的な職業で、
出版業と製本業の兼業が、長いこと法的に禁止されていたフランスだからこそ成長した手仕事
IT化、機械化の時代に入り、パリでも製本の60工程すべてを手仕事でできる職人は一桁になった。
旅の途中の独りの絵描きを強く惹き付けたのは、最後の「アルチザン(手職人)」の強烈な矜持と情熱だった
そして、気づかされる 本は時代を超えてその命が何度でもよみがえるものだと
いせひでこさんのその他の作品:
『水仙月の四日』宮沢賢治
『ふたりのゴッホ ゴッホと賢治37年の心の軌跡』ほか