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藤城清治さん「光と影で描く戦争の記憶」@NEXT 未来のために

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藤城清治さん「光と影で描く戦争の記憶」@NEXT 未来のために

藤城清治影絵展「光と影は幸せをよぶ」@教文館9階ウェンライトホール(2016.8.6)

「作家別」カテゴリーに追加しました。

初見の番組。

にゃんこも元気そうでなにより 藤城さんより私を撮ってとばかりの位置に鎮座w

机上にゼロ戦の模型が乗っているのは、作品を描くため?




●太平洋戦争末期の特攻
藤城さんは、この夏、これまで向き合えなかった題材に初めて取り組んだ

特攻に飛び立つ友人たちを見送り続けた藤城さん
自らも死を覚悟したが生き残った
封じ込めてきた記憶から新たな影絵を生み出そうと、全てを賭けて臨んだ



「平和な世界を祈る 望む 切って 切って 切りまくってね
 ひとつの集大成 人生観そのものを訴えたような絵に」

 


●目黒区の自宅兼アトリエ
 

藤城さんは、ここで毎日10時間近く影絵つくりに取り組んでいる


(ここも魚とか動物いるのね 壁に貼られた棒グラフは何だろう・・・気になる

 
(ニャンコ自由すぎw ラビィちゃんていうんだ 完全に作業場に溶け込んでる
“影絵を生命力あふれるものにしたい”と思いで動物たちがいる


●カミソリを直接手に持つ


 


●影絵づくりは戦後間もない東京で始まった
 

 

戦争ですべてを失った人たちのために何かできることはないか
がれきに差し込む光と影に手がかりを見出し影絵を始めた



「みんなをなんとか楽しませて、ということがすごく大事
 こっちもそれしかやれないし、それが僕の原点にある」


●作品に欠かせない存在の小人
「生きているよろこび」を感じて欲しいという思いがこめられている

 

著書『藤城清治 影絵の世界 シルエット・アート 作品とその技法(1983)』より

「敗戦後の混乱期もどうやらおさまって、やっとみんながあたたかな夢や幸せを求めだした時代だったので
 小人の影絵は、多くの人々の心にやすらぎをあたえ、たいへん歓迎された
 ぼくの小人も、ぼくの影絵の中に定着していった」

 


●全国各地で開かれるサイン会
 
こうして1枚1枚に丁寧に小人を描いてくださるから時間もかかっちゃうんだよね/驚


「知覧特攻平和会館」
6月中旬、新たな影絵の制作のため、鹿児島を訪れた

 
(娘さんは、藤城さんのことを“父”て呼んでいるんだ/驚

去年、作家としては致命的な手足がしびれる病気を患った
残された時間の中で、これまで描いてこなかった自らの戦争体験を影絵にしようと考えた

 

 

亡くなった特攻隊員の名前の一覧に、藤城さんの親友の名前があった。船津一郎さん
学生時代、互いの家を頻繁に行き来した仲

 


●昭和16年 太平洋戦争開始時、17歳だった藤城さん
 

海軍航空隊に志願した船津さんのあとを追って、同じ海軍に入隊
戦争末期、特攻作戦がはじまると、友人たちも次々と出撃していった

 

 

目が悪いため、パイロットに選ばれなかった藤城さん
船津さんの壮行会では、もう二度と会えない、と思いながら、慣れない酒を飲みつづけた

 

別れの言葉をかけられないまま、亡くなっていった仲間たち
死を覚悟していた自分は生き残った
以来、71年、自らの戦争の記憶を封じ込めてきた

かつて見送ったゼロ戦


「(当時)日本の一番進んでいる飛行機 だけど、それをこういう形で弾丸みたいにぶつけちゃって・・・」

 


●原爆ドーム
 



80歳を過ぎた頃から、原爆ドームなど戦争の爪あとを影絵にしてきた
そこに必ず登場させたのは「生きているよろこび」の象徴、小人
二度と戦争を繰り返してはいけないという平和を願う思いが込められている
友人が飛び立っていった地で、戦争をどう描けばいいのか




●東京に戻るとすぐに影絵の構想を練りはじめた
 

下絵の中央には、海に向かって飛び立つゼロ戦
戦争が突きつけた生と死を、影絵の光と影の世界で表現したいと考えた

「原爆ドームを描くのとは違って、ある意味で自分の気持ちを象徴化された作品にならなくては
 ずっと90いくつまで生きてきた中の、終わりのほうの、
 ひとつの集大成的な人生観そのものを訴えた絵にして
 感覚と体力と命、全てをかけた作品として、ふさわしいものができればいいかなと思う」

 



下絵は11日間かけて描き上げた 小人はゼロ戦のとなりにいる
創作をはじめて2週間あまり 下絵を切り抜く作業が本格化

 

切り抜いた場所に、500色以上から選び出したフィルターを幾重にも重ね、光を当てて浮かび上がらせる


●小人は入れるか、入れないか
作業の手が止まる

 

取材者「小人は入れるか、入れないか」
藤城「ハハハ、やってみてね 入れようかなあと思ったけど、入れないほうがいいかなと、なんかね」

死に向かうゼロ戦、生きているものの象徴としてずっと描いてきた小人
2つを同じ影絵に入れてもいいのか迷う

 
(迷うと近所を歩くのかな?


●7月9日 作業再開し、小人を入れることを選んだ


「平和を願って描いている絵の中に、描かないっていうことはむしろおかしい
 むしろ小人を描いて、僕の本当の心そのものを、ハッキリ出してこそ、
 これに打ち込んで描いた、自分の覚悟というか、決まりをつけたいなというような意味でね」
(自分が長年抱えてきた心の傷も表現したんだな

作業が大詰めを迎える中、もう1つ大切な要素を加えようとしていた
「ただ待っているんじゃなくて、自分で考えてやれよ!」と珍しく厳しい声を聞いた

 


●試行錯誤していたのは「桜」
ゼロ戦を見送るように満開に咲いている花びらひとつひとつに、
散って行った仲間の思いと、見送った自分の思いを込める
(彫刻刀も使うのか



「飛び込んだ人は、桜の花びらとして散っていったんだろうと思うしね
 鎮魂の意味がある 花ひとつに」



●7月13日 2mほどの影絵が試写室に運ばれた
 

特攻隊員が散って行った海の上にも花びらを加えていった

 

スタッフ「(拍手して)ああ、よかった」



●1ヶ月かけて作品が完成

「平和の世界へ」


「彼らの命があったからこそ、今日がある
 今生きているよろこびを実感して欲しい

 静かに見てもらって、みんなの心の中に何か
 日本の良さ、“生きているよろこび”を、この中から受け止めて、
 やっぱり生きていることは良かったとかね、そういうことを感じとってもらえればねぇ」


●7月15日 銀座
 

完成からわずか2日後に始まった展覧会
並べられたのは藤城さんの影絵作家としての歩みを記す92点
その真ん中に置かれた最新作「平和の世界へ」

観客の声:

「切るの大変だね、桜

お孫さん?に語る年配女性

「桜、悲しいね、こういうの
 桜ってすごい希望の花なのにね
 だけど、これは戦争の花なのね あの飛行機は戦争の時の
 辛い話だけど、忘れちゃいけないっていうことだと思う」

「悲しいよね ゼロ戦が飛ぶところ」と涙をぬぐう女性
「絶対こびとさんがいるよね」
「そう、だからなんか希望がわくよね」

光と影で語りかける、今を生きる私たちへのメッセージ



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