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『マンガ日本の古典28 雨月物語』(中央公論新社)

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『マンガ日本の古典28 雨月物語』(中央公論新社)
木原敏江/絵 初版1996年 1300円

※2001.5~のノートよりメモを抜粋しました。
「マンガ感想メモリスト2」カテゴリーに追加しました。

上田秋成の怪談小説集 明治5年(1768)初稿 安永5年(1776)出版
5巻9篇 中国白話小説より構想を得た

映画で観た話だと思ったら、昔の怪奇小説短編集だったのか

『雨月物語』(1953)
(男が妻と離れて都で商いをし、都の女と会い、もてなされ、妖鬼と知って祓ってもらい、田舎へ戻ったら、妻子も死んだ後だった)

絵もキレイで女流漫画家らしい細かい演出もあってか、怖いというより、男女、親子、友情等の人情話の
ホロッとくる余韻が残るいい話ばかり。ほかも読みたい


▼あらすじ(ネタバレ注意

「菊花の約」
儒学を人里離れて学ぶ男が、高熱の旅人を助け、彼は再会を誓って国へ戻るが城に監禁される
「魂は千里を行く」と自害
約束の日に、弟の契りを交わした男のもとに現れて別れを告げる


「浅茅が宿」
反物を売りに都に行った夫と、待つ妻
戦国の世となり、妻は死んだと思い、7年、知人宅で暮らした後に戻ると
やつれてもなお待っていてくれた妻と再会
が、翌朝、家は荒れ、妻も病死していたと知る


「吉備津の釜」
器量は悪いが優しく働き者の妻と、遊び人の夫
都の遊女を囲んでいたのがバレ、親に監禁され「改心する」といって
妻の全財産を持ち逃げして駆け落ちする

妻は恨んで死霊と化し、男の愛人は死に、僧に体中にお経を書いてもらい、札を貼って、
49日頑張ったが、最後に月夜を朝陽と見間違え、髪のみ残して殺して連れ去られる


「蛇性の姪」
末っ子は学ぶばかりの優男
美しい都の女と侍女に会い、剣を契りの約束の証としてもらうが、
国宝の盗品と分かり、邸を訪ねると、鬼となって消えた
彼は姉夫婦の居候となり、再び女と会い結婚 僧に邪神と見破られる
別の女と結婚すると妻にとりつき、老僧により大蛇(おろち)は封じ込められる



除霊の世界って、ほんとに毎回こんなにおどろおどろしい連続なのかしら?
人の情念のパワーたるや、生かすも殺すもできるものか




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