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『マンガ日本の古典26 葉隠』(中央公論新社)

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『マンガ日本の古典26 葉隠』(中央公論新社)
黒鉄ヒロシ/著 初版1995年 1300円

※2001.5~のノートよりメモを抜粋しました。
「マンガ感想メモリスト2」カテゴリーに追加しました。

葉隠:
全11巻 『葉隠聞書』
祖述者は、山本神右衛門常朝(第2代佐賀藩士 鍋島光茂に奉行、その死とともに出家)
常朝の養子も、2人娘も先立っている
1659(万治2年)~1719(享保4年)

田代陣基(佐賀藩士)が常朝の口述を編纂した

修業を続ける方法
1.武士道に決しておくれをとらぬこと
2.親孝行
3.慈悲で人のためになること



戦国時代の武士道の心得だから、一にも二にも“いつ死んでもいいように”が連呼されている
現代では切腹なんて物騒で、理不尽な習慣はないから“死に物狂いでやれ”くらいに思ったほうがいいか?

その割に、書いた山本常朝さんは、隠居して長生きしたみたいね ま、それも徳ということか
究めたことを言いつつ「人生楽しくなきゃ意味なし。わたしゃ寝るのが好き」なんて
柔軟な頭も持っているのがお茶目


▼あらすじ(ネタバレ注意

武士の装いの仕方

決断すべきことは、人に相談せよ 自分のこと以外だといいアイデアが出るもの

病気をした時こそ、人の善悪が見える
でも、自分も人を頼りながら案外忘れちゃっているものだ

人の善悪など真理ではない

人に意見する時は、まずこちらの言うことを信用するよう、日ごろから仕向けること

あくびの止め方w

人に招かれたら、2、3度遠慮したら、後はごちそうになれ

人はよくできた人形だなあw

一つも失敗のない者より、失敗から学んだ者のほうが役立つ

まだまだと思って修行する中にこそ道がある

武士の子は怖がらせたり、騙したりして育てると、一生傷となり、臆病になる 勇気を教えること

偉そうな顔つきを鏡を見て直したら「病人のようだ」と言われたw

「死に狂いは数十人がかりでも殺しかねる場合がある」

大きな困難には喜び勇んで進むべき

行きたくない所も「何かいいことがありそう」と思うくらいがいい

自分には出来ないと思わず、名人も人なら、我もまた人

1度対決すれば、その道に入ったも同然

若いうちに出世すると、成熟しない上、人も納得しない
年いってからのほうが失敗しても立ち直りが早い

人を超えるには、人に自分を批判させてみること
人に誤りを指摘してもらうこと自体、人より上

自分の欠点は分かりづらい

興味を分けず、1つを極める道の本質は同じ

男色も二股かけず、武道に励めば、道にかなう(

忍ぶ恋こそ本物「逢ひては恋のたけ低し」

優しい主人は褒め上げ、失敗ないよう準備し、強気にしてあげ、
強気の主人には一目置かれ「こいつなら、どう考えるか」と思わせる

必勝のコツはチャンスを逃さないこと

顔色が悪い時は頬紅をつける(

談合前は、まず誰かと話し合ってみてからのぞむ 身内に聞くと意見が偏る

もともと身分が高い者より、低いところから上がってきた者のほうが徳があり、尊敬に値する

徳ある人は心にゆとりがある ない人は騒々しく動き回る

いさぎよく負けるほうが、汚く勝ち、汚く負けるよりいい

外も内も意地のない者は役立たず 外にあると人が寄り付かず、内ばかりだとバカにされる

短気は事をし損じる まだまだと思っていれば逆にうまくいく


4種類のタイプ
「急々」用を言いつけた時、即座に分かり、即座に処理する
「だらり急」言った時はよく理解できていないようでも、事は素早く処理する
「急だらり」即返事はしても、処理に手間取る(一番多い
「だらりだらり」その他大勢(一番可笑しい件

大事を成す時は少々の欠点を気にしない 落ち度のない者はかえって醜く、肝心なところが霞むから、融通がきくこと




2016.10

このシリーズの中で一番気に入ったのはこの1冊。
この『葉隠』と『歎異抄』にずいぶん感化されていた時期があった。
まだ今ほど歴史にハマっていなかった頃、これを読んで、いつの世も変わらないなあと可笑しくなった

年寄りの武士が、「最近の若者はなっとらん!」的な“武士道”を説いていて
その精神は、現代でも教訓になることも多いと思ったけれども、
今読んでも同じ思いがするだろうか?



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