Quantcast
Channel: メランコリア
Viewing all articles
Browse latest Browse all 8633

『マンガ日本の古典24 好色五人女』(中央公論新社)

$
0
0
『マンガ日本の古典24 好色五人女』(中央公論新社)
牧美也子/著 初版1996年 1300円

※2001.5~のノートよりメモを抜粋しました。
「マンガ感想メモリスト2」カテゴリーに追加しました。

俳諧師から転じて3年の井原西鶴が、当時起こった事件を題材に脚色した浮世草子 5巻5冊 1686年
自由恋愛を禁じた封建制下の女たちの様を描き、日本の女性史としても貴重な史料


▼あらすじ(ネタバレ注意

姫路:但馬屋お夏
醤油屋の娘・夏と、奉公に来た女にモテモテの清十郎は駆け落ち
盗みの濡れ衣もあり、男は磔、女は狂う(独身で80歳まで生きた説も)


江戸:八百屋お七
16歳のお七と、同じ16歳で寺小姓の吉三郎はひと目で恋に落ち、親の目を盗んで密会
また火事になれば避難所の寺で会えるかもと火付け
15歳以下は大罪を免れるところを断り、火あぶりの刑に
出家した男は明王院(現・雅叙園!)ほかを建て、目黒川に石橋を架ける等、社会に貢献した


京:大経師暦屋おさん
今小町と評判の大商家の娘・おさんは、夫の不在時、手伝いの茂右衛門に思いを寄せる女中のキューピッドになって恋文を書いた
返事がぞんざいで見返すため、女中の代わりに夜這いに誘い、関係をもってしまう
磔から逃げた2人は、いつしか愛し合い、男の故郷で暮らすが追っ手が来て捕まり、引き回しの後、処刑となる


大坂:楢屋おせん
上女中でバリバリ働いていたおせんは、縁結びの婆さんに紹介された楢屋と結婚して幸せな日々
麹屋の法事の手伝いに行って、嫉妬深い後妻に浮気を疑われ、仕返しに麹屋の主人を夜呼んで
夫に見つかり、大騒ぎで逃げ、一貫の終わりと自殺
不義密通は市中引き回しの後に処刑され、さらされた


薩摩:琉球屋お万
呉服屋の娘・お万が惚れた源五兵衛は、ゲイの侍で、ゲイ友だちの死で出家してもなおゲイ生活
お万は若衆に化けて誓文を交わし、結ばれるが、金が尽き、親が探し出して、男を婿にすると申し出る
喜んだ2人は、山の温泉につかり、そのまま死ぬ??
実際は心中だそうだが、せっかく実家に堂々戻れるというのに心中?


昔は、侍もやたら仁義やプライドを守って死にたがったが、女も死ぬ覚悟が早い
みんなそうだったわけじゃなかっただろうけど、浮気だけでさらしもの&死刑だとわかっていたら
好きな相手と心中したほうが幸せか
そんな大罪と知りつつ、浮気がなくならないのは人の性か
それとももともと一夫一婦制が無理なのか



Viewing all articles
Browse latest Browse all 8633

Trending Articles