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葉祥明『ひかりの世界』(佼成出版社)

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『ひかりの世界』(佼成出版社)
葉祥明/絵・文

「作家別」カテゴリーに追加しました。


“We'll meet again.”(またお会いしましょう)



【葉祥明さんによるあとがき 内容抜粋メモ】

私たちは今まで「死」についてなるべく触れないようにし、
ただただ健康で、楽しく、長生きすることだけを幸せとし、また人生の目的としてきた

人は誰でも、いつかはこの世を去ります
しかし、私たちは無に帰するのではありません

この世とは別の次元にある、もうひとつの世界へと移行するだけなのです
そして、そここそが私たちの本来の故郷なのです

安らぎと愛に満ちたその世界から、私たちは前の人生でやり残したことや
特別な目的を果たすために、再びこの世にやって来たのです


死の訪れはさまざまです
ある者は幼くして、ある者は壮年期に、ある者は年老いて、
病気、事故、怪我という形で、魂の故郷に帰還するのです

人生で大切なのは長さではなく、その深さです

これからは、旅立つ者も、見送る者も、嘆き悲しむばかりではなく、再会を楽しみに
微笑と希望をもって、受け容れるよう心がける必要があるのではないでしょうか



▼あらすじ(ネタバレ注意

(幼くして病死した少年が、悲しむ母親に話しかける


ぼくは元気だよ こっちに来たら病気がすっかり治っちゃった

インコのピピや、犬のララもいるんだよ! だから心配しないで




こっちからは、みんなはほんわりした光に見える
ママが悲しむと、悲しそうな光になり、喜ぶと明るく輝く


ぼくは熱で苦しくなって、気づくとベッドの隣りに立って、もう1人のぼくを見ていた




きれいな光があらわれて、包まれるとうっとりするくらい気持ちがいい
その光はずっと見守ってくれてたんだって

それから一緒に、ぼくの生きてた頃のことを、ビデオを観るように振り返って観たんだよ
ひかりは微笑んで「さあ、ついてらっしゃい」と言った


たくさん花の咲く丘には、みんなゆったりと暮らしている


ヒトにイジメられたり、傷つけられた動物たちは、元気を取り戻すまで大切に世話をしてもらっている
(ああ、この係になりたいなあ!



自分がされてイヤなことは、ほかの生き物にもしちゃいけないって気づくんだ


病院みたいなところもある
そっちにいる時、いっぱい苦しんだ人はここでゆっくり休むと、
悲しみもいつかきれいに消えて喜びだけがわきあがる




図書館や劇場、美術館もある!
ここはそっちの学校とちがって、命の意味や、愛することなんかを学ぶんだ



ぼくわかったよ!

みんなおなじ命を生きていて、おたがいに支えあっている
だから、自分が他の生き物にしていることは、全部、自分にしてるのとおんなじだって

すべては変わっていく途中の姿だってことも
変化しながら、大きな命の源に向かって、かぎりなく成長しつづけているんだ!


これは内緒だけど、生まれ変わる時は、みんなここのことや
前のときのことを忘れるようになってる

だって、覚えていたままじゃ、新しいことを覚えたりできないでしょ


ぼくは体が弱かったけど、他の生き物の気持ちがよく分かった
たいせつなのは、長さじゃなくて、どんな風に生きて、何を感じたかなんだよ!



こっちにもってこれるのは思い出だけ

ママは僕への愛をもっとたくさんの、すべての生き物に広げることが仕事なんだ
そのために、ぼくはママのところにやってきたんだ

それは、はじめからの約束だったんだから
ぼくとママとの間のね





みんなはもう一度そっちに生まれるのを待ってるんだ
ほとんどの子どもたちは、前の人生でやり残したことがあるから
どんな場所、体がふさわしいか、どのくらいそっちにいればいいか、光と相談して決めて生まれ変わるんだ




でも、辛いからって、自分で勝手に帰ってきちゃダメなんだよ
どんなに辛くても、みんな自分が耐えられるだけの苦しみしか与えられていないんだ


ぼくたちには別れなんてないんだから もう悲しまないでね
必ずもう一度会えるし、思い出してくれれば、いつでもぼくは現れるし
空や太陽、いろんな生き物の中にもぼくは生きている


なぜなら、みーんな、もともとひとつの、おおきな、おおきな、いのちの一部なんだから







葉さんは、いつ頃からスピリチュアルな考え方になったんだろう?

私は、派遣先で出会ったF氏から江原啓之さんや美輪さんの記事が載っている雑誌をみせてもらってから

その後、自分なりにいろんな本を読んだり、映像で観たり、日常からさまざまなことを経験して
やっと今頃になって、この世界の本当の仕組みが見えてきた気がする

それが、そのまま、この1冊の中に書いてある


死は、悼み、悲しむものではなく、魂の世界に還るということ
そっちが現実で、こっちの目で見る世界は、
いろいろ自分に足りないものを学ぶために来たこと

“死”という形で魂の世界に戻り、また生まれ変わってやり直す時には、
時、場所、親、状況、死に方、その年齢などもすべて自分自身が決めていること


すべてのいのちはつながっていること

廻っていること

無常なこと


もっと付け足せば、映画『Made in Heaven』などで観たように、
魂の世界で学んだことが、こちらの世界にも反映していること

だから、この世界も“天国”と呼ばれている状態になり得るということ


もう1つ付け足すなら、時間と空間は、この世界1つではないこと

時間は、過去現在未来という一方通行ではなくて、
他にも無数に時間と空間の帯が重なり合い、
そこには多くの“自分”が、それぞれのレベルで一生懸命生きているということ

この辺は『アミ小さな宇宙人』シリーズにも書いてあったかなあ?
このアミもF氏が薦めてくれた本/感謝×∞


だから私は、自分が病を得たこと、家庭環境、人間関係などなどの愚痴は吐いても
ぜんぶ成長する学びの過程だととらえている
死も、永遠の別れとか、無に帰するとは考えていない

さまざまな複雑で困難に見える確執も、いずれ同じ魂だけの姿になれば、
すぐにすべてつまびらかになって、理解し合えると信じている


この本を知り合いみんなに贈ってあげたいくらい

死後の世界を信じない人

現世利益だけを追って苦しんでいる人

スピリチュアルを胡散臭がって嘲笑する人


その人たちもそのままでいい


ほんとなら、栄養を摂って、ストレスがなければ、
ヒトの体は、リサイクルされるシステムで、半永久的に生きられるだろうけど、

今はまだムリみたいだから、寿命(これも自分が決めた)がきて
容れ物の体を脱ぎ去って、魂の世界に戻った時、
みんなこの自然のシンプルな摂理を知ることになるだろう

それまでは、それぞれの目的にそって修行している同志みたいなものなんだ


それには、私は私の人生にもっと向き合って、生き抜かなきゃなあ
それとも、もっと自由にやりたいことをして、それで得たことを周りに還元することか
まだまだ先は無限にあるから、別に急ぐこともない

悲しむ時は思いきり悲しんで
嬉しい時は全身で喜んで
みんなそれぞれ生きて、学んで、経験して、また還って、めぐっている存在なのだから




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