バーバラ・クーニー『空がレースにみえるとき』（ほるぷ出版）

■『空がレースにみえるとき』（ほるぷ出版）
エリノア・Ｌ・ホロウィッツ／作　バーバラ・クーニー／絵　しらいし かずこ／訳
初版1976年　2000年で第30刷ってスゴイなあ！

エリノア・Ｌ・ホロウィッツ：
スミス・カレッジを出たフリーの作家数多くの著書がある
本書の冒頭には「３人の姪に」とある
ここに出てくる３人の少女は姪だろうか？


バーバラ・クーニー：
同じくスミス・カレッジ卒　８０冊以上の絵本の画を描いている
本書は、板に水彩、色鉛筆、クレヨンで描かれている


目になにか人と違ったことをやってやるぜ！みたいな力がこもってるいい写真


※「作家別」カテゴリーに追加しました。


▼あらすじ（ネタバレ注意

ビムロスって知ってる？
きれいなもやみたいな雲のこと
ビムロスの夜は、空がレースに見える




ビムロスの夜にはカワウソたちが歌うのよ
誰にもたのまれなくたって歌いつづける

知ってる歌はたったひとつ
♪メキシコの帽子のおどり
どんなメロディにかえてもいいの

かたつむりちゃんは　みんなおなじかお
どっちが旦那さまか　奥さまか　わからない


これじゃかたつむりを侮辱したことになるわ
だからビムロスの夜には、かたつむりたちは２匹ずつならんで
木の踊りを見ながら地面におりてくるの



ビムロスの夜に出かけるなら次の約束だけは守らなきゃだめ

ウサギやキスするお魚と喋らないこと
どんなに痒くても鼻をかいちゃだめ
オレンジ色は着ちゃいけない　パンティでもね



ビムロスの夜は、パイナップルソースをつけてスパゲティを食べるの




歌のあとは、贈りものの時間




プレゼント交換のあとは、この中で２つだけ好きな遊びをえらべるわ

ラクダの上にのる
３つの桃で手品ごっこ
ヤグルマギクを摘む
ハマグリをとる
泥んこあそびをする
ヘリコプターごっこ
ドミノあそび
ゾウさんとくすぐりっこ




毎晩ベッドに入る前　きれいな白いハンカチごしに　月の中の男を見て
月男が　左の目でウインクしたらそれが合図

ほら、きれいなもやがかかってる
ビムロスがやってきたわ！





＊

とてもフシギなお話
ちょっとクリスマスにも似ている
バーバラはクリスマスの絵本にもたくさん絵を描いているけれども
カワウソやウサギとスパゲティを食べられるならこっちのほうが楽しそう

紫の晩に２つだけやれるとしたら、私ならゾウとラクダと仲良しになりたい

板に描いたとは思えない質感

ゲームや映画などなくたって、想像力があれば
自然の中にはたくさんのフシギな物語があることが分かる
ヒトはそうして、古代からストーリーを作って、話してきた

私は本書を夜中に低い声で朗読してみた
カワウソの歌も、自分のメロディで歌いながら