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拡大する“ビットコイン” 仮想通貨が社会を変える?@週刊ニュース深読み

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拡大する“ビットコイン” 仮想通貨が社会を変える?@週刊ニュース深読み

斉藤 賢爾さん(慶應義塾大学SFC研究所 上席所員)
西部 忠さん(北海道大学大学院 教授)
山本 一郎さん(投資家)
竹田 忠(NHK 解説委員)

ゲスト:武井壮、山口もえ

レジでスマホをかざすだけで支払いが済む
 

 

実際、スタジオでも、もえちゃんに体験してもらう
タブレット同士で、1BITをあげると、数秒でもえちゃんの画面に表示された



<プレゼン1 そもそも「お金」とは?>

 

・今の通過は国がルールを作って管理し「安心ですよ~」とゆっているから皆信用している状態
・日銀がお金の出回る量をコントロールして、経済が混乱しないようにしている
・銀行にお金を預けると→事業を始める人などに貸す→利益が増えたら、自分のもとに還元される


●「もっと自由に」
提唱している“サトシ・ナカモト”さんの正体は分からないが、
ネット上に「お金のルールはもっと自由になるべき」と論文を出し、世界に広まった

ネットなら「相互監視」が可能 履歴が残るので世界中で使っても、1人1人がチェックし合える



●今は手数料が高い
・ATMの手数料
・外国へ送る時はひと桁多い手数料がとられる


●信用度は世界的に上がり、企業にも広がりはじめている
 

「日本初 電気代のビットコイン支払い開始記者会見」
 


●「自分の国のお金よりも安心だ」


政治・経済が最近混乱している国々で、
モノの値段の上下が激しく、銀行の預金が急にストップされたりする

信用度が上がると「儲かる」と思う人々も出てくる
値打ちが上がる前にビットコインを買い、値打ちが上がった時に売れば、差額で儲けが出る

この6年はまだ始まったばかりで値動きは激しいが、1BTCは、かつて約10円→約7万円になることもある
あくまで自己責任


●マウントゴックス事件
 

円とドルのビットコイン交換の仲介をする会社だったが、
投資した顧客のお金が突然消えたと言って会社が破綻
社長が一部横領していることが分かり逮捕された事件

この事件で一時的に信用度は下がったが、すぐに上がった
ルール自体は変わってないから(銀行や公金の横領なんてザラだしね


●「税金」による今のシステムが揺らぐ?

すぐになくなると思っていたのが世界中に広まったため、ここ2~3年でルールづくりを急いでいる

西部:
たとえばNHKにおさめた受信料も実際目で見たわけではないので仮想
本当に大きなお金の動きも、銀行や証券など別の形で電子上で動いている
日銀が発行している券=円とネット上のお金、どっちを信用するか
より手数料の安いほうにいく可能性もある

「手数料」
クレカの決済も、店が一部の手数料を負担している
円も土日におろそうと思うと高い手数料がかかっている
これらはお金を動かすためのコスト
これからもっと安全性+利便性が確保できれば、国のお金より信用できる可能性がある

もえ:
これが進んで、自国のお金を使わなくなったらどうなる?

西部:
今、一番仮想通貨を使っているのは、中国
国に取られてしまうかもしれない→いったんビットコインにかえて→カナダドルやアメリカドルにかえるなどの動きがある


FAX:
「パスワードを忘れたり、サイバー攻撃を受けたら、財産がなくなりそうな印象を受けます」
「トラブルに遭った時の保障がないことに不安がある」

斉藤:
国も法整備をして、トラブルに遭った際の仕組みをつくっている最中
秘密カギ(パスワード)をなくすと財産がなくなるのは、大きな問題ですが、秘密カギを預かるサービスもある
そういうサービスに入っていれば、たとえば、スマホのデータがなくなったりしても使えるとは思う


●「ブロックチェーン」どう守っているか、という仕組み


みんなでネット上で新聞をつくるのと同じ 誰でも読めるので確認できる
1ビットでもやりとりがあれば、データとして残る
サイバー攻撃で改ざんしても全員が証拠をもっている
だが、技術的にはいろんな攻撃の仕方が考えられるので、技術も進化が必要

ブロックチェーン自体を書き換えるためにはものすごいコストがかかるので、今のところそうするメリットがない

もえちゃん:
その全員が一致団結して悪いことをしようとしたらどうなる?(想像力豊か!

斉藤:
そうすると、この仕組みが使えなくなってしまうので、今はこっちのメリットが高いと思われている 今後は分からない

小野:
これを使うと何を買ったか全部分かってしまうの?

斉藤:
何に使ったかは分からない 誰かから誰かへ、アドレスでしか分からない
でも追うことはできる 匿名性についてはさほどではない


●電子マネーとは違う

ツイート:
チャージする電子マネーとどう違う? 知らない間に使ってる?

小野:
仮にお金みたいなものがあったとしましょうって話を、どうしてみんな信じられるの?!

西部:
「仮想通貨」(Virtual currency)という言葉に語弊が生まれるが「事実上の通貨」ということ
「Virtual」の意味は「事実上の」
事実上、貨幣として通用しているもの、という意味
お金のように使い、それが続いているなら「現実」と考えていいのでは、ということ


●円は「法定通貨」
「この国で円を使うことを誰も拒否できない」ことを国が補償している
ビットコインの場合は、みんなで約束事みたいにしているが法律・強制力はない

西部:
ビットコインがこれだけ流通している背景には、人々の「法定通貨」への信用が落ちはじめているということがあるかもしれない
「法定通貨」も完全に安全ではないという考え方が広がっている
「法定通貨」に対していろんな問題が起きてきて、国を中心として回るお金の仕組みから
人々が作りだす“民間のお金”に動いていくのではないか

山本:
国とネットは相対している 日本ではお金の仕組みや通貨は強いので、あまりビットコインはない
国が混乱していてインフレを起こしていたり、お金の価値がどんどん落ちているならば、持っている意味がない
すると、お金やモノをビットコインにかえるということがおきている

ツイート:
デジタルネイティヴ世代との価値観の違いでは」
「どうやったら使えるの?」


●BTCを手に入れるには?


竹田:
ビットコインを売る大手の会社がいくつかあり、実際に店舗があるところもあるが、
大体はネット上でクレカの登録をして、身分証明もすれば口座が開ける
(なんだか銀行と似ているような? その大手の会社が大儲けする仕組み?

1点注意してほしいのは、新しいものができて、難しくてよく分からないとなると必ず・・・

小野:(割って入って)ツイートで「オレオレ詐欺に使われそうな気がする」

竹田:
今、問題なのは詐欺商法、不審電話(どこにもあるねえ、銀行にもあるじゃん
実際、高齢者に多いと数千万~1億円の被害があり、何件か逮捕者も出ています 

もえ:
1BTCのままなら信用するけど、これで儲けている人がいるんですね

専門家:
それは今の「法定通貨」のシステムも同じ
このブロックチェーンをきちんと回すためには、いろんな人が協力しなきゃならない
その動機は、このシステムに対して将来的な夢を持っている
そのためならお金も使うし、見返りとして儲かる、評価される 投機目的の人も多い

ツイート:
「高齢者にはますます住みにくい世の中になる」(それも今までも同じだね
「近所で魚や野菜が買えるようになってからだな」

武井:投機目的として使うためにはどういう手順が必要?


●銀行が「ブロックチェーン技術」に注目しはじめている


山本:
これからみなさん密かに使うことになる
銀行自体が「ブロックチェーン技術」を高く評価していて、銀行間のお金のやりとり
手数料、海外送金を「ブロックチェーン」でより安くできるはずだということで研究しはじめている

自分たちでより安くする技術を開発しようとしている
結果、みなさんも手数料が安くなったりする

武井:銀行の利益損失にはならない?

山本:
ATMの運用コストはものすごく高いので、手数料が発生する 利息より高い場合もある
「ブロックチェーン」技術で、手数料が7~8円とかでおろせるようになるに違いない
銀行内のコスト削減にもなる(その7~8円無料にしておくれ

竹田:
アメリカのIT企業が銀行サービスをやり始めていて、銀行はライバルがどんどん増えて、対応せざるをえない

斉藤:
都心だけでなく地方こそ注目したほうがいい
ネットにはどこにも「中央」がない 「中央」を迂回しているシステム
東京の大手銀行を介さずに送金できるという話に地方の方々こそ注目すべき



<プレゼン2 地域限定の仮想通貨>

●「DO(ドゥ)」が北海道に回って経済が豊かになるのではという発想


小野「(DOの読み方が)あ、“ドウ”じゃなくて」てツッコミww

DOも円も使えるが、DOは北海道限定にして、北海道内でルールを作り
DOにかえて買うとお得になる


●生活の細かい困り事もDOで払う
「雪かきを10DOでしてほしい」とネットに書くと、誰かがやってくれるかも

もえ:最低限、ネットやスマホがないとダメですよね?

山本:鋭いです

西部:地域応援の意思表示になるのではないかと考えている

小野:1つの国に1つの通貨って頭が古いってことですか?

西部:
ビットコインがどう日常的に使われるようになるかというと
今はBIT=○万円と高すぎる

ビットコインの供給量がどんどん減る→価値が上がるよう最初からデザインされている
だから、おのずと投機的になる性格はある
そうならないように、ビットコインに似てるけれども、投機的にならない仮想通貨、暗号通貨ができればいいのでは

武井:システムの技術は使って、売り買いでそれほど上下しないようにする

西部:
もっと単位の小さい仮想通貨ももうすでに700種類ぐらいある


●イサカ(NY)の例


「イサカアワーズ」
ヒトが1時間あたり働く価値を単位にしている/驚
大学がある街でリベラルな人が多く、アメリカの連邦政府の政策に反対して、
戦争や自然破壊に反対して、独自の通貨をもつということにもつながっている
(税金や預貯金で戦争しているなら、その資金源を絶っちゃえばいいもんね


●「地域通貨」を基盤にしている

武井:
それに対する課税のシステムをちゃんとしないと自治体の収入が減るということにはならない?

斉藤:
イサカの地方で使えるわけなので、地方政府が独自にシステムをつくれば、税収と同じになる

竹田:
日本でいうと、円で大多数の取引はできているが、
仮想通貨や、地域通貨が補完的な役割を果たすというイメージでは

もえ:
今まで頑張ってた銀行がたちゆかなくならないか?

山本:
いろんな所で価値が発生する 目的別に使うと、クーポンを出します(だんだん商店街風になってきた
クーポンをもらうために仮想通貨を消費する→高齢者に対して給付することになる
子育てのために通貨を出すなどもありえる

ツイート:
「お金=モノと思っている人は不信感が強いんだろうな お金=信用のはずなんだけど」

山本:まさにその通りです

西部:
2つの側面があって、お金は昔、「金(ゴールド)」みたいなものだったが、今は違う ドルでも金と交換はできない(買うって意味じゃなくて?

「お金」は、日本円とドルの「交換比率」をあらわしているにすぎない
それが「FX(外国通貨を売買する投資商品)」みたいな所で毎日、変動している
そういう意味では、モノというより「情報」にすぎない それに我々が「価値」を与えている
(戦争の時に国債が紙切れになったみたいなことか?

武井:
お金の価値がすごく高い国と低い国があるから、低い国は使いにくい?

山本:
使いにくいです(なんだ格差はなくならないのか
なので、国の通貨の信用がない国は、こっちにどんどん変わって、一番安全なところに資産を逃がそうとする

ただ、他国と共用する通貨を使うということは、通貨同士が強い結びつきをもつようになるので大変(「ペング」がどうとか?
貧しい地域はそれだけ稼がなきゃならない





中央も、国境もなくなって、みんなで自由に、平等に、見守り、協力しながらって発想は未来的
これなら、どこかに溜まったり、隠したり、誤魔化したり、簡単には出来なさそうだし

なにより、札束などが象徴する「モノへの執着心」が薄まりそう
政治屋や、一部の富裕層の金遣いの粗さも一目瞭然になるかな?

でも、格差がなくならないのは根本解決になっていない

この現実そものもが「仮想」なんだから、やる前から疑って叩くより、
まず変えてみてから改善していけばいいのでは?


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