■『宝島』(福音館書店)
原題 Treasure Island by Robert Louis Balfour Stevenson
ロバート・ルイス・スティーヴンソン/著(英1883 日1913) 坂井晴彦/訳 寺島龍一/画
初版1976年(1985年11刷)
※1996.10~のノートよりメモを抜粋しました。
※「読書感想メモリスト1」カテゴリーに追加しました。
ロバート・ルイス・スティーヴンソン:
1850年 スコットランド生まれ
バツイチのファニーと結婚、連れ子ロイド・オズボーンのために1881年(31歳)の時に今作を執筆
もともと病弱で、療養中のサモア島で1894年 44歳の若さで死去
ほかには『童謡の花園』『ジキル博士とハイド氏』(!)『さらわれたデヴィッド』『新アラビアンナイト』など
これが誰でも名前くらいは知ってる名作
少年少女が夢中になって読んだ冒険物語の決定版
毎朝30分の読書週間タイムを利用して、とうとう読みました!
『海底二万海里』等と比べると、息子相手に意識して書いたこともあってか
すぐアニメ化、映画化できそうな分かりやすい文体で
スリルと冒険がつまった劇画タッチ
読み進めて初めて分かった
以前、モンティ・パイソンのジョン・クリーズが肩にオウムを乗せて
片足で立って乱暴に喋っていたギャグのモデルは、紛れもない
この本の悪玉ヒーロー「船の料理番」ジョン・シルバーだったのね
(名前も同じなのも偶然?! 思わず笑ってしまった
主人公は、ロイドと同じ年くらいと思われるジム・ホーキンス少年
11歳くらいなのに、はじめから終わりまで善玉を救い、悪を倒し、
宝を見つけて、無事に帰るまで手助けする大活躍ぶりは
読者を共同体とするキャラクターにはもってこい
同じ海ものの冒険談でも、本書はもっぱら気が短い、荒っぽい下っ端水夫や
「海のお大臣」(gentleman of fortune 財産のある紳士)
つまり海賊どもの話で、活気に満ちた会話や、生活描写がリアルで面白い
▼あらすじ(ネタバレ注意
「ベンボー提督亭」を営む母を手伝うジム少年
父は病身で間もなく亡くなった
そこにいかにも柄の悪いビリー・ボーンズという老水夫が泊まり、周囲を怖がらせる
♪亡者の箱にゃ15人 えんやこらさ おまけにラムが1瓶よ!
あとの奴らは 酒と悪魔がやっつけた えんやこらさ おまけにラムが1瓶よ!
こんな歌が18番まで
彼は世界で悪名高き、血も涙もない大海賊フリント船長とともに海を荒らしまわり
船長が宝をすべて埋め、乗組員らを葬った船にも一緒にいて
彼がラムの飲みすぎで死んだ後、宝島の地図を持っていたために
仲間Black Dogに見つかり、黒丸(呼び出し状)をつきつけられるが
その前に自分も脳溢血で死ぬ
(船員はやたらラム酒にハマってるみたいだけど、どんな酒かしら?
盲目のピューと仲間が荒らしまくった時は、すでにジムと母が地図を出した後で
助っ人にきた町の人の馬に轢かれてピューは死ぬ
医師のリブジー先生と、地主さんに見せると、早速、船を向かわせる計画となる
しかし、地主さんの集めた水夫は、ビルが怖れていた1本足のジョン・シルバーとその仲間
(どうしてジムは、彼は危険だと思わないのか、ここが面白くするポイント
常識的なスモレット船長は、警告するが、地主に無視される
その予感は大当たり
猫をかぶっていたシルバーが船員を味方につけて、宝が手に入ったら皆殺しにするという
恐ろしい計画を話しているのをリンゴ樽の中で聞いてしまうジム
島を発見し、計画を先生に話したので、いったん水夫を陸におろすことにして
ジムは「第1の行動」を起こす
一緒に上陸し、シルバーが水夫を殺すのを見て
フリント船長に置いていかれて、3年近く島に住んでいたベン・ガンと出会う
味方につくことで分け前をくれとしつこく話す
(「って言ってくれよな」て連発するところは笑える
その間、先生たちは砦に逃げ込み、船は乗っ取られ、海賊旗(ジョリー・ロジャー)がたてられる
銃撃戦は激しく、味方は先生と地主、船長は負傷 グレー先生はベンに会いに行き
ジムは「第2の行動」に出る
小屋を飛び出し、一寸法師の乗っていた丸い船みたいなのを漕いで
船を海へ流してしまうつもりが、酔って弱ったハンズとともに北の入り江に船を移し
命を狙われた時、撃ち殺す
小屋に戻ると、先生が地図も、小屋も、食糧も渡してしまった後で、シルバーに捕まってしまう
頭のキレる彼は、両方の逃げ道のためにジムを人質にし、
仲間の反乱をうまくしずめ、先生は絞首刑は逃れるように約束してもらう
「あんたが俺のおふくろだったとしても、それ以上のことは、とても言えねえでしょうよ!」
聖書を破いて黒丸をかいたディックは熱病にかかる
信仰はこんな水夫にまで影響力があるのね/驚
骸骨のサインを目安にやっと見つけたところに宝はなし
実はベンがとっくに洞穴に移した後で
再び反乱が起きる瞬間、先生らの銃弾に救われる
3人を島に残して、シルバーは自由の身の上、300ギニー(今のいくらだろう?)を盗んで逃走
その後は、それぞれ分け前をもらって、それぞれの人生に使ったとのこと
これだけのことをやらかして、命が助かった上、自由になるなんて
シルバーの中には善悪が同居している
魅力的で奥の深いキャラクター
原題 Treasure Island by Robert Louis Balfour Stevenson
ロバート・ルイス・スティーヴンソン/著(英1883 日1913) 坂井晴彦/訳 寺島龍一/画
初版1976年(1985年11刷)
※1996.10~のノートよりメモを抜粋しました。
※「読書感想メモリスト1」カテゴリーに追加しました。
ロバート・ルイス・スティーヴンソン:
1850年 スコットランド生まれ
バツイチのファニーと結婚、連れ子ロイド・オズボーンのために1881年(31歳)の時に今作を執筆
もともと病弱で、療養中のサモア島で1894年 44歳の若さで死去
ほかには『童謡の花園』『ジキル博士とハイド氏』(!)『さらわれたデヴィッド』『新アラビアンナイト』など
これが誰でも名前くらいは知ってる名作
少年少女が夢中になって読んだ冒険物語の決定版
毎朝30分の読書週間タイムを利用して、とうとう読みました!
『海底二万海里』等と比べると、息子相手に意識して書いたこともあってか
すぐアニメ化、映画化できそうな分かりやすい文体で
スリルと冒険がつまった劇画タッチ
読み進めて初めて分かった
以前、モンティ・パイソンのジョン・クリーズが肩にオウムを乗せて
片足で立って乱暴に喋っていたギャグのモデルは、紛れもない
この本の悪玉ヒーロー「船の料理番」ジョン・シルバーだったのね
(名前も同じなのも偶然?! 思わず笑ってしまった
主人公は、ロイドと同じ年くらいと思われるジム・ホーキンス少年
11歳くらいなのに、はじめから終わりまで善玉を救い、悪を倒し、
宝を見つけて、無事に帰るまで手助けする大活躍ぶりは
読者を共同体とするキャラクターにはもってこい
同じ海ものの冒険談でも、本書はもっぱら気が短い、荒っぽい下っ端水夫や
「海のお大臣」(gentleman of fortune 財産のある紳士)
つまり海賊どもの話で、活気に満ちた会話や、生活描写がリアルで面白い
▼あらすじ(ネタバレ注意
「ベンボー提督亭」を営む母を手伝うジム少年
父は病身で間もなく亡くなった
そこにいかにも柄の悪いビリー・ボーンズという老水夫が泊まり、周囲を怖がらせる
♪亡者の箱にゃ15人 えんやこらさ おまけにラムが1瓶よ!
あとの奴らは 酒と悪魔がやっつけた えんやこらさ おまけにラムが1瓶よ!
こんな歌が18番まで
彼は世界で悪名高き、血も涙もない大海賊フリント船長とともに海を荒らしまわり
船長が宝をすべて埋め、乗組員らを葬った船にも一緒にいて
彼がラムの飲みすぎで死んだ後、宝島の地図を持っていたために
仲間Black Dogに見つかり、黒丸(呼び出し状)をつきつけられるが
その前に自分も脳溢血で死ぬ
(船員はやたらラム酒にハマってるみたいだけど、どんな酒かしら?
盲目のピューと仲間が荒らしまくった時は、すでにジムと母が地図を出した後で
助っ人にきた町の人の馬に轢かれてピューは死ぬ
医師のリブジー先生と、地主さんに見せると、早速、船を向かわせる計画となる
しかし、地主さんの集めた水夫は、ビルが怖れていた1本足のジョン・シルバーとその仲間
(どうしてジムは、彼は危険だと思わないのか、ここが面白くするポイント
常識的なスモレット船長は、警告するが、地主に無視される
その予感は大当たり
猫をかぶっていたシルバーが船員を味方につけて、宝が手に入ったら皆殺しにするという
恐ろしい計画を話しているのをリンゴ樽の中で聞いてしまうジム
島を発見し、計画を先生に話したので、いったん水夫を陸におろすことにして
ジムは「第1の行動」を起こす
一緒に上陸し、シルバーが水夫を殺すのを見て
フリント船長に置いていかれて、3年近く島に住んでいたベン・ガンと出会う
味方につくことで分け前をくれとしつこく話す
(「って言ってくれよな」て連発するところは笑える
その間、先生たちは砦に逃げ込み、船は乗っ取られ、海賊旗(ジョリー・ロジャー)がたてられる
銃撃戦は激しく、味方は先生と地主、船長は負傷 グレー先生はベンに会いに行き
ジムは「第2の行動」に出る
小屋を飛び出し、一寸法師の乗っていた丸い船みたいなのを漕いで
船を海へ流してしまうつもりが、酔って弱ったハンズとともに北の入り江に船を移し
命を狙われた時、撃ち殺す
小屋に戻ると、先生が地図も、小屋も、食糧も渡してしまった後で、シルバーに捕まってしまう
頭のキレる彼は、両方の逃げ道のためにジムを人質にし、
仲間の反乱をうまくしずめ、先生は絞首刑は逃れるように約束してもらう
「あんたが俺のおふくろだったとしても、それ以上のことは、とても言えねえでしょうよ!」
聖書を破いて黒丸をかいたディックは熱病にかかる
信仰はこんな水夫にまで影響力があるのね/驚
骸骨のサインを目安にやっと見つけたところに宝はなし
実はベンがとっくに洞穴に移した後で
再び反乱が起きる瞬間、先生らの銃弾に救われる
3人を島に残して、シルバーは自由の身の上、300ギニー(今のいくらだろう?)を盗んで逃走
その後は、それぞれ分け前をもらって、それぞれの人生に使ったとのこと
これだけのことをやらかして、命が助かった上、自由になるなんて
シルバーの中には善悪が同居している
魅力的で奥の深いキャラクター