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『水と地球の研究ノート 5 ごみ水路水族館』(偕成社)

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『水と地球の研究ノート 5 ごみ水路水族館』(偕成社)
武田晋一/写真・文 ボコヤマクリタ/構成・絵

まずは都市にある水路の汚さに絶句
どうしてゴミステーションに捨てないんだろう???
ボーリングの球まである/驚 こんなものまで川に捨てるヒトの気持ちが分からない。

そんな水路に、こんなに生物が棲んでいることにまたビックリ。
それらが皆ヒトが持ち込んだ外来種で、汚い水を好む生物だと知った。

水路の歴史も驚いた。
昔、田んぼを作るために、水路を作ったヒトたちがいたんだ。
気にも留めない日常風景を、立ち止まって見て、考えるだけでも、これだけ学ぶことができるんだな。
遠い国まで行かなくても、驚きは案外すぐそばにある。
まさかライギョまでいるとはね


【内容抜粋メモ】

 
友人が引っ越した北九州市。アパートの裏に水路があって、いろんな生き物がいると聞いて行ってみた著者。
水路はゴミでひどく汚れていて、時々ヒトが使った水がどばっと流れ込んでくる。
けれどそこには「死の水路」ではなく生き物がすんでいた。



最初に目につくのはフナ。コイもいた。


ミドリガメと呼ばれるミシシッピアカミミガメ


アメリカザリガニ



田んぼにいたおじいさんに歴史を聞くと、昔のヒトは雨水が集まりやすい谷に「ため池」を作った。
この水路は、田んぼで稲を育てるためにため池から水を運ぶ「人工の川」だった。


  
その後、日本は機械を作って、それを外国に売り、代わりに食べ物を外国から買うようになった。
農家も田んぼも消え、工場や会社ではたらくヒトが増えた。
結果、水路は取り残された。



昔は小川から水路にさかのぼってくる魚、貝、それを食べるホタルの幼虫もいただろう。
水路に住む生き物の多くは「外来生物」。かれらは日本の生き物を押しのけて全国的に増えている。

ウシガエル:食用として持ち込まれた。
アメリカザリガニ:ウシガエルのエサとして持ち込まれた。
ミシシッピアカミミガメ:ペットとして持ち込まれた→もとから棲んでいるカメの住処を奪ってしまう。
カダヤシは、メガカの卵や子どもを食べてしまう。


ある種類はキレイな水が好きで、ある種類は汚れた水が好き。

キレイな水は、湧水など自然界ではごく一部。
少し汚れた水が好き:カワムツ、ホタルの幼虫 など
汚れた水が好き:フナ、タニシ、アメリカザリガニ など

いる生き物の種類で、ヒトがどんな暮らしをしているかが分かる。



ブラックバス
アメリカの魚。釣り用として日本に持ち込まれたが、
肉食だから、日本の生き物が食べられ、数が減ったため、捕らえて処分する活動も始まった。


水路の水は地下にもぐり、大きな川へ流れ込んでいた。
この水路はいったい何のためにあるのだろう。
ブラックバスは、この先どこへ行くのだろうか。



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