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『生命(いのち)がめぐる星 地球』(フレーベル館)

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『生命(いのち)がめぐる星 地球』(フレーベル館)
桃井和馬/著(JVJA会員)

年末年始明けの図書館に行ったら、休館中に整理したのか、
最近通ってる児童書の自然科学コーナーの棚も、以前とちょっと本の位置が変わったり、
前見かけなかった本もいろいろあって、また夢中になってしまった。
閉架だったのを加えたんだろうか? それともバラバラに置かれていて、私が気づかなかっただけか?

1頁、1頁読んでいくにつれ、1つの生命が、また他の生命へとつながっているのが見えてくる。
その連鎖をことごとく破壊しつくすヒトの存在も見えてきて、
思わず「申し訳ない〜〜〜〜!」と謝りたくなる。
地球にとってヒトが一番要らない存在なんだ


【内容抜粋メモ】

すべての生命には役割がある。
地球は、生命がつらなり、めぐる星。
しかし深刻な自然破壊のために、推定60〜120種の生命が
多くは発見されることもないまま毎日絶滅している。

それぞれは一見、まったく違った存在にも見えるが
たがいに関係して循環し、地球という生命体を形づくっている。

「地球上でもっとも優れた生き物」と勝ち誇るニンゲンは、
地球の一員でありながら、その役割を果していない。


***************************************

国際機関の予測では、2050年、世界人口の7割が水不足に直面するという。
これからは水の奪い合いが原因で紛争や戦争が起きる可能性が高い


地球で最古の砂漠、アタカマ砂漠@南米チリ

毎日使うプラスチック製品や、テレビ、携帯の部品も、地下資源から作られている。



現在、毎年、九州と四国を合わせたくらいの森がなくなっている

木を失った森は、水を貯めておくことができず、雨が降るたびに土壌流失が起きる。
土の養分も流されるから、植物の育ちは悪くなり、砂漠化の始まりでもある。

アフリカではヒトが1人増えると、5頭の家畜が食糧として必要となる。
草木を食べ尽くすヤギやヒツジが増えた結果として砂漠が広がっている。


「根粒菌」は、マメ科植物の根に寄生し、養分をもらう代わりに、
空気中の窒素を土に返している。



密猟者によって殺され、象牙を切られた象の頭骨の山

象たちが病死した仲間の象牙を踏み砕いていた。
象牙をねらうヒトによって遺体がもてあそばれるのを防いでいるのだという。

象牙は今も高値で取引されている。
アフリカゾウは高い知能を持ち、75の単語を使ってコミュニケーションをとっている。


ヒトは象を捕らえ、「よい象」にするため訓練する。
アジア象にとっては直射日光は暑すぎる。
1頭ずつ鎖につながれ、強いストレスを受けるため、
すぐにヒトの命令を聞くようになり「よい象」になる。



フンコロガシがフンを転がすのは、安全な場所でフンの中に卵を産むため。
大きなフンは短時間で切り分けられ、病原菌が広がるのをおさえる役割を果たしている。



シロアリが食べるのは枯れたり、切られた木だけ。
すばやく片付けてくれるおかげで、地面の草木は太陽を浴びて育つことができる。



げっ歯類は地球でもっとも数が多い哺乳動物。
ジャッカルがいなければ、たった1年で陸はネズミに覆い尽くされてしまうだろう。



ライオンが食べるのは大型の草食動物。
狩猟がヘタだから、狙った獲物の2割しか倒せない。
食欲旺盛な大型草食動物が増えすぎたら、植物は短期間でなくなってしまう。



地衣類は藻と菌の共生生物。
藻が乾燥しないよう菌が守り、菌は藻から養分をもらう。


8本足の蜘蛛は昆虫ではなく、節足動物の仲間。
田畑の害虫を食べる肉食のため、日本では古くから「蜘蛛を殺すな」と言われてきた。



ハキリアリは葉を肥料にして菌類を育てて食糧にしている。



エルニーニョ現象により、ウミイグアナが食べる海草が不足した。
紅色の海草を食べるようになり、ごく短期間で体の色を変えた。
自然界の進化は、毎年、想像以上のスピードで発生しているという。


美しいカツオドリは英語で「booby(おろか者)」と言う。
簡単に捕まり、船員の食糧として大量に殺されていた


ヒトが持ち込んだネズミやブタがゾウガメの卵を食べ、
ヤギは草を食べてしまうため、餓死するケースも起きている。
かつてガラパゴスに十数万頭いたゾウガメは、今は15000ほど確認されるのみ。



自然界には地面に寝るオランウータンはいない。
ヒトになつく子どものオランウータンはペットとして人気が高いため、
密猟者はなつかない母親を殺し、子どもだけを売り飛ばす。


ゴリラが棲む森には地下資源が眠っている。
すみかを追われたゴリラは殺されることも多い。
高く売れる資源ほど、紛争や戦争の原因になりやすい



オスのロバとメスの馬をかけ合わせてつくらるラバ。
人工的につくられたラバ同士では子どもをつくれない。
ヒトの労働を助けるためだけの一代かぎりの生命なのだ。



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