■アッキーがゆく もっと知りたい沖縄 with ヤナギー@あさイチ
専門家ゲスト:西銘むつみ記者(沖縄放送局)
ゲスト:内藤剛志さん、三田寛子さん
リポーター:篠山輝信さん(俳優)
5月15日は、45年前に沖縄が本土に復帰した「復帰の日」。
それまで右側通行だったのが、急に左側通行に変わったり
貨幣も7回も変わったなど、今回も知らないことがたくさんあった
【ブログ内関連記事】
NHKスペシャル「沖縄戦 全記録」
平成28年 沖縄全戦没者追悼式@平和祈念公園
久しぶりに内藤さんがゲストv
「20代の頃、沖縄の青年が返還の翌日、国会議事堂にオートバイでつっこんで自殺したという
事件を基にしたフィクション映画に出演したことが、いまだに頭に残っていて、国会の前を通るたびに思い出す
映画は、復帰前という設定で、空港で“パスポートを出せ”と言われるシーンもある 外国人扱いだったということ」
これかな↓
『OKINAWAN BOYS オキナワの少年』(1983)
井浦新さん出演の新作ドラマ
『返還交渉人 -いつか、沖縄を取り戻す-』制作開始
放送予定:2017年8月 BSプレミアム(89分・単発)
***
これまでも沖縄をレポートしてきたアッキーと
昔、沖縄に住み、NHK沖縄で記者活動してきたヤナギーが同行して旅をした
ヤナギー若いし、カッコいい!
旅は那覇からスタート。
「沖縄の大動脈」と呼ばれる国道58号線を行く
いきなり、道路脇にガードマンが大勢立っているのを見かける
国際通りは大観光スポット
ヤナギー:僕はこの近くの県庁近くに住んでいた
ヤナギーの大好物は「イラブー」(ヘビ!
「軍票」(“B円”と呼ばれる米軍発行の紙幣
「軍事布告に基づき発行す」と書いてある
スーパーの主人:
B円から米軍のドルにかわって、日本復帰とともに円にかわった
翌日からいきなりお金がかわるってカルチャーショックだった
戦後、沖縄の通貨は7回もかわり、そのたび生活は混乱した
戦後、多くの農民の土地が強制的に米軍に「接収」され基地が作られた
1950年代
1972年 本土返還後も基地はほとんどが残ったまま
緊迫する国際情勢
「北朝鮮が弾道ミサイル1発発射」というニュースが入り、
ヤナギーの発案で急きょ予定を変更して嘉手納基地に向かう
理由:
もともと沖縄の基地の主たるアメリカ軍の戦略的な役割は
朝鮮半島で何かあった時、即対応すること
ベトナム戦争の時は、ここから爆撃機が出動した
記者時代に通ったという基地が見渡せるビルの屋上にあがると
軍用機が離着陸訓練を繰り返しているのは、昔からまったく変わらない風景
ヤナギー:
軍事作戦に関して詳細な発表をアメリカ軍は一切しないから
自分たちの手足や目を使って、材料を集めて、それをぶつける以外に手がない
より基地がよく見えるという「道の駅 かでな」へ
お土産屋さんには、お菓子などの上に戦闘機の写真が売っている
屋上にあがり、ある人を探すヤナギー
基地を撮り続けて40年のフリーカメラマンの渡部さんは、ヤナギーもお世話になった
ヤナギー:
事故や、普段と違う動きがあると教えてもらって、取材をいろいろ手助けしてもらった
取材中も緊迫が走り、ヤナギーも渡部さんも取材そっちのけで軍用機の動きを追う
ヤナギー:なにか降りてきます?
渡部:「コブラボール」(アメリカ軍の電子偵察機
情報は常に無線でキャッチしている
ここには常に報道関係者がいる
ア:今朝のミサイル発射を受けてですか?
渡部:ミッションです
ア:渡部さんは、どうしてずっと撮影し続けている?
渡部:どうなっていくんだろう?という心配が入り乱れて 米軍の動きを知りたい
ア:沖縄の基地って、本当に世界情勢の現場なんですね
渡部:最前線です
ヤナギー:
いまだに嘉手納に行くと緊張します
「コブラボール」は北朝鮮の弾道ミサイルの飛翔コースや着弾時刻を割り出す
世界に3機しかない特殊な軍用機
普段はアメリカ本土の基地にいるけど、何か状況に変化があるとすぐに飛んでくる
後で知ったのは、ミサイルを発射したのは午前6時頃
「コブラボール」は、午前5:30頃に嘉手納を飛び立っている
出来るだけ近くまで接近してデータを持って帰ってきたところだった
ア:
これまで、いろんな「道のえき」に行きましたけれども
目の前で日米安保が繰り広げられていることにビックリした
日本でありながら、渡部さんみたいな方が常に監視を続けなければいけない場所だと知った
ヤナギー:
あの「道のえき」には農産物がなかったでしょ?
嘉手納のほとんどが基地だから農業が出来ない
むつみさん:
中学生の息子がいて、ミサイルのことを何度も聞いてきて
「沖縄には米軍基地がたくさんあるから狙われるんでしょ?」と言われてショックだった
聞くと、部活動仲間とも日常的にそういった会話をしていて
子どもたちを不安にさせていることに、大人として申し訳なく思った
●全国の米軍基地の7割が集中している沖縄
オレンジ部分が米軍専用施設 31箇所あり、2万8000人がいる
面積でいうと島の約15% 日本全体でいうと7割が沖縄に集中している
理由:
太平洋戦争末期の「沖縄戦」で、米軍が上陸して基地をつくったのが発端
アメリカは、沖縄を「太平洋の要石」と呼ぶ
朝鮮半島が近くにあり、南北の境界線ではいまだに休戦状態にある
F15部隊は、もし何かあったら沖縄から約1.5時間で行ける
最近は、南シナ海に進出している中国にも睨みをきかせている
「絶対的に、戦略的に手放せない」というのがアメリカの言い分
内藤:たとえば、1500km地点の基地からならもっと近いのでは?
ヤナギー:基地は点在していても、沖縄に圧倒的に集中しているのが現状
むつみさん:集中していることで事件・事故も相次いでいる
内藤:しかも、答えはないわけでしょ?
むつみさん:おっしゃる通りです
アッキーの母の故郷でもある宜野湾市
ア:母の実家で、親戚も周りにたくさんいるので、ワクワクします
普天間基地
宜野湾市の24%の面積
周囲に9万7000人が生活しているため、「世界一、危険な基地」と言われる
2016.12 名護市海岸でオスプレイが大破する事件があった
ア:「不安だ」と言っていた仲村さんのことを思い出したんですよ
仲村さん:
うちの上空を飛び回っているから怖いです
でも、こういう気持ちって全然伝わらないみたいで歯がゆい
常にこういう状態 アメリカ軍に脅かされて生きている
ア:逆に、仲村さんが安心する時ってどういう時だと思います?
仲村さん:ほとんどの基地が撤去される時でしょうね
●2014年、ヘリコプターが大学キャンパスに墜落した事件現場へ
夏休み中で、奇跡的に怪我人はなかったが、
住宅街にも機体の一部が落ちて、住民の不安が一気に高まった
男子学生:
学校にも落ちて、また落ちる 何も改善されていない
まだまだ、飛んでいるだけで怖い
男子学生:
たまたま自分の所に落ちていないだけで、落ちる可能性が“高い低い”でなく、飛ばないでほしい
大学の屋上からも基地が見える
オスプレイがエンジンを回しているところだった
●沖縄市に戻る
若い男性:
自分はここが好きです
アメリカ人も優しくて、フレンドリーな方が多いので
言葉が通じなくても、いきなりハイタッチとかしてくるし
高齢男性:
「好きか嫌いか」と言ったら、これは言えない
あの人たち(米兵)がいるから生活できる人もいるし
こういうことは、あまり言えない
(戦争や問題をつくるのはいつも一部のトップ、政治屋、金持ち連中で
民衆は1人1人のフツーの人間なんだ
●米兵の給料日で賑わっている夜の街へ
人気のライヴハウスを取材 オーナーはこの店で40年間歌っている
(なんだっけこの曲 '70年代のロック 外国人と日本人が入り混じって踊っている
ヤナギー:昔はペイデー(給料日)だと、もっと人がたくさんいた気がするけれど
オーナー:
北朝鮮とか、いろいろな問題が起きて、兵隊も今は少ない
韓国のほうで、アメリカ軍と沖縄にいる軍隊が合同で演習しているし
小さい頃は、(基地が)あるのが当たり前と思っていた
生まれた時には、アメリカ人もたくさんいたし
だから「基地に反対」(の声が)ありますけど、
アメリカ兵との問題って切っても切り離せない、複雑なもの
FAX 沖縄在住20代:
県民全員が基地反対運動をしているわけではないことを知って欲しい
基地で賑わう街があり、仕事がある人もいる
若い人は当たり前になっていて、基地について何も思わない人が多いと思う
オスプレイで何かあると基地問題につなげようとする傾向がある気がしてそのほうが不安です
FAX 沖縄在住20代2児の母:
嘉手納基地付近に住んでいます
映像を見ながら、ああ日常風景だなと思った
爆音だけでなく、ガソリン等の化学薬品のニオイ
夜間も消えないオレンジ色の街頭 静かな夜はありません
先日は、夜間にパラシュート訓練がありました
もし飛行機や、人が落ちてきたら・・・と思うが
ここで生活していくしかない
本土の人には関係ないかもしれませんが、
こういう場所もあると単純に知っていて欲しい
FAX 沖縄在住20代:
もし基地関係の理解を高めたいのであれば
メディアの報道のあり方を変えるべき
反対派ばかりでは理解は深まらないと思う
ネガティヴな方が増えるばかり
(若い人がけっこう見てるんだな でもFAXは沖縄の人ばかり
ア:
今回の旅の中で一番刺さった言葉は、仲村さんの「復帰前と変わらない」という言葉だった
僕の中では、復帰してめでたいというイメージしかなかった
イノ:
テレビだけを見ていると偏ってしまうこともあるかもしれない
若い人たちにとっては、生まれた時から今の状態で、
騒音ですら慣れてしまう哀しさもある
ヤナギー:
20代は復帰を1つの前提として受け入れている
あの「沖縄戦」を知っている年配の方とのギャップがあるし
ひと言で“良い・悪い”“賛成・反対”でくくれないってことが
本土の人に伝わっていないのではないかって思いがある
取材していた時に、近くにいたおじさんから
「マスコミはちょこちょこっと来て、話聞いて、写真撮って、帰って、記事にしておしまい
でも、それで本当に沖縄の現実が伝わってんのかな?
とりあえず1週間住んでみてよ」って言われた
むつみ:
若い人は、昔は今以上に事件・事故が相次いだことも知らなくて、
基地の中で英語を勉強したり、バイトしたり、基地からのメリットを享受している
その世代を責めることはもちろん出来ない
でも、協定があって、「交流」はしていても、けして「対等」な関係ではない
事件・事故があると日本の法律が及ばない
規制線を張られて、現場に入れないとか
若い子たちに伝えていない大人の責任でもある
「復帰」って日の丸振って頑張ってきたけど、フタを開けたら
基地をこんなに残してしまって、次世代に恨まれないか心配になる
●「軍用地の売買」の看板を見かけた
ヤナギー:今朝の新聞にも広告が載っていた「軍用地買います」
不動産屋を取材
店内スタッフ:
沖縄県に今ある米軍基地のことを「軍用地」と言います
買われる方の用途はそれぞれかと思いますが賃料も発生しますので
ヤナギー:
つまり、日本政府が地主さんから土地を借り上げて
地主さんには「1年間いくら」という借り賃を払っている
日本政府は、その土地をアメリカ軍に提供しているから
地主さんは、地代をもらって収入が得られる
ア:どんな方が買われるんですか?
店内スタッフ:県内、県外の方もいます
ア:変な話、一番人気な場所ってあるんですか?
店内スタッフ:嘉手納飛行場は、今のところ「返還」の見込みも・・・
ア:
返還されない以上は、安定的に賃料が入る場所ということですか
戦争で土地が強制的に接収された背景を考えると
感情的に複雑になる部分もなきにしもあらず・・・
●軍用地売買の仕組み
そもそも基地の土地は、戦争でアメリカ軍が強制的に農地を奪ったものだから
土地の所有者(地主)がいる
その土地を買っても住むことはできないが、
日本政府から「借地料」をもらっている
経済情勢に関わらず「借地料」は年々上がっていく
今では「投資ビジネス」になっている
(ヒトはどこまで貪欲にできているんだろう???
ア:「借地料」を地主数で単純に割ると、1年間で200万円になる
むつみ:
アメリカ軍に安定的に土地を提供してもらうために、経済の動向に関係なく値段が上がっていく
補償金の意味合いもあるので
ヤナギー:
今は銀行に預けても変わらない 軍用地を買うと安定収入が入る
実際は、相当高値で売買され、ビジネスになっている
これは違法にはならない
むつみ:
単純計算で年間200万円と言いましたが、実際は、1/4が200万円未満しかもらえていない
よく「軍用地料もらってラクでしょ」て言われる方もいるけれども誤解がある
沖縄の経済は基地がないと成り立たないと思うか?アンケート
まったく逆の結果が出た
(成り立たないわけはないでしょう 昔は自分たちで立派に暮らしていたんだもの
むつみ:
基地が少しずつ返還されている場所もあり、商業施設が建ち
雇用も生まれているから、返還されたほうが自立した経済を営める
復帰したての頃は、県民所得が基地関連収入15%以上あったが、今はその1/4
基地がないほうがより良くなるのでは?という思いもある
ヤナギー:観光地として、大型船も来ているのも見た
イノ:
基地になってしまった時も「よし、じゃあ店をやろう!」って今まで続けてきたんだから
基地がなくなったら「よし、分かった」って、ちゃんと街をつくる力がきっとあると思う
ヤナギー:
20代の間でも基地のない状況で経済を盛り上げたいという議論がかなり活発になってきている
●名護市辺野古
普天間基地が住宅密集地にあるということで、1996年に日米間で返還すると合意している
それには、沖縄県内に代替施設を作るというのが条件だった それが辺野古
2016.5.25 海岸を埋め立てる護岸工事が始まった
工事が進めば、海の現状回復は困難になると言われる
中村征夫写真展「琉球 ふたつの海」
2人が取材したのは工事のニュースの9日前
ア:
こっちが僕らが思う沖縄って感じでキレイな海
でも、ちょっと目線を移すと全然感じが違う
2年前に来た時と変わってますね景色が ブイも近いし
国際情勢とか、防衛とか、いろいろなバランスで「ここが必要だ」と
ヤナギー:
アメリカ軍や、日本政府が言っている
日本全体で「これが唯一の解決策なのか」もっと共有しないといけない
●小さな集落「安部」にもオスプレイが落ちた
途中の小路ににゃんこがいて、動物大好きなヤナギー反応
2016年 ここから数km地点の海にオスプレイが落ちて大破した事故があった
近くに住む男性にインタビュー
Q:普段から飛行機の音は?
しています 最近酷い
もう一人の男性:
オスプレイは欠陥品でないかと思う
いつ落ちるか分からないから不安
イノ:2年前の取材では、インタビューを断られたこともあったじゃないですか
ア:
小さな集落の人たちに世界的な問題を「どうですか?」って聞くのはそもそも違うのかなって思いました
もっと日本全体で一緒に考えることじゃないのか こっちの問題じゃないかと感じた
むつみ:
「基地いりますか? いりませんか?」って選択を、住民に突きつけられるのが理不尽とみんな感じていて
普天間の方も、「辺野古についてどうですか?」て聞かれても
自分たちの痛みを、他へ移せばいいわけじゃない でも減って欲しい
どっちも答えがない
ヤナギー:
辺野古の人たちの中にも「止む無し」という声がある
それを「賛成」って言葉にかえてしまっているけれども
積極的に「来て下さい」とは違う
正直、僕らも沖縄を記事に書く時「沖縄の基地問題」て書くことにものすごい違和感を感じる
日本の問題じゃないか
それを意識しないと現実は捉えられない
<FAX>
神奈川 40代:
沖縄に基地が集中しているのは納得がいかない
気持ちを無視した政府の動き、ニュースの扱いの小ささを見るにつけ
沖縄の人が本土の人が理解していないと感じるのは当然
有働:私たちは何が出来るんですか?
ヤナギー:それがカンタンに分かれば苦労しないんだけどね
内藤:まず知ることから始めようっていつも思う 行くことも大きいと思う
FAX:本島を「本土」と言っているかぎりお互い理解し合えないと感じた
ヤナギー:
北海道でも「外地・内地」て言葉があったけれども
そういう声を聞くと、重みがあるんだなと実感する
むつみ:
言葉に関しては、単に地理的に離れているという意味合いのほうが多いと思うが
本土って言葉を普通に語れない現状は、なんとか変えていきたい
イノ:いろいろ複雑だけれども、キレイな海が壊れてゆくってことが一番最初にある
(これは大きな自然破壊なんだ
三田:
子どもが中学の時に沖縄に行って、観光ではなくいろいろ見て回って
「いろんなことが分かったよ」ってゆったのを聞いて
やっぱり見るとか、聞くとか、実際に自分で動いて得ることが大事だと思った
(戦跡や資料は、都内にもたくさんある 関連本もたくさんあるし
***
考えてみれば、この異郷で暮らす若い兵士たちは、寮という檻の中で軟禁生活状態みたいなものじゃないのかな
家が貧しくて給料のために入らざるを得ない兵士もいるだろうし
愛国心、家族を守るためという国の言い分を信じて自ら入隊した兵士もいるだろう
もっとも自由を謳歌したい時期に、軍用機に乗って、
時には、上官の命令通り、他国の住民をも巻き込んで爆弾を落としたりしなければならないことを
どう思っているのか、兵士1人1人の思いも複雑で、メディアに語れないことも多いだろう
戦争の親玉は、もっと別の快適な場所にいるんだ
専門家ゲスト:西銘むつみ記者(沖縄放送局)
ゲスト:内藤剛志さん、三田寛子さん
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5月15日は、45年前に沖縄が本土に復帰した「復帰の日」。
それまで右側通行だったのが、急に左側通行に変わったり
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1950年代
1972年 本土返還後も基地はほとんどが残ったまま
緊迫する国際情勢
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ヤナギーの発案で急きょ予定を変更して嘉手納基地に向かう
理由:
もともと沖縄の基地の主たるアメリカ軍の戦略的な役割は
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ベトナム戦争の時は、ここから爆撃機が出動した
記者時代に通ったという基地が見渡せるビルの屋上にあがると
軍用機が離着陸訓練を繰り返しているのは、昔からまったく変わらない風景
ヤナギー:
軍事作戦に関して詳細な発表をアメリカ軍は一切しないから
自分たちの手足や目を使って、材料を集めて、それをぶつける以外に手がない
より基地がよく見えるという「道の駅 かでな」へ
お土産屋さんには、お菓子などの上に戦闘機の写真が売っている
屋上にあがり、ある人を探すヤナギー
基地を撮り続けて40年のフリーカメラマンの渡部さんは、ヤナギーもお世話になった
ヤナギー:
事故や、普段と違う動きがあると教えてもらって、取材をいろいろ手助けしてもらった
取材中も緊迫が走り、ヤナギーも渡部さんも取材そっちのけで軍用機の動きを追う
ヤナギー:なにか降りてきます?
渡部:「コブラボール」(アメリカ軍の電子偵察機
情報は常に無線でキャッチしている
ここには常に報道関係者がいる
ア:今朝のミサイル発射を受けてですか?
渡部:ミッションです
ア:渡部さんは、どうしてずっと撮影し続けている?
渡部:どうなっていくんだろう?という心配が入り乱れて 米軍の動きを知りたい
ア:沖縄の基地って、本当に世界情勢の現場なんですね
渡部:最前線です
ヤナギー:
いまだに嘉手納に行くと緊張します
「コブラボール」は北朝鮮の弾道ミサイルの飛翔コースや着弾時刻を割り出す
世界に3機しかない特殊な軍用機
普段はアメリカ本土の基地にいるけど、何か状況に変化があるとすぐに飛んでくる
後で知ったのは、ミサイルを発射したのは午前6時頃
「コブラボール」は、午前5:30頃に嘉手納を飛び立っている
出来るだけ近くまで接近してデータを持って帰ってきたところだった
ア:
これまで、いろんな「道のえき」に行きましたけれども
目の前で日米安保が繰り広げられていることにビックリした
日本でありながら、渡部さんみたいな方が常に監視を続けなければいけない場所だと知った
ヤナギー:
あの「道のえき」には農産物がなかったでしょ?
嘉手納のほとんどが基地だから農業が出来ない
むつみさん:
中学生の息子がいて、ミサイルのことを何度も聞いてきて
「沖縄には米軍基地がたくさんあるから狙われるんでしょ?」と言われてショックだった
聞くと、部活動仲間とも日常的にそういった会話をしていて
子どもたちを不安にさせていることに、大人として申し訳なく思った
●全国の米軍基地の7割が集中している沖縄
オレンジ部分が米軍専用施設 31箇所あり、2万8000人がいる
面積でいうと島の約15% 日本全体でいうと7割が沖縄に集中している
理由:
太平洋戦争末期の「沖縄戦」で、米軍が上陸して基地をつくったのが発端
アメリカは、沖縄を「太平洋の要石」と呼ぶ
朝鮮半島が近くにあり、南北の境界線ではいまだに休戦状態にある
F15部隊は、もし何かあったら沖縄から約1.5時間で行ける
最近は、南シナ海に進出している中国にも睨みをきかせている
「絶対的に、戦略的に手放せない」というのがアメリカの言い分
内藤:たとえば、1500km地点の基地からならもっと近いのでは?
ヤナギー:基地は点在していても、沖縄に圧倒的に集中しているのが現状
むつみさん:集中していることで事件・事故も相次いでいる
内藤:しかも、答えはないわけでしょ?
むつみさん:おっしゃる通りです
アッキーの母の故郷でもある宜野湾市
ア:母の実家で、親戚も周りにたくさんいるので、ワクワクします
普天間基地
宜野湾市の24%の面積
周囲に9万7000人が生活しているため、「世界一、危険な基地」と言われる
2016.12 名護市海岸でオスプレイが大破する事件があった
ア:「不安だ」と言っていた仲村さんのことを思い出したんですよ
仲村さん:
うちの上空を飛び回っているから怖いです
でも、こういう気持ちって全然伝わらないみたいで歯がゆい
常にこういう状態 アメリカ軍に脅かされて生きている
ア:逆に、仲村さんが安心する時ってどういう時だと思います?
仲村さん:ほとんどの基地が撤去される時でしょうね
●2014年、ヘリコプターが大学キャンパスに墜落した事件現場へ
夏休み中で、奇跡的に怪我人はなかったが、
住宅街にも機体の一部が落ちて、住民の不安が一気に高まった
男子学生:
学校にも落ちて、また落ちる 何も改善されていない
まだまだ、飛んでいるだけで怖い
男子学生:
たまたま自分の所に落ちていないだけで、落ちる可能性が“高い低い”でなく、飛ばないでほしい
大学の屋上からも基地が見える
オスプレイがエンジンを回しているところだった
●沖縄市に戻る
若い男性:
自分はここが好きです
アメリカ人も優しくて、フレンドリーな方が多いので
言葉が通じなくても、いきなりハイタッチとかしてくるし
高齢男性:
「好きか嫌いか」と言ったら、これは言えない
あの人たち(米兵)がいるから生活できる人もいるし
こういうことは、あまり言えない
(戦争や問題をつくるのはいつも一部のトップ、政治屋、金持ち連中で
民衆は1人1人のフツーの人間なんだ
●米兵の給料日で賑わっている夜の街へ
人気のライヴハウスを取材 オーナーはこの店で40年間歌っている
(なんだっけこの曲 '70年代のロック 外国人と日本人が入り混じって踊っている
ヤナギー:昔はペイデー(給料日)だと、もっと人がたくさんいた気がするけれど
オーナー:
北朝鮮とか、いろいろな問題が起きて、兵隊も今は少ない
韓国のほうで、アメリカ軍と沖縄にいる軍隊が合同で演習しているし
小さい頃は、(基地が)あるのが当たり前と思っていた
生まれた時には、アメリカ人もたくさんいたし
だから「基地に反対」(の声が)ありますけど、
アメリカ兵との問題って切っても切り離せない、複雑なもの
FAX 沖縄在住20代:
県民全員が基地反対運動をしているわけではないことを知って欲しい
基地で賑わう街があり、仕事がある人もいる
若い人は当たり前になっていて、基地について何も思わない人が多いと思う
オスプレイで何かあると基地問題につなげようとする傾向がある気がしてそのほうが不安です
FAX 沖縄在住20代2児の母:
嘉手納基地付近に住んでいます
映像を見ながら、ああ日常風景だなと思った
爆音だけでなく、ガソリン等の化学薬品のニオイ
夜間も消えないオレンジ色の街頭 静かな夜はありません
先日は、夜間にパラシュート訓練がありました
もし飛行機や、人が落ちてきたら・・・と思うが
ここで生活していくしかない
本土の人には関係ないかもしれませんが、
こういう場所もあると単純に知っていて欲しい
FAX 沖縄在住20代:
もし基地関係の理解を高めたいのであれば
メディアの報道のあり方を変えるべき
反対派ばかりでは理解は深まらないと思う
ネガティヴな方が増えるばかり
(若い人がけっこう見てるんだな でもFAXは沖縄の人ばかり
ア:
今回の旅の中で一番刺さった言葉は、仲村さんの「復帰前と変わらない」という言葉だった
僕の中では、復帰してめでたいというイメージしかなかった
イノ:
テレビだけを見ていると偏ってしまうこともあるかもしれない
若い人たちにとっては、生まれた時から今の状態で、
騒音ですら慣れてしまう哀しさもある
ヤナギー:
20代は復帰を1つの前提として受け入れている
あの「沖縄戦」を知っている年配の方とのギャップがあるし
ひと言で“良い・悪い”“賛成・反対”でくくれないってことが
本土の人に伝わっていないのではないかって思いがある
取材していた時に、近くにいたおじさんから
「マスコミはちょこちょこっと来て、話聞いて、写真撮って、帰って、記事にしておしまい
でも、それで本当に沖縄の現実が伝わってんのかな?
とりあえず1週間住んでみてよ」って言われた
むつみ:
若い人は、昔は今以上に事件・事故が相次いだことも知らなくて、
基地の中で英語を勉強したり、バイトしたり、基地からのメリットを享受している
その世代を責めることはもちろん出来ない
でも、協定があって、「交流」はしていても、けして「対等」な関係ではない
事件・事故があると日本の法律が及ばない
規制線を張られて、現場に入れないとか
若い子たちに伝えていない大人の責任でもある
「復帰」って日の丸振って頑張ってきたけど、フタを開けたら
基地をこんなに残してしまって、次世代に恨まれないか心配になる
●「軍用地の売買」の看板を見かけた
ヤナギー:今朝の新聞にも広告が載っていた「軍用地買います」
不動産屋を取材
店内スタッフ:
沖縄県に今ある米軍基地のことを「軍用地」と言います
買われる方の用途はそれぞれかと思いますが賃料も発生しますので
ヤナギー:
つまり、日本政府が地主さんから土地を借り上げて
地主さんには「1年間いくら」という借り賃を払っている
日本政府は、その土地をアメリカ軍に提供しているから
地主さんは、地代をもらって収入が得られる
ア:どんな方が買われるんですか?
店内スタッフ:県内、県外の方もいます
ア:変な話、一番人気な場所ってあるんですか?
店内スタッフ:嘉手納飛行場は、今のところ「返還」の見込みも・・・
ア:
返還されない以上は、安定的に賃料が入る場所ということですか
戦争で土地が強制的に接収された背景を考えると
感情的に複雑になる部分もなきにしもあらず・・・
●軍用地売買の仕組み
そもそも基地の土地は、戦争でアメリカ軍が強制的に農地を奪ったものだから
土地の所有者(地主)がいる
その土地を買っても住むことはできないが、
日本政府から「借地料」をもらっている
経済情勢に関わらず「借地料」は年々上がっていく
今では「投資ビジネス」になっている
(ヒトはどこまで貪欲にできているんだろう???
ア:「借地料」を地主数で単純に割ると、1年間で200万円になる
むつみ:
アメリカ軍に安定的に土地を提供してもらうために、経済の動向に関係なく値段が上がっていく
補償金の意味合いもあるので
ヤナギー:
今は銀行に預けても変わらない 軍用地を買うと安定収入が入る
実際は、相当高値で売買され、ビジネスになっている
これは違法にはならない
むつみ:
単純計算で年間200万円と言いましたが、実際は、1/4が200万円未満しかもらえていない
よく「軍用地料もらってラクでしょ」て言われる方もいるけれども誤解がある
沖縄の経済は基地がないと成り立たないと思うか?アンケート
まったく逆の結果が出た
(成り立たないわけはないでしょう 昔は自分たちで立派に暮らしていたんだもの
むつみ:
基地が少しずつ返還されている場所もあり、商業施設が建ち
雇用も生まれているから、返還されたほうが自立した経済を営める
復帰したての頃は、県民所得が基地関連収入15%以上あったが、今はその1/4
基地がないほうがより良くなるのでは?という思いもある
ヤナギー:観光地として、大型船も来ているのも見た
イノ:
基地になってしまった時も「よし、じゃあ店をやろう!」って今まで続けてきたんだから
基地がなくなったら「よし、分かった」って、ちゃんと街をつくる力がきっとあると思う
ヤナギー:
20代の間でも基地のない状況で経済を盛り上げたいという議論がかなり活発になってきている
●名護市辺野古
普天間基地が住宅密集地にあるということで、1996年に日米間で返還すると合意している
それには、沖縄県内に代替施設を作るというのが条件だった それが辺野古
2016.5.25 海岸を埋め立てる護岸工事が始まった
工事が進めば、海の現状回復は困難になると言われる
中村征夫写真展「琉球 ふたつの海」
2人が取材したのは工事のニュースの9日前
ア:
こっちが僕らが思う沖縄って感じでキレイな海
でも、ちょっと目線を移すと全然感じが違う
2年前に来た時と変わってますね景色が ブイも近いし
国際情勢とか、防衛とか、いろいろなバランスで「ここが必要だ」と
ヤナギー:
アメリカ軍や、日本政府が言っている
日本全体で「これが唯一の解決策なのか」もっと共有しないといけない
●小さな集落「安部」にもオスプレイが落ちた
途中の小路ににゃんこがいて、動物大好きなヤナギー反応
2016年 ここから数km地点の海にオスプレイが落ちて大破した事故があった
近くに住む男性にインタビュー
Q:普段から飛行機の音は?
しています 最近酷い
もう一人の男性:
オスプレイは欠陥品でないかと思う
いつ落ちるか分からないから不安
イノ:2年前の取材では、インタビューを断られたこともあったじゃないですか
ア:
小さな集落の人たちに世界的な問題を「どうですか?」って聞くのはそもそも違うのかなって思いました
もっと日本全体で一緒に考えることじゃないのか こっちの問題じゃないかと感じた
むつみ:
「基地いりますか? いりませんか?」って選択を、住民に突きつけられるのが理不尽とみんな感じていて
普天間の方も、「辺野古についてどうですか?」て聞かれても
自分たちの痛みを、他へ移せばいいわけじゃない でも減って欲しい
どっちも答えがない
ヤナギー:
辺野古の人たちの中にも「止む無し」という声がある
それを「賛成」って言葉にかえてしまっているけれども
積極的に「来て下さい」とは違う
正直、僕らも沖縄を記事に書く時「沖縄の基地問題」て書くことにものすごい違和感を感じる
日本の問題じゃないか
それを意識しないと現実は捉えられない
<FAX>
神奈川 40代:
沖縄に基地が集中しているのは納得がいかない
気持ちを無視した政府の動き、ニュースの扱いの小ささを見るにつけ
沖縄の人が本土の人が理解していないと感じるのは当然
有働:私たちは何が出来るんですか?
ヤナギー:それがカンタンに分かれば苦労しないんだけどね
内藤:まず知ることから始めようっていつも思う 行くことも大きいと思う
FAX:本島を「本土」と言っているかぎりお互い理解し合えないと感じた
ヤナギー:
北海道でも「外地・内地」て言葉があったけれども
そういう声を聞くと、重みがあるんだなと実感する
むつみ:
言葉に関しては、単に地理的に離れているという意味合いのほうが多いと思うが
本土って言葉を普通に語れない現状は、なんとか変えていきたい
イノ:いろいろ複雑だけれども、キレイな海が壊れてゆくってことが一番最初にある
(これは大きな自然破壊なんだ
三田:
子どもが中学の時に沖縄に行って、観光ではなくいろいろ見て回って
「いろんなことが分かったよ」ってゆったのを聞いて
やっぱり見るとか、聞くとか、実際に自分で動いて得ることが大事だと思った
(戦跡や資料は、都内にもたくさんある 関連本もたくさんあるし
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考えてみれば、この異郷で暮らす若い兵士たちは、寮という檻の中で軟禁生活状態みたいなものじゃないのかな
家が貧しくて給料のために入らざるを得ない兵士もいるだろうし
愛国心、家族を守るためという国の言い分を信じて自ら入隊した兵士もいるだろう
もっとも自由を謳歌したい時期に、軍用機に乗って、
時には、上官の命令通り、他国の住民をも巻き込んで爆弾を落としたりしなければならないことを
どう思っているのか、兵士1人1人の思いも複雑で、メディアに語れないことも多いだろう
戦争の親玉は、もっと別の快適な場所にいるんだ