過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part1からのつづき。
昔のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。
■『おとうと』(1960)
監督:市川崑 出演:岸惠子、田中絹代、森雅之、岸田今日子 ほか
なんだか身につまされるような家庭から心温まるクライマックスと思ったら
湿っぽいままで、いきなりのエンディングってフランス映画じゃないんだから
昔の病院ってほんと陰気だなぁ。壁のひとつも塗り替えるとか花でも飾るとか、
せめて音楽くらい明るくしようよ。毎日お経みたいなのを聴かされたらたまんない。
どこまでも生来の勝気さで弟とケンカしつつ守る姉役に岸惠子が熱演。
森は、ちょっとだらしなく見えても、父として息子と娘、後妻のことを思いやる人。
田中のクリスチャン熱心ぶりはちょっとブキミ。
日本じゃ次第に宗教って煙ったい存在になっていったみたいね。
でも熱心な人に偏った人が多いような気がするのはなぜか。
■『わが生涯のかがやける日』(1948)
監督:吉村公三郎 出演:森雅之、戸田節子、山口淑子 ほか
父を殺した男でも愛しちゃう。森だったらあり得る ワルな格好も似合うこと。全然嫌味じゃない。
TにせよKにせよ元々戦時中は真面目青年とお嬢さまなだけに、
悪ぶって落ちぶれてても仮の姿。すぐお嬢さま、青年に戻っちゃうのが可笑しいw
ヤクザ映画ジャンルとしては、今じゃバイオレンス、セックス、血の連続、スピード展開になれてるから、
やけにトロく感じるけど、人情ドラマなんだよね。
金持って2人で逃げることもできたろうに、わざわざボスに「これから自首して、あんたを潰す」って言って、
のんびり決闘しちゃうんだから・・・
Tの兄の職は検察官だっけ? 自由思想の若者を拷問してたのかな? 日本もナチみたいな時があったんだな。
山口がハリウッドのクラシック女優のように美しい妖艶な魅力!
■日本の歌謡映画シリーズ『ノンちゃん雲に乗る』(1955)
監督:倉田文人 出演:鰐淵晴子、原節子、藤田進 ほか
原つながりで借りたんだけど、すっかりこの天才少女、鰐淵晴子のファンになっちゃった。
歌謡映画ってミュージカルとは違うのか?w 童謡が多いけどね。
父がバイオリニスト、母がドイツ人だよ! バイオリン弾けて、天使の歌声、
バレエを踊っても様になって、演技もしっかりしてる!
日本映画の当時としては、異色のファンタジー、フシギでエキセントリック、和風OZの世界!
藤田と原の両親ってのもゴージャス。愛犬のエスが可愛い
「ウソをついたら帰してあげる」「ウソは嫌いなのおおおお」と泣き崩れるw
組長になって喜んだり、小学生にしちゃやけにいい言葉でハキハキと挨拶する子どもは時代柄?
でも可愛い子にちょっかい出したがる男の子はいつでもいるね。
一番可笑しいのは、母と兄が東京に行ったと知って号泣して父を困らせるシーン。
「××しませんよう」「○○ですよう」と泣いても、なんかお年寄りっぽい喋り方w
本人はいたって真面目だからなお可笑しい。
子どもって可笑しいね。時々大人に近くて、時々動物みたいに理屈が通らなくなる。
冒頭に原も歌うシーンがあるが、本人の声? 原が母なんて理想的。
■『キューポラのある街』(1962)
監督:浦山桐郎 脚本:今村昌平 出演:東野英治郎、吉永小百合、市川好郎、浜村純、菅井きん、浜田光夫、北林谷栄、加藤武 ほか
川口は鋳物職人の町だったんだ。中小企業の町。
まだまだみんな貧しかったけど「OK」「Bye!」とか喋ってて、
「中学出て働け」という親と「高校出なきゃ一生下積みで終わる」と学校教育の重要性に気づき始めた時代。
子役がすごく上手い! 吉永小百合も当時18歳で最年少ブルーリボン賞とっただけある。
苦境に負けないで希望に溢れた若者役を好演。
パチンコ屋でバイトしたり、弟は新聞配達、クズを盗もうとしたり、
「俺もそろそろ考えないと」って小学生のうちから言ってるんだからエライ!
月給が2万だって、弟が盗んで飲んでた牛乳、
その家の息子は「病気の母のために働いているのに何にもならない!」と怒る。
毎日がその日暮らしの不安定な生活。
でも世の中がもっと便利に発展していくっていう変化が目に見えてわかったから希望も抱けたのかも。
■『生まれてはみたけれど』(1932)
監督:小津安二郎 出演:斎藤達雄、吉川満子、菅原秀雄 ほか
サイレントで弁士付きと思ったんだけど、全くの無声とゆーか無音・・・?? これでいいのか?
時々入る字幕だけじゃ細部が分かりにくい。
それにしても昔はサラリーマンってそんなに情けない職業だったのか?
「お前たちはヤクザな会社員なんかになるんじゃないぞ」てそんなに貶さなくても
男子の友情って微妙だな。変なプライドと強弱で成り立ってるんだ。
“スズメの卵飲んで強くなる説”みたいな摩訶不思議な理論があるんだよね、子ども世界って。
ま、子どもから見たら大人世界のほうが不思議か。父親に物言えるだけ自立してるんじゃない?
どんな人が一番偉いか、説明してできないこともないだろうに、子どもには通用しないのかな。
ちなみにここで飼われている犬も“エス”。腹痛でお医者さん呼んでもらうくらいだから結構いい家なんじゃないか?
■『青い山脈』(1949)
監督:今井正 出演:原節子、木暮実千代、池部良、杉葉子、若山セツ子、龍崎一郎 ほか
とにかくラブレター1枚でこの騒ぎになっちゃうんだから改革って大変!!
考えれば戦前も戦後も人々の良心と道徳観の根底は変わらず、
世の中の建前だけが歪んでいたんじゃないかな?
「しかめ面してる人ほど女グセが悪く、戦時中は不名誉な病気で産婦人科に・・・」
と弱い下ネタで抑えてる
快活にバスケやテニス、水着で泳いで自己主張する杉葉子がイイ。
封建的な田舎町にしては、理事会で納得が早かったな。
実情はまだ女はお嫁に行って、夫に殴られ、子どもを育てるって考え方が父母に残っていたんじゃない?
今作で日本は変わるってアピールしたかったのか、先陣切って。
今じゃ解放されすぎて、10代の妊娠、中絶問題など、なんでもいきすぎはよくないもんだ。
■『NHKスペシャル 大英博物館 第2集』(1990)
「王に触れるな、王は神なり! エジプト・大王ラムセスの帝国」
音楽:式部 案内:壇ふみ VOICE:おおたか静流
1753年ロンドンに建設。1000万点という収蔵品。5000年に及ぶ人類文明をおさめる大英博物館。
中でもエジプトのコーナーは素晴らしかった
1799年、ナポレオンが発見したロゼッタストーンに書かれたヒエログリフによって明らかとなった
人神ファラオと、人々の高度で神秘に尽きない生活、祭り、文化etc...
今作では王の中の王、ラムセス2世にスポットを当てる。
ラムセル1世、父セティと続き栄華を取り戻したエジプト。
2世は幼い頃から王となるべく教育を受け、90歳で亡くなるまで権威を保持したという。
太陽神ラー・アメン神の化身とされ、太陽の光の演出を計算しつくされた巨大なアブシンベル神殿、
死後の世界観を描いた『死者の書』等、エジプト文明の遺産には興味が尽きない。
とにかく1日じゃ見きれなくて早足で見て、説明もなかったから、
どれがどんな物語を持つのか知らないまま見学したのは残念。
ビデオにするにもエジプトコーナーだけで何十巻にもなっちゃうだろーけどね。
■『風花』(1959)
監督:木下惠介 出演:岸惠子、久我美子、有馬稲子、笠智衆 ほか
岸の円熟した演技と、久我の因習にとらわれない新鮮な魅力の競演がイイ。
昔の閉鎖的な村社会って、ちょっと道からそれたら、それこそ末代の恥にもなりかねないくらい、窮屈だったんだな。
■『破れ太鼓』(1949)
監督:木下惠介 出演:阪東妻三郎、村瀬幸子、森雅之、小林トシ子、桂木洋子、宇野重吉、東山千栄子 ほか
なんだかとっても身近に感じるな、この家族
ちょっと前までは、こういうワンマンでガンコな親父だらけだったんだろうね。
「愛のない生活は孤独。子ども6人1人ずつ愛したら6日、残りは母にあげればいい。英雄は己を知る」
まるで武士道みたいな父、でも根底の愛情を信じて引き出した家族の絆はスゴイ力。
森は気が弱いが人生プランを立て、長男として家族を守ろうとする役をコミカルに演じている。
父役の坂東もいかにもどこかにいそうなガンコ親父をオーバーに誇張して
(いや、これぐらいの人もいるかな)憎めない父を熱演。
■『NHKスペシャル 大英博物館4 インド編』
「姿なきブッダのかたち インド 仏教美術の源流」
音楽:式部 案内:壇ふみ VOICE:おおたか静流
19C、英考古学調査隊が発掘した推定1〜2C南インド・アヌラーバティ王朝時代の仏塔跡は、
仏教の開祖・ブッダの生涯を物語る浮き彫りがほどこされ、
大半が大英博物館に特別に保管され(石灰のため、温度、湿度が一定)30年も非公開になっている。
バラモン(一部の高僧)が権力を握り、人々を支配していた時代。
ブッダは“宗教は一切を救うべき”と悟りを得て、1人直談判した。
様々な考えが各地で起こってた1つだったらしい。
布教の末、80歳で亡くなり、涅槃(煩悩から解き放たれた理想の境地)、
仏塔(ストゥーパ)が各地に造られ、浮き彫りにはブッダ自身の姿はなく、
仏足、菩提樹(ブッダの母がこの木の下で産んだ)等であらわしていたが、
ローマ、ギリシャとの商業が盛んになり、神を人間像にする文化が流れこみ、仏像の原型が生まれたという。
その後、ヒンドゥー教が復活、仏教は中国、日本に移り栄えることとなる。
今でも12年ごとに行われるヒンドゥーの祭りにガンジス川で沐浴する人々がいる。
川の水はキレイとは言えないんだがなあ・・・
仏教・仏像の起源を聞いたのはこれが初めて。
インドの今の風景と浮き彫りをオーバーラップした映像美がリアルに歴史のロマンを蘇らせる。
part1からのつづき。
昔のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。
■『おとうと』(1960)
監督:市川崑 出演:岸惠子、田中絹代、森雅之、岸田今日子 ほか
なんだか身につまされるような家庭から心温まるクライマックスと思ったら
湿っぽいままで、いきなりのエンディングってフランス映画じゃないんだから
昔の病院ってほんと陰気だなぁ。壁のひとつも塗り替えるとか花でも飾るとか、
せめて音楽くらい明るくしようよ。毎日お経みたいなのを聴かされたらたまんない。
どこまでも生来の勝気さで弟とケンカしつつ守る姉役に岸惠子が熱演。
森は、ちょっとだらしなく見えても、父として息子と娘、後妻のことを思いやる人。
田中のクリスチャン熱心ぶりはちょっとブキミ。
日本じゃ次第に宗教って煙ったい存在になっていったみたいね。
でも熱心な人に偏った人が多いような気がするのはなぜか。
■『わが生涯のかがやける日』(1948)
監督:吉村公三郎 出演:森雅之、戸田節子、山口淑子 ほか
父を殺した男でも愛しちゃう。森だったらあり得る ワルな格好も似合うこと。全然嫌味じゃない。
TにせよKにせよ元々戦時中は真面目青年とお嬢さまなだけに、
悪ぶって落ちぶれてても仮の姿。すぐお嬢さま、青年に戻っちゃうのが可笑しいw
ヤクザ映画ジャンルとしては、今じゃバイオレンス、セックス、血の連続、スピード展開になれてるから、
やけにトロく感じるけど、人情ドラマなんだよね。
金持って2人で逃げることもできたろうに、わざわざボスに「これから自首して、あんたを潰す」って言って、
のんびり決闘しちゃうんだから・・・
Tの兄の職は検察官だっけ? 自由思想の若者を拷問してたのかな? 日本もナチみたいな時があったんだな。
山口がハリウッドのクラシック女優のように美しい妖艶な魅力!
■日本の歌謡映画シリーズ『ノンちゃん雲に乗る』(1955)
監督:倉田文人 出演:鰐淵晴子、原節子、藤田進 ほか
原つながりで借りたんだけど、すっかりこの天才少女、鰐淵晴子のファンになっちゃった。
歌謡映画ってミュージカルとは違うのか?w 童謡が多いけどね。
父がバイオリニスト、母がドイツ人だよ! バイオリン弾けて、天使の歌声、
バレエを踊っても様になって、演技もしっかりしてる!
日本映画の当時としては、異色のファンタジー、フシギでエキセントリック、和風OZの世界!
藤田と原の両親ってのもゴージャス。愛犬のエスが可愛い
「ウソをついたら帰してあげる」「ウソは嫌いなのおおおお」と泣き崩れるw
組長になって喜んだり、小学生にしちゃやけにいい言葉でハキハキと挨拶する子どもは時代柄?
でも可愛い子にちょっかい出したがる男の子はいつでもいるね。
一番可笑しいのは、母と兄が東京に行ったと知って号泣して父を困らせるシーン。
「××しませんよう」「○○ですよう」と泣いても、なんかお年寄りっぽい喋り方w
本人はいたって真面目だからなお可笑しい。
子どもって可笑しいね。時々大人に近くて、時々動物みたいに理屈が通らなくなる。
冒頭に原も歌うシーンがあるが、本人の声? 原が母なんて理想的。
■『キューポラのある街』(1962)
監督:浦山桐郎 脚本:今村昌平 出演:東野英治郎、吉永小百合、市川好郎、浜村純、菅井きん、浜田光夫、北林谷栄、加藤武 ほか
川口は鋳物職人の町だったんだ。中小企業の町。
まだまだみんな貧しかったけど「OK」「Bye!」とか喋ってて、
「中学出て働け」という親と「高校出なきゃ一生下積みで終わる」と学校教育の重要性に気づき始めた時代。
子役がすごく上手い! 吉永小百合も当時18歳で最年少ブルーリボン賞とっただけある。
苦境に負けないで希望に溢れた若者役を好演。
パチンコ屋でバイトしたり、弟は新聞配達、クズを盗もうとしたり、
「俺もそろそろ考えないと」って小学生のうちから言ってるんだからエライ!
月給が2万だって、弟が盗んで飲んでた牛乳、
その家の息子は「病気の母のために働いているのに何にもならない!」と怒る。
毎日がその日暮らしの不安定な生活。
でも世の中がもっと便利に発展していくっていう変化が目に見えてわかったから希望も抱けたのかも。
■『生まれてはみたけれど』(1932)
監督:小津安二郎 出演:斎藤達雄、吉川満子、菅原秀雄 ほか
サイレントで弁士付きと思ったんだけど、全くの無声とゆーか無音・・・?? これでいいのか?
時々入る字幕だけじゃ細部が分かりにくい。
それにしても昔はサラリーマンってそんなに情けない職業だったのか?
「お前たちはヤクザな会社員なんかになるんじゃないぞ」てそんなに貶さなくても
男子の友情って微妙だな。変なプライドと強弱で成り立ってるんだ。
“スズメの卵飲んで強くなる説”みたいな摩訶不思議な理論があるんだよね、子ども世界って。
ま、子どもから見たら大人世界のほうが不思議か。父親に物言えるだけ自立してるんじゃない?
どんな人が一番偉いか、説明してできないこともないだろうに、子どもには通用しないのかな。
ちなみにここで飼われている犬も“エス”。腹痛でお医者さん呼んでもらうくらいだから結構いい家なんじゃないか?
■『青い山脈』(1949)
監督:今井正 出演:原節子、木暮実千代、池部良、杉葉子、若山セツ子、龍崎一郎 ほか
とにかくラブレター1枚でこの騒ぎになっちゃうんだから改革って大変!!
考えれば戦前も戦後も人々の良心と道徳観の根底は変わらず、
世の中の建前だけが歪んでいたんじゃないかな?
「しかめ面してる人ほど女グセが悪く、戦時中は不名誉な病気で産婦人科に・・・」
と弱い下ネタで抑えてる
快活にバスケやテニス、水着で泳いで自己主張する杉葉子がイイ。
封建的な田舎町にしては、理事会で納得が早かったな。
実情はまだ女はお嫁に行って、夫に殴られ、子どもを育てるって考え方が父母に残っていたんじゃない?
今作で日本は変わるってアピールしたかったのか、先陣切って。
今じゃ解放されすぎて、10代の妊娠、中絶問題など、なんでもいきすぎはよくないもんだ。
■『NHKスペシャル 大英博物館 第2集』(1990)
「王に触れるな、王は神なり! エジプト・大王ラムセスの帝国」
音楽:式部 案内:壇ふみ VOICE:おおたか静流
1753年ロンドンに建設。1000万点という収蔵品。5000年に及ぶ人類文明をおさめる大英博物館。
中でもエジプトのコーナーは素晴らしかった
1799年、ナポレオンが発見したロゼッタストーンに書かれたヒエログリフによって明らかとなった
人神ファラオと、人々の高度で神秘に尽きない生活、祭り、文化etc...
今作では王の中の王、ラムセス2世にスポットを当てる。
ラムセル1世、父セティと続き栄華を取り戻したエジプト。
2世は幼い頃から王となるべく教育を受け、90歳で亡くなるまで権威を保持したという。
太陽神ラー・アメン神の化身とされ、太陽の光の演出を計算しつくされた巨大なアブシンベル神殿、
死後の世界観を描いた『死者の書』等、エジプト文明の遺産には興味が尽きない。
とにかく1日じゃ見きれなくて早足で見て、説明もなかったから、
どれがどんな物語を持つのか知らないまま見学したのは残念。
ビデオにするにもエジプトコーナーだけで何十巻にもなっちゃうだろーけどね。
■『風花』(1959)
監督:木下惠介 出演:岸惠子、久我美子、有馬稲子、笠智衆 ほか
岸の円熟した演技と、久我の因習にとらわれない新鮮な魅力の競演がイイ。
昔の閉鎖的な村社会って、ちょっと道からそれたら、それこそ末代の恥にもなりかねないくらい、窮屈だったんだな。
■『破れ太鼓』(1949)
監督:木下惠介 出演:阪東妻三郎、村瀬幸子、森雅之、小林トシ子、桂木洋子、宇野重吉、東山千栄子 ほか
なんだかとっても身近に感じるな、この家族
ちょっと前までは、こういうワンマンでガンコな親父だらけだったんだろうね。
「愛のない生活は孤独。子ども6人1人ずつ愛したら6日、残りは母にあげればいい。英雄は己を知る」
まるで武士道みたいな父、でも根底の愛情を信じて引き出した家族の絆はスゴイ力。
森は気が弱いが人生プランを立て、長男として家族を守ろうとする役をコミカルに演じている。
父役の坂東もいかにもどこかにいそうなガンコ親父をオーバーに誇張して
(いや、これぐらいの人もいるかな)憎めない父を熱演。
■『NHKスペシャル 大英博物館4 インド編』
「姿なきブッダのかたち インド 仏教美術の源流」
音楽:式部 案内:壇ふみ VOICE:おおたか静流
19C、英考古学調査隊が発掘した推定1〜2C南インド・アヌラーバティ王朝時代の仏塔跡は、
仏教の開祖・ブッダの生涯を物語る浮き彫りがほどこされ、
大半が大英博物館に特別に保管され(石灰のため、温度、湿度が一定)30年も非公開になっている。
バラモン(一部の高僧)が権力を握り、人々を支配していた時代。
ブッダは“宗教は一切を救うべき”と悟りを得て、1人直談判した。
様々な考えが各地で起こってた1つだったらしい。
布教の末、80歳で亡くなり、涅槃(煩悩から解き放たれた理想の境地)、
仏塔(ストゥーパ)が各地に造られ、浮き彫りにはブッダ自身の姿はなく、
仏足、菩提樹(ブッダの母がこの木の下で産んだ)等であらわしていたが、
ローマ、ギリシャとの商業が盛んになり、神を人間像にする文化が流れこみ、仏像の原型が生まれたという。
その後、ヒンドゥー教が復活、仏教は中国、日本に移り栄えることとなる。
今でも12年ごとに行われるヒンドゥーの祭りにガンジス川で沐浴する人々がいる。
川の水はキレイとは言えないんだがなあ・・・
仏教・仏像の起源を聞いたのはこれが初めて。
インドの今の風景と浮き彫りをオーバーラップした映像美がリアルに歴史のロマンを蘇らせる。