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notes and movies(2003.2〜 part2)

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過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part1からのつづき。
昔のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


■『鉄男』(1989)
監督・脚本・美術・照明・編集・撮影・出演:塚本晋也 出演:田口トモロヲ、藤原京、石橋蓮司 ほか
ひやむ推薦。インパクトあるタイトルとジャケット写真で気にはなっていたが、
こういう前衛&試験的なのは体調のいい、時間にゆとりがある時じゃないとね
病気そのものってカンジ。地獄で見続ける悪夢。
安心して死ぬことすらままならない。こういう作品って“付き合わされる拘束感”を感じる。

まさに自作自演の低予算。藤原は衣装や助監督も兼用。ヨーロッパのなんか賞をとったんだっけな?
TVチャンピオンの特殊メイク選手権に出れるよ。カラーじゃとても耐えられまい。
ゴールデンタイムだってムリだ。子ども、大人だってコレを観て「カッチョいい〜」て真似する奴も出かねない。
一応、撮影風景は和やかだったっりして。カットの後「今の笑えるよねー!」みたいな。
たしかモックンの出た『双生児』も同監督? アレも独りよがりでワケ分かんなかったな、長いし。


■『まぼろし』(2001)

監督:フランソワ・オゾン 出演:シャーロット・ランプリング、ブリュノ・クレメール ほか
静かな映像が自然なリアリティを演出。子どものいない熟年夫婦に訪れた突然の死。
泣き叫ぶわけでもなく、ただ受け入れることを拒んで日常に戻されてゆくという現実。
誰かを愛するということは、その人の死さえも受け入れることでもある。
ランプリングの自然な内部から湧き出る知性と美しさ、抑えた演技が、
テーマをより深く訴えるにふさわしいものにしている。

「自殺するような一族じゃない。男の夢を追って家出したんだよ。あんたに飽きたか、家族も作らないから」
「老人ホームより精神病院に行くべきよ」
「あんたのほうが先に入るさ。母と子の絆をナメちゃいけない」
「私は妻よ」
こんな会話が哀しい。近い関係で愛すればこそ傷は深く受け入れがたいんだ。

新しい恋人を見つけるべきかもという思いと、夫への未練、罪悪感が
眠る妻に触れる2人の男の手で表現されているのが象徴的。
老衰による自然死ならまだしも、まだ若いうちに亡くしてしまった、残された家族の悲しみと絶望、
どうしようもない空虚感は想像もできない。
それでも自分の人生を生き抜く力もやはり持っているのが生命の力。


■『インソムニア』(2002)
監督:クリストファー・ノーラン 出演:アル・パチーノ、ロビン・ウィリアムズ ほか
犯人当てミステリーではなく、ベテラン警官を巻き込むことで“人が人を裁くこと”
“何が正しく、何が罪なのか?”を深く問い質す作品になっている。

良心の呵責から不眠症になり、精神も体も限界になることでタイムリミットの緊張感も生まれる。
同僚を撃ってしまった男は、刑事として犯人を挙げる正義感と、良心に苛まれ、
結果死ぬことで永遠の眠りと安息を得られるというラストが哀しい。
刑事役が板についてきたアル・パチーノと、変質者づいてる?ロビンのベテラン競演が見所。
アメリカ田舎の壮大な自然美が素晴らしい。

ロッジの女主人が証拠捏造についてどう思うか訊ね
「その時正しいと思ってしたことなら、それとともに生きるしかない」という答えがイイ。
善悪は必ずしも常に完璧に白黒つけられるものではなく、ましてや、一警官、一判事の判断ですべて解決するものでもない。
その時何をすべきかは、自分の良心の物差ししかなく、それが正しかったか、失敗だったか、
どちらにせよ、一度下した決断は消せない過去となる。


■『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』(2001)
監督:ウェス・アンダーソン 出演:ダニー・グローバー、ジーン・ハックマン、アンジェリカ・ヒューストン、ビル・マーレイ、
グウィネス・パルトロウ、ベン・スティラー ほか ナレーション:アレック・ボールドウィン
本を読む感覚で進む。淡々としながらも変テコファミリーがひとつにまとまるまで。
多彩なキャスト皆クセがあり、ファッション、音楽で醸し出す'70っぽさがハマる。
ヴァン・モリソン、ヴェルヴェッツ、ニコetc...

マンガのような静止画と抑揚のないセリフ回しがなんとも言えない。
親子、兄妹の愛情表現は十人十色、何十年ものブランクも古い傷も
誠意ある言葉と、たった数日間でも取り戻せるだろうか。

こんな風に和解して納得して最期を迎えられるのは幸せなことだろう。
ビーグル犬が可愛い(轢かれちゃったけど・・・


■『御法度』(1999)
監督:大島渚 出演:ビートたけし、松田龍平、武田真治、浅野忠信 ほか
大島渚の復帰作品。『戦場のメリークリスマス』 のメンツ以下豪華スタッフでの時代劇。
とはいえ、幕末のせいか、イスに座ったり、考え方、喋り方も現代風。しかもテーマが侍のゲイ騒動。
たけしさんが珍しく?一番冷静で公平な立場。時代の変化は武士魂を失わせ、統率力も落ちたと見える。


■『華の愛』(2001)
監督:ヨン・ファン 出演:宮沢りえ、ジョイ・ウォン ほか
ここ最近は宮沢りえの当たり年。今作と国内の時代劇で賞を総なめした。
まだヤセすぎくらいと思うが、その美しさに円熟味が加わり、女優として大輪の華を咲かせたというところか。

今作は時代の変化とともに衰退していった貴族社会と、それに翻弄された2人の女性の
同性愛にも似た愛情物語をまったりと描いている。超高音で歌われる伝統的な歌が作品を彩る。

ラストが曖昧で物足りないが、敢えて湿っぽいドロドロした部分を省略したのだろう。
複雑な思いに悩み苦しむジョイ・ウォンの演技力の確かさ、これ以上ない男性の魅力を持つ男優にも注目。


■『チャーリーズ・エンジェル』(2000)
監督:マックG 出演:ビル・マーレイ、ドリュー・バリモア、キャメロン・ディアス、ルーシー・リュー ほか
女性アクションものが続く中、三様の個性と美貌の3人が見せる本格アクションは痛快!
TVシリーズを一新させて、こちらもすでに2を製作中の上、『新絶叫計画』でもパロられてるあたり、
分かりやすいギャグと展開、お色気サービスたっぷりのハリウッド娯楽の王道。
数十曲のノリノリサントラの中には、なんと!ピチカート・ファイブもあり、
Fatboy Slim 、ロッド・スチュアート他豪華アーティスト目白押し。

開放的すぎて車狂のキャメロン、ワルのドリュー、機械ものに強く、俳優と付き合ってるルーシー。
ちょっと鍛えてあれだけになれるなら大したものw
でも、どんなに強くても、イイ男には従順で、チャドって男に支配されてるんだよね。
レース会場でのドリューのお色気作戦ほか、スキなしのボディをフルに使って、
いろんなファッションに身を包み、やりたい放題の開放感も観ていて楽しい。


■『レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ』(1989)
監督:アキ・カウリスマキ 出演:マッティ・ペロンパー、カリ・ヴァーナネン ほか
同監督の新作『過去のない男』のサントラにCKBが使われるとのこと。以前聴いてファンになったらしい。
フシギなリーゼントに、同じくとんがった靴の大所帯バンドは、今作のヒットで来日も果したとか。
民謡から急にロックもできちゃうところが可笑しい。
星の数ほどいる明日のスターを目指すバンド。客の心を掴む、掴まないって実際何がポイントなのか?
見た目インパクト+演奏レベル+曲の良さ?

「なぜウケないか? 顔色が悪いからだ」

死体を運んでいるのを咎められ、留置所に数日間入れられてる間もずっと缶を叩いて音楽好きなのが笑える。
ホーンもしっかり入るとけっこーイケる音v 続編も作られたが今作ほどじゃないとか。


■『キューティ・ブロンド』(2001)
監督:ロバート・ルケティック 出演:リーズ・ウィザースプーン、ルーク・ウィルソン  ほか
F氏オススメ。観て3日も経ったから細かいところまで覚えてないが
アメリカン・ドリームの女の子版。途中所々安易な展開はあるけど、軽いラブコメで観た後爽やかだからOK。
ペディキュアの中年女性と仲良くなり、配達人との間もとりもつ。
落し物を拾って、胸を張りながら起き上がるやり方は、成功率90%の男の落とし方とか? うーんアメリカでのみ通じる?
F氏曰く「ヒロインの顔が好きじゃなかったけど、観た後可愛く見える」んだとかw


■『ハリー・ポッターと秘密の部屋』(2002)

監督:クリス・コロンバス 出演:ダニエル・ラドクリフ ほか 戸田奈津子訳
待望の第2作。ポスター等ではトビーがクローズアップされてた。
奇しくも同時期に、しかも同じく3部作で、同じファンタジー原作ものの『ロード・オブ・ザ・リング』
の2作目にも似たようなゴブリンが出てきて、まともに張り合ってる感じ
私は今シリーズのほうが好きだが、けっこー話が込み入ってきたから、子どもらが観て理解できるのか?

ハリー役の子が急に大人びてビックリ ロンは声変わり?
どんどん成長してゆく彼らのもっとも儚く、美しく過ぎ去ってゆく時代を夢物語とともに
急ピッチに記録しているタイムリーさがなんとも言えない。
ジニー役の子も妙に色気があるし、エセ教師役にはケネス・ブラナーがはじけている。
しかし、重要な校長役が本作を撮って亡くなったということで、残る1作をどうするのか気になる。
CGシーンも1作目は多少機械っぽい部分が残っていたが、今作ではより自然でスピーディに展開してゆく。
ストーリーに溶け込み、リアルなマジックワールドに完成v

「生まれより、何を選択するかで人間が決まる。自分で決めるんだ」みたいなセリフがとてもイイ。
トビーはHの機転で主人から靴下をもらって奴隷から自由の身となる。


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