過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
今回はスカパラの切り抜きが貼ってある透明なルーズリーフからご紹介。
photo1:ロッキングタイムほか@野音
photo2:PE’Zもいる。
photo3:ミシェルも見たv
昔のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。
■『新・仁義なき戦い』(2000)
監督:阪本順治 出演:豊川悦司、布袋寅泰、佐藤浩市、岸部一徳、村上淳、松重豊、哀川翔 ほか
これがシリーズで今のところ最新。音楽も布袋さんが担当。
最初のつかみを使った今っぽいロック系と、ラストはヤクザ映画にありがちな渋い歌謡曲系。
話はやはり組長の座を争う内部抗争。
だいぶ静かな争いがホラーと同じで、指をつめたりする基本的ルールは今でも変わってないのね。
やってることはずーーーっと同じなんだな。キリがない。
どんどん若い連中(主に暴走族とかをスカウトしてるらしい)を取り込んで、
この不況下でも様々なビジネスをやって活動を続けてる。
下っ端から始まって上へのし上がるには、サラリーマン以上に厳しい世界じゃないかな?
上下関係もハンパない。時に体育会系な情も絡めてる。
だんだん男性ホルモンが薄くなってきてるし、昔ほど凄みのある男がいなくて、そのうち弱くなってこないかな。
しかし土木系だけじゃなく、「○×経済事務所」なんて看板もあるんだ。
黒い車といかついオジサンたちがいなかったら一見分からないよね。
■『チョコレート』(2001)
監督:マーク・フォスター 出演:ハル・ベリー、ビリー・ボブ・ソーントン ほか
初の黒人女優オスカー作品ということでいかにアカデミーが偏ってるか改めて分かった。
『マルコムX』『アメリカン・ヒストリーX』ほか同テーマは繰り返し描かれ、
そのつど波紋はよんでもなかなか根絶しない根強い差別意識。
「黒い女を抱いてこそ男だ」
アメリカ映画はあくまでもハッピーエンドにしたいらしい。納得できたのだろうか?
報復は憎しみしか生まないが、差別の家に育ち、そう簡単に考えが根本から変わるか?
ヒロインがハル・ベリーほど美しくなかったらどうか?
今作のように差別は、親や環境から受け継がれているもので、それ自体深い理由などない。
人には生まれつき良心があって、差別主義ですらその矛盾に無意識では抵抗を感じ、苦しいことだろう。
ここまで極端でなくても誰でも心の中に優劣を作ることがある。
自尊心のためだったり、恐怖心からくるもの、この2人の男女のように
どん底の悲しみを共有することでしか同じ人間だと気づけないのは悲しいことだ。
■『サイン』(2002)
監督:M.ナイト・シャマラン 出演:メル・ギブソン、ホアキン・フェニックス ほか
思った通りのB級ぶり。妻の死に泣けもせず、宇宙人との対決に恐怖も刺激もなく、
政治的陰謀もなく―――唯一コメディとしてなら観れる1作。
やたらとアップの多い撮り方が素人臭いし、ひいた男はMr.ビーンソックリw
奇跡を信じろという宗教映画か。
逆光を浴びて、なんか足がいっぱいの、着ぐるみのモジモジ君に近い。
『シックス・センス』では、あんなに緻密なプロットと、
真に迫る映像でアッと驚かせた監督がなぜこんなことに・・・
F氏がオススメの誕生パーティのビデオに写った宇宙人もデカすぎる。
以前“これマジ!?”で流した小人型のほうがカワイクて好きだな
■『ドニー・ダーコ』(2001)
監督:リチャード・ケリー 出演:ジェイク・ジレンホール、ドリュー・バリモア ほか
『シックス・センス』的ドンデン返し。
限られた時間と着ぐるみウサギ、カッチョいい主演男優がブッ飛びまくり。
バリモア出演が不安だったが、怪しい彼とともに意外な使われ方をしていてgood!
絶望感漂うREM風音楽もハマってる。
そんなに自分の死期が知りたいか? タイムリミットが分からなきゃ楽しめないか?
“リヴァースムーヴィー”が流行ってるなあ。
腐った大人と、ダルイ学校、異常と正常の境が分からない日常。
「自分の最期を安心して迎えるために夢に見せてもらいたい。やりたい事がたくさんあるので」
でも一体どこまでが妄想なのか?
本人はよく納得しても、死で最も辛いのは残された家族ではないのか?
■『THE X-FILES SEASON 6』
監督:クリス・カーターほか 出演:デイヴィッド・ドゥカヴニー、ジリアン・アンダーソン ほか
【FILE No.609 Terms of Enderament】
久々の再会! この曲聴くと心が落ち着くw それにしてもなんだかなぁ。
『ローズマリーの赤ちゃん』のパロか。ここまでくるとブラックジョーク。
X-FILEは超自然現象をなんとかリアルな現実的こじつけ理由をつけて、
少なくともスカリーが納得するように作るところがミソだと思うんだが・・・
元妻に魂を与えるこの悪魔「ノーマルな子どもが欲しかっただけ」ってイイ奴じゃんw
【FILE No.610 The Rain King】
今度は究極の雨男w ほんとにネタに困ってきてるみたいね。
♪Over the Rainbow が流れる中、これまたウソっぽいほど夢みたいな虹の風景。
「スカリーみたいな魅力的な女性と一緒にいて何もしてないだって?」
S「モルダーが恋の相談相手? あなたが最後にデートしたのは一体いつのこと?」
などのギャグもまじえつつ、恋のキューピッドになった2人のほのぼのエピソード。
■『クローン』(2001)
監督:スペンサー・オーラム 出演:ゲイリー・シニーズ、マデリン・ストウ ほか
ゲイリーファンのための1本か?w あとSFファン。
でもストーリー展開としては物足りない。近未来ものでは金がかかってるほうだが。
スパイ同士と知らずに愛し合ってたってワケ?ってゆー悲哀が残るSFらしい結末。
人の体温を感知したり、脊髄の部品で犯人を確実に追う未来の捜査や、
切り傷をシューっとふさぐ医療器具、手形でロックするドアetc...ステキな未来世界アイデア満載。
『タイムマシン』にはこの要素が足りなかったからSF映画としちゃ弱い。
が、なんといっても今作の見所はゲイリーv 『ザ・スタンド』の頃のステキな姿復活
いつも苦虫噛んでるような目元、ほどよく鍛えられてるスレンダーボディ、
危機に追いつめられる演技も素晴らしい〜。
完璧な美にちょっと老いが見られるマデリンもSFづいてる。
■『ムーラン・ルージュ』(2001)
監督:バズ・ラーマン 出演:ユアン・マクレガー、ニコール・キッドマン ほか
オーソドックスに時代を再現したミュージカル映画を復活させて笑わせるのかと思いきや、
あのパンク風『ロミ・ジュリ』を撮った監督らしく、ヒップホップをカンカンで踊るハイテンション。
話はありがちだがきっちりボリュームある作品にまとまってる。
アップがこれまた満載なのが気になるが、とりあえずニコールは、たとえ汗びっしょりでも、
涙ひとすじ、口から血ひとすじ流してもパーフェクトな美しさ
透明なソプラノも披露。おとぎ話風ストーリー。
考えてみれば公爵は悪くない。ってゆーより金目当てにダマされた可哀相な男じゃないか
挿入歌が他にも♪HERO、♪Sound of Music などなどアレンジして、隠れネタ探しも楽しいかも。
DVDだとなんでもメイキングを見せて夢の種明かしをしてしまうが、撮影方法を見せたら興ざめだ。
映画が夢やマジックでなくなったら意味がない。
古い街並みをなめるようなカメラワーク、オモチャみたいにキラキラしたセットで、夜歌う恋人のシーン、
次から次へと妖しいメイクと衣装のダンサーが踊るショーのシーン、
夢の舞台裏は観客に見せないほうがイイ。
■『穴』(2001)
監督:ニック・ハム 出演:ソーラ・バーチ ほか
予告編にも使われてる最初のつかみが効いてる!
フラフラブンブン(ハエの音)歩いてる少女が学校の電話から119していきなりキャ〜〜〜
と見事な叫びっぷり。穴の中で何があったのかウソの証言に友人の証言。
最後まで引っ張られ、真実を知った後もモヤモヤが残る。
少女の情熱に任せた未熟な愛情。
相手を神格化し、所有できないなら共に死んで永遠に一緒になれると錯覚する。
確かに直接殺人はしていないが、監禁し死に至らせた立派な犯罪だろうに。
少女が原因だとは思わない周囲の先入観を見事に利用し、逆手にとってる。
おいおい、カウンセラーが警察にひと言話せば内側ドラ他、物的証拠はいくらでも見つかるだろうに。
暗い中に食糧もなしに閉じ込められた時の人間の恐怖と衰弱からくる異常行動は計り知れない。
フラッシュライトに照らされるクレジットの演出効果がまた効いている。
■『ドールズ』(2002)
監督:北野武 出演:菅野美穂、西島秀俊、松原智恵子、三橋達也 ほか
なんといっても絵がキレイ 桜から始まって、夏の海、真紅の紅葉、そして雪の白。
日本の四季を舞台に、三様の男女物語が限りなく静寂に綴られてゆく。
暴力的なヤクザ映画から始まった北野作品。
歳を重ねるごとに深く穏やかな心象風景の変化が分かる。
次作『座頭市』も完成前から世界が待ち望んでいるし。
文楽劇がたっぷり5分プロローグとして挿入され、生きているような人形の男女の表情。
和を感じさせる色鮮やかな菅野の衣装が目を引く。
深田の歌うポップスは、なんと小西康治作曲。いろんなところに絡むねえw
人形のように抑えた演技。とゆーか全編歩くだけだが、様々な心情の動きを内包している。
が、皆死につながるのはなぜか?
あっけなく命は消えても、誰かを想う気持ちだけ温かく残り、自然の美しさはそれを静かに見守り、彩って余りある。
今回はスカパラの切り抜きが貼ってある透明なルーズリーフからご紹介。
photo1:ロッキングタイムほか@野音
photo2:PE’Zもいる。
photo3:ミシェルも見たv
昔のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。
■『新・仁義なき戦い』(2000)
監督:阪本順治 出演:豊川悦司、布袋寅泰、佐藤浩市、岸部一徳、村上淳、松重豊、哀川翔 ほか
これがシリーズで今のところ最新。音楽も布袋さんが担当。
最初のつかみを使った今っぽいロック系と、ラストはヤクザ映画にありがちな渋い歌謡曲系。
話はやはり組長の座を争う内部抗争。
だいぶ静かな争いがホラーと同じで、指をつめたりする基本的ルールは今でも変わってないのね。
やってることはずーーーっと同じなんだな。キリがない。
どんどん若い連中(主に暴走族とかをスカウトしてるらしい)を取り込んで、
この不況下でも様々なビジネスをやって活動を続けてる。
下っ端から始まって上へのし上がるには、サラリーマン以上に厳しい世界じゃないかな?
上下関係もハンパない。時に体育会系な情も絡めてる。
だんだん男性ホルモンが薄くなってきてるし、昔ほど凄みのある男がいなくて、そのうち弱くなってこないかな。
しかし土木系だけじゃなく、「○×経済事務所」なんて看板もあるんだ。
黒い車といかついオジサンたちがいなかったら一見分からないよね。
■『チョコレート』(2001)
監督:マーク・フォスター 出演:ハル・ベリー、ビリー・ボブ・ソーントン ほか
初の黒人女優オスカー作品ということでいかにアカデミーが偏ってるか改めて分かった。
『マルコムX』『アメリカン・ヒストリーX』ほか同テーマは繰り返し描かれ、
そのつど波紋はよんでもなかなか根絶しない根強い差別意識。
「黒い女を抱いてこそ男だ」
アメリカ映画はあくまでもハッピーエンドにしたいらしい。納得できたのだろうか?
報復は憎しみしか生まないが、差別の家に育ち、そう簡単に考えが根本から変わるか?
ヒロインがハル・ベリーほど美しくなかったらどうか?
今作のように差別は、親や環境から受け継がれているもので、それ自体深い理由などない。
人には生まれつき良心があって、差別主義ですらその矛盾に無意識では抵抗を感じ、苦しいことだろう。
ここまで極端でなくても誰でも心の中に優劣を作ることがある。
自尊心のためだったり、恐怖心からくるもの、この2人の男女のように
どん底の悲しみを共有することでしか同じ人間だと気づけないのは悲しいことだ。
■『サイン』(2002)
監督:M.ナイト・シャマラン 出演:メル・ギブソン、ホアキン・フェニックス ほか
思った通りのB級ぶり。妻の死に泣けもせず、宇宙人との対決に恐怖も刺激もなく、
政治的陰謀もなく―――唯一コメディとしてなら観れる1作。
やたらとアップの多い撮り方が素人臭いし、ひいた男はMr.ビーンソックリw
奇跡を信じろという宗教映画か。
逆光を浴びて、なんか足がいっぱいの、着ぐるみのモジモジ君に近い。
『シックス・センス』では、あんなに緻密なプロットと、
真に迫る映像でアッと驚かせた監督がなぜこんなことに・・・
F氏がオススメの誕生パーティのビデオに写った宇宙人もデカすぎる。
以前“これマジ!?”で流した小人型のほうがカワイクて好きだな
■『ドニー・ダーコ』(2001)
監督:リチャード・ケリー 出演:ジェイク・ジレンホール、ドリュー・バリモア ほか
『シックス・センス』的ドンデン返し。
限られた時間と着ぐるみウサギ、カッチョいい主演男優がブッ飛びまくり。
バリモア出演が不安だったが、怪しい彼とともに意外な使われ方をしていてgood!
絶望感漂うREM風音楽もハマってる。
そんなに自分の死期が知りたいか? タイムリミットが分からなきゃ楽しめないか?
“リヴァースムーヴィー”が流行ってるなあ。
腐った大人と、ダルイ学校、異常と正常の境が分からない日常。
「自分の最期を安心して迎えるために夢に見せてもらいたい。やりたい事がたくさんあるので」
でも一体どこまでが妄想なのか?
本人はよく納得しても、死で最も辛いのは残された家族ではないのか?
■『THE X-FILES SEASON 6』
監督:クリス・カーターほか 出演:デイヴィッド・ドゥカヴニー、ジリアン・アンダーソン ほか
【FILE No.609 Terms of Enderament】
久々の再会! この曲聴くと心が落ち着くw それにしてもなんだかなぁ。
『ローズマリーの赤ちゃん』のパロか。ここまでくるとブラックジョーク。
X-FILEは超自然現象をなんとかリアルな現実的こじつけ理由をつけて、
少なくともスカリーが納得するように作るところがミソだと思うんだが・・・
元妻に魂を与えるこの悪魔「ノーマルな子どもが欲しかっただけ」ってイイ奴じゃんw
【FILE No.610 The Rain King】
今度は究極の雨男w ほんとにネタに困ってきてるみたいね。
♪Over the Rainbow が流れる中、これまたウソっぽいほど夢みたいな虹の風景。
「スカリーみたいな魅力的な女性と一緒にいて何もしてないだって?」
S「モルダーが恋の相談相手? あなたが最後にデートしたのは一体いつのこと?」
などのギャグもまじえつつ、恋のキューピッドになった2人のほのぼのエピソード。
■『クローン』(2001)
監督:スペンサー・オーラム 出演:ゲイリー・シニーズ、マデリン・ストウ ほか
ゲイリーファンのための1本か?w あとSFファン。
でもストーリー展開としては物足りない。近未来ものでは金がかかってるほうだが。
スパイ同士と知らずに愛し合ってたってワケ?ってゆー悲哀が残るSFらしい結末。
人の体温を感知したり、脊髄の部品で犯人を確実に追う未来の捜査や、
切り傷をシューっとふさぐ医療器具、手形でロックするドアetc...ステキな未来世界アイデア満載。
『タイムマシン』にはこの要素が足りなかったからSF映画としちゃ弱い。
が、なんといっても今作の見所はゲイリーv 『ザ・スタンド』の頃のステキな姿復活
いつも苦虫噛んでるような目元、ほどよく鍛えられてるスレンダーボディ、
危機に追いつめられる演技も素晴らしい〜。
完璧な美にちょっと老いが見られるマデリンもSFづいてる。
■『ムーラン・ルージュ』(2001)
監督:バズ・ラーマン 出演:ユアン・マクレガー、ニコール・キッドマン ほか
オーソドックスに時代を再現したミュージカル映画を復活させて笑わせるのかと思いきや、
あのパンク風『ロミ・ジュリ』を撮った監督らしく、ヒップホップをカンカンで踊るハイテンション。
話はありがちだがきっちりボリュームある作品にまとまってる。
アップがこれまた満載なのが気になるが、とりあえずニコールは、たとえ汗びっしょりでも、
涙ひとすじ、口から血ひとすじ流してもパーフェクトな美しさ
透明なソプラノも披露。おとぎ話風ストーリー。
考えてみれば公爵は悪くない。ってゆーより金目当てにダマされた可哀相な男じゃないか
挿入歌が他にも♪HERO、♪Sound of Music などなどアレンジして、隠れネタ探しも楽しいかも。
DVDだとなんでもメイキングを見せて夢の種明かしをしてしまうが、撮影方法を見せたら興ざめだ。
映画が夢やマジックでなくなったら意味がない。
古い街並みをなめるようなカメラワーク、オモチャみたいにキラキラしたセットで、夜歌う恋人のシーン、
次から次へと妖しいメイクと衣装のダンサーが踊るショーのシーン、
夢の舞台裏は観客に見せないほうがイイ。
■『穴』(2001)
監督:ニック・ハム 出演:ソーラ・バーチ ほか
予告編にも使われてる最初のつかみが効いてる!
フラフラブンブン(ハエの音)歩いてる少女が学校の電話から119していきなりキャ〜〜〜
と見事な叫びっぷり。穴の中で何があったのかウソの証言に友人の証言。
最後まで引っ張られ、真実を知った後もモヤモヤが残る。
少女の情熱に任せた未熟な愛情。
相手を神格化し、所有できないなら共に死んで永遠に一緒になれると錯覚する。
確かに直接殺人はしていないが、監禁し死に至らせた立派な犯罪だろうに。
少女が原因だとは思わない周囲の先入観を見事に利用し、逆手にとってる。
おいおい、カウンセラーが警察にひと言話せば内側ドラ他、物的証拠はいくらでも見つかるだろうに。
暗い中に食糧もなしに閉じ込められた時の人間の恐怖と衰弱からくる異常行動は計り知れない。
フラッシュライトに照らされるクレジットの演出効果がまた効いている。
■『ドールズ』(2002)
監督:北野武 出演:菅野美穂、西島秀俊、松原智恵子、三橋達也 ほか
なんといっても絵がキレイ 桜から始まって、夏の海、真紅の紅葉、そして雪の白。
日本の四季を舞台に、三様の男女物語が限りなく静寂に綴られてゆく。
暴力的なヤクザ映画から始まった北野作品。
歳を重ねるごとに深く穏やかな心象風景の変化が分かる。
次作『座頭市』も完成前から世界が待ち望んでいるし。
文楽劇がたっぷり5分プロローグとして挿入され、生きているような人形の男女の表情。
和を感じさせる色鮮やかな菅野の衣装が目を引く。
深田の歌うポップスは、なんと小西康治作曲。いろんなところに絡むねえw
人形のように抑えた演技。とゆーか全編歩くだけだが、様々な心情の動きを内包している。
が、皆死につながるのはなぜか?
あっけなく命は消えても、誰かを想う気持ちだけ温かく残り、自然の美しさはそれを静かに見守り、彩って余りある。